しろねこの足跡

しろねこの足跡

墓場の安息1、2


勉強も部活も。とてもまじめに。自分に厳しすぎるくらいルールをいっぱい作って縛ってきた。門限も守ってきたんです。
頑張ればいいことあるって呪文のように母親に言われて信じていた。

でも現実って残酷。いい成績とっても不細工じゃだめなんだもん。かわいいこ、気さくに男子にはなしかけられる子が楽しく生活を送っている。
身の程をしっている不細工は、容易に男子に話しかけられない。楽しく盛り上がれる話題を提供できない私は女子にもめんどうがられる。

私、まじめ不細工の自分を今まで憎んだことがいっぱいあったけど、こんなに悲しく思ったことはなかった。
思春期の自意識過剰な高校生達は残酷。
自分のカテゴリーからはみ出したものはなんの憐憫もなく切り捨てる。きのうは一緒にお弁当教室で食べていたのに、今日は私の分の椅子がない。教室に私のお昼を食べる場所がない。17になってこんな思いするんだ。
私はのろのろとお弁当をもって教室を出た。安心してお昼を食べられるところを探してさまよっている昼食難民になっていた。

私、教室でひとりで堂々とお昼を食べられるほど大人ではなかった。だからひとりで食べていても見つからないところ探していた。

どうして?
ある日、学校に来てみたらいつも一緒に行動をしていたエリが無視をした。エリが無視をしたらアズミもサナエも無視をした。体育のバスケットのチーム分けからはずされた。
彼女達、目配せしていた。

それだけ?
理由は?

目配せと体育のチーム分けで、私が仲間はずれにされたことがクラス中に染み渡るように知られていく。
誰も何も言わない。
余計なこといって私に、仲間に入れて、っていわれないため。
必死に作り上げた自分達のグループを揺さぶられないため。
みんな私みたいになりたくないから、必死。

ぽつんと違和感放っている私に気づかないように、ごく自然に振舞うって、どんなにか神経尖らせているんだろう。
疲れないのかな。

だから、教室を出た。
きっと今頃、教室の空気はゆるんでいる。

そして私はさまよっている。
安息の地を求めて。

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