スピリチュアリズムとは           ~霊的真理の普及のために~ 

最後に

江原啓之 特集 ~最後に~

今回の江原氏研究によって得られた確実な教訓は
「純粋な霊的真理とスピリチュアリズムは江原氏の書籍では勉強できない」
ということです。

私は最初、江原氏が本当にすごい人なのかも…と思っていたときがありまし
た。しかし、高級霊訓でスピリチュアリズムを学べば学ぶほど「あれ、おかし
いな?」という点が増えていったのです。そこで、もっとスピリチュアリズムを
学び、他の宗教や思想についても勉強しました。そして、今回このような結
果となりました。

江原氏の教えはあくまで「江原流スピリチュアリズム」の域を脱しないの
です。それはいままでに数々の聖人や教祖が犯してきた過ちを繰り返して
いることになります。江原氏を信じて、自分は「スピリチュアリスト」だと信じて
いる善良な人々を彼自身が裏切っているとしか思えません。


最初、江原氏の著作でいいなと思った部分があったのは、霊的真理に触れ
られたからだと思います。しかし彼が善良で本当に心霊能力が高かったとし
ても、高級霊訓を読んでしまっては江原氏の考え方にはもう後戻りはできま
せん。今まで述べてきたように彼の教えは純粋なスピリチュアリズムではな
いからです。

*スピリチュアリズムとは何なのか

スピリチュアリズムで重要なのは、できるだけ霊媒の思想と見解の混入させ
ない高級霊の霊訓です。


人類史上、多くの霊媒や預言者に神からの啓示が与えられてきました。神
の啓示は必ず地上の人間を通じて与えられることになっており、その啓示
はその時代と土地や民族にとって有用な内容でした。しかし神の啓示は、そ
れを受けた霊媒の理解力と思想に影響されてしまいます。霊媒自身がこう
あるべきだという考え以上の啓示は受けられません。さらに教典の編纂者、
宗教家、神学者、政治家などの見解が加えられ、宗教の教義はドグマの宝
庫となってしまいました。そういった経緯からスピリチュアリズム、つまり霊的
真理の普及活動は始められたのです。

しかし、江原氏の書籍のほとんどは江原氏という霊媒自身の思想と見解だ
らけです。江原氏の著書によって初めてスピリチュアリズムに触れる人は、
それが霊的真理に基づいた話なのか、神道に基づいた話なのか、仏教の
話なのか、ニューエイジの思想なのか、江原氏の個人的な考えなのか、さっ
ぱり区別がつかないと思います。結果、様々なドグマを含んだ「江原流スピ
リチュアリズム」が出来上がり、過去の宗教家と同じような運命を辿っていま
す。

これらの区別がつかないとパワーストーンやお守りを買ったり神社参拝のた
めに、貴重なお金と時間を浪費しますので、ぜひ気をつけていただきたいと
思います。

大事なことは 既成の宗教のごとく特定の人間を崇拝するのではなく、神
の法則に自分の生き方を合わせていく
ということです。それは江原氏も
言っていることですが、それを忘れては霊的真理を得た意味がありません。
人間は完璧ではないので、人の行動を倣うのではなく、神の法則に従うこと
です。

また、霊性のレベルに合わせて真理を平易にわかりやすく説くことは、間
違ったことを利用して説いても良いということの理由にはなりません。

真理は易しくても高度でも真理でなければ意味がありません。

江原氏については言動一致しない点がとても多いと思います。しかしそれこ
そが、これから人間が埋めていくべき理想と現実のギャップなのでしょうね。

*なぜ江原氏は良い人と思われ、人気がでるのか。

それは彼の発言の中には真理も含まれているからです。真理は必ず人々
に何らかの魂の感動を与えます。彼の発言の一部分にとても感動した人
は、ほかの部分も本当かどうか検証しようとしないで、最初から全てを受け
入れてしまいがちです。それが江原氏の書籍などが流行するゆえんだと思
います。それは様々な宗教にも言えることです。聖書や経典にも真理は含
まれています。しかし 既成宗教の教義には100パーセント真理だけをま
とめたものは一つとしてありません。


