しろねこの足跡

しろねこの足跡

孤独


だから、しろがおじょうさんのお話を聞かなくなって、シマとの恋に夢中になっても、決しておこることはありませんでした。

おじょうさんはしろにも、おじょうさんの身に起こったことを話さなくなっていました。

おじょうさんは孤独でした。

おとうさんとおかあさんとしろがいても、さみしかった。
でもまだ幼いおじょうさんには、大勢の中での孤独とひとりぼっちの孤独がおなじようにさみしいだなんて、理解できなったのです。

おじょうさんは、さみしいというのは、ひとりぼっちでかみしめるものと思い込んでいたのです。どうして自分には両親もペットもいるのに、いつもいつも不安で落ち着かないのだろう、と不思議におもっていたのでした。


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