【現代劇】マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~全40話 40
風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第8話「教坊と楽坊」優秀ながら傲慢に振る舞う新入り楽師・宋傲晴(ソンアオチン)。首席の座をかけて李茹娘(リールーニャン)を挑発するが、李颯颯(リーサーサー)はあっさり首位を譲った。「じゃあこれからは首席の宋姑娘が弾き方を決めてね」実は首席は自分の楽器だけでなく、すべての楽器に通じていなければ指示することができない。しかし宋傲晴は秦箏(シンソウ)のことしか分からないと困惑した。颯颯はならば調弦を頼むと言ったが、宋傲晴はそれも得意ではないという。「そう、なら間合いを取る所を曲譜に書き入れてくれる?」宋傲晴は結局、首席としての采配を何ひとつ振れず、大人しく首位を諦めた。その夜、陸景年(ルージンニエン)は手作りの夜食で茹娘をもてなすことにした。急に呼び出された颯颯はすでに化粧を落としていたが、趣向を変えて現代風のナチュラルメークで登場する。陸景年は茹娘の雰囲気がいつもと違うと気づきながら、楽団を見事に団結させた茹娘に力を貸して欲しいと懇願した。そこで颯颯は陸景年と過ごせる時間を増やすため、楽団の管理を手伝う代わりに毎日の食事を共にしたいという。「食事?」「応じるなら取り引き成立よ?」陸景年は承諾したが、これが茹娘に思わぬ弱みを握られる結果となった。生金(ションジン)は小狐狸がいることを忘れて郎君に夕食の点心を届け、陸景年の好物がウサギ型の菓子だとバレてしまう。一方、宇師傑(ユーシージエ)に懇願されて一緒に食べ歩きを始めた欣児(シンR)。そんなある日、通りかかった民間の紅月(コウゲツ)楽坊から軽快な太鼓の音を聞いた。「上手いわ、官設の教坊の楽師にも引けを取らない」すると太鼓の音が止まったかと思うと、突然、楽師の娘が外に逃げ出して来た。欣児と宇師傑は楽師を助け、近くの客桟にかくまった。聞けば楽師は冀(キ)州から都へ来たもののさらわれ、無理やり紅月楽坊に連れてこられたという。楽師はあざだらけで、実は自分以外にも同じような楽師が大勢いると明かした。「中には高官の慰み者にされる楽師も…でも逆らえば殴られてしまうの」その頃、颯颯は元宵節選抜の見直し案を作成、陸景年と話し合うため部屋を訪ねていた。陸景年は留守だったが、ちょうど通りかかった苒綺(ランチー)が郎君と檀渓(タンシー)が一緒に出かけるのを見たという。実は欣児と宇師傑が助けた楽師は檀渓が都へ呼び寄せた元香(ユェンシャン)だった。陸景年と檀渓は元香を迎えに行ったが、結局、元香は現れなかった。檀渓は元香が心配で練習に身が入らず音を外してばかり、すると茹娘から疲れているなら休んだ方がいいと帰されてしまう。「姐姐…私を守って」居所に戻った檀渓は″周(チョウ)″と彫られた首飾りを握りしめながら元香の無事を祈った。颯颯は陸景年を訪ね、檀渓に何か隠し事があるようだと相談した。しかしかえって陸景年から探ったのかと責められ、檀渓のことに口を出すなと突き放されてしまう。颯颯は檀渓だけ特別扱いするのかと激怒して帰ったが、陸景年と檀渓が恋仲とは思えなかった。「ただ何か秘密があるはずよ…」宇師傑は民間の楽師の現状を知り、教坊使の父・宇巡安(ユージュンアン)を頼った。しかし宇巡安は平民の楽師と関わるなと一蹴、息子を追い返してしまう。宇師傑は仕方なく帰ることにしたが、その時、ちょうど太常寺にやって来た左教坊の副使・蘇宗辰(スーゾンチェン)と出くわした。そこで親友をいつも困らせている蘇宗辰に知り合いの楽坊の働き口を探すよう頼んでみる。教坊使の御曹司の頼みでは断れず、厄介ごとを承諾するしかない蘇宗辰、するとこれが思わぬ好機となった。蘇宗辰はちょうど客桟を出ようとしていた元香を引き留めた。元香は恩人が自分の働き口を世話してくれたと知ったが、必要ないと断る。その時、運悪く元香の荷物から手紙が落ちた。元香は慌てて拾おうとしたが、蘇宗辰に奪われ、秘密がバレてしまう。…今月の15日、巳の刻、城外で落ち合い、順調にいけば教坊へ入れる…「教坊に入れるだと?…平民の楽坊がどうやって?」陸景年は料理に手をつけず茹娘を待っていたが、結局、現れなかった。その頃、颯颯は自分の部屋に食事を運んだものの、料理に八つ当たりしてボロボロにしてしまう。「他の女のために私に辛く当たるなんて!任務がなければすぐ出ていくところよ!」すると欣児が駆けつけ、練習を休むと伝えた。「もう宋傲晴には我慢できない!」「また揉め事?」実は宋傲晴は次席の檀渓と交代したいと言い出し、楽師たちと揉めていた。一方、生金は数日前に楽師が逃げ出した騒ぎがあったと聞いた。陸景年は早速、現場近くで聞き込みを始めると、楽器商から思わぬ情報を得る。実は最近も楽師が人さらいに遭って楽坊に入れられたが、逃げ出したところを怪力の女に救われたという。「怪力の女?…もしや一緒に私くらいの背丈の軟弱な公子がいなかったか?」「いました!いました!」つづく
2024.04.16
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第7話「決起会」李颯颯(リーサーサー)は陸景年(ルージンニエン)の名前で都一高い店・酔仙(スイセン)楼を貸し切り、景年を招待した。…よくも私を疑ったわね…景年は元宵節の選抜を前に李茹娘(リールーニャン)の機嫌を損ねるわけにいかず、目をつぶるしかない。それを良いことに颯颯は今の部屋では夜風が入り、風邪気味だと嘘をついた。「陸郎君の隣の部屋が空いているわね~ もうすぐ選抜があるのに具合が良くなかったら演奏に支障が…ゴホゴホッ」「明日、部屋を掃除させよう」…やっぱりね、偽の女たらしには色仕掛けより仕事の話が効く…右教坊は錦瑟(ジンソー)が抜け、再び優秀な人材が必要になった。しかし檀渓(タンシー)が訳ありだが心当たりがあり、陸景年は事情を考慮して密かに迎え入れると決める。「共に琴を学んだ仲です、技量は保証します、ただ…」「安心しろ、手違いのないよう用心を」李茹娘を首席に迎えて合同練習が始まった右教坊、しかし何度、試しても息が合わなかった。陸景年は自分の作った曲のせいだと落胆したが、颯颯は欣児(シンR)から裏切り者が出たことで皆が疑い深くなっていると知らされる。そこで皆の信頼関係を取り戻すべく、颯颯は決起会を開こうと提案した。一方、左教坊の副使・蘇宗辰(スーゾンチェン)は右教坊がまた人手不足だと知り、内教坊を訪ねた。副使・李鑫(リーシン)が太常寺(タイジョウジ)の長官・魏哲(ウェイジョー)に日程の前倒しを頼んでくれれば、右教坊は戦わずして敗れるという。さすがに李鑫は全土にある官設の教坊に影響が出てしまうと断った。「それより扱いに困っている楽師がいる…」右教坊の決起会。颯颯は遊技で皆の疑心を取り除こうと考えた。そこで颯颯は楽師たちを集め、背中から倒れて皆に抱き止めてもらう。楽師たちは怖くないのかと驚いたが、颯颯は選抜という戦場で信じられるのは仲間しかいないと訴えた。「次は苒綺(ランチー)がやってみて!」「えーっ!私にはそんな度胸ないわ~」しかし颯颯は半ば強引に苒綺を引っ張り出してしまう。「皆を信じるだけでいいの、さあやって!絶対に受け止めるから大丈夫!」苒綺は思い切って後ろへ倒れると、仲間たちがしっかり受け止めてくれた。すると他の楽師たちもやりたいと手を挙げる。これをきっかけに楽団の雰囲気は和やかになり、決起会は盛り上がった。決起会には宇師傑(ユーシージエ)が駆けつけ、料理を振る舞った。陸景年は追っかけを問答無用で殴る欣児が師傑の前ではしおらしいと驚いたが、颯颯は意味ありげに笑う。「あの人だけには弱いのよ…」颯颯と景年は会場を離れて橋の上に移動した。「まさか宇師傑と友だちだったなんて、気が合いそうにないのに… 宇師傑は何事にも誠実よ、傍目にも欣児が好きだと分かる、でもあなたはずる賢い 右教坊を助けたのに感謝の言葉もないわ」「願いがあるなら言ってくれ、全力で叶えよう」「実は陸郎君に手伝って欲しいことがあるの、でも聞いたら驚くかも」「では聞かないでおくよ」景年は嫌な予感がして戻ることにしたが、引き留めようとした颯颯が過って川へ落ちてしまう。「李姑姐?!」陸景年は慌てて川に飛び込んだ。すると実は足がつくと気づき、溺れたふりをしていた茹娘が水面に現れて笑っている。しかし急接近した2人はそのまま見つめ合い、颯颯は思わず自分から口づけしてしまう。その様子を偶然、生金(ションジン)が見ていた。「団結ってこういうことか?ふふ、確かに小狐狸と老狐狸でお似合いかな」生金は2人のために花火を打ち上げて盛り上げた。しかしその帰り道、自分が上げた花火を見ながら料理人と睦み合う緑籮(リュールオ)を目撃してしまう。。・゜・(ノД`)・゜・。なんで〜!陸景年と口づけを交わし急激に距離を縮めた颯颯。そんな中、太常寺が右教坊の人手不足が心配だという口実で内教坊の楽師を右教坊に移動させた。何か裏があるのは明白、実は宋傲晴(ソンアオチン)は優秀ながら傲慢過ぎて楽団に馴染めず、厄介払いされたに過ぎなかった。すると練習に現れた宋傲晴は自分が新しい首席だと宣言し、李茹娘の座を奪ってしまう。楽師たちは呆気に取られながら首席に合わせて弾くしかなかったが、宋傲晴が急に手を止めたせいで苒綺は危うく指を怪我しそうになった。そこへ遅れて李茹娘がやって来る。「あなたが李茹娘ね?今日からは実力が物を言うのよ」「当然よ、宋姑娘が首位だわ」颯颯は敢えて争おうとしなかった。つづく
2024.03.25
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第6話「″女たらし″の素顔」不審者の残り香を突き止めたものの、その白粉を誰が買ったのか分からない李颯颯(リーサーサー)。そんな中、右教坊の楽師たちが陸景年(ルージンニエン)に李茹娘(リールーニャン)を追い出すよう訴えたことが分かった。颯颯は犯人がわざと自分を誘き出して濡れ衣を着せたと気づいたが、頭が回る陸景年のこと、何かしら手を打つはずだと期待する。しかし陸景年は動揺する楽師たちの心を和ませたいと、1人ずつ呼び出しては親密そうに話していた。颯颯は陸景年が楽師たちを口説いていると勝手に誤解し激怒した。そこで楽師たちに陸景年が女子をそそのかしていると訴え、距離を置くよう忠告する。楽師たちは困惑し、陸景年は親身になって自分たちの相談に乗ってくれただけだと説明した。颯颯は陸景年を見誤り、状況がますます悪化した。焦った颯颯は陸景年を訪ねて言いがかりをつけたことを謝罪、仕方なく例の白粉の件を明かす。「教坊で火事が起きた時、この香りがしたわ 買った人の名簿があるけれど、でも店主が教えてくれない…だからしらみつぶしに犯人を探す」「だったら私が会った楽師たちは除くといい」颯颯はようやく陸景年もあの独特な香りに気づき、女たらしのふりをして楽師たちを探っていたと分かった。そんなある日、颯颯は月琴担当の欣児(シンR)が教坊に現れた追っかけをぼこぼこにしている様子を見かけた。しかし涙に弱い欣児は男が泣き出すと見逃してしまう。「…彼女が気に入ったわ」欣児が知味(チミ)楼で食事を楽しんでいると、また追っかけの男が現れた。どんなに殴ってもあきらめない男にへき易する欣児、そこへ突然、李茹娘が現れ、病弱な姉を装う。「承諾したらどう?…ゴホゴホッ…これで借金に奔走しなくて済む 私の病も一向に治らないし、妹妹が援助してくれると助かるわ~」すると驚いた男は尻尾を巻いて逃げ出してしまう。颯颯は男の弱点が金だと気づいて見事に男を撃退、喜んだ欣児はこれから助け合おうと約束した。陸景年は女主に色目を使い、見事に杏仁芙蓉粉(キョウニンフヨウコ)の購入者名簿を手に入れた。そこで李茹娘だけに犯人の名を明かし、楽師たちには放火犯の手がかりをつかんだと噂を流す。「何でも杏仁芙蓉粉という白粉と関わりがあるそうよ」その夜、陸景年は妙音(ミョウイン)閣の屋根に登って警戒していた。すると茹娘が現れ、隣に座る。「ここなら誰にも見つからないわね」「君に見つかった…」颯颯は陸景年がどこか寂しそうだと気づき、犯人を捕まえることで教坊の団結が崩れるのを心配していると分かった。颯颯は陸景年の酒をもらうことにした。しかし景年は杯がないと言う。颯颯は気にせず酒瓶ごと奪って直接、飲んだが、景年は唖然となった。「ん?どうかした?(まさか間接キスだと思ったの?意外にうぶなのね)」「いや、酔って落ちないか心配で…」やがて颯颯は強い酒のせいか陸景年の肩を借りて居眠りしてしまう。陸景年は茹娘を起こすこともできず、緊張したまま耐えていた。颯颯はすぐ目を覚ましたが、ふいに景年の耳元に手を伸ばす。「何をする?!」驚いた景年は咄嗟に避けた。「髪が乱れていたから…あ、首が赤くなってるわよ?」颯颯は陸景年が平静を装っているだけで、実は耳が真っ赤になってしまうほど純情だと分かった。そこでわざと顔を近づけてみると、陸景年は茹娘の美しさに翻弄されまいと必死に牽制する。「私を真面目な君子だと思わないほうがいい」「君子じゃない陸郎君がどんな感じか知りたいわ~」その時、2人は慌てて出かける錦瑟(ジンソー)の姿を見つけた。錦瑟は証拠となる白粉を処分しようとしたが、李茹娘と陸景年に捕まった。実は火事は故意ではなく、選抜への参加を阻止するため戸籍を探しているうち、うっかり燭台を倒してしまったという。颯颯は戸籍に何の関係があるのか分からなかった。陸景年の話では元宵節での演奏は皇族・各国使節の前で演奏するため、楽師は身分を調べられ、戸籍がなければ参加できないという。もちろん再発行できたが、手続きに3ヶ月から半年かかり、今からでは間に合わなかった。「でも席を外した者を尋ねた時、誰もいなかったと…」あの時、錦瑟は支給された衣の裾が敗れたので縫って来ると伝えたため、楽師たちは出かけたと気づかなかった。錦瑟は蘇宗辰(スーゾンチェン)から買収されていた。父が急な病で実家の蓄えが底をつき、裕福な左教坊を頼ったという。陸景年は真面目に努力して来た錦瑟を役所へ突き出すことなどできず、蘇宗辰から借りた金を肩代わりして故郷の教坊への推薦状を出した。錦瑟は蘇宗辰に金を返し、事が露見したため都を離れると伝えた。しかし蘇宗辰は陸景年が好色で策略家と信じて疑わず、また出し抜かれたと恨みを募らせる。一方、景年は楽師たちの戸籍を確認していた。…蘇宗辰に真相を知られなくて良かった、元宵節まで隠し通せればいいが…そこへ生金が慌てて駆けつけた。「陸郎君!大変で~す!…小狐狸が酔仙(スイセン)楼で食事をと…」つづく( ゚ェ゚)楽師が誰が誰なのかさっぱり覚えられないw
2024.03.16