特に今回研究してみた江原氏の教えは、スピリチュアリズム、神道、仏教、
ニューエイジと様々な思想が混ざっており、純粋な霊的真理とはいえませ
ん。まだスピリチュアルなことに興味を持ち始めたばかりの人にとってはそ
の区別をつけることは難しいため、彼はとにかく素晴らしいと妄信する人も
少なくありません。

江原氏の書籍に感動したり、救われた方もたくさんいるのだと思います。
それはとても素晴らしい事です。私は江原氏を好きだと言う人を非難する
つもりはありません。江原氏を好きだという人というのは、愛や倫理を大
切にしたいという善良な人が多いと思います。善良な人が多いからこそ、江
原氏のスピリチュアリズムを真のスピリチュアリズムと信じてしまっている状
況は放ってはおけませんでした。

私がここで、声高に言わなくても、きっといつか多くの人が江原氏の教えに
は物足りなくなるか、疑問を抱くことになるでしょう。私もそうでした。そのとき
こそ、江原氏を卒業して真のスピリチュアリズム、霊的真理を学ぶチャンス
です。そして江原氏が正しく理解し、評価できなかった霊的真理の本当の意
味を知るときです。

そのとき他の霊能者や宗教、前世療法などに助けを求めないで、まずは高
級霊訓を学んでいただきたいと思います。一度、 徹底的に批判精神を
持って霊訓をお読みください。
私も成功哲学を妄信してしまった経験が
あるため、それはそれは批判精神を持って読みました。

それでも霊訓では助けにならないと感じて、他のものを求める人もいるで
しょう。それはとても残念なことですが、高級霊訓と出会ってもその真価がま
だ分かる時機ではなかったということです。霊的に目覚めるためには他の
きっかけが必要なのかもしれません。人間は守護霊らの導きによって必ず
真理を学ぶチャンスが与えられます。ぜひそうして日々努力し続ける守護霊
らのためにも、そのチャンスを見過ごさないようにしていただきたいと思いま
す。

*霊的真理を信仰しなければならないのか?

高級霊によって地上に伝えられた霊的真理は、信じなければ救われないと
いうものではありません。ただ死後の世界へ旅立ったときに自分が間違って
いたと気がつくだけです。そのとき考えを直せばよいのです。また霊的真理
を全く知らなかったからといって、おとがめもありません。

霊的真理を信仰した人だけ天国や素晴らしい世界へ行けて救われたり、信
じなかった人が地獄へ落とされて救われなかったりはしません。霊界の霊た
ちは必ず全ての人間が霊的真理に目覚めるように愛を持って援助してくれ
ます。それは神の愛でもあり、意志でもあるからです。今も霊たちは地上の
人間に働きかけているのですが、人間が気づかないだけなのです。

人間の理性に耐えうるものであるかどうかを確かめることが大切なの
は、他の宗教を信仰している方も同様です。


今、信仰している宗教は、人類のための信仰ではなく、教祖様や教団のた
めの信仰になってはいないか。

その教義は人間が神様から与えられた理性の批判に耐えうる教義か。当
初、一度は矛盾しているなと思ったり疑問をもっても、そんなことは考えなく
ても良いとか、そういうものなのだ、と言いくるめられた経験はないだろう
か。疑問に大して納得できる答えが得らたか。教義全体を通して調べて矛
盾している点はないだろうか。

同じ神を信じているのに、多くの宗派があるのはなぜだろうか。絶対にその
教義を信じなければ人間は救われないのだろうか。それは果たして公平な
神のすることだろうか。

現在自分の信仰しているものに疑問が湧いてくるのは、自分がその信
仰より上の霊性レベルを求めている証です。
決していけないことでも悪
いことでもありません。人間には理性があるのだから当然のことです。そん
な方にこそ高級霊訓を読んで真理とは何か、また真理を探究し続けること
の意義を考えてみていただきたいと日々願っています。



2005.1.29
2005.3.1更新


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