2014年ブラジルW杯が開幕してから、自分でもびっくりするほど頭の中がW杯一色で、思考が停止してしまいました。
当ブログは、だいたい週一の更新を目指して書いていましたが、ついに何も思い浮かばなくなり先週は飛びました。
なんせ空き時間はすべてサッカー見てましたから。
昨日、日本代表の敗退が決まり、とりあえずテンションが落ち着きましたので何か書くことにし、ネタを整理していたら、積読(ツンドク)の棚(買っただけでまだ読んでない本の棚)に内田篤人の本を発見。
僕はサッカーファンであり"鹿島アントラーズ"ファンです。
サッカー好きと言っても、僕の中では アントラーズ > Jリーグ > 日本代表 > ワールドサッカー、というような優先順位があります。
W杯期間中といえども、パソコンを開けばまずアントラーズの情報を見ます。
W杯日本戦も、内田と大迫を応援してまして(伊野波も)、内田は一番頑張ったと思っています。
http://plaza.rakuten.co.jp/sontiti/diary/200812070000/
内田篤人は鹿島アントラーズ初の高卒ルーキー開幕戦スタメンレギュラーだった選手で、その試合でも先制点となるPKを獲得し、4戦目では初得点を記録しました(当時のJリーグ最年少得点記録17歳11か月22日)。
在籍時(2006~10年)は3連覇を含むアントラーズ黄金期で、自身も2年連続Jリーグベストイレブンに選出されるなど活躍しました。
現在はドイツブンデスリーガの"シャルケ04"に所属し、ヨーロッパ最高峰の"UFFAチャンピオンズリーグ"でベストフォーまで進出を果たしています。
と書き並べれば順風満帆のサッカー選手人生ですが、実は原因不明の嘔吐や肉離れなどの怪我に悩まされ、不遇の時代も経験しました。
そして、4年前の"南アフリカW杯"では、それまで日本代表不動のレギュラーだったのが、本番で突如戦術変更になり、控えに回って出場ができないという屈辱に見舞われます。
『僕は自分が見たことしか信じない』は、そんなサッカー人生の2012年までの自叙伝です。
当然今回のブラジルW杯につては触れられていませんが、3戦勝ちなしの惨敗日本代表の中でひときわ頑張っていた理由がここに記されています。
アントラーズの中盤
鹿島の強さは中盤にある。これは自信を持って言い切れる。それだけすごい選手が中盤に集まっている。
まずはタクさん(野沢拓也)。とにかくうまい。僕が見てきた選手のなかで一番うまいかもしれない。トラップなんて、変態的にうまい。
そこにモトさんが加わる。 一言で表すと、気遣いの選手。普段の生活でも、若い選手に気を遣ってくれるお母さんみたいな存在だけど、サッカーでもそう。ここに顔を出してくれれば、助かるという場面で、動いてくれる。そういうのは教えてもらってもなかなかできない。サッカーセンスがある証拠だと思う。
そして、パパみたいな満男さんがどっしりかまえている。満男さんは、パスを出そうとして、蹴る直前に方向を変えることができる。だからボールを失うことはほとんどない。本当の意味で技術のある選手。
しかも、3人全員が技術とセンスだけじゃなくて、勝ち方やゲームをコントロールする方法を知っている。例えば勝っている展開で急いで攻める必要がないとき、相手のカウンターを誘発しやすい危ないパスは出さない。出さないと意識したら絶対に出さない。シュートかパスかを選択するときも、時間帯と展開を見極めたうえで、適正な判断をする。頭で分かっていても、それを試合で実行できるかどうかは別問題なのだけれども、それができてしまう。これだけの選手がいて、強くなかったらウソだよね。
そんなアントラーズでも苦戦することがあった。2012年だ。リーグ戦では33試合目(全34試合)でJ1残留が決まった。心のどかかで「アントラーズだぜ、だいじょうぶだろ」とおもっていたけれど、終盤もつれたことで、僕はいてもたってもいられなくなった。
J2に落ちたらどうしようか、ということも考えた。現実離れしているかもしれないけど、もしJ2に落ちたら鹿島に戻ることも真剣に考えた。あれだけお世話になって、ここまで育ててもらったのに、鹿島が困っているときに自分だけドイツでプレーしているわけにはいかない。見過ごすことはできないと思った。
〔鹿島アントラーズはチームとして選手とのつながりを大切にします。他チームに移籍した選手に対してもフォローしているし、引退後のケアもして、まさに家族なのです〕
鹿島への恩返し
海外移籍を意識するようになって、代理人のアッキー(秋山祐輔)に強く要望したことがある。
それは、海外に移籍する場合、鹿島にきちんとした移籍金を残すこと。残りの契約期間に応じてではあるけれど、1億円を超える移籍金が支払わなければ、移籍できないように契約書に明記してもらった。
1年目から鹿島で試合に出させてもらって、リーグ3連覇も経験させてもらった。それで「じゃあ、移籍するね」というのだから、僕の心情として、少なくとも億単位のお金を残さないと移籍できなかった。
