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2011/02/13
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『CRONOUS』~眠らない大陸の物語~
追加章・第3話「-不思議の国のアイナ-」(後編)


オライオンとの勝負を経てアイナはワドリーテの侍女となった

「へぇ…短剣って事はクラスはスカウトだったの?」

オライオンから城にある短剣を見せてもらい選んでいるアイナにワドリーテがそう聞いた

「クラス?スカウト?」

ワドリーテの質問が解らずアイナは首を傾げる

「そっか、そっちではそう言わないのかな…こっちの世界では短剣を使うクラスの事をスカウトって呼ぶのよ」

ワドリーテがアイナに補足説明をすると



「ほ、包丁?…ま、まぁ武器と言えば武器だが…」

オライオンは苦笑いでそうつぶやく

「うん、コレにします♪…本当にもらっちゃっていいんですか?」

「いいのよ、私に仕えるのだから♪」

ワドリーテはアイナに微笑んで答える

「マッスムか、確かに包丁っぽいな…クセがなく扱いやすい短剣だな…それよりも貴公はどうやってあのような素早さを身に付けたのですかな?差し支えなければ教えて頂きたい」

オライオンはそう言ってアイナに頭を下げる

「どうやってって言われてもなぁ…すっごく重たい甲羅を背負って走り回ってたんですよ…最初は避けるのも大変でw」

「なるほど…それは良いなぁ、さっそく我が騎士団の鍛錬に加えよう」

オライオンはアイナの言葉を聞いてポンと手を打った
その時、ひとり会話の外にいる大臣にワドリーテが



嫌味っぽく声をかける

「不服だがしかたあるまい…姫様の事を頼みましたぞ」

大臣はそう言ってアイナに頭を下げた
アイナもそれに対して深々と頭を下げる
そしてまたなにやら思案し始める



「違いますぞ!その者が口にしたクロノスという言葉が妙に引っかかってるだけでな…」

「クロノス…彼女はクロノス大陸から来たのですか?」

大臣の言葉を聞いたアルベルトが大臣にそう聞き返す

「アルベルト、そなたはクロノス大陸を知っているの?」

ワドリーテがそう聞き返すとアイナも身を乗り出す

「いや…直接は…ただ数ヶ月前にイグルー殿が街のBARで酔いつぶれているのを回収しに行った際に一緒に飲んでいた御仁がそのような事を言っていた様な…」

アルベルトがそう言うと

「大臣…あなたは街のBARに行ってるの?それも回収されないといけないほど酔いつぶれるだなんて」

ワドリーテは冷ややかな目で大臣を見る

「い、いや…それはですな…国の民がどのような暮らしをしているのか心配になって見に行ったまでで」

大臣は言い訳をしつつアルベルトを睨む

「確かにあの御仁は変わった風体をしてましたし…それにある種異様とまで言えるような気配を持ってましたからねよく覚えてます」

アルベルトはそう言ってフッと笑った

「異様な気配?」

ワドリーテが不可思議な顔で聞き返す

「ええ…ある種、人の上に立つ気風と申しますかただ単に強いとか単純な物ではない感じですね」

説明をしたアルベルトの言葉はどこか歯切れの悪い物だった

「良く解らないわね…」

ワドリーテは眉間にしわを寄せてつぶやく

「まぁ…例えていうならライル卿に近い掴み所のない大きな気風…とでも言いましょうか…」

アルベルトは苦笑いで補足した

「あの者とあんな愚者とを一緒にするでない!」

アルベルトが口にしたライルの名が癇に障ったのか大臣は声を荒げた

「愚者って…その言い方は…そこまで言われるならどのような方だったのか覚えているのでしょう?」

ワドリーテは冷ややかな目で大臣を問い詰める

「い、いや…薄ぼんやりとしか覚えてないのですがなぁ」

「はぁ?…つまり覚えてないのでしょう?」

「しかしですな姫…いくら酒を口にしていたとはいえこのイグルー、断じて怪しい者に軽はずみに気を許したりはしませんぞ!」

「はいはい…わかりました…」

ワドリーテはそう言って苦笑いを浮かべる

「まるで昔からの知り合いとも受け取れるような打ち解けぶりでしたから…正直私も驚きました」

「うむ、あの者はなかなか見所のある男だったからな」

「あら?ではどのような方で?」

ワドリーテは又も冷ややかな表情で大臣に聞き返す

「で、ですから…記憶があいまいでしてなぁ…」

大臣はワドリーテから視線を外して口ごもる

