いつか南の島へ

いつか南の島へ

PR

×

Profile

shapocliak

shapocliak

Freepage List

Category

カテゴリ未分類

(25)

映画

(20)

音楽

(4)

(3)

(5)

(0)

(0)

(0)

Comments

shapocliak @ Re:こんにちは♪(03/20) kakashi3108さん コメントありがとうさ…
kakashi3108 @ こんにちは♪ 新着から来ました。まずニコラスケイジの…
shapocliak @ はてさて こんな偏屈で無責任なババアの言うことは…
リリア~ナ・ギッシュ @ なんか おもしろそう!アニメってあんまり好きじ…

Keyword Search

▼キーワード検索

2007.03.04
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
パフューム


この世で唯一無二の嗅覚を持ち、そして体臭を持たない男。
体臭がないことを悲しみ、代わりに自分の生きた証として後世に名を残すことを成し遂げようというモチベーションになり、それが究極の香水作りだった。
体臭の薄い日本人であり、しかもフツーの鼻しか持ち合わせていない私にはまず理解不能。
だからとにかく、彼が感じる匂いを少しでも感じ取ろう、彼の悲哀を感じ取ろう、痛みを分かち合おうと主人公を追っかけているうちに物語が終わった。

キーワードでもある「香り」をどう映像で表現するのかとても興味深かったけれど、主人公が感じる匂いを嗅ぎ取れるはずもなく、かといって主人公と同化できないことにもどかしさを感じることもなかった。

匂いを感じた場面は唯一、果物売りの女の子がプラムの皮を剥いているところ。プラムの甘酸っぱい匂いと、赤毛の女の子からジャスミンとかオレンジの花のような匂いが漂ってきそうで、官能的で芳しいシーンだった。
でもそれで終わり。
彼女が画面の中で死んでしまってから、それ以降、さっぱりなーんにも匂ってこなくなった。

それからは心神喪失状態の匂いフェチがただただ殺人を繰り返していく。

そして話題のラストシーン。
罪人となったグルヌイユが隠し持っていた究極の香水をハンカチーフに一振りすると、看守も被害者の父親も、知らずに涙が流れ出るほどの感情の昂ぶりと幸福感に酔いしれる。
広場に引き出され、群集の前で勝ち誇ったようにハンカチを風の中に放り投げる。
司教も魚売りも貴族も乞食も風に舞うハンカチを追って波のようにうごめく。そして誰彼となく抱き合うのだ。

そこで初めてもどかしくなった。
“愛し合いたくなるってどんな香りなんだろう。やっぱムスクか、それともアンバーか?”
香水の材料は、わかりやすく言えば女達の体臭だ。いかに材料が絶世の美女達であったとしても、身体を脂まみれにしてそれをこそげとって蒸留して調合して良い香りになるとはとうてい思えない。
さらに、初めて顔を合わせた隣人と愛し合うほどの豊かな感情が湧きあがるような匂いとは、それはいわゆる「香水」ではないんじゃなかろうか。
「香水」でないのなら、究極の香りというのは実は類い稀な鼻を持つ主人公グルヌイユにしか認識できない「匂い」=フェロモンだったのではなかろうか。
フェロモンというのは、嗅いでいるとは意識しないうちに体内の内分泌系が変化している匂いをいうらしい。そしてフェロモンは動物同士のコミュニケーションの手段の1つだと読んだことがある。

コミュニケーションの始まりは他者に対する感情の揺らぎだ。
よくも悪くも感情を突き動かされる無意識の匂い。
それこそ究極の、存在のない「香水」ではないか。
常人には無意識下の匂いを、作り出し、香水にまで高めた、存在のない男。
最後にやっと、究極の香水と自分、そのふたつの存在を確信した彼は、自らが作り出した愛のフェロモンを頭から引っかぶることで、究極の愛を享受したかったのだ。


グルヌイユ役のベン・ウィショーは素晴らしかった。
頑なで、生まれてから死ぬまで心を閉ざしたままだった稀有な青年を好演していた。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.03.25 11:29:29
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: