憬月庵雑記

憬月庵雑記

2007年01月03日
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星野のエッセイーは私の愛読書の一つだった。だから、10年前に彼が熊に襲われて逝ったときの衝撃は大きかった。

今日「星野道夫 永遠のまなざし」を読んだ。彼がどんな状況でどんな熊に襲われたかを初めて知った。その熊は、星野の知る「本来の野生の」熊ではなかった。人によってその野生を狂わされた熊だった。人の持つ食料の味を覚えた熊だったのだ。

彼の死が、強烈な象徴を持っていることに鳥肌が立った。星野道夫は、彼がもっとも恐れたモノに殺されたのだ。

ひとたび「近代文明」の味を占めてしまった者の欲望は節度を失うのか。

彼がこうあってほしいと願った文明の形に対立するもう一方の文明の形、現代に至るまで優勢であったその文明の形が、あの「人の食料の味を覚えたヒグマ」に化身して、星野を食い殺したのだ。

今、私たちの未来が同じヒグマに殺されようとしている。星野道夫のまなざしを、私たちは永遠に守り続けることができるのだろうか。





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最終更新日  2007年01月03日 12時55分08秒


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