最近、契約が切れるときに移籍する「0円移籍」が増えてきている。ひとつの手段、選手の権利として認められているけれど、僕にはそれはできなかった。
ほかのクラブの選手とは、クラブに対する愛情が違う。移籍金はいい換えれば、クラブが僕に注いでくれた愛情への対価。
たくさんの移籍金を残したい。
僕はそう思ったし、クラブがそう思わせた。それだけ鹿島は選手を大事にするクラブだった。
満男さん、浩二さん、ヤナギさん(柳沢敦)は海外に行っても、鹿島に戻ってきた。そういう姿を見てきた。
海外で経験を積んで、ゆくゆくは鹿島に帰ってきて、チームに経験を伝える。それが最高の恩返しになると思う。
〔内田のアントラーズ時代の背番号は「2」番。
背番号固定制になってから、アントラーズの初代2番はブラジル代表ジョルジーニョ、2代目が日本代表奈良橋晃、そして3代目が内田篤人でした(20年で3人しかいないんです。ちなみに10番もレオナルド、ビスマルク、本山雅志の3人)。
内田が退団した後は、なんと空き番になっています。
空けているということは、いずれ帰ってくると信じてるからでしょう。〕
勝利の価値を纏う
鹿島アントラーズにいたころ、僕が先発しないとチームの勝率が4割くらい下がるという記事を読んだことがある。誰が見たって、僕が抜けるより(小笠原)満男さんやエースストライカーが抜けるほうが、チームにとっては大打撃でしょう。単なる偶然だと思っていたし、そのデータについて深く考えたことはなかった。
でも、ドイツに来てからも同じような記事を目にした。僕が出ている試合は右サイドの攻防で9割近い勝率があった。逆に出ていない時は大幅に下がると書いてあった。右サイドの前線には、世界屈指の選手ファルファンがいるから僕が何もしなくても、右サイドは勝つだろうとは思っていたけれど、僕が出ていない試合でもファルファンは出ていたので、そういうことでもないらしい。
岩政(大樹)さんは「それが選手の価値」と言っていた。チームを勝たせることができる選手が重要だと思う僕からしてみれば、素直にうれしい言葉だった。
〔実際、内田が退団してからアントラーズはリーグ戦4位6位11位5位と優勝を逃しています。
逆にシャルケ04は途中入団の14位から、3位4位3位と上位を確保するようになりました。
サッカーは得点者やアシストばかりが注目されますが、戦術面や心理面を含めとても複雑なのです。〕
言い訳や文句は言うべきではない
(小笠原)満男さんは試合に勝てなかったら、
「悔しい。次は勝ちたい」
としか言わない。言い訳も文句も聞いたことがない。鹿島アントラーズにはそういう選手が多かったし、男らしい背中をいっぱい見てきたから、自分も自然にそうなりたいと思うようになった。
最近、そのことを強く意識した出来事があった。日本代表のワールドカップアジア最終予選・オーストラリア戦(2012年6月12日・メルボルン)。そのつもりはなかったけれど、僕のファウルで相手にPKを与え、決められてしまう。
試合後、僕はあえて選手の先頭を切って取材エリアに出ていった。当然、多くの記者さんに囲まれ、僕は「主審がPKと言ったらPK」と答えた。そこで言い訳するのはカッコ悪いと思った。
満男さんだったら、鹿島の先輩だったら絶対しないと思ったから、ロッカーから出るとき、「言い訳はするもんか」、と心に決めていた。
結局、言い訳したって、文句を言ったって、ミスを取り返すことはできないし、うまくなるわけではない。悔しいことだけど、試合でしか挽回できないんだ。だから言い訳や文句は言わない。
〔今ブラジル大会初めに話題になったのが、西村雄一主審のPKの笛です。
ちなみにサッカーのルールでは、相手選手を手で押さえるとホールディングという反則なので、あの場面は反則が適用され、誤審ではありません。
ただ倒されたブラジルのフレジが、いかにも反則をもらいにきていたこともあり、主審によっては反則を取らない場合も考えられます(逆にフレジのシュミレーションを取る場合も)。
それにしても、今回はボールに絡んだ動きの中でのことで、内田がとられたのはボールと関係ない所で、しかも相手が勝手に転んだのです。
それでもコーナーキックの直前に相手の肩を手で触れていたということで笛を吹かれ、PKになり日本は勝ちゲームを引き分けにされてしまいました。
僕もこの判定はミスジャッジだと思いました(一応4級審判でしたので)。
それでも、ぐっと飲み込んで次のステージに向けて歩き出した内田は、確実にステップを一つ昇ったのでした。〕
人のせいにすると一生後悔します
今、僕はドイツにいます。ヨーロッパの人たちは、怒るとすぐに人のせいにしてきます。おもしろいもので、人のせいにする人は伸びないんです。常に反省がないから。僕のせいじゃないのでは? と疑問に思うことも多々あります。そういうときに僕は「はい、僕が悪かったです。その代り、今あなたが捨てた”伸びる”分を僕にください」って思うようにしています。
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