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「あれ、おかしい」と思ってから手や足が動かなくなるまで“数分で進行” ―――佐藤弘道さんのコメントによりますと、研修会指導に向かう飛行機内で体調を崩して下半身麻痺となり、歩けなくなってしまったということです。脊髄梗塞の初期症状について教えてください。 「突然、両手や両足が動かなくなったり、動きにくくなったりします。脳梗塞の場合は右手や右足など左右のどちらかで症状が出ることが多いですが、脊髄梗塞の場合は両方動かなくなるということが起きます」 ―――病気の進行は早いのでしょうか? 「『あれ、おかしい』と痛みがあることもあります。そして、手足が動かしづらいということが起こって、血管が完全に詰まってしまうと全く動かなくなる。というのが数分で進行してしまう。血管が詰まるというのは非常にこわいものなので、早く病院に行って診断を受けてください。治療ができる時間(ゴールデンタイム)が限られていますので、その中で治療ができれば、治る見込みが出てくると」下半身不随になると排便・排尿にも不具合生じる ―――梗塞が起こる場所によって症状の出る場所が異なるということですね? 「例えば、首のあたりで梗塞が起きると呼吸ができなくなったり、腰のあたりだと足が動かなくなったりします」 ―――下半身不随になると排便・排尿にも不具合が生じるのですか? 「排便・排尿することも神経によって動かしているので、神経がシャットアウトされるとそういった行為も難しくなってきます。そのため、外からの助けを借りないと排便・排尿ができないということになります」 ―――排便・排尿をしたいという感覚もなくなるのでしょうか? 「したいという感覚もなくなることもあります。なので、お腹が張ってくることもあります」“有効な治療法”が確立されていないのが現状 ―――佐藤弘道さんは緊急入院し、投薬とリハビリの日々を過ごしているということです。治療法について教えてください。 「発症して約6~8時間以内の場合、血栓を溶かす『血栓溶解療法』という治療法もありますが、それが難しかった場合、動かない足を動かすためにリハビリで体を動かしていくことが中心になります」 ―――有効な治療法は確立されていないのでしょうか? 「そうですね。神経が機能不全を起こしてしまうと元に戻りませんので。元に戻る治療法があればいいのですが、現状ではありません」 ―――現在、佐藤弘道さんは全く歩けない状態だということですが、回復は望めるのでしょうか? 「正直なところ、かなり厳しいかもしれません。ただ、まだお若くて身体能力が高い方なので、リハビリに努力されると思います。何とか少しでも元の状態に近い形まで頑張っていただけるといいのですが、なかなかそこまで戻るのは難しいことです」 ―――予防法はあるのでしょうか? 「日常的に頻繁に起こる病気ではありませんが、例えば、被災地での避難所生活や車中泊などじっと座っている体勢が多い場面では、1時間に1回足を動かしたり歩いたりして予防することが大事だと思います。また、脱水の状態ですと血栓ができやすいので、水分補給も非常に大事な点だと思います」『脊髄の血管が詰まり脊髄の機能が失われる』 ―――まず脊髄というのは、脳とつながっていて、背骨(脊椎)の管の中を通る神経の束ということですね? 「脳の電気信号で手足が動きますが、動くときに脳からの信号を伝える役割をするのが脊髄。そして脊髄から神経にいって手足が動いていくことになります」 ―――脊髄梗塞とは、どのような病気なのでしょうか? 「脳梗塞や心筋梗塞と同じように、血栓などの理由で脊髄の血管が詰まってしまい、脊髄の機能が失われて手足が動かなくなったりする病気です。“梗塞”というのは“詰まる”という意味ですね」 ―――非常にまれな病気で、脳卒中の1~2%程度と言われているようです。発見が難しい病気なのですね? 「急に症状が出て病院に行ったとしても、医師もすぐにそれを想起して治療したりというのはなかなか難しくて、いろいろな検査を経てということなので、治療までに時間がかかります」 ―――年齢関係なく起こるのでしょうか? 「やはり高齢者の方が起こりやすいです。ただ、飛行機の中で今回起こっています。エコノミークラス症候群というのを聞いたことがあると思いますが、『深部静脈血栓症』と言って、足のふくらはぎのあたりにある静脈に血栓ができて、それがとんでしまうと若い方でも起こりえます。そこが怖いところだと思います」 ―――飛行機で起こることも多いのですか? 「そんなに多いとは思いませんが、そういった場合もありますので、飛行機などに乗るときは同じ姿勢で長時間座ることは避けて、足を動かしたり歩いたりして予防することが必要だと思います」
2024年06月16日
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人生の最終局面、多くの人は幸せな最期でありたいと望むだろうが、それがなかなか難しい。【一覧】えっ、あれも…飲んでも効かない「サプリ」はこちら 人生の最期は、親と子供、夫と妻など、その人が築いてきた身近な人たちとの関係性が写し鏡のように反映されることも多いからだ。子供や配偶者に辛くあたってきた父親は、家族から距離を置かれやすい。子供を愛情たっぷりに育てたつもりでも、その愛情の方向性が相手にとって間違っていれば、最期に期待するような親子関係を築くのは難しい。 そして、その関係性がいびつであればあるほど、トラブルも起こりやすい。 「50代「ひきこもり」息子と暮らす78歳母が、末期がんで寝たきりに…「ゴミ屋敷」で迎えた「悲痛な最期」」に続き、看護師・武藤直子さんが紹介するケースは、息子の「ひきこもり」を長年にわたって許容してきた母親、小倉洋子さん(享年78)の話である――。息子が母を呼び戻した不条理な理由 「ひきこもりの息子さんは、親が死んだあとの自分の将来を気にしてか、母親の老後の資金をできるだけ使わないようにするため、訪問介護を入れず、自分で母親の面倒をみていました。ところがわずか1ヵ月ほどで音を上げ、介護放棄しました。『もう施設に入れて欲しい』と言い出したので、間髪いれず担当のケアマネージャーが動いて施設に入所させる手続きをとりました。その結果、洋子さんは保護され、安堵したのですが…」(武藤さん・以下同) ところがその2ヵ月後、息子が「母を施設に預けられない。私が引き取る」と言い出したため、洋子さんは再び自宅に戻り、シューズインクローゼットだった場所に寝床を戻ることになったという。 「手のひらを返した理由は“お金の問題”です。施設に入所したことで洋子さんのお金の管理は、息子さんから施設に移りました。親の金以外の手持ちが無かった息子さんは、食うに困って『ちゃんと介護をするから』と言って、母親を戻してしまったのです。はたから見れば許しがたい動機ですが、洋子さんにとっては大切な息子。家に帰ってはダメだと引き止める人もいたようですが、『息子がそう言っているのなら』といって施設を出ました」母への愛情はあるけれど… 繰り返すが、息子が自分の将来のために節約しているお金は、母親である洋子さんが定年まで懸命に働いて、貯めてきた老後の資金と、洋子さん自身の厚生年金や国民年金である。息子はそれをあてにして、末期がんで苦しむ母親にすらお金を使わせない状況だった。ただ、だからといって母への愛情がまったくなかったわけではないという。 「相変わらず訪問介護を入れることを拒否していたようですが、オムツはこまめに変えていたし、衛生管理がどうにもいかなくなったら私たちを呼んで、訪問入浴で綺麗にしようとしていました。何か気づけば『最近、母の顔色が悪いようにみえるのですが大丈夫でしょうか』『お通じが数日ないけどどうしたらいいでしょう』と心配そうにしていることもよくありました。私たちが入浴後に取り換えるお布団のシーツがボロボロで、『新しいシーツをだすことはできますか? 』と頼めば、『探してきます』といって違うシーツを持ってきました。ただ、それもボロボロでしたが…。 息子さんに、母への愛情はあったと思います。ただ母親の死後の生活のことが頭にちらつき、介護がいびつになっていた。だから床ずれを心配し、熱心に予防する方法を聞いてくる反面、低反発のマットや介護ベッドのレンタルを勧めても拒否したり、ヘルパーを入れたほうが安心なのに、節約のために、自分でやろうとしていたように感じます。訪問入浴についても、週2回などの定期的な依頼ではなく、節約に節約を重ねて1ヵ月に1度程度、依頼してくる形をとっていました」 その一方で、息子がネット通販で何かを購入しているようで、居間やキッチン、廊下には新しく届いた工具や家電製品、パソコンの周辺機器が未開封のまま増えていったという。末期がんの母親に焼いたウインナー 武藤さんが見ていて胸が締めつけられたのが、洋子さんの食生活だった。1日3食を息子がつくって食べさせていたというが、 「洋子さんはがんの末期で食欲もなくなってきている状態なのに、息子さんがつくる介護食は彼女のことをまるで考えていない献立だったのです。例えば、朝食がトーストとケチャップをかけたスクランブルエッグだったり、晩御飯が焼きウインナーに目玉焼き、キャベツの千切り、おかゆ、麦茶だったりと、まるで独身の不摂生なおかずなのです。 当然、洋子さんはほとんど食べることができません。それをみて息子さんは『母がなかなか食べてくれない』と心配し、私たちに相談してくるのですが、介護食の宅配サービスを提案しても、「それはダメです」と拒否をする。洋子さんのことを考えると、やるせない思いがしました」 もともと末期がんではあったが、結果、洋子さんはみるみるやせ衰えていった。 「ある日、訪問入浴に訪れると、洋子さんの容体は残された時間が少ないと感じるところまできていました。私たちはどうにかして洋子さんに好きなものを食べさせてあげたかった。でも息子さんはそれを嫌います。そんなとき息子さんが二階からおりてきて『母が痩せてしまっている。どうしたらいいですか』と聞いてきたのです。私たちは洋子さんをお風呂に入れながら、『洋子さんはなにが食べたい? 』と聞いて、『そうね…。まぐろのお刺身だったら少しだけ食べられるかも知れない』と言ってもらいました。母親の願いなら聞き入れてくれると思ったのです。でも、それも却下されました。そのときの洋子さんが一瞬みせた、諦めたような顔つきがいまも頭から離れません」 その2週間後、洋子さんはシューズインクローゼットの寝床で旅立った。
2024年05月04日
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血便が起きる原因にはさまざまなものがあります。腸などから出血している可能性も考えられますし、痔が原因ということも。血便が起きる原因と、それぞれのリスク、すぐ治療を行った方がいいケースなどについて、「高田馬場駅前おだぎ内視鏡・消化器内科」の小田木先生に教えていただきました。[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]血便の症状が現れる原因は?編集部:血便が現れる疾患には、どのようなものが考えられるのでしょうか?小田木先生:血便といっても出血した場所や出血した量により、さまざまな種類があります。よく血便と混同されやすいものに「下血」があります。下血とは、胃や十二指腸などの上部消化管から出血すること。一方、大腸や肛門といった下部消化管から出血することを「血便」と言います。編集部:どうやって見分けるのですか?小田木先生:たとえば、黒色便(タール便)が出る場合には胃や十二指腸などで出血が起きていることが考えられます。なぜ血液の色が黒ずんでいるかというと、胃で分泌される胃酸と反応するため。胃、十二指腸、小腸の上部は胃酸の影響を受けて酸化が進みやすいので、便に混ざる血液の色が黒ずんで見えるのです。編集部:この場合にはどのような疾患が考えられますか?小田木先生:たとえば、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などが考えられます。そのほか、胃がんや食道静脈瘤破裂などの可能性もあります。編集部:一方、血便にはどのような種類があるのでしょうか?小田木先生:タール便ほどではないけれど、黒ずんだ血便が出ることがあります。この場合には大腸の奥の方からの出血が疑われ、大腸憩室出血や大腸炎などが考えられます。ただし、S状結腸からの憩室出血が起きると鮮血が出る場合もあるので、注意が必要です。編集部:そのほかには?小田木先生:いちごジャムみたいな粘液が便に混ざった粘血便が出ることもあります。この場合には、赤痢アメーバなどの感染症や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患が考えられます。そのほか、真っ赤な鮮血が出た場合には肛門の近くで出血が起きていることが考えられ、もっとも頻度が高いのは痔出血です。血便と深刻度の関係編集部:そのなかで、特に危険なものはありますか?小田木先生:特に気をつけたいのは、暗赤色便が出る大腸がんです。大腸がんは近年患者数が急増しており、厚生労働省が2023年9月に公表した「2022年の人口動態統計(確定数)」によると、現在、日本における大腸がんの死亡数は、男性では肺がんに次いで2位、女性では1位を占めています 。「まだ若いから」といって油断せず、早めに内視鏡検査を受けるようにしましょう。編集部:大腸がんの場合、出血量は多いのですか?小田木先生:いいえ、場合によっては出血量が少ないこともあり、見逃しがちです。また、必ずしも暗赤色ではなく、鮮血が混ざることもあります。血液の色はがんができる場所によって異なり、肛門に近い直腸がんは鮮血、結腸がんは黒色の便が見られることが多いとされています。編集部:ほかに気をつけた方がいい血便はありますか?小田木先生:血便ではなく下血に分類されますが、黒色便(タール便)が見られた場合にも要注意。この場合には胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍などが疑われます。早めに胃の内視鏡検査を受けることをおすすめします。編集部:そのほかに、気をつけた方がいい症状は?小田木先生:潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患や、虚血性腸炎、憩室出血、大腸ポリープなど、さまざまな疾患が血便を引き起こします。これらの場合には暗赤色の血便が見られることが多いとされていますが、たとえば、憩室出血や虚血性腸炎のように、鮮血の混ざった便が見られることもあります。色だけで判断するのではなく、血便が出たら念のため、早めに受診することが大切です。血便が出たら? いざという時に慌てないために編集部:血便が出たらどうしたら良いでしょうか?小田木先生:まずは出血した時の状況をメモしておくことをおすすめします。「血液は便に混ざっていたのか、それともトイレットペーパーについた程度なのか」「血液の量は大量だったか、少量だったか」「血液の色は黒ずんでいたのか、鮮血だったか」「血便は繰り返したか、それとも1回だけか」「粘液は混ざっていたか」「腹痛や下痢などほかの症状はあったか」といったことを記録しておくと、診察時に役立ちます。また、「過去に血便が見られたことがあったか」なども診察時に伝えましょう。編集部:メモをしておくのがいいのですね。小田木先生:あるいは、血便の様子をスマートフォンなどで写真を撮影しておくと良いと思います。色や粘液の状態などを確認しやすく、診察がスムーズになります。編集部:血便が出た場合は何科を受診すれば良いでしょうか?小田木先生:消化器内科を受診することをおすすめします。場合によっては内視鏡検査を行うことも多いので、そういった検査設備を整えている医療機関を受診すると便利です。編集部:内視鏡検査のほか、どのような検査が行われますか?小田木先生:大腸や胃の内視鏡検査のほか、痔が疑われる場合には肛門科にて肛門鏡の検査を行うこともあります。編集部:肛門鏡の検査を行うこともあるのですね。小田木先生:はい。もしかしたら痔による出血かもしれないので、その可能性を排除するために肛門鏡の検査を行うこともあります。ただし、痔であることがわかっても、大腸などに原因がないわけではないので、肛門鏡の検査に続いて大腸カメラを行うことも必要です。編集部:最後に、読者へのメッセージをお願いします。小田木先生:「一度、血便が出ただけだから」「少量だから」などといって検査を受けずに済ませてしまう方も少なくありません。しかし、血便が出たということは、体内のどこかで出血が起きているということであり、もしかしたら重篤な疾患が隠れているかもしれません。大腸カメラは頻回に行う必要はなく、一度検査を受けて異常が見つからなければ、その後は5年に1回程度の頻度でも問題ありません。疾患の可能性がないことを確認し、安心するためにも、血便が出たらまずは一度大腸カメラを受けることを強く推奨します。
2024年04月11日
