しろねこの足跡

しろねこの足跡

ひかりのいえ6



あまり書きなれていない筆跡だった。
うしろを返すと、無記名だった。
男性のような雰囲気だった。

私は今度はためらわずに封を開けた。

「りつ子さま
これが最後の手紙になるとおもいます。
あなたと過ごした日は、光り輝いていました。
わたしがユジノへ帰っても、わたしはあなたのことを忘れない。
りつ子さま、どうかこの戦争を生きぬいていつかひかりのいえであいましょう。」

手紙の最後にキリル文字で名前らしきものが表記してあった。

大内りつ子という日本人女性に、このロシア人らしい男性がおくった最後のラブレターなんだろうか。

保存庫は大内りつ子あての手紙と日記しかなかった。

わたしは、他の手紙も読み返した。
が、往復されているであろう手紙の一方だけなので、どうも話がつながらない。
大内りつ子が何者で、どうしてこのロシア人男性と出会ったのかも。

おそらく、日記の方がわかりやすいだろうと思い、私は
きなくさいにおいのするノートを開いた。



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: