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2005.04.17
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カテゴリ: 映画
「コンスタンティン」とどっちを観るかで3分ほど揉めたが、力の勝利。
ふふん。

さて、宮藤官九郎待望の初監督作品ということで、鳴り物入りの公開のようです。

旬の役者が勢ぞろいで、キャスティングの妙もあり、皆さんすんごく楽しそうに演じていて、観ている方も大変キモチが良い。おススメは金々の阿部サダヲと次郎長の古田新太それから魂の良良。掘り出し物でお初の小池栄子。いい顔してるねえ、あの娘は。
長瀬と七之助のべたべたラブラブ感はとってもOK。チチ繰り合ってる恋人同士のちょっとしたジェラシーとか痴話駆け引きみたいなもんをきちんと表現してるし、逝っちゃってるだけじゃない、そこはかとなく悲しみが漂う男同士の二人連れを好演している。七之助が巧いね。長瀬を見るときは「愛して欲しいの」っていう目をしてる。2人のキスシーンはちょっとジュンっときましたね。

江戸で薄っぺらい現実を生きる市井の人々。
ヤク中喜多さんは弥次さんにこう言った。
「紙っぺらみたいにペラペラだぁ」
リアル(リヤルとは言いたくない)を求めてお伊勢さんに旅立った2人を行く先々で待ち受けるものはリアルとは言いがたい、これまた現実の世界。

人は何処へ行ったって、求めては裏切られ、信じては捨てられる。紙っぺらは表裏一体。リアルと夢もこん然一体、この世とあの世は三途の川の源流をぐるっと回れば繋がってるのさ。
ここにあるのはリアルと夢のようだけど、実は生と死しか存在しない。

原作をフェイバリットしているあたしとしては、全く別物として観ると決めてました。コトブキ先生の世界はあの絵以外では表現できないと思っているし、原作を読まずに観た「ピンポン」はとっても面白かったので、ああいう脚本を書いた宮藤さんならコトブキ版とは違う弥次喜多を作って見せてくれるかも・と思ったし。
それがどちらに対しても礼儀だと思ったので(勝手に)。
そう見ると、クドカン版はコトブキ版を意識しすぎているような気がして残念だった。
意識しなければもっとハチャメチャのクドカン版ができたような気がするのに。コトブキ版を映画化しようとしたのなら、その時点で失敗だ。

楽しい映画ではあったけれど、それはキャラの立て方とセリフやシチュエーションの良さで、キャラに夢中になっている間に観終わっちゃって、結局何を言いたかったのかさっぱりわからんかったのだ。ギミックも効果的に使われているけれど、効果的過ぎてぜーんぶ薄まっちゃったのだ。愛と増と生と死とリアルと夢が。

平たく言うと「懲りすぎ」ていながら「おとなしすぎ」。
こじんまりとまとまっちゃった。
出ている役者はみんなはじけてんのに、クドカン1人遠慮がちってな感じ。

コトブキ版は決してギャグ漫画ではない。むしろ息苦しくなるほど切ない愛の物語だ。しかも愛は主人公2人にだけあるのではなく、出てくる人々皆が愛しく思えるほどに溢れている。それをハチャメチャな世界観で見せることによって、愛のくすぐったさとかやぼったさとかをオブラートにくるんでむしろ愛の持つ破壊力を強烈にしている。(ん?これは「inDEEP」のほうか。まあいいや)


現代の江戸を出すなら、宿場でも時空を飛び越えて欲しかったし。
宿場でのエピソードは、面白さだけじゃなくて根底に流れるものが一本なけりゃ。
その一本というのは三途の川(=生と死)なのよ(たぶん)。
観客は2人と一緒にハチャメチャな宿場宿場を旅しながら死の匂いを鼻先で感じて、知らず知らずに三途の川を遡り、クライマックスでダダーンと源流を回る。そうならなきゃいかんのだ。
それに、なんでキノコの森のバーテンの最期のエピソード、カットしたんかなぁ。


それから大事なエロの要素。
コトブキ版の弥次喜多は枯れた匂いがする。10年以上付き合ってるような、人生の酸いも甘いも噛み分けた大人の男同士の愛だ。コトブキ版の2人からは汗臭いSEXの匂いはしない。
クドカン版は若い弥次喜多なんだからもっと汗臭い掘ってるシーンとか、そういう直情的なエロさがあっても良かったのではなかろうか。
なんていうか、「おしゃれさん」なんだろうかね、クドカンは。全部を薄く薄―く作ってる感じがする。エロかったのは七之助ぐらいだったもの。しかも醸し出してるっていう程度で。
もっともっと原色で、もっともっと際どくて、もっともっとエログロで、もっともっと強烈に愛を!です。


追記:
お父上はさすがでした。
あの衣装を着こなせる歌舞伎役者はそういない。弥次さんと喜多さんが取っ組み合ってる最中、背景に映り込んでいる父上、サイコーです。
この場面を観るだけでも価値がある。
息子よ、もっともっと芸を磨け!





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Last updated  2005.04.18 17:32:19
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