「確か…旅をしていると…真っ赤な髪で名を…ホムラと申していましたかな」

アルベルトの口にした言葉に3人のやり取りを苦笑いで傍観していたアイナが目を見開く

「アルベルト!今なんと?もう少し詳しく教えて!」

ワドリーテも驚きの表情で食いつくように聞き返した

「そうですね、髪は真っ赤な短髪で身長はオライオンくらいありましたので180くらいですか…それでいて細身の青年…年の頃は20前後といった感じですかね」

オライオンの口にしたホムラという者の風体を聞いたアイナはしばし考え込んだ

「同じ大陸…同じ髪の色…そして同じ名前…気になるわね」

ワドリーテのつぶやきにアイナはうなずいて答える
その時、オライオンが部屋に飛び込んできた

「姫様、セノビア荒地に敵襲です!」

「どこ?」

「ゲブランドです!」

「わかったすぐ準備します」

ワドリーテはそう言うとアイナを連れて自室に戻った

「戦争…なの?」

「うん…このメルファリアはね…こうして日々争いが絶えないのよ…」

ワドリーテはどこか悲しげな目でそうつぶやいた
アイナの憂いの目を勘違いして受け取ったワドリーテは

「大丈夫よ…戦場には行くけど私達のいる本陣が直接襲撃される事はめったにないんだから」

そうアイナに微笑んだ

「い、いえ…はい」

アイナは思いを飲み込んで返事をした
それを見たワドリーテはアイナに優しく微笑んだ
その後アイナはワドリーテの身支度を手伝いながら
ワドリーテが徐々にさっきまで見せていた表情から王たる者の表情に変わっていくのを見て
対モンスターではなく人と人が争う事…
アイナの経験した事のない戦い…
例える事のできない思いを感じた
そして準備の整ったワドリーデと共に戦場の本陣へと赴いた

「戦況は?」

「領域、戦況…共に我が軍が優勢ですな」

ワドリーテの問いかけに大臣がそう答えた
主戦場は遠いのか時折砲撃音が聞こえる程度で辺りは静まり返っていた
しかしその静けさが逆に怖くもあった

「アイナさん…愚かとお思いでしょ?」

「え?」

ワドリーテの突然の問いかけにアイナは答えに戸惑った

「このメルファリアという世界を平和に導くためとはいえ日夜こうして争いを続ける…愚かよね」

ワドリーテはそうつぶやいて悲しげな笑顔を浮かべる

「正直に言ってしまえば…そうですね…でも、上手く言えないんですけどその先に平和があるのであるなら…」

(「それは違うな…戦いの先に平和などないよ…あるのはさらなる争いだけさ…」)

アイナがそう言い掛けた時…どこかでそんな声が聞こえアイナは辺りを見回した
しかし近くにはワドリーテ以外誰もいなかった

「どうしたの?何か?」

アイナの突然の行動にワドリーテも辺りを見回す

「い、いえ…たぶん空耳かな…」

アイナは苦笑いを浮かべる
その時、2人のもとに大臣が駆け込んできた

「姫様!キマイラです!北の壁を越えて直接本陣に向かってます」

「対応は出来て?」

ワドリーテは親指の爪をかみながら聞き返した

「主戦から遊撃を回しておりますのでおそらくは止められるかと」

大臣がそう答えた時かなり近くで人の叫び声が聞こえる

「姫様!いったん退避を!キマイラと共に上って来た敵兵が奇襲をかけてきました!」

「いいえ!退きません!迎撃しましょう!」

「姫様!」

「私には彼女がついてます…大至急兵を集めて!」

ワドリーテはそう言ってアイナにウインクをして微笑んだ

「ふぅ…しかたないですな」

大臣はため息をつくとワドリーテに頭を下げて指示をしながら立ち去った

「では行きましょう!」

ワドリーテがそう行った時

「残念ながら…行かせるわけにはいかないんですよ…」

2人の背後でそんな声がする
振り返るとそこには真っ赤な髪の青年が立っていた

「何者!」

赤髪の青年はワドリーテの問いかけを手の平を突き出して止めるとアイナを見てため息をついた

「まったく…人には、関係のない争い事には手を出すな!と言っておきながら…」

青年はそう言うと顔をしかめて頭を掻いた
アイナとワドリーテはこの青年の言ってる事の意味が理解できず顔を見合わせる

「あなたがこの世界でどこかの国に付けばバランスを修復できなくなります…という事でクロノス大陸に戻ってください」

青年はそう言うと一気にアイナとの間合いをつめて当身を入れる
ワドリーテはその動きを察知する事は愚か剣に手をかける事すら出来なかった
アイナは青年にもたれ掛かるように崩れ落ちる

「あなたの能力は使い方を誤れば世界を崩壊させかねない…それを忘れないで下さいね…母さん」

青年は意識が朦朧としているアイナの耳元でそうささやくと魔法を唱え始める
するとアイナの周囲を魔法式が取り囲み輝きと共にアイナを消し去った

「あ、あなた…今、彼女に母さん…って…」

ワドリーテが赤髪の青年にそう問いかける

「申し送れました…私はクロノス大陸より参りました焔と申します…いずれ日を改めて謁見させて頂きますので今日はこれにて」

焔と名乗った青年はワドリーテに深々と頭を下げると呪文を唱えながら羽織を翻した
すると焔の周囲にいくつもの魔法式が展開される

「待って!話なら今ここで…」

ワドリーテがそう言い掛けると

「あ…そうだ、この世界の戦争に手を出さないのがルールでしたが今日の所はここに向かっているキマイラだけ連れて行きますので…では」

焔はそれだけ言ってワドリーテの前から姿を消した

「あ…消えた…なんだったの今のは…」

ワドリーテがそうつぶやいた時、大臣が駆け込んでくる

「キマイラが消失したようです…同時に強襲をかけて来た輩も撤退したようで…ってアイナ殿は?」

「いいのよ…彼女なら居るべき所に帰ったわ…」

ワドリーテはそう大臣に言うと微笑んだ
大臣はその微笑みの影に悲しさを感じたため言いかけた言葉を止めた


『クロノス城 ホテル・ラピス』

「焔!!!」

アイナはそう叫んでロビーのソファーから飛び起きる
そして辺りを見回す

「はぁ…まったく、また愛しのダーリンの夢?アレだけ毎晩愛してあげてるのだからたまには私の名前を呼んでよね」

カウンターに頬杖をついた凛がそう嫌味っぽくアイナに言い放った

「違うの!私の…子…」

凛は取り乱しているアイナの唇をキスで塞ぎ言葉を止める

「はいはい…シャワーでも浴びてシャキッとしてくださいね…マスター」

そして優しく微笑むとアイナの背中を押して部屋に連れて行った


時はあの戦いから10日ほどたった頃…
まだ自分の体内に新たな生命が宿ってる事すら気がついていない頃
アイナが夢で体験したメルファリアという世界…
出逢ったワドリーテや大臣…
そしてアイナの事を「母さん」と呼んだ真っ赤な髪の青年…
全ては本当に夢だったのか…


…『To Be Continued?』





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Last updated  2011/02/13 05:53:03 AM
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あとがき♪  
†Aina†  さん
おはようございます♪
第3話の後編アップできました
ちょっと謎を残しての終りとなりましたが
続きはそのうち…^^

さて…クロノス大陸のお話はこんな感じで追加章をアップします。
ただ…しばらくはクロノスの世界とは違うお話を書いていこうかと考えています。
今まで応援してくださった皆様が理解しやすいように努力しますので…今後ともよろしくお願いいたします。


…『To Be Continued♪』 (2011/02/13 05:57:30 AM)

Re:第3話 「-不思議の国のアイナ-」(後編)(02/13)  
塾長 推参! さん
諸々の事情からコメントを控えてきたが
連載お疲れさんでした!

今後も頑張ってください!

にしても…ワド様とジジイのやり取りイイねw
FEZの世界もこうやって見ていくと面白いかもね
(2011/02/13 09:01:29 PM)

にゅーん  
華劉さん さん
ま、まさかの夢オチw
ほむらさんが連れて行ったキマイラは我が家で保護します。
ネコたんかぁいいよ^p^

(2011/02/16 10:01:12 AM)

Re[1]:第3話 「-不思議の国のアイナ-」(後編)(02/13)  
†Aina†  さん
塾長 推参!さん
>諸々の事情からコメントを控えてきたが
>連載お疲れさんでした!

>今後も頑張ってください!

>にしても…ワド様とジジイのやり取りイイねw
>FEZの世界もこうやって見ていくと面白いかもね
-----
色々とご心配…ならびにご迷惑をおかけしました^^;
FEZの世界もとても面白いですよ♪
って…やってるから知ってますよね~w
がんばります♪ (2011/02/20 10:41:54 AM)

Re:にゅーん(02/13)  
†Aina†  さん
華劉さんさん
>ま、まさかの夢オチw
>ほむらさんが連れて行ったキマイラは我が家で保護します。
>ネコたんかぁいいよ^p^
-----
いまだにキマは近くで見た事ないですよ><
近くで見たいけど周りにいる敵歩兵が恐くて…
夢だったかどうかは…どうなんでしょうねぇw (2011/02/20 10:44:05 AM)

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