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6日朝の日本列島を吉報が駆け抜けた。秋篠宮妃紀子さまが無事に男子を出産された。皇位継承順位が皇太子さま、秋篠宮さまに続く第3位となる男子皇族の誕生を、国民全体で心からお祝いしたい。
紀子さまは12年ぶり、しかも皇室では初めて帝王切開による出産だった。部分前置胎盤と診断されたためだが、医療チームが総力をあげて良好な経過をたどった。今後も万全の態勢で見守り、母子ともに元気な姿を早く国民に見せてほしい。
秋篠宮ご夫妻は天皇家では初めて皇居内の宮内庁病院ではなく、東京都港区内にある産院を選ばれた。これも時代を映す皇室の姿の一つとして共感を覚える人も多いだろう。
誕生した男子は天皇陛下の孫の世代では初めての皇位継承資格者となる。政府は今後、即位を前提として秋篠宮家の育児や教育など生活環境の整備を進めていく必要がある。
一方、皇室典範改正論議のなかで皇太子ご夫妻や長女愛子さまに注目が集まった経緯も留意したい。愛子さまの皇位継承可能性は将来も全くないわけでなく十分な配慮が求められる。
棚上げの「典範改正」
秋篠宮家の男子誕生で皇室典範改正論議への影響は避けられない。現行の皇位継承は父方をたどれば天皇につながることを意味する「男系」の、しかも「男子」に限られる。
有識者会議の提言を反映した改正案は、これを「女性」とその子どもの「女系」皇族にも拡大、安定的な皇位継承のため男女を問わず天皇直系の長子(第一子)を優先する内容だ。
改正法案が成立すれば皇太子さまに次ぐ皇位継承は愛子さまになり、将来的に愛子さまの第一子が即位する流れになる。
これに対し自民党内には「男系継承の伝統を重視すべき」との慎重論が根強かった。そこに紀子さまの懐妊発表があり、小泉純一郎首相は改正案の国会提出を見送った。
父方に天皇を持たない「女系天皇」と「女性天皇」の違いも国民が十分認識できておらず、しかも賛否両論あるなかで決着を急ぐような問題ではない。
ポスト小泉最有力の安倍晋三官房長官も、従来から皇室典範改正には慎重な姿勢を示している。しかも男子皇族の誕生とあっては改正論議が当面低調になるのもやむを得ない。
継承の安定は不可欠
少子化は皇室も無縁でない。有識者会議の前段の研究会も天皇、皇后両陛下の将来の漠然とした不安が土台だったという。今のままでは秋篠宮家に生まれた男子が将来的に一人で皇位継承を背負うことになる。
その不安定さや重圧を緩和する皇位継承の在り方の検討を迫られる事態が、やがて到来することは容易に想像できる。
国の将来を見据えて冷静に論議できる環境が整った段階でじっくりと検討を重ね、国民の総意が得られる結論を導くことは決して無理な話ではない。
立憲君主制下で王室をもつ欧州各国は性別を問わずに王位継承に道を開いており長子優先の動きもある。継承権の男女平等機運の高まりを映すものだ。
天皇家は時代を映す皇室の在り方を求められてきた。天皇、皇后が皇太子夫妻当時の子育ても国民には印象深い。「皇室の慣習も社会の動きと一緒に変わっていくもの」との信念を変えなかったといわれる。皇室の在り方を探るうえで社会全体の家族観や男女観、家意識などの変化をどう反映するのか、役割を含めて論議を深めたい。
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