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生涯独身の男性の平均寿命は、67歳……。こんなショッキングなデータが存在するのをご存じだろうか? 近刊『老後ひとり暮らしの壁』の著者で、遺品整理・生前整理などの事業を手がける山村秀炯氏が、「おひとりさま」の男性が早死にしやすい科学的理由と、「結婚する」以外の解決策を提示する。----------【マンガ】5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ”科学的に解明されてきた孤独の死亡リスク写真:現代ビジネス 「孤独・孤立が寿命を縮める」といわれています。 NHK健康チャンネルによれば、死亡リスクを増加させる要因として、肥満、過度の飲酒、喫煙などと並べて「孤立(社会とのつながりが少ない)」を挙げています。なんと、この4つの中で、「孤立」が最も死亡リスクを上げてしまうというのです。 NHK健康チャンネルの元ネタになっているのは、アメリカのブリガムヤング大学のジュリアン・ホルト・ランスタッド教授による2015年の論文です。 同教授は、148の研究、30万人以上のデータをメタ分析して、死亡リスクの上昇率は、「社会的孤立」で29%、「孤独感」で26%、「一人暮らし」で32%と結論付けました。 社会的なつながりが少なくて、孤独感を感じていて、ひとり暮らしであると、そうでない人に比べて死亡リスクは約1.9倍になってしまうのです。 同教授の以前の論文では、孤独であることの死亡リスクは、「1日たばこを15本吸うことと同等」であり、「アルコール依存症であると同等」であり、「運動をしないことよりも高く」、「肥満の2倍高い」とされています。 喫煙や飲酒は定量的なデータですが、孤立かそうでないかのボーダーラインはどこにあるのでしょうか。 同研究によれば、「社会的孤立」は客観的な他人との接触率で、「孤独感」は主観的な感覚でした。つまり主観的には「ひとりでいて幸せ」と感じていたとしても、実際に他人との接触やコミュニケーションが少ない場合は死亡率が高まっていたのです。 江越先生のクリニックで最もよく見るのは、未婚の独身男性。彼らは頭痛、腹痛、腰痛、あるいは胸が痛いとか、目が痛いなどの症状を訴えるのですが、原因は心にあります。心の奥では「結婚したいけどできない」ことに無自覚に悩んでいて、それを表立って口にできないために身体症状として表れてしまうのです。 痛みがともなうので最初は内科を受診するものの、これといった原因が見つからず、不定愁訴として精神科を紹介されるパターンが多くあります。 人間は不快なことを我慢し続けていると、コルチゾールが増えて、最終的に痛みや炎症が発生するようにできています。それが前頭葉の神経細胞を不活化させて、うつ病になるのではないかと考えられています。 ですから、いま原因不明の痛みがあるという方は、それはもしかすると「孤独感」からくるものかもしれません。もちろん女性であっても同じです。
2024年04月09日
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音楽グループglobeのボーカルKEIKOさんも患った「くも膜下出血」。致死率40%の怖い病気だ。発症すると、「突然バットで殴られたような激烈な頭痛」に襲われるといわれているが、実際は必ずしもそうとは限らず、約20~30%は「我慢できる程度の頭痛」で始まるらしい。くも膜下出血で命を落とさないために、見逃してはいけない頭痛の兆候や、医療機関のかかり方、そして受診時に「やってはいけないこと」などについて、脳神経外科医の金中直輔医師(かねなか脳神経外科院長)に聞いた。【写真で見る】術中の脳の様子。中央下にある丸っこいものが「脳動脈瘤」■昼食後にコーヒーを飲んだ瞬間… 職場で同僚と話しながら昼食を食べていた会社員Aさん。 食後のコーヒーを一口飲んだ瞬間、後頭部に痛みが走った。経験したことのない痛さだったが、1時間ほど安静にしていると消失したので、そのまま帰宅。翌日、シャワーを浴びている途中に再び痛みが起こり、近くの脳神経外科クリニックを受診したところ、くも膜下出血だった――。 これは、「我慢できる程度の頭痛」で始まるくも膜下出血の典型例だ。 脳は、外側から硬膜・くも膜・軟膜と呼ばれる3つの膜で包まれている。くも膜下出血は、このうちのくも膜と軟膜の隙間「くも膜下腔(くう)」に出血が起こることをいう。 原因の約80%は「脳動脈瘤(りゅう)」といわれる血管のふくらみ。血圧の上昇などにより、この瘤が破裂することで発症する。■20~30%は一過性の頭痛で始まる 金中院長は言う。 「くも膜下出血についてネットなどで調べると、『激烈な頭痛の後、意識を失い、そのまま亡くなる』という書き方をしている記事が多い。しかし、20~30%の人はAさんのような症状で始まることがわかっています」 これを「外来に歩いてやってくるくも膜下出血の患者」という意味で、専門医の間では、「walk-in SAH(歩いてくるくも膜下出血、SAHはくも膜下出血の略)」と呼んでいるそうだ。 本稿では、この「ウォークインくも膜下出血」について話を進めよう。 金中医師によれば、ウォークインくも膜下出血の頭痛は、脳動脈瘤からの出血が少量だった場合に起こる。この頭痛を「警告頭痛」と呼ぶこともある。 一般的に、くも膜下出血を起こすと、血液がくも膜下腔にたまり、その圧で髄膜が刺激されたり、頭蓋(ずがい)内圧が上昇したりすることで、頭痛や吐き気、意識障害をきたしたりする。ところが、出血が少量の場合、症状も軽いまま。出血が止まると頭痛も治まってしまう。 「ウォークインくも膜下出血が、まさにこの状態です。ただし、破れた脳動脈瘤は傷がかさぶたで覆われたようなもろい状態なので、体を動かしたり、血圧が上がって血管が刺激されたりした拍子に、再び、出血が起こります。このときは意識を失うような、本格的なくも膜下出血を発症することがほとんどです」(金中医師) しかも、2回目の出血はほぼ100%の確率で起こるといっても過言ではなく、「初回の出血から2週間以内に起きるとされ、最も多いのは24時間以内です」(金中医師)。■警告頭痛の4つのポイント くも膜下出血で命を落とさないためにも、警告頭痛を見逃さないことが大事というわけだ。金中医師は警告頭痛の特徴として、以下のポイントを挙げる。■突然、起こる頭痛(〇時〇分に頭痛が起こった、とはっきり覚えている)■後頭部や後頸部(首の後ろ)が痛むことが多い■一般的な頭痛とは違う、強く、持続する痛み(頭痛持ちの人は「いつもと違う頭痛」と表現する)■市販の痛み止めや処方されている頭痛薬(鎮痛薬)が効かない これらの兆候があったら、躊躇せずに脳神経外科を受診し、必ず画像検査を受けたほうがいいという。 画像検査については、ウォークインくも膜下出血は出血が少量のため、CT画像では異常をとらえにくい。血液は徐々に体に吸収されていくので、時間が経つほど検出が難しくなるともいわれる。 「可能であれば、より詳細に脳の画像を撮影できるMRI(磁気共鳴画像診断)を受けましょう。MRIでは出血の痕なども確認できます。脳神経外科であればMRIがあるはずなので、そうした病院やクリニックに行くか、かかりつけ医から検査のできる医療機関を紹介してもらってください」(金中医師) ふつうの脳神経外科医であればくも膜下出血が疑われたら、画像検査を勧める。もちろん、患者から「画像検査を受ける必要はないのでしょうか?」と聞いてもかまわないそうだ。■画像検査は「絶対に」先延ばししない また金中医師は、「医師から『今すぐ脳の画像検査を受けたほうがいい』と言われたら、検査を受けること。『今日は忙しいからあとで』などと、先延ばしにしないでください」と、自戒を込めて忠告する。 「実は、開業当初、『1週間前にいつもと違う頭痛』を訴えた40代の男性患者さんに画像検査を勧めたのですが、『仕事が忙しいから検査はできない』とおっしゃるので、その日は薬を出して、お帰ししてしまったんです。翌日、警察から連絡があり、その患者さんがくも膜下出血のため亡くなったことを知りました」警察によると、男性は風呂場で死亡していたのを発見されたという。夜間に風呂に入り、そこで2度目の出血が起こってしまったようだ。 金中医師は「思い出すたびにつらくなる、痛恨のケースです。あの時に画像検査をしていれば命は失われなかった」と話し、それ以来、強い頭痛がある場合には、より積極的に検査を受けるよう説得をしているという。 くも膜下出血と診断されたら、即、入院・治療となる。破れた動脈瘤から再出血が起こらないように手術を行うが、一刻を争うという。 「当院では手術ができないため、くも膜下出血が疑われる患者さんを診たら、血圧の変動を生じないようにまずは動かない状態で、安静にしてもらいます。同時に救急車を手配し、手術ができる専門病院に搬送します」(金中医師) 手術では脳動脈瘤の根元を金属製のクリップで挟む「開頭クリッピング術」が行われる。最近は「コイル塞栓術」といって、足の付け根の動脈からカテーテル(細長い柔らかい管)を入れ、脳動脈瘤の内側をプラチナ製のコイルで充填し、血栓化させることで、血液の流れ込む隙間をなくし、破裂を防ぐ方法もある。 「開頭クリッピング術」「コイル塞栓術」のどちらの治療になるかは、出血した瘤の場所、大きさや形状、搬送先施設の手術体制などを総合的に判断し決定されるそうだ。 「手術が終了してもしばらくは安心できません。くも膜下出血を起こした後、脳梗塞を起こすことがけっこうあります。また、髄液の循環が悪化して水頭症になることも。ただし、ウォークインくも膜下出血の場合、この時期を乗り越えれば、後遺症ゼロで日常生活に戻ることができるケースが多いです」(金中医師)
2024年04月06日
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心臓の心房がけいれんするように細かく震え不規則な脈になる疾患「心房細動」は、日本国内でも検診で診断される患者数だけで約80万人、自覚症状がないなど検診での診断がない場合を含めると、実際には100万人以上いると言われている。【この記事に関する別の画像を見る】 年齢を重ねるほどリスクが大きく、治療せずに放置すると、心不全や世界で2番目に多い死因といわれている脳卒中につながる恐れがある。 心房細動は動悸や息切れ、めまいなどの自覚症状がある場合もある一方、約半数が無症状であるといわれており、就寝中に発生することも多く、年に一度の健康診断でも検診中に発生しなければ、発見されないことも多い。 長期間記録できる心電計も多い一方、アップル(Apple)のApple Watchの一部機種(Apple Watch Series 4以降/Ultra以降、SEは除く)では、心電図アプリで手軽に計測することができる。 このApple Watchの心電図アプリは、日本でも医療機器として承認されているもので、一部の医師は、この心電図アプリを活用して心房細動などの発見や手術後の経過観察などに活用している。 今回は、積極的にApple Watchの心電図アプリを活用し、Apple Watch外来を開設しているニューハート・ワタナベ国際病院の副院長兼ウルフ―オオツカ低侵襲心房細動手術センター センター長の大塚 俊哉氏に、Apple Watch活用の背景やメリットを聞いた。■ 経過観察が重要な心房細動 大塚氏は、心房細動の治療について「手術をしました、でもう終わりではない。やはり再発しないかということや、それをどうやって判断するかということが、治療の中でも課題だった」とコメント。手術の経過を見るにも、心電図の存在は不可欠で、実際に学会でも、術後の追跡に関するガイドラインが制定されているが「大体何ヶ月おきに心電図を見るといった継続性、連続性がないもの」と指摘。 Apple Watchを使うと、患者自身が病院に行かなくてもかんたんに心電図を計測できる。大塚氏は、「どこでも計測できる」という点にも高いベネフィットがあるという。大塚氏の患者の中には、日本各地のほか、海外在住の患者もいるといい、離れた場所からでも早期発見や術後の経過観察ができる。■ 健康な人でも“異常に気づける” Apple Watchには、不規則な心拍リズムを検知するとユーザーに通知する機能が備わっている。実際に、大塚氏のApple Watch外来でも、この通知をきっかけに心電図のデータを送るユーザーも多いといい、中にはやはり心房細動の兆候があり、近くの病院への受診を勧められたり、実際に大塚氏による治療を受けたりする人もいるという。 通常では、年に1回の健康診断の場で行われる心電図が唯一の気づける場になるが、不整脈などが発生するタイミングが合うことは珍しく、また多くの場合は発生しても正常に戻り、精密検査しても異常が発見されないことが多い。 小型のもので24時間以上連続モニターできるホルター心電図というものもあるが、計測できる時間が限られており、そこで異常が出なければわからない。心電計を搭載したさまざまな機器が登場しており、常時計測のハードル自体は下がってきているものの、一朝一夕あり、ユーザーが気軽に利用できるものはなかなか現れていないのが実情だ。 Apple Watchでは、心電図アプリのほかにも心拍数が計測されるため、ユーザーの状況をより詳しく長期間にわたって記録し、確認することができる。また、大塚氏は「患者さんも持ちやすい」と、ファッションにもなる点にもメリットが大きいとした。■ 慢性心房細動だと、異常が正常と思ってしまう 心房細動の患者の中には、慢性的に発生している「慢性心房細動」の状態になっているユーザーもいるという。慢性心房細動では、常に心房細動が起こっているにもかかわらず、それが普通の状態になってしまっており、症状が出ていてもそれが埋もれてしまうことがあるという。 特に高齢で慢性疾患を抱えている場合、脳卒中につながる可能性も高いため、症状がなくてもApple Watchを付けておくことで、気づける可能性が大きくなる。Apple Watchでは心拍のリズムを時々でモニタリングしており、リズムが乱れると「不規則な心拍」の通知が出る。この通知をきっかけに、心電図の計測を行うと、心房細動の波形が見つかることがあるという。 一方で、たまたま入ってしまった電気的ノイズをもとに通知を出してしまったり、人によっては頻繁にノイズが入ってしまい誤通知が出てしまったりすることもあるという。大塚氏は、「ノイズが入ってしまうのも、しっかりと計測しているから」とし、たとえノイズだらけの情報であっても、潜在的な心房細動の兆候が推定されることもあるとしている。 不整脈=心房細動というわけではなく、さまざまな疾患が想定される。Apple Watchでは、心房細動以外の疾患については、分類することはできない。大塚氏など、専門の医師が波形を見ることで、診断することができるため、通知が出た場合は心電図を計測して受け付けている病院や医師の診察を受けてみるのもよさそうだ。■ 患者目線ではどうか? 今回は、実際に大塚氏が執刀し経過観察で受診した善積 秀幸氏にも話を聞いた。 善積氏も医師であるが、もともと睡眠時無呼吸症候群があり治療を進めていたという。自覚症状がない患者も多い中、善積氏の場合はとても苦しい心房細動の自覚症状が生じたという。発生してすぐに、最寄りの救急病院に駆け込み、心電図を計測したが、その際は「頻度が少ないだろう」として当面様子見することになった。 しかし善積氏は、心房細動が脳梗塞につながるという知識があり、「毎日気になって仕方なかった」とし、大塚氏の元を訪れた。そこで、Apple Watchを勧められ、心電図や心拍数、症状を記録するようになったとしている。 術後の経過は順調で、善積氏も「不安はない」としながらも、睡眠時無呼吸症候群の症状もあることから、睡眠時の心拍数などの計測にも役立っていると話す。■ 服薬してもらう明確な動機付けにも 大塚氏は、心房細動の患者の場合、心房細動が発生していない“正常な脈”でも、心房細動が多発している時とすっかり無くなっている時で脈の出方が違うとし、手術前後で脈を見比べることで、手術効果が適切に出ているか、といった確認も行うという。 また、たまにしか心房細動が発生しないことで、途中で服薬をやめてしまう患者もいる。 「本人としたら、症状を感じていないのに、薬は本当は嫌。いらなかったらもう飲みたくないでしょう」と大塚氏は理解を示すものの、治療を続けなければいけない患者も多い。Apple Watchで脈の状況などを計測し、患者にもその違いを示すことで「心房細動が確かに起きている」ことを患者にも理解し、納得してもらえると大塚氏は説明する。【心房細動の早期発見に向けて】不整脈の一種である心房細動は、気づかないまま放置すると脳卒中や心不全を引き起こす可能性があります。見過ごされることも多い心房細動をもっと知ってもらうために患者、医師、作曲家が集まりました。動画をチェック↓https://t.co/fGNeARXilc— オムロン ヘルスケア(公式) (@omron_hc_pr) April 3, 2024 ■ 「知らぬが仏」が怖い 自覚症状が現れないことが多い心房細動。冒頭の通り、日本でも潜在的に100万人以上いると言われており、実際に診断されていないユーザーも多い。大塚氏も「知らないことは『知らぬが仏』ではなくて、いきなり脳梗塞になってしまうなど、いきなり『地獄に落とされる』ような疾患ってあまりない」と、心房細動のリスクを語る。 Apple Watchは、腕に装着しているだけで心房細動の兆候を検知し、必要があれば心電図を計測できる。特別な設定やアプリのダウンロードをせずとも、高い頻度で計測できるため、自身の親にも装着を勧めることで、見守りとともに本人やその周りの安心にもつながるのではないだろうか。
