2




愛、それは

インド洋の

上に広がる

笑顔のように優しい。

丘の上の

柿の木の根元に咲く一輪の

菊の花のように…

クランケが手術を待つような気持ちのまま、

稽古が終わり、

COMME CA DU MODE の服に身を包む。そして…

妻子の待つ我が家へと一人歩いていく。

師走に入り皆忙しそうに雑踏を通り過ぎていく。



清楚な女学生も心なしか忙しげだ。



宅地造成がこの辺りでも進んでいるが

地質学的に貴重であるということで俺の家の裏山は削られずに済んだ。

衝立の向こうで妻と子供の寝息が聞こえる。

テントの中で私が眠るのは私のいびきが妻子の眠りを妨げないためだ。



何だか切ない気分だ。







脳波、特に睡眠時に出るδ波を私のいびきの波長が打ち消してしまうとでもいうのか。



皮膚感覚が敏感になってきて眠れない。





星飛雄馬のように正々堂々としていて

負け惜しみを言わないような人間になりたいが…



娘の寝顔を見るとどうしても弱音を吐いてしまう。

メモには自分を律するような格言ばかり書かれているが、

靄がかかったように今の私は人生はこれから先が見えない。



夕月夜、私はひとり

酔っ払っている。

ラリってしまいたい誘惑の中、娘のためだけを思い、

Legalに生きたいのだ。

るるられろおろれ~~。などと呂律が回っていない私だが、

れろれろれろれろ正々堂々酔っ払っていたいのだ。

ロックはいいわ!! 俺の今の気持ちを代弁してくれている。とにかく…

私は、あなたを…

ををを--------------んっっ!!!!!


     そう、あのインド洋上に広がる笑顔のように

        柿の木の根元に咲くあの一輪の儚い菊の花のように…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: