39)尖閣諸島沖で中国漁船が海保巡視船と衝突、海上保安官が撮影ビデオを流出
結果的にこの事件が、今年最大の事件になるかもしれない。
尖閣諸島沖での中国漁船とのいざこざは今までにも数回あり、関係者は「またかー」と思っただろう。
今までと違っていたのは、中国漁船が海保巡視船にぶつかってきたこと、それを海保が逮捕、船長を拘束したこと、管轄の国土交通省大臣の前原誠司が、「日本の国内法に基づき粛々と対応する」と発言したことだ。
これらのことが予想外の中国の反発を呼ぶ。
反日デモが起こり(実体は少数らしい)、日本との閣僚級の往来を停止、日本への観光団の縮小(健康食品会社の団体旅行1万人がキャンセルされた)、レアアースの日本輸出事実上停止、さらに中国にいたフジタの社員を「許可なく軍事管理区域を撮影した」として人質に取った。
フジタの社員は何をしていたのかと言うと、旧日本軍の遺棄化学兵器処理施設事業の調査のためだった。
この事業は97年発効の化学兵器禁止条約により、日本が資金の負担をし、600億円が既に投じられている、ODAのようなものだ。
今回は資金が正当に使われているかの調査で、写真を撮るのは当たり前だし、写真を撮ったのは中国人社員であったことから、罠にはめられたようなものだ。
この対応に、日本のみならず世界中が驚き、対中国戦略の見直しが検討されるようになる。
事件が起きた当初、僕は中国の過剰反応は中国内の勢力争いの一端と見ていた。
江沢民派が巻き返しを図るため、胡錦濤を揺さぶっているのかと。
日本と中国はお互い理解を深めることにより、いずれより親密な関係になる。
時々起こるかもしれない問題は、通過儀礼の一時的なものだと思っていた。
その考えは今も変わらないが、改めて解ったことは、日中関係は穏やかには進まないということだ。
また、一気に悪くなる危険性も秘めている。
その原因は中国にあり、日本と同じ民主主義で国民の自由度も高い韓国とは少し異なる。
所詮、付き合いとは"損得関係"なのだなあとつくづく思う。
『戦略的互恵関係』とはよく言ったものだ。
(戦略的互恵関係とは、外務省の説明によると、「日中両国がアジア及び世界に対して厳粛な責任を負うとの認識の下、アジア及び世界に共に貢献する中で、お互い利益を得て共通利益を拡大し、日中関係を発展させること」である)
利益のために手を結ぶと言うことだ。
今年最大の事件となるのは、事件の波紋がことの他大きく、この一件で"菅内閣"がガタガタになってしまったからだ。
菅総理が方針を示さないために、仙石由人官房長官の独断で中国船長を釈放してしまった。
彼ひとりの考えなのか、裏に誰かが控えているのか解らないが、民主党の総意でないのは確かだ。
もともと寄せ集め政党などと揶揄されていたが、菅総理の求心力のなさが、遠心力の勢いを加速させている。
民主党分裂が時間の問題になった。
一緒に自民党も分裂して、政界再編が行われるかどうかは解らない。
議員がみんな浮き足立って政治どころではなくなっている。
"領土問題"はとにかく厄介だ。
テリトリー意識と言うのは、生物の本能に起因するからだろうか。
1982年に『フォークランド紛争』というのがあった。
南米のフォークランド諸島をめぐる、イギリスとアルゼンチンの戦争である。
何でこんなところにイギリスの領地があるのだろうかと思うほど、大陸のアルゼンチンの目の前である。
イギリス世界帝国時代の遺物である。
アルゼンチンは陸軍司令官のレオポルド・ガルチェリが大統領に就任し、永年の問題を一気に解決しようと、実力行使で島を占領した。
一方のイギリスも新政権になっており、首相に就任したのはマーガレット・サッチャー。
相手が女だと甘く見ていたかもしれないが、なんせ"鉄の女"、猛然と奪還に向かった。
当初、世界の目は戦争には至らないだろうと見ていた。
高価な武器を浪費し、多くの血を流すには守るものが小さすぎる。
アメリカ大統領のロナルド・レーガンが仲介に入ったこともあり、イギリス艦隊がアルゼンチンに着くまでの時間に話し合いで解決するもんだと思っていた。
しかし調停は不調、両軍は激突した。
この戦争は、第二次大戦後の近代兵器を使用しての初めての戦いだった。
あたかも新兵器見本市の様相となった。
原子力潜水艦や垂直離着陸機、エグゾゼミサイル、新型魚雷の性能が試され、実践におけるデータが収集された。
両軍あわせて1000名あまりの死者と2000名あまりの負傷者を出し、イギリス軍の勝利で終わる。
この勝利により、サッチャーの人気は浮動のものとなり、イギリスの復調が始まる。
歴史的に、国内の不満の目をそらすために、戦争を仕掛ける為政者は多々いる。
昔の話ではない、イラク戦争を起こしたジョージ・ブッシュもそうだ。
中国だって、政権が変わる2013年になにかやるかもしれない。
尖閣諸島問題は台湾問題でもある。
戦争になる危険も充分にある。
アメリカも含めて、将来を見据えた冷静な対応が必要となる。
ちなみにアルゼンチンの恨みは、4年後のワールドカップ・メキシコ大会で、ディエゴ・マラドーナの活躍でイングランドを破り、そのまま優勝を遂げて溜飲を下げることになる。
40)日本振興銀が破綻、初のペイオフ発動
ペイオフとは、銀行が破綻した時に、預金者の預金を保護するために、預金保険機構が1000万円を上限として支払う仕組みの事。
預金のない人にはあまり縁のない話。
41)民主代表選で菅首相再選
首相の能力がないことが判明した菅直人ではあるが、これ以上ころころ首を挿げ替えては日本の国際信用にかかわると言う理由だけで再選された。
諫早湾開門にむけて、野党時代の菅直人が颯爽と抗議に乗り込む様がTVに移っていた。
市民運動家の面目躍如の姿である。
1996年、橋本内閣の厚生大臣時代、『薬害エイズ事件』で官僚の隠蔽を暴露し、『O-157カイワレ業者風評被害』問題で、記者会見でカイワレ大根を食べるパフォーマンスを見せ、『シュレッダーダスト不法投棄事件』で現地香川県豊島へ厚生大臣として初めて現地視察をしたりと、昔の菅直人はかっこよかった。
どうしてこんなことになっちゃったのか。
42)政府・日銀、6年半ぶり円売り介入
為替の問題はわからないのでコメントなし。
43)郵政不正事件の押収証拠改ざんで大阪地検特捜検事を逮捕、村木元局長の無罪確定
〈郵便不正事件〉 障害者団体向けの郵便割引制度を悪用し、実態のない団体名義で企業広告が格安で大量発送された事件。大阪地検特捜部は昨年2月以降、郵便法違反容疑などで強制捜査に着手。厚生労働省から自称障害者団体「凛の会」が同制度の適用を受けるための偽の証明書が発行されたことが分かり、特捜部は昨年7月、発行に関与したとして村木厚子元局長や同会の元会長ら4人を虚偽有印公文書作成・同行使罪で起訴した。(by朝日新聞)
僕が今年一番興味を惹いていたのはこの事件の裁判だった。
この事件は"国策捜査"だ。
初めに訴追ありきで検察がストーリーを書き、ターゲットを追い込む。
そのために村木厚子さんは冤罪を仕掛けられた。
村木さんを知る人は、絶対にそんなことをする人ではないと口を揃え、証明書を偽造した上村勉も取り調べの中で終始自分の単独犯で、村木さんは関係ないと主張していたが、検察官は聞き入れなかった。
もともと虚偽有印公文書・同行使罪は微罪であり、逮捕など考えられないそうである。
しかし、村木さんは逮捕され、休職に追い込まれた。
いったい何のための"国策捜査"だったのかと言うと、民主党・石井一議員の議員案件であったという仮説から始まった。
石井は小沢一郎の盟友である。
小沢狙いの検察は、石井をたたいて埃を出そうと考えた。
ところが検察は事件と石井のかかわりを証明できない。
石井は自分のアリバイを手帳に克明な記録として持っていた。
この段階で手を引けば被害は少なかったのだが、なぜか検察はでっちあげをやめなかった。
ついに押収したフロッピーディスクを、調書のつじつまが合うように日付の改竄までしてしまった。
検察による証拠の捏造である。
どこかの独裁国家の話ではない。
法治国家と信じる我が国で行われていることなのだ。
公判で次々否定される、あまりに杜撰な証拠と調書に、裁判官も無罪を言い渡すしかない。
1年3ヶ月の戦いを終えた村木さんの言葉は、
「もう、わたしの時間を奪わないで下さい」。
検察のリークに同調して、冤罪に加担しようとしていたメディアからは何の反省もない。
一方、証拠を捏造した前田恒彦検事は、それを知りつつ許可した上司の大坪弘道、佐賀元明ともども逮捕された。
逮捕された彼らは「検察のストーリーには乗らない」と、自らストーリー作りの実態を白状し、取調べは可視化でなければ応じないと、可視化の必要性を訴えている。
密室の取調べがいかに危険なものであるかがわかる。
この事件を受け、『検察の在り方検討会議』なるものが、ジャーナリストの江川詔子を交え発足された。
効果のほうの期待は薄いが、江川により検察の実体が詳らかになるだろう。
44)イチロー選手が10年連続200安打、自らの大リーグ記録更新
もはやニュースではない。
200安打を達成できなかった時にニュースになる。
紙幅の都合で、本日はこれまで・・・つづく
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