2024年04月05日
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狭心症とは、心筋(心臓を構成する筋肉)に血液を行き渡らせる“冠動脈”が狭くなることにより、一時的に心筋が酸素不足に陥って胸の痛みや圧迫感を引き起こす病気のことです。狭心症による症状は通常数分以内に収まりますが、放置すると冠動脈が完全に詰まる“心筋梗塞”を引き起こす可能性があるため、危険な病気の1つと考えられています。主な発症原因は動脈硬化によって冠動脈が狭くなることですが、冠動脈自体に異常がないにもかかわらずけいれんを起こしたように収縮することで発症するケースや、大動脈弁狭窄症だいどうみゃくべんきょうさくしょうなどの病気が原因で引き起こされるケースもあります。また、狭心症は運動後に胸痛発作が生じることが多いものの、夜間就寝時や安静時に発症することも多く、さらに頻回に発作が生じる場合もあります。発作の回数が頻回になり、痛みが強くなると危険な兆候の可能性があるので病院の受診が必要です。狭心症は、冠動脈に狭窄が生じることによって心筋に十分な酸素が行き渡らなくなることによって生じる病気です。【心房細動の早期発見に向けて】不整脈の一種である心房細動は、気づかないまま放置すると脳卒中や心不全を引き起こす可能性があります。見過ごされることも多い心房細動をもっと知ってもらうために患者、医師、作曲家が集まりました。動画をチェック↓https://t.co/fGNeARXilc— オムロン ヘルスケア(公式) (@omron_hc_pr) April 3, 2024 冠動脈に狭窄が生じる原因としてもっとも多いのは、“動脈硬化”です。動脈硬化は高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病によって引き起こされる血管の変化のことであり、血管の内側の壁にコレステロールなどが沈着することで血管が狭くなります。冠動脈に動脈硬化が生じると、当然ながら心筋へ流れる血液が減少します。そして、運動後など心臓の拍動が増えて心筋により多くの酸素が必要になったときに、いわゆる“酸欠状態”となって胸の痛みや圧迫感などを引き起こすのです。一方、狭心症は冠動脈が一時的にけいれんを起こして強く収縮することによって発症することもあります。このようなタイプの狭心症は、血管を広げる作用のある“一酸化窒素(NO)”と呼ばれる物質の合成が加齢とともに低下していくことが主な原因と考えられており、安静時にも発症することが特徴です。そのほか、狭心症は大動脈弁狭窄症や大動脈弁逆流症、肥大型心筋症などの病気によって冠動脈の血流が低下することを原因として発症することもあります。狭心症の特徴的な症状は、胸の痛みや圧迫感が引き起こされる“発作”が生じることです。特に胸の痛みは、1か所にとどまらず、左肩、左腕、顎、歯、背中、腹部などに響くように放散することが特徴で、なかには胸の痛みを感じずに別の部位のみに痛みが生じるケースもあります。また、冷や汗や吐き気、めまいなどの症状を伴うことも少なくありません。通常、運動後に発作が生じる“労作性狭心症”では、安静にしていれば数分以内に発作が治まりますが、冠動脈がけいれんを起こすタイプの“冠攣縮性狭心症かんれんしゅくせいきょうしんしょう”では症状が30分近く続くことがあります。また、発作が頻回に生じる“不安定狭心症”は冠動脈が完全に閉塞してしまう前触れの症状であると考えられています。狭心症の治療は原因・重症度・発作の頻度などによって、次のようなものが行われます。薬物療法狭心症の治療には基本的に薬物療法が行われます。使用される薬剤は、冠動脈を広げる“血管拡張薬”や心臓の活動を抑えて必要な酸素量を減らす“β遮断薬”などです。また、冠動脈の動脈硬化が強い場合には、心筋梗塞を予防するため血栓(血の塊)ができにくくなる抗血小板薬などの内服が必要になることも少なくありません。一方、発作が生じたときには冠動脈を速やかに広げる作用のある硝酸剤しょうさんざいが使用されます。カルシウム拮抗薬カルシウム拮抗薬には、血管が収縮して狭くなるのを予防する作用と、冠動脈のけいれんを止める作用があります。この種の薬は、安定狭心症だけでなく、異型狭心症の治療にも有効です。カルシウム拮抗薬はすべて血圧を低下させます。そのうちの一部、例えばベラパミルやジルチアゼムには、心拍数を低下させる作用もあります。血圧と心拍数を低下させることで、酸素の必要量が減少し、狭心症のリスクが低下します。この作用は多くの人、特にベータ遮断薬を服用できない人や、硝酸薬で十分な回復が得られない人で有用になります。アンジオテンシン変換酵素阻害薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は、狭心症を含めた冠動脈疾患の所見がみられる患者にしばしば投与されます。この種の薬は、狭心症自体に対する治療効果はありませんが、血圧(ひいては心臓が血液を送り出すための仕事量)を低下させ、心臓発作のリスクと冠動脈疾患による死亡リスクを低下させる効果があります。スタチンスタチン系薬剤は、LDLコレステロール(冠動脈疾患を引き起こすコレステロールの一種)の血中濃度を低下させる薬です。この種の薬は、心臓発作、脳卒中、突然死のリスクを低下させます。抗血小板薬アスピリン、チクロピジン、クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロルなどの抗血小板薬は、血小板が凝集して血管壁に付着しないように血小板の性質を変化させます。血流中を循環する血小板は、血管が損傷すると血栓の形成を促進します(血栓症)。しかし、血小板が動脈壁内のアテローム上に集まると、その結果として生じる血栓が動脈を狭くしたり詰まらせたりして、心臓発作を引き起こす可能性があります。アスピリンは血小板の性質を不可逆的に変化させ、冠動脈疾患による死亡のリスクを低下させます。冠動脈疾患がある人の大半には、心臓発作のリスクを低下させるために、アスピリンを毎日服用することが推奨されています。また、プラスグレル、チクロピジン、クロピドグレル、チカグレロルには血小板の性質をさらに変化させる効果があります。心臓発作の発生後または経皮的冠動脈インターベンションの実施後の一定期間は、心臓発作のリスクを低下させるため、アスピリンに加えてこれらの薬剤のいずれかが使用されることがあります。抗血小板薬は通常、狭心症の人に処方されますが、特別な理由がある場合は別です。例えば、出血性疾患のある人には処方されません。カテーテル治療カテーテルを用いて狭くなった冠動脈を風船で広げたり、冠動脈にステント(網目状の筒)を挿入したりする治療のことです。“冠動脈形成術”とも呼ばれ、薬物療法では発作が抑えられないケースや、心筋梗塞に移行するリスクが高いケースなどで行われますが、ときに症状がないケースでも、虚血があれば治療を考慮することがあります。手術足や胸、腕、胃などの動脈を採取し、狭くなった冠動脈にバイパス(迂回路)を作成する治療が行われることがあります。“冠動脈バイパス術”と呼ばれ、カテーテル治療が困難な場合や冠動脈が狭くなっている部位が複数ある場合などに手術が行われることがあります。
2024年04月03日
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サプリメント服用を巡って健康被害が起きた原因物質の可能性として、製造元の小林製薬(大阪市)の調査で、「プベルル酸」が浮上した。【リスト】小林製薬が紅こうじを供給していた173社 厚生労働省によると、プベルル酸は青カビが作り出す物質で、抗生物質としての特徴がある。米国立衛生研究所(NIH)のデータベースなどでは、ヒヤシンスに病気をもたらす原因菌などから見つかった天然化合物としている。 唐木英明・東京大名誉教授(毒性学・薬理学)は、プベルル酸について詳細は不明だとしたうえで、「青カビが作る物質であるなら、紅こうじ菌から自然に作られることはありえない」と指摘。製造過程で青カビが混入した可能性があるが、紅こうじを作る培養器はカビも非常に増えやすい環境のため、混入すれば一気に増殖し、色の違いで一目で分かるはずだという。 また、プベルル酸が腎臓にどのような影響を及ぼすのかも明らかになっていない。「腎臓への毒性があるかを動物実験で調べることが必要だが、結果が出るまで1~2カ月はかかるのではないか」とみる。 医薬品の製造現場に詳しい光本泰秀・北陸大教授(神経薬理学)もプベルル酸について、「なぜ腎臓に集積したのかや、もしくは集積していなくても、腎臓に毒性を示したのかを明らかにしなければ、原因物質として特定できない」と指摘する。そのうえで「これまで紅こうじを使った製品を長年製造してきたなかで、急に特定のロットの製品で健康被害が出るのは不思議だ。外部からの混入などの可能性も含めて調査する必要がある」と話した。【寺町六花、渡辺諒】
2024年03月30日
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俳優・米倉涼子の体調不良により、制作が決定した人気ドラマの続編は、連ドラ方式から単発になるかもしれない――。この件を報じた3月16日配信の「東京スポーツ」によると、Amazonプライム・ビデオのドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』のシーズン2は、当初連ドラの予定だったが、米倉が長時間の撮影に耐えられないため、2時間ものになる可能性が高いという。【写真あり】休憩中にアキレス腱ストレッチに励む米倉 米倉は、2022年に急性腰痛症および仙腸関節障害による運動機能障害のため、ブロードウェイミュージカル「シカゴ」を降板。2023年秋におこなわれた劇場版『ドクターX~外科医・大門未知子』の撮影も短時間となったという。 先立つ同年春の本誌のインタビューで、米倉は病状を赤裸々に語っている。「ベッドから降りるのに1時間かかるほどの痛みがありました。車椅子や杖が必要な生活でした。呼吸することでさえ痛みをともなっていたので、もう消えたいって思ったほどでした」 また、2022年12月のドラマ『ドクターX』(テレビ朝日系)のロケ現場では、体調管理のため休憩中にアキレス腱ストレッチにいそしむ米倉の姿をキャッチした。これについて、日本唯一の「足」の総合病院・下北沢病院理事長である久道勝也氏は、当時、本誌の取材に「米倉さんは健康と美脚を維持するために理にかなった努力をしている」と指摘している。「アキレス腱が硬いと、歩くときにすねが前に倒れなくなります。すねが前に倒れないと、足に大きな負荷がかかり、骨の変形にもつながるのです。また、かかとの着地からつま先で蹴り出す動きがスムーズにできず、その状態で1万歩を歩いたり、ランニングをしても足に負荷がかかるだけ。扁平足や外反母趾の原因になります。 そして、アキレス腱につながるふくらはぎは『第2の心臓』と呼ばれ、伸縮する動きがポンプ作用となり血流を押し上げます。 アキレス腱が硬いと、ポンプが中途半端にしか伸びず、血流が悪くなる。その結果、静脈瘤ができて足がボコボコになったり、皮膚がガサガサになって湿疹ができたりします。また、こむら返りを起こしたり、足の疲れを引き起こしたりします。 長年の診察と最近の研究結果から、『足の健康寿命50年』と私は考えています。“アラフィフ” は足のターニングポイントです」
2024年03月