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『CRONOUS』~眠らない大陸の物語~第六章・第5話『-スレイド-』「あの大きなお魚さんやっぱり敵だよね」アイナはそうつぶやくように言う「間違いないだろ…目をそらすなよ相当ヤバい敵だぜ」カーラはそう言うアイナはうなずいて返事をする「来る!伏せろ!」カーラがそう言った瞬間目の前の大きな魚のような敵がその場で跳ねる石や砂を巻き上げてもの凄い爆風のような物が周囲に広がるアイナはとっさに身を伏せる「さっきのはこれか…直接喰らったら一撃かもな」カーラがそうつぶやくアイナは爆風がおさまったあとゆっくりと身を起す「!!!」目の前のそれは身を起したアイナ目掛け反転をして尾ヒレで攻撃して来たアイナはまた身を伏せる頭上で尾ヒレが轟音を立てて空を切る「どうしよう」アイナはそうつぶやく「どうしようたって…逃げるしかないだろ」カーラはあっさりと答える「逃げるって言っても…!!!」アイナはとっさに横に転がる元居た地面にそれは喰いついている「ちょ…」アイナは言葉を失う「ぐるるらぁぁぁあああ!」それはそんなうめき声を上げてゆっくりとアイナの方を向きなおす「そだ!チャットで…」アイナはポケットからチャットを取り出す「いい判断だが今は避ける事だけに集中した方がよさそうだな」カーラはアイナにそう言う「う、うん…」アイナはうなずいてチャットをしまう「威力はでかいがモーションも大きいよく見てれば避ける事くらいはできそうだ…来るぞ!」カーラがそう言うとそれはアイナめがけて牙を剥き出して飛びかかってくるアイナは後退してその攻撃をかわす「退路だけは確保しろ…徐々に橋の方へ移動する」カーラがそう言いアイナは大きな魚から目を離さないようにしながらうなずいて返事をする「それと喰われたら元もこうもない…それを持ったままなのはお勧めしないがね」カーラはそうアイナに告げる「でも…」アイナはそうつぶやいて抱えている物を見る「マスター!目を離すな!」カーラが叫んだ時には大きな魚は尾ヒレで攻撃を仕掛けていた「!!!」アイナは避けられないと判断し防御の構えを取る尾ヒレがアイナに直撃する瞬間…何かがそれを弾き飛ばす「どりゃぁぁぁ!どけ!邪魔だ!」声の主はそう叫んでアイナを横に蹴り飛ばすと大きな魚に斬りかかるアイナは飛ばされた場所にしゃがみ込む「エース!橋だ!橋のとこに移動しやがった!さっさと来いボケ!」アイナを蹴り飛ばした剣士はチャットに向かってそう叫ぶとまた攻撃を始めた「なんてでたらめな太刀筋だ…だが強い」カーラはそうつぶやくように言うアイナはただその場に座り込んでいる「マスター大丈夫か?動けるなら…」カーラはアイナにそう問いかけるアイナはとりあえず助かったという安堵感からか腰が抜けてしまったようで首を横に振って答える「まぁ…アレにやらせておけばこの場は収まるか」カーラがそう言った時剣士の背中に数本の矢が刺さる「ぐわぁぁぁぁぁ!痛ぇぇぇぇぇ!」剣士は背中に刺さった矢を抜き地面に投げ捨てる「まだ敵がいたのか…これはまずいな…」カーラがそう言うとアイナもうなずいて抱きかかえていた物をその場に置いて身構える「誰がボケだよ!このダメパラディン!」洞窟の奥から弓を持った男が現れて吐き捨てるように言う「エースてめぇ狙う相手が違うだろ!血が出たじゃねぇか!」剣士はそう言って弓男を怒鳴りつける「支援魔法はおろかヒールさえ覚えられない出来損ないのパラディンが偉そうに俺に向かってボケ!とか言うからだよ!」弓男はそう言いながら矢を放って大きな魚の動きを止める「覚えられないんじゃないよ!覚えないんだって何度も言わせるな!…だいたいエースお前がスレイドが飛ぶ時にバーストし損ねるからこうなったんだろ」剣士もそう言い返しながらスレイドに攻撃を仕掛ける「俺のせいにするなよ!たまたま失敗しただけだろ!極悪モミアゲのグレコローマン!はぁぁぁデッドリーアサルト!」弓男はそう悪態をつくと少し下がり連続で矢を放つ矢は光を放ちながら大きな魚に突き刺さる「てぇめぇ…本名で呼ぶな!俺はその名前嫌いなんだよ!それにこのモミアゲは漢の証だ!」剣士は弓男に言い返しつつ大きな魚に斬りかかる「クズ!」「カス!」「ヘンタイ!」「へっぽこ!」「ロクデナシ!」「ドケチ!」2人は悪態をつきあいながら大きな魚に攻撃を繰り返す「この2人は…仲間らしいな…」カーラがつぶやくように言うアイナは苦笑いを浮かべてうなずく数分後…2人はなんなく大きな魚を討伐する「無駄に時間がかかっちまったぜ…早くしないとギルドの連中が来るぜ!」剣士はそう言いながら辺りに散らばった金目の物を拾いあさる「あのぉ…ありがとうございました」アイナは2人にそうお礼を言う「あぁ?!…お前まだ居たのか…俺たちゃ忙しいんだよ…エースこっちは拾い終わったぜ」剣士はアイナに見向きもせずにそう言う「おい人に見られてたのかよ…まずくねぇ?」弓男は荷物を担ぎあげてそう返す「そんな事より時間がねぇさっさと消えるぞ!」剣士はそう言うとゲートスクロールを開いてその場から消える「せっかちだな…こういうのはデリケートな問題なのになぁ」そう言いながら弓男はアイナの方を見るアイナはとりあえず頭をペコッと下げる「という事なんで…お穣ちゃんも今のは見なかった事にね♪」弓男はそう言ってアイナにウインクしてゲートスクロールを開きその場から消えるアイナはその場でため息をつく「何はともあれ生きてて良かったなマスター」カーラはアイナにそう言うアイナもうなずいて足元に置いた石を拾い抱きかかえる「ちくしょ!間に合わなかったか!」そう言いながら数人の男が橋を渡って現れる「雷鳴の上前撥ねるとはいい度胸してやがるぜ!絶対見つけ出してぶっ殺してやる!」プラチナ色に輝く装備を身に付けた男がそう言って地面を殴りつける「うん?ヒロノそこに誰か居るけど…」男の一人がボーっと立っているアイナを見つけ地面を殴りつけた男にそういうヒロノと呼ばれたプラチナ色の装備の男はそう言われてアイナの方を見るアイナはペコッと頭を下げてお辞儀をする「スレイドを殺った奴等の仲間…じゃねぇよな?」ヒロノはアイナに歩み寄るとりあえずアイナは首を振る「だよな…そんな感じには見えないしな…」ヒロノはアイナをまじまじと見つめてそう言うその時周囲におびただしい数のモンスターが沸きはじめる「チッ…沸きやがった!」男たちはそう言って沸いたモンスターをあしらい始める「ここはもうこんな状態なんでね…とりあえず表まで連れてってやるからついて来な」ヒロノはそうアイナに声をかけると両手に持った剣を振り周囲のモンスターをなぎ払いながら橋に向かうアイナはヒロノの後に付いていく仲間の男たちもアイナを守るように敵を攻撃しつつ2人の後を追うそして…扉を抜けてカイヌゥスの山頂へと出る「俺はヒロノ…今月の当番ギルドをやっている雷鳴の騎士団所属の聖騎士…あんたは?」ヒロノはそう聞いてくる「私はSSDにお世話になっているアイナです」アイナはもう一度頭を下げる「悲魔さんとこか…で、なんであんなとこにいた?ここに入れるレベルではなさそうだが」ヒロノはまた聞いてくる「えっと…アンテクラに飛ばされて…気がついたら中に…この石に呼ばれて奥に入ったの」アイナは抱き抱えていた石を見せながらそう話す「石に呼ばれた?」