深夜魚

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Nov 14, 2004
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カテゴリ: 物語のかけら
緑深い森の奥。小さな滝から清水が流れる場所。

男の姿だった。女は川面の上に首から上だけ
を出し、その髪を後ろにいる男が一心に、しか
しとても慈しむように扱っているのだ。長い長
い黒髪、それが美しい川の水を吸って、しっと
りとぬれている。男の節くれだった手にそぐわ
ぬような櫛が動くたびに、きらきらとしずくが
飛ぶ。男は腹から下を水につけているようだ。

女の髪の水気をとると、さらにたくみに腕を動
かして、女の髪を結い上げていく。

不思議なものだ。なんであんな鍬や斧を持たせ
たほうが似合うような黒くて太い腕が、すばや
く動いて髪をたくみに結い上げていくのか。男
の顔だって頬骨が突き出て、その上には細い目
があり、さらにそれにおい被さるように太い眉
がある。あぐらをかいた鼻の下にある厚い唇は
柔らかに緩んで、どうやら微笑んでいる様子。
細い目もよく見れば、女を見つめる瞳の光はや
わらかい。そこまで大事されている女といえば、

を閉じたまま一言も口をきない。額の美しい、
ほっそりした顔だ。少々とうは立っているもの
の、木漏れ日のあたる肌は白く美しい。なんと
白いのだろう、もしかしたら川の水が少々冷た
いのかも知れぬ。しかし身じろぎもせず髪を結


見る間に髪は古風に結われ、男は満足げにうな
づくと、すっと女の耳の下あたりを両手で持つ
と、天に捧げるように持ち上げた。白い首の下
に肩はなかった。男は川底に座り込み、ひざで
首を支えていたのだ。私は驚いて声を上げよう
したが、舌が張り付いたように動かない。する
と男は私を見つけたのか、女の首を高々と掲げ
て私に見せ付けるようにした言った。
「まってろよ、おまえもじきに××××……」
最後のほうは聞き取れなかった、自分がなんで
こんなところで横になっているのか思い出した
とたん、瞼を閉じていないのに、急に真っ暗に
なってなにも見えなくなった。ただ、ザブザブ
と男が川を渡ってくる音が聞こえる。
「ほら、おまえさんも××××じゃが……」
男の声がしぶきのように私にかかり。ますます
近づいてくるのがわかった。





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Last updated  Nov 16, 2004 02:09:18 AM
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charberry @ おっと yanmoさん、お元気ですか?壁の向こうより…
charberry @ Re:水についてのあれこれ(07/16) 本当にお久しぶりです。一年五ヶ月ぶりだ…
Yanmo @ Re[1]:雲の羽衣(02/15) *みくみく*さん >はじめまして >素…
*みくみく* @ Re:雲の羽衣(02/15) はじめまして 素敵な言葉の世界ですねー…
ゆりママ☆ @ Re[1]:おひさしぶりで~す(06/09) Yanmoさん >精神的ダメージがあると、結…

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