徹楽者とは?



徹楽者(てつがくしゃ)は、
徹底して自分らしさを追究する。
また、徹底して自分が楽しいと思うことをする。
これは、単なるわがままではない。
自分の楽しいことを徹底するのは、実は、厳しい。
自分の外と、自分の内にある批判者が自分の行動を止めようとするからだ。

まず前提として、
自分らしさ、自分が楽しいと思うことは何かを知っていなければならない。
他人や世間がどう思うか、ではなく、
本当のところ自分は自分をどう思うか、これが大事だ。
自分を評価する基準を、
周りの人、社会一般に合わせてきた人は
自分に対する感受性が低下しているので、
より周りの人間に受けのよい自分をつくろうとする。

自分を評価する基準(価値観)を、
自分の手に取り戻すことからはじめなければならない。
それには、自分が本当のところ、何を一番大事にしているのか、
深いところで自分を聴き取らなければならない。
きっかけは、普段感じている、
「何かしっくりこない」「うまくいえないんだけど、何か違う」
「納得がいかない」などの「違和感」だ。
「違和感」とは、自分の価値観と現実のズレから生じている。
ここに、自分の価値観を探るヒントがある。
「なぜ、しっくりこないのか?」「何が違うと感じるのか?」
「納得がいかないのはなぜか?」この問いを徹底して考え抜くこと。
これが徹楽者への第一歩だ。

ここで、自分の話を聴いてくれる人が必要だ。
自分ひとりで徹底して考え抜くことを続けていくと、
同じところをぐるぐる回ったり、
細かいところにこだわって脱線を続けたり、
自分を否定的に捉えて落ち込んでいったりしてしまう危険性があるからだ。

信頼できる友人がいたら、話してみよう。
ただし、自分の話を真剣に聴いてくれる人をきちんと選ぶこと。
中途半端なアドバイスや、慰めではなく、
批判や余計な質問をせず、ただ聴いてくれる人が理想だ。

人に話してみると、自分の考えが整理されることに気づく。
話す対象があるだけで、
人は自分の中に物語(シナリオ)を創り上げる。
また、相手の反応によって、あらたな気づきが得られる。
人に話すこと。これが、徹楽者への第二歩だ。

しかし、実は自分の話をしっかり聴いてもらう人と環境を創るのは結構難しい。
普段の自分の生き方が、ここではっきり出てしまうからだ。
普段から、自分が人の話を真剣に聴いていないと、
自分の話を真剣には聴いてもらえない。
人は、真剣に聴いてもらうと自分を受け入れてもらえた喜びと安心感で、
聴いてくれた相手を信頼する。
そして、今度は相手の話を聴こう、という態度になる。
このような良好な関係を普段から築いていないと、話を聴いてもらえない。

今からでも遅くない。まずは、自分が人の話を聴くことからはじめよう。

自分の価値観が明確になってくると、
自分が感じている違和感の原因がわかってくる。
それは、好きでもない仕事だったり、見当違いの思い込みだったり、
自分に対する自信のなさだったりする。
自分の行動(いましていること)を、自分の価値観に合わせる。
自分が本当にやりたいこと、楽しいと思うことをやる。
また、自分にはできるんだ、と自分を信じる。


ここで、今度は、自分の外の批判者に対することになる。

自分らしく、楽しいことを徹底しようとするには、当然、制約がある。

お金・経験・知識・学歴・資格など、
自分に足りないものばかり目についてしまう。
これらの条件をすべて満たしてからでないとスタートできないのだろうか?

まず、自分がやりたいことの本質を掴まなければならない。
自分がやりたいことは、これらの条件を満たさないとできないのか?
条件がなくても今できることはないだろうか?
また、やりながら条件を整えることはできないか?
いくらでもアイデアはある。
すべて完璧な状態で物事のスタートが切れることはめったにない。
不完全でもはじめてみよう。
行動することで、思わぬ展開が開けたり、
新しい気づき・アイデアが浮かんでくる。
そしてまた行動を修正すればいいのだ。

うまくいくときばかりではないだろう。
しかし、自分らしさ、楽しいことを徹底する姿勢があれば、
乗り越えていける。
実は、反対する人、思わぬ障害などは、
全て自分の冒険シナリオに不可欠なものだからだ。
ここで、自分がどれだけ自分を信じられるか、
が試されるといっていい。

このように、徹楽者の武器は、
「深く聴くこと」(ディープリスニング)と
「自分自身の物語を創ること」(シナリオライティング)だ。

この二つがあってはじめて自分の徹楽を生きることができる。



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