海外編 【1月】
1)サウジアラビアとイランが断交
イスラム教スンニ派の盟主であるサウジアラビアが、シーア派の盟主イランのイスラム教法学者を処刑したことにより、イランで抗議デモがあり暴徒化、サウジアラビア大使館を襲撃したことの報復処置による。
中東における2大勢力のイランとサウジアラビアが衝突、と世界中を緊張させたが大事には至らず今に至る。
記事のヘッドラインだけ見ると、サウジがイランを挑発するためにかのイラン人を処刑したかのようだが、詳細を見ると処刑されたのは、テロリスト(主にアルカイーダ)47人で、その中にイラン人4人も含まれていたのだった。
「サウジ・イラン問題」というと、スンニ派とシーア派の宗派対立、アラブ系とペルシャ系の民族対立、という長きにわたる歴史的確執に思われているが、実際のところは政治問題に収束できる。
歴史的確執というが、アラビア人とペルシャ人が大掛かりに戦争をした歴史はない。
ササン朝ペルシャやオスマントルコ帝国などの支配はあったが、この地帯は集落が点在する砂漠地帯なので、石油が発掘されるまでは世界史的に重要な地域ではなかった(メソポタミア文明は重要だが)。
巨匠デビット・リーン監督『アラビアのロレンス(1962年)』を見ていただければ第1次大戦までの中東の様子がよくわかる。
そんな中東に大きな変化をもたらしたのは、ユダヤ人国家「イスラエル」の誕生である。
そして、石油の発掘による大国の進出。
ソ連がイラクと親密になることによって、両隣りに控えるサウジとイランはアメリカの支援を得るようになり、イラク対イラン・サウジという図式が生まれる。
ところが1979年にホメイニ師によるイラン革命が起きると、サウジはイラクと手を結びイランと敵対するようになる(イラン・イラク戦争)。
しかし、1990年にイラクがクウェイト信仰をするにあたり、今度はサウジとイランが協力してイラクに対抗することになる。
という具合に、イラン・イラク・サウジは時の政治的環境によって、手を結んだり敵対したりしていたわけだ。
この間の事情はスンニ派もシーア派もなく、アラビア人もペルシャ人もない。
だから、最近の宗派対立、民族対立という区分けは、政治的に利用されているだけに過ぎない。
ところが利用していた対立感情が、次第に大きくなりテロリストの正当性を保証するものに変わっていってしまった。
あたかも尻尾が犬を振りまわすがごとく。
だから、イスラムテロ組織であるアルカイーダやISIS、ハラス、ボコハラムなどの宗派を色分けすることにあまり意味はない。
テロ組織の裏で糸を引いている支援者が誰なのかが問題だ。
サウジとイランの関係が、国際的に重要になるのは、石油価格に直結するため。
大国の利害、大企業の損得が無意味な悲劇を生み出している。
宗派や民族の対立は、みんなが目を覚ませば解決する問題なのに。
2)北朝鮮が初の「水爆実験」実施発表
”水爆”は、現代の最大威力を持つ”大量破壊兵器”だ。
これで誰も北朝鮮には手を出せなくなった。
って、いったい誰が出すの?
あの国を欲しがっている国など皆無だ(韓国を含めて)。
日本だって、帝政ロシアの南下がなければ”日韓併合”なんぞしなかった。
タイムマシンで1910年の政府に教えることが出来れば、日韓併合しても何の利益もない。
多大な国費を投入して救ってやっても、感謝ひとつせず、いまだに”ゆすりたかり”を国是にしている。
帝政ロシアも清国も、ほっとけば自滅するマンモスだった。
朝鮮などくれてやって、お互い理解し合える国とだけ付き合う方が良かった。
だから北朝鮮ともかかわらないに限る。
拉致被害問題が進まないのは、そういう理由による。
3)ロック歌手デビット・ボウイさん死去
デビッド・ボウイに関しては、個人的には楽曲より『戦場のメリークリスマス』をはじめ『地球に落ちてきた男』や『ツインピークス』などの役者の印象が強い。
もちろんミュージシャンとしての姿も知っているが、やっぱりこれだ。
4)台湾総選挙で蔡英文氏が当選
台湾総選挙で、最大野党「民進党」の蔡英文氏が初当選した。
女性総統の誕生は初。
日本の「民主党」が「民進党」に改名した時、本家の台湾・民進党(民主進歩党)からクレームが付いた。
「せっかく政権交代を果たすのに、イメージが悪くなるのでやめてほしい」と言われたそうだが、確かに。
まあ日本の民進党はそんなに長く続かないだろうから、しばらく目を瞑っていてください。
蔡英文氏の所属する民進党は台湾独立派で、中国寄りの国民党よりも親日的である。
よって日本にとってはこの政権交代は望ましい変化であるはずが、中国の顔色を見てなかなかそういう態度も出せない。
そんな煮え切らない日本政府と対照的に、次期アメリカ大統領ドナルド・トランプは、早々に蔡英文と電話会談を済ませた。
中国は猛烈に抗議したが、トランプはこの会談によって、一枚のトランプカードを手にしたことは間違いない。
5)米英仏独露中がイラン制裁解除を発表
そもそもなんでイランが世界中から制裁を受ける羽目になったか、覚えているだろうか。
さかのぼること37年、1979年「イラン革命」により革命の波及を恐れたアラブ諸国とアメリカによって始まり、核兵器開発疑惑が提起された2002年からは国連(2006年)、米国(2010年、2012年)、EU(2012年)から相次いで高強度の制裁を受けることとなった。
ジョージ・W・ブッシュ大統領は、イラン・イラク・北朝鮮を”悪の枢軸国”と呼んだ。
実感として、日本人には伝わらなかったが、アメリカのある組織にとっては”悪”であったのだろう。
制裁を受けて核開発を辞めたイランと、水爆完成までたどり着いた北朝鮮。
両国の違いは、自国に資源があるかどうかに尽きる。
イランは自国の石油という武器を手に、次の戦いへと進む。
6)中国経済25年ぶり低水準
中国国家統計局が発表した2015年の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質ベースで、前年比6.9%増で、天安門事件直後の1990年(3.9%増)以来、25年ぶりの低い伸びだという。
そもそも中国の統計局の数字が信じられないのは周知のこと。
それでも低水準を公表せざるを得ないのは、いよいよ崩壊が近づいた。。
中国事情に詳しい三橋貴明氏の記事をコピペさせてもらえば
『NEWSポストセブン』
鉄鋼の供給過剰を国内で吸収することができない、ということを考えれば、AIIBの設立に躍起になるのも説明がつく。逆にいえば、AIIBを強引に設立し、世界中から資金調達した上で、アジア各地にインフラ投資を実施していく以外に、国内の鉄鋼等の供給過剰を昇華する道は残されていないというわけだ。供給過剰問題は鉄鋼だけでなく、自動車産業にも当てはまる。100社以上がある2015年の各自動車メーカーの稼働率は5割前後だ。すでに日米をはじめとした主要国の投資は大幅に激減している状態だ。
現に、豪州やブラジルといった鉄鉱石を輸出してきた国々は深刻な状況に追い込まれている。ブラジルなど政治的要因も重なって、国債の格付けは下がる一方だ。石油輸出国であるロシアや中東諸国も大きな打撃を受けている。
最悪なのは韓国だ。韓国のインフレ率は約50年ぶりの低水準0.7%と1999年のアジア通貨危機の時よりも悪い。内需が低迷し、インフレ率が上がらない状況で、外需まで失速する。まさに内憂外患の状況だ。しかも、韓国の場合、「製品輸出国」といて中国に依存してきた。その中国にしても同じような仕組みで発展してきた。つまり、補完関係ではなくライバル関係なのだ。
中国企業は急速に韓国企業にキャッチアップしてきている。すでにサムスンに代表されるスマホなど6分野ですでに中国企業に追い抜かれてしまっている。このままだと韓国は深刻なデフレ不況に突入するのは確実だ。通貨危機の再来の可能性もゼロではない。
もちろん、中国経済崩壊によって、まったくダメージがないわけではない。中国に多額の投資をしてきた企業は頭を抱えているし、爆買いも終われば旅行産業や小売業界も打撃は受けるだろう。しかし、日本の対中輸出対GDP比率は2.5%に過ぎない。仮に中国への輸出がゼロになったとしても、日本のGDPは2.5%マイナスになるに過ぎない。
ということらしいのだが、日本政府の皆さんわかっているのかなあ。
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