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第5話「火事と不審者」左教坊の副使・蘇宗辰(スーゾンチェン)は宴を開いて李茹娘(リールーニャン)を歓迎することにした。しかし茹娘は当日になって文一枚で約束を反故にし、右教坊へ行ってしまう。一方、陸景年(ルージンニエン)は急に態度を変えて右教坊へ入った茹娘を警戒していた。生金(ションジン)は茹娘の陸景年を見る目が変わったことから、恐らく惹かれたのだという。「今さらか?」「確かに…でも訝しむならなぜ小狐狸を?」「琵琶(ピパ)に代わる楽器はない、技量も素晴らしい」そこで陸景年は茹娘を練習に参加させず、数日ほど放置して気勢をそごうと考えた。本当に何か企んでいるならすぐ尻尾を出すだろう。教坊使・宇巡安(ユージュンアン)は李茹娘が右教坊へ入ったと知り、陸景年を心配して酒楼へ呼び出した。自分の教え子でもある陸景年の活躍を期待している一方で、教坊間での争いが絶えず、心配だという。「お前と蘇宗辰は昔から仲が悪い、だが利に走っては災いを招くぞ? 面目を潰された蘇宗辰は恨みを募らせるだろう」しかし陸景年はそもそも争う気などなく、自分でもなぜこうなったのか分からないという。「肝に銘じます」陸景年は火傷の痕に薄紗を貼って隠していた。李颯颯(リーサーサー)は陸景年が茹娘の想い人だと目星をつけたが、腕比べでの合奏では息が合った感覚がない。「できるだけ早く調べなくては…」そんな時、陸景年の従者・生金が新人の使用人・緑籮(リュールオ)に片思いしていると気づいた。そこで颯颯は女子を口説き落とす方法を教える代わりに陸景年の情報を聞き出すことに成功する。実は陸景年は教坊に着任するまで茹娘の日記にあった″下馬陵(カバリョウ)″に住んでいた。…やはり想い人は陸景年のようね…生金は掃除も忘れて早速、颯颯の虎の巻を読んでいたが、その時、楽器室から火の気が上がった。蘇宗辰は右教坊から楽師の戸籍を探すよう手を回したが、従者からしくじったと聞いた。何でも戸籍の箱の中は空だったという。「空だと?…なるほど、警戒していたわけか」戸籍の証書は楽師の身分を示し、証書がなければ元宵節の舞台には上がれない。蘇宗辰は選抜までに必ず証書を破棄するよう命じ、右教坊の参加を阻むことにした。陸景年は楽器だけでも救おうと燃え盛る部屋に飛び込み、気を失った。景年を助けた颯颯は医者を呼ぼうと言ったが、生金の話では火の恐怖症なので治しようがないという。「誰にも言うなよ?私も詳しくは知らないが… 郎君はかつて火事から琵琶弾きの娘を救い出し、その時に首の後ろをやけどしたんだ」すると景年が目を覚まし、おしゃべりな生金を叱った。颯颯は人気のない中庭に出ると、茹娘の日記を確認した。…下馬陵の火事で私を救った素敵な人、彼は私を助けて首にやけどを負った…「でもなぜ人助けを隠す必要があるのかしら?」翌日、回復した陸景年は昨夜の火事が事故だと伝えた。しかし生金には放火だったと明かす。最も疑わしいのは蘇宗辰、恐らく戸籍証書を狙ったのだろう。「蘇宗辰に気づかれたと?!」「まさか、だが用心しないと…保管場所を変えておいて良かった」陸景年は生金がなぜ楽器部屋の掃除に行かなかったのか聞いた。生金は茹娘と話し込んでいたと答えたが、わざと引き止められたのかもしれないと誤解する。まだ茹娘と蘇宗辰がグルだという証拠はないが、景年は茹娘にも何か魂胆があるはずだと怪しんだ。陸景年は茹娘を牽制した。「想定外にも茹娘が右教坊へ入ってくれたが、もっと想定外だったのは火事だ」颯颯は景年の含みのある言い方で自分が疑われていると分かった。このままでは現代に戻るどころか陸景年に近づくことさえできない。颯颯は相変わらず練習にも呼んでもらえず、妙音(ミョウイン)閣で楽師たちの様子を眺めながら悶々としていた。すると休憩に入ったところで楽師の独りが急いでどこかへ出かけて行くのを目撃する。颯颯は急いで後を追ってみると、誰かが陸景年の部屋に入った。そこで曲者を捕まえようとしたが、うっかりつまづき、その間に逃げられてしまう。その時、運悪く陸景年が現れた。颯颯は怪しい人影を見たと訴えた。すると陸景年は茹娘を連れて妙音閣に戻り、犯人は楽師の中の誰なのか尋ねる。しかし颯颯は黒い外套を頭からかぶった曲者の後ろ姿しか見ていなかった。そこで景年が楽師たちに席を外したものがいないか聞いたが、楽師たちはいないという。「君が来てから火事に不審者に教坊は騒動続きだ!楽師まで侮辱した! …皆、いいか?悪事を働く者は許さない!突き止めたら誰であろうと追い出す!」生金は陸景年に茶を差し入れながら、李茹娘が犯人とは限らないとかばった。確かにずる賢いところがあるが、卑怯な真似をするとは思えないという。「目端が利くな」「なんだ、わざと怒って見せたのですか?」景年は楽師たちの前で茹娘を責めれば、犯人が安心してまた動き出すと考えていた。「そうだ、女物の白粉に詳しいか?」実は火事の時に楽器室で独特な香りがしたが、今日も自分の部屋で同じ香りがしたという。一方、颯颯も陸景年の部屋の珍しい残り香に気づいていた。翌日、颯颯は早速、白粉探しを始めた。しかしなかなか探している香りは見つからない。「ここにもないわ…」すると女主が自分の店には全種類揃っていると自信を見せた。「名前は分からないの、でも残り香が少し渋い」「それは杏仁芙蓉粉(キョウニンフヨウコ)かしら?お目が高いわね」颯颯はついに犯人の香りを見つけた。そこで購入した客の名簿を見たいと頼んだが、女主に断られてしまう。そんな中、右教坊で楽器室の火事が放火で、李茹娘の仕業らしいと噂が流れた。欣児(シンR)だけは証拠がないと相手にしなかったが、楽師たちは不安を募らせ、陸景年に李茹娘を追い出して欲しいと嘆願する。陸景年は自分が何とかするとなだめたが、一刻も早く解決しなければさらなる問題が起こると懸念した。つづく(  ̄꒳ ̄)琵琶ネタが短すぎる…
2024.03.15
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第4話「右教坊と左教坊」右教坊(ウキョウボウ)の副使・陸景年(ルージンニエン)は李颯颯(リーサーサー)の琵琶(ピパ)を聞いたあの日から、李茹娘(リールーニャン)を陥れようと手を回していた。琵琶泥棒からすでに茹娘の情報をつかんでいた景年は夫の懐事情も知っていたのだろう。颯颯が夫の悪事を訴えた時に手助けしたのは、茹娘に負債だらけの家を継がせて右教坊に入らざるを得なくしたのだ。「私を従わせるためだったのね?!」「…李姑娘は賢い、見込んだ通りだ、ただ一つだけ違うことがある 私は従わせようと思ったことはない、君の才能が惜しいだけだ」しかし借金を返せないのは紛れもない事実、颯颯は仕方なく雇用契約書に署名するしかない。その時、突然、左教坊(サキョウボウ)の副使・蘇宗辰(スーゾンチェン)が現れた。李茹娘の琵琶の腕前を噂で耳にした蘇宗辰は左教坊に来てくれるなら借金の肩代わりはもちろん、給金は右教坊の2倍出すという。「お茶を準備します、ゆっくり話し合いましょうか」蘇宗辰は貧しい右教坊が人助けかと嫌味を言った。そこで陸景年は確かに蘇宗辰を見習って楽師から賂をもらうべきかとやり返す。「李姑娘を助けるのではなく本当は陛下のためでは?」音楽好きの皇帝は琵琶を愛していた。蘇宗辰は李茹娘を利用して歓心を買い、内教坊(ナイキョウボウ)に引き抜いてもらおうと企んでいるのだろう。「お互い様であろう?高潔ぶるな」お茶を運んできた颯颯は回廊で牽制し合う2人の様子をうかがっていた。…知り合いだったのね、しかも仲が悪い、どちらも欲まみれじゃないの…そこで颯颯は条件の良い左教坊は捨て難いが、陸景年には助けてもらった恩があり、決めかねていると言った。「だから…両教坊で競ってみない?より優れている教坊へ行くわ」実は颯颯は茹娘の想い人が楽師だと目星をつけ、教坊にいる楽師たちの中から探し出そうと考えていた。陸景年は茹娘が何を競わせるのか考え込んでいた。すると親友の宇師傑(ユーシージエ)がやって来る。師傑は楽師の欣児(シンR)に一目惚れしたと明かし、いくら学友で親友でも手を出したら容赦しないと釘を刺した。「考えすぎだよ」「良かった!じゃあどうやって落としたらいい?!」「私の場合は向こうから寄ってくるので分からない」実は欣児は親が役人だが裕福ではなく、そのせいか銭と食べ物への執着が強かった。そこで両方を与えてやれば自分にも機会があると考え、知味(チミ)楼に現れた欣児に声をかける。「美食図鑑を書いているが、都には店が多く1人では食べ尽くせない、一緒に回ってくれないか?」「ダメよ、教坊があるの」「給金の3倍出す!」颯颯は両教坊を見学した。しかし優劣を決められず、追試をしたいという。「私と合奏してもらう、私に合わせられたら勝ちよ 他の楽師を呼んでもいい、ただし条件がひとつ、合奏するのは男子の楽師のみ」こうして右教坊と左教坊の腕比べが始まった。颯颯はその速さから極めて合奏が難しいとされる″掠驚鴻(リャクキョウコウ)″を選んだ。両教坊の楽師たちは代わる代わる合奏に挑戦するも、茹娘の見事な演奏についていける者はいない。そして満を持して両副使が登場した。2人は必死に茹娘に食らいついていたが、陸景年の琴の弦が切れてしまう。これで勝負はついた。「決めたわ」初めて陸景年をやり込めた蘇宗辰は大喜び、盛大に宴を開いて李茹娘を迎えることにした。一方、李茹娘で起死回生を狙っていた陸景年はすっかり意気消沈、練習にも身が入らなくなってしまう。そこで楽師の檀渓(タンシー)は自分の名前で李茹娘と陸景年を西の波止場へ呼び出し、話し合わせることにした。颯颯は陸景年が檀渓を使って自分を呼び出したと誤解した。「私を責めに来たの?皆の前であなたを拒み、評判を落としたから…」「まさか、君という人材を失ったことに比べたら何でもない」景年は先に帰ることにした。しかし急に横道から飛び出して来た男とぶつかってしまう。「怪我はないか?」景年は倒れた男に手を貸そうと屈み込んだが、その時、颯颯は景年の首にある傷を見つけた。…傷跡が?!普段は隠しているのね、意中の相手はやっぱり…左教坊では李茹娘を迎える宴が始まった。一方、陸景年は琵琶の首席を諦め、欣児の月琴を主体にすると決める。楽師たちに広がる動揺、欣児も首席などできないと辞退した。その時、李茹娘の声が聞こえる。「琵琶に取って代われる楽器はないわ」颯颯は李茹娘として右教坊へ参加すると決めた。しかし陸景年は茹娘の心変わりに何か裏があると疑う。「私が右教坊の何に惹かれたか分からない?昨日の敵も明日は夫婦かも…」颯颯は拒むなら去るまでだと帰ることにしたが、景年はどうしても茹娘の技量が必要だった。「右教坊は李姑娘を歓迎する」それにしても茹娘は何を企んでいるのか?陸景年は急に色気を出して迫って来た茹娘に身震いしていた。つづく( ゚ェ゚)檀渓って何者かしら?秘密があるみたいだけど…
2024.03.12
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第3話「夫への復讐」鳳頸(ホウケイ)琵琶(ピパ)を無事に取り戻した李颯颯(リーサーサー)は李茹娘(リールーニャン)の願いを叶えるため、まず夫へ復讐することにした。どうやら茹娘の夫・陳世賢(チェンシーシエン)はかなりの女好き、正妻の茹娘を追い出し側妻を娶っておきながら、また妓楼に入り浸っている。…この手の男なら色仕掛けで迫ればすぐ落ちる、楽勝だわ…そこで颯颯は妖艶な舞姫になりすまし、陳世賢の前に姿を現した。↓これは正しい男装w李茹娘を尾行していた陸景年(ルージンニエン)も従者の生金(ションジン)と一緒に妓楼にいた。「大したもんですね~琵琶を弾いて郎君の心を奪ったかと思えば、今度はあでやかな舞踊…」「誰が心を奪われただと?」しかし生金は郎君が50両も渡しながら琵琶まで返したのは心を奪われたからに違いないという。すると陸景年は結末を見届けないまま帰ってしまう。陳世賢は艶やかな姿で戻って来た妻にすっかり魅了された。しかし噂で聞いた通り茹娘は潯陽(ジンヨウ)で記憶を失い、自分のことを覚えていないという。世賢はこれ幸いと茹娘を屋敷へ連れ帰り、婚姻書を見せて夫婦だと証明、嫉妬深い趙(チョウ)小娘をさっさと軟禁してしまう。李茹娘には陳府に残した侍女・清秋(チンチウ)がいた。「せっかく逃れたのになぜ戻ったのです?今は優しくてもまた暴力を…」聞けば陳世賢は茹娘だけを追い出し、その後、清秋を手篭めにしようとしていた。「抵抗したので殴られたのです」「なんて男なの?!」実は李茹娘と陳世賢は婚姻したものの床を共にしていなかった。その夜、世賢は茹娘との共寝を期待していたが、茹娘が急に泣き出してしまう。「日記を読んだの…あなたは酷い人だったのね…」すると焦った世賢は埋め合わせに茹娘のためなら何でもすると約束した。一方、陸景年は琵琶の首席奏者がいないまま準備を始めた。ひとまず自分が首席として一緒に練習することにしたが、月琴の欣児(シンR)にもまとめ役を頼む。すると欣児は給金3倍に釣られ、本来の実力を発揮した。その時、陳府を探っていた生金が慌てて戻って来る。「陸郎君!重要な報告が…人払いをした方が」「大袈裟な、何だ?いいから話せ」「夫婦の営みが一度もないそうです!」楽師たちは驚いて聞こえないふりをしたが、興味津々だった。李茹娘は趙小娘を諭して自立させ、夫を取り戻した。しかも夫から家財の権利書と改心の念書を手に入れ、全てを手中に収めたという。陸景年は生金の報告を聞きながら、次は夫の悪行を暴露するつもりだと分かった。「だがそう上手く行くかな…ふっ」颯颯は近隣住民を集め、夫の悪行を知らしめた。側妻のため妻を捨て財産を奪取、賭け事に人妻との密通、さらに人を雇って自分の琵琶を盗もうとしたという。すると騒ぎを聞きつけた陳世賢が現れ、妻の病がぶり返しただけだとごまかした。颯颯は証拠として夫が書いた念書を公表することにしたが、箱の中身が空だと分かる。実は趙小娘は陳世賢に冷たくされても離れられず、密かに夫のために正妻から念書を盗んでいた。同情を買った颯颯だったが状況は一変、住民たちは夫を辱めるような女は水に沈めるべきだと非難する。しかし思いがけず陸景年が現れ、陳世賢の念書を渡した。颯颯は陸景年のおかげで陳世賢を追い詰めた。激怒した陳世賢は茹娘と陸景年が密通しているとでっち上げ、離縁するという。しかし颯颯は離縁されて屋敷を追い出されるのは陳世賢の方だと言い放った。これには住民たちも困惑し、離縁できるのは夫だけだという。「…何がダメなの?!婚姻は2人が決めたこと、女にも婚姻解消を決める権利がある! 男女平等よ!」すると颯颯は自分が書いた休書を叩きつけ、すでに陳世賢の悪行を役所に伝えたと言った。「これで今から私たちは赤の他人よ!」陸景年は側妻が正妻に諭されたくらいであきらめるとは思えなかった。とは言え移り気な陳世賢を手放しでは信じられず、念書で弱みを握ると考えたという。そこでちょうど街に出た側妻に生金がわざとぶつかり、危うく転びそうになったところを陸景年が抱き止めた。都一の色男に助けられた側妻はすっかりのぼせ上がり、袋から念書を奪われたことに気づかなかったという。「盗んだの?!」話を聞いた颯颯は呆れたが、景年はあくまで奪い返したに過ぎないと釈明した。「君は他の女とは違うようだ」景年は茹娘が生きるために立ち上がり、女子のために声を上げ、正義を貫く姿に感銘を受けたという。しかし颯颯は自分を助けて褒めそやすのは何か企みがあるからだと怪しんだ。颯颯は茹娘の財産を取り戻し、夫を牢屋送りにした。側妻も復職して自活し、あとは茹娘の想い人を探せば現代に戻れる。そう思った矢先、屋敷に大勢の借金取りが押し寄せた。颯颯は陳世賢とは無関係だと訴えたが、借金取りは屋敷が担保に入っていると迫る。すると颯爽と陸景年が現れた。陸景年は自分に解決法があると切り出し、茹娘と屋敷に入った。そこで右教坊に入ってくれるなら給金を弾むという。「そうだ、住まいも準備しよう」「人の弱みにつけ込むつもり?!」颯颯は景年が初めから陳世賢に莫大な借金があることを知りながら助けたと分かった。しかし中庭では借金たちの怒号が響き渡っている。つづく( ゚ェ゚)あ、そう言えば陸景年は都一のハンサム設定です今回の上掛けも可愛い
2024.03.10
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第2話「舞い降りた奇才」元宵節まであと三月(ミツキ)。教坊使の宇巡安(ユージュンアン)は宮廷楽師の官設である左教坊・右教坊・内教坊の副使たちを集め、一月後に最初の選抜を行うと伝えた。今回は皇帝が諸外国の使節を宴に招待することになり、万に一つの失敗もないよう早めに準備することになったという。左教坊・蘇宗辰(スーゾンチェン)と内教坊・李鑫(リーシン)は問題ないと答えたが、陸景年(ルージンニエン)率いる右教坊には未だ琵琶(ピパ)の主席奏者がいないと知っていた。陸景年はかつて宮中の儀礼や音楽を司る太常寺(ダイジョウジ)の長官だった。しかし平民にも楽師の門戸を開くよう上奏し、特権を失うことを恐れた官吏らの猛反発で罷免されてしまう。皇帝が音楽を好むため、教坊は才能がなくても官吏の子女が成り上がることができる踏み台だったからだ。宮中にある内教坊の副使・李鑫はそんな景年を敵視していたが、景年は試験も受けず裏金で教坊に入った李鑫を蔑んでいた。宇巡安は息子の親友である陸景年とは旧知の仲だった。かつて高位にいた陸景年が体面を気にするのではと案じていたが、右教坊も参加すると聞いて嬉しいという。しかし景年は今ではただの楽師で貧しい教坊の副使だと謙遜し、元宵節の賞金目当てだと笑った。宇巡安の息子・宇師傑(ユーシージエ)は美食品鑑定士、その日も料理店の厨房で存分に腕を振るっていた。すると師傑の著書″都の美食図鑑″を買って食事券を当てた客がやって来る。しかし給仕が偽物の食事券だと気づき料理を出せないと断ったところ男が激怒、食事券の真偽を確認に来た師傑まで騒ぎに巻き込まれてしまう。その時、ちょうど居合わせた右教坊の楽師・欣児(シンR)が暴れる大男を殴り飛ばし、追い返してくれた。欣児の食べっぷりと腕っぷしの強さにすっかり惚れ込んだ師傑、そこへ侍女が慌てて駆けつける。陸景年が楽師たちに鳳頸(ホウケイ)琵琶を試し弾きさせることになり、成功すれば主席になれるというのだ。「まだ郎君を納得させた楽師はいませんよ!」実は料理店には偶然にも李颯颯(リーサーサー)がいた。「陸景年、やっぱりあなたでは私の琵琶をいかせないのね~ふふ」そこで颯颯は露店で一番、安い琵琶を手に入れた。翌日、陸景年は今日も楽師たちに鳳頸琵琶を試し弾きさせた。しかし誰も弾きこなすことができず、最後の1人・欣児に至っては残業したくないと帰ってしまう。景年は大きなため息をつきうなだれたが、その時、突然、外から琵琶の音が響き渡った。陸景年たちが外へ飛び出すと、妙音閣(ミョウインカク)の屋根の上であの娘が琵琶を奏でていた。その見事な音にいつの間にか人だかりができている。「縦弾きだわ、しかも撥(バチ)を使っていない」「痩せ細っているのにこんな才能が?!」誰もが初めて見る颯颯の奏法に目を奪われ、素晴らしい演奏だと絶賛した。「どうやら私は彼女を見誤ったようだ、鳳頸琵琶の本物の持ち主なのか?一体、何者なのだ?」景年も颯颯の才能に脱帽、最後まで聴き惚れた。「あら、陸郎君、おじゃまだったかしら?」颯颯が嫌味を言うと、琵琶から転手が取れて屋根から落ちてしまう。「驚いた、壊れた琵琶でこれほど演奏できるなんて…」陸景年は颯颯に琵琶を返し、その才能を認めて右教坊で働くよう頼んだ。しかし颯颯は用があるため留まることはできないという。「姑娘の用とは…夫を探すことか?」景年は捕らえた曲者を颯颯に合わせた。聞けば琵琶を奪えと命じたのは李茹娘(リールーニャン)の夫だという。「夫はどこ?!」「家は南の市(イチ)の西通り、首尾よく奪えたら褒美をくれると…」「なんて男なの?!ちょうど夫を探していたところよ…私が成敗してやる!」陸景年は颯颯を夫の家まで送ることにした。…泥棒を捕まえていたのに黙ってた、しかも夫探しまで手伝うなんて何か魂胆があるはずよ…しかし無事に茹娘の夫の屋敷に到着、颯颯は馬車を降りた。「ここでお別れね〜送ってくれてありがとう」飄々とした陸景年の心は颯颯にも読めなかったが、どちらにしても二度と会わずに済む。一方、景年は馬車に揺られながら、鳳頸琵琶も奏者もいずれ自分のものになると不敵な笑みを浮かべた。つづく( ゚ェ゚)最近の刺客ってみんなこんな感じなの?w
2024.03.06
