深夜魚

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水、自分の詩にもっとも多く登場する要素である。肉体はもちろん精神も潤す水は、とても魅力的な題材になる。なにげなくテーブルに置かれたコップの水ですら、なにか神秘的で暗示的に思えるのだ。それがちょっとゆれて波立つだけでも、一滴の雫が落ちても、コップが倒れてこぼれても、なにかをそこから感じられる。

小さな朝露の一滴から見渡す限り広がる大洋まで、水の姿は大小さまざま。その姿の千変万化ぶりも魅力のひとつだろう。たとえば雨。水が空から降ってくるのだ。空には川があるわけでも、湖や海があるわけでもない。もちろん雲がそれに代わって水を溜め込んでいるのだが、それにしても空から大量の水が降ってくることは、とても神秘的なものに思える。忘れがちなことだが、時折思い出しては雨に見入ってしまう。
雨が降れば聞こえてくるのが雨音。屋根や傘、地面に当たる音もさることながら、雨だれの音、地面を流れる音、下水溝に流れ込む音など、耳をすませれば水が立てるさまざまな音を捉えることができる。これは何の音と同定しながら聞き分けるのも面白い。

現実では水中で呼吸できないのがつくづく残念だが、想像の力を借りて、水の中の世界に浸ることも楽しい。波の下、太陽の光の届く水深の浅い場所に体を沈め、その周囲を嵐のような鰯の群れや、それよりもはるかに大きくメタリックな回遊魚、さらに巨大な鯨の影が行き交うの見つめている自分。この幻想光景はたびたび心に浮かぶもので、リラックスするための仕掛けでもある。部屋にお気に入りの写真や絵画を飾るように、心の中に海の中の景色を描いて置いておくのだ。ちなみにこの海はサンゴ礁や白い浜辺ではなく、足元には暗い海溝が口を開く外洋である。熱帯魚が入り乱れるサンゴ礁も美しいのだが、なぜか心に浮かぶのは、暗い海底の上、周囲に島影もなにもない外洋なのである。

川もまた魅力多い場所だが、そこからさまざまな要素をそぎ落とした、“流れる水”自体に心ひかれる。ほんのひと筋でもよいので、水が流れていると心が落ち着くのである。流れる水は常に新しく、また流れることによりさまざまな場所につながっている。そのことが心を落ち着かせる。 “流れ”、“つながり”これ自体も詩の中で意識される要素だが、これについてまたいつか書こうと思う。その媒介を水がはたしていることが重要なのである。

重力が打ち消される空間において、水は表面張力の力によって、表面積をなるべく狭めるために球体になる。全方位に重力が打ち消されているならば、その形は真球になるのだろう。それはもっとも美しい形であり、そして一瞬にして弾け、別な姿になる可能性を秘めている。世界の種、世界の卵と言ってもよいかもしれない。一適の雫の中にはひとつの宇宙が存在しているといっても過言ではないのである。

水についてあれこれと書いてみた。これまでの詩を読んでいただいた方にも、これからの詩を読んでいただける方にも、多少なりとも世界観や意識を共有する一助になればと思う。





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Last updated  Jul 16, 2009 05:12:24 PM


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charberry @ おっと yanmoさん、お元気ですか?壁の向こうより…
charberry @ Re:水についてのあれこれ(07/16) 本当にお久しぶりです。一年五ヶ月ぶりだ…
Yanmo @ Re[1]:雲の羽衣(02/15) *みくみく*さん >はじめまして >素…
*みくみく* @ Re:雲の羽衣(02/15) はじめまして 素敵な言葉の世界ですねー…
ゆりママ☆ @ Re[1]:おひさしぶりで~す(06/09) Yanmoさん >精神的ダメージがあると、結…

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