ヒロノと男たちはアイナの持った大きな石を眺める「ただの石にしか見えないが…」ヒロノはそうつぶやく男達もうなずく「だけど解らんな…この入り口には封印がかけてあってねある一定の強さ…そうここに封じられているスレイドって奴と渡りあえる強さを持つ者じゃないと入れないはずなんだけどね」ヒロノはそう言ってもう一度アイナをまじまじと見る「悲魔さんもそう言ってたの…でも」アイナは言葉につまる「疑ってるわけじゃないんだ…そういった例が今までなかったからね」ヒロノはアイナに優しくそういう「あの大きなお魚がスレイドっていうの?」アイナはヒロノに聞き返す「そうさ…あいつがここに封じられたマタリエルの配下の1人…って…スレイドを見たのか?」ヒロノがびっくりしたようにそう聞くアイナはうなずいて返事をする「じゃあ倒した奴を見たんだな?」「どんな奴だ?」「何人だった?」男達が取り囲むようにアイナに質問を浴びせる「マスター…理由はどうあれこの場ははっきり答えない方がいいぞ」カーラがそう助言する「ご、ゴメンなさい…突然だったし…暗かったし…でも2人は居たと思う」アイナはそう答える「こっちこそ悪かったな質問攻めになって…当然だろあんなの初めて見て冷静で居られるとも思えない」ヒロノはそう言って頭を下げるそこに悲魔が戻ってきたヒロノは悲魔に状況を説明する「次は自分達の番だしね他人事ではない…情報が入ったら連絡をするよ…今日は本当にありがとう」悲魔はそう言ってヒロノたちに礼をいうアイナも横でお辞儀をする「俺達もわかった事はユニオンに報告しておく」ヒロノたちはそう言って下山していく「ゴメンなさい…」アイナは悲魔にそう謝る「うん?謝る事はないよ悪い事をしたわけじゃない…無事で良かった」悲魔はアイナの頭をポンポンとなでてそう言う「あ!これ…私が持ってていいのかな?」アイナが持ってる石を見ながらそう言う「ああ…いいんじゃないの…って言うか俺にもただの石コロにしか見えないしね」悲魔はそう答えるその時…アイナのおなかが鳴る「そっか…お昼まだだったね…じゃあ戻ろう」悲魔はそう言ってアイナを包むように法衣を翻してその場から消える「お嬢ちゃん…それをどこで拾った?」ゲートから現れたアイナにマエルが声をかける「これ?」アイナはそう言って抱きかかえた石をマエルに見せる「悪しき波動は無い…か…」マエルは軽く石に触れてそうつぶやく「知っているのか?その石の事」悲魔が聞き返す「かつてな魔の研究をしていたマネスという女が居た…その女の遺産だろう」マエルはそう答える「マネス…聞き覚えの無い名だな」悲魔は考え込む「そうか…聞き覚えに無いか…良いだろうまだ見せるつもりは無かったが特別に見せよう」マエルはそう言って自分の荷物の中から怪しげな模様の石を取り出す「これが…マネスの遺産?…アイナさんのとだいぶ違うね」悲魔はアイナの持つと石と見比べてそう言う「うん…マエルさんのはキレイ…」アイナもそう答える「ふぉふぉふぉ…お嬢ちゃんのもいずれはこうなろう」マエルは笑ってそう言う「で…これは何?」悲魔がそう聞く「わかりやすく言えば卵じゃな…厳密にはちと違うが…元は悪しき波動を放っておってなわしが時間をかけて良い波動に変えているのじゃよ…ペットにできるように…と」マエルはそう言ってニヤっと笑う「何か生まれるのか?!」悲魔はとても嫌そうな顔でアイナの持つ石を見る「まぁ…いずれはそうなろう…しかし珍しい…良い波動のまま落ちている物は初めて見たわ」マエルはそう言いながらアイナの石をなでるように触る「どのくらいで孵るんだ?」悲魔がそう聞き返す「さてな…数ヶ月の物もあれば50年以上かかる物もある…大事にしなされ持つ者の思いで時期は変わろう」マエルはひげをいじりながらそう言うそして2人はゲートを後にする…『To Be Continued♪』
2008/01/19
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