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第1話「琵琶がつなぐ縁」李颯颯(リーサーサー)は美貌と実力を兼ね備え、数々のコンテストで受賞している人気の琵琶(ピパ)奏者。ボーイフレンドにも事欠くことなく、親友・雯雯(ウェンウェン)が年下の実習生と付き合いたいと相談すれば、あっという間に戦略を練って見事に相手から誘うよう仕向けてくれる。しかしその夜の独奏会、颯颯は演奏中に不思議な声が聞こえ、幻覚に襲われてしまう…『私は都の女子で琵琶の弾き手、皆に美貌を妬まれ、夫には捨てられた 親兄弟もなく、親族に虐げられ、今は病に侵されているの 人生をやり直せるなら日々を慈しみ、あの方と添い遂げたい あなたは李颯颯であり李茹娘(リールーニャン)、願いを叶えてくれたら家へ帰れるわ』…颯颯が目を覚ますと、唐の琵琶奏者・李茹娘になっていた。実は自分の年代物の琵琶は茹娘の琵琶だったと知る。「私たち同じ琵琶を共有していたのね」颯颯は愛おしそうに琵琶の弦をなでると、突然、茹娘の記憶が頭に入って来た。『生まれた日から茹娘は他人のために生きて来た そして今日、無惨にも夫に裏切られた 人生をやり直せるなら夫とは別れ、昔、下馬陵(カバリョウ)で火事から救ってくれた若者を捜す あの方は私を助けて首にやけどを負った…』颯颯は茹娘が書き残した日記を見つけた。『元宵節には赤い衣に身を包み、あの方と息を合わせて合奏したい…』どうやら全てを終わらせるためには茹娘の願いを叶えるしかないらしい。すると突然、茹娘の琵琶を狙う曲者2人が現れた。颯颯は琵琶を抱えて逃げ出したが、これからどうしたものか。…都へ行くしかない、李茹娘の想い人を捜してあげよう…こうして都へやって来た颯颯。すると運良く右教坊(ウキョウボウ)で琵琶奏者を募集していると知る。…まずは職探しね…颯颯は早速、教坊に入った。実は娘たちの目当ては右教坊の副使・陸景年(ルージンニエン)。壇上に現れた景年は応募者10人1組で十八番を演奏させ、それを聞き分けて判断するという。「同じ曲でも善し悪しを聞き分けるのは難しい 楽器も曲も違うのに聞き分けるなんて無理じゃ…」颯颯は近くで見ようと演舞台の真上にある露台へ移動したが、誰かに押されて落下してしまう。悲鳴を聞いた景年は瞬時に反応し、落ちて来た颯颯を抱き止めた。互いに相手の第一印象は高得点。すると颯颯は景年が李茹娘の想い人の特徴と似ていることに気づく。…これで首に傷跡があれば、予想外に早く任務完了ね…颯颯はか弱い娘を演じて取っ掛かりを作ることにした。「あ…足をくじいたみたい」そこで女性の腕で一番、美しい手首を見せながら、控えめなセクシーさで魅了する。景年は怪我をしたのが嘘だと見抜いていたが、自分の周りにいる思いを秘める娘とは違い、珍しい策を講じる颯颯に興味を持った。景年は娘を家まで送ると言ったが、颯颯は遠いので必要ないと断った。そこで景年は身を寄せる場所がなければ空き部屋があると気遣う。すると急に猫が飛び出し、驚いた颯颯は咄嗟に景年の後ろに隠れた。…今だわ…颯颯は一瞬の隙に景年の首を確認したが、傷はない。…違った、駆け引きは終わりね、遊び人みたいだし人違いで良かった…「これで失礼しま~す」しかし裏門から出ようとすると、琵琶を狙う曲者が待ち構えていた。ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ<ここまで追って来たの?!颯颯は慌てて門を閉め、急に疲れたので泊まりたいと頼んだ。その夜、颯颯は助けてくれたお礼に自分の琵琶を景年に譲った。景年は断ったが、颯颯は受け取ってもらえなければ出て行くという。「そこまで言うなら受け取ろう」…引っかかったわ…実はその時、颯颯は教坊に忍び込んだ曲者2人に気づいていた。景年は琵琶を背負って夜の街に出た。すると早速、曲者が現れ、景年に襲いかかる。颯颯はその機に乗じ、琵琶が景年の手から離れたところで取り返した。こうして景年を利用し、曲者を追っ払って琵琶を取り戻した颯颯。しかし箱には琵琶ではなく、景年の手紙と銀子が入っていた。…ただで頂くわけにはいかない、銀五十両をあげよう…景年は曲者2人を捕らえ、右教坊に戻った。どうやら2人の目的はこの琵琶だったらしい。「繊細な造形に美しい色彩と均整の取れた胴、やはり″鳳頸(ホウケイ)琵琶″は最高だな」従者の生金(ションジン)はなぜ郎君が娘の企みに気づいたのか分からなかった。「これほど立派な楽器をみすぼらしい女子が持っているのは妙だ それに泊まるよう勧めると拒んだあと、不自然に気を変えた 教坊の近くにいたこの者たちは明らかに琵琶狙いだろう そしてあの娘は私に琵琶を渡そうと必死だった」「あとで奪い返す魂胆だと踏んで箱に銭を入れておいたのですね?」景年はどちらにしてもあの娘ではこの琵琶を守りきれないと分かった。「これで元宵節の宴での優勝にまた一歩近づいた」一方、裏を描かれた颯颯は怒り心頭だった。「見ていなさい」つづく(^ꇴ^)久しぶりにコスチュームドラマらしい作品が来ました!
2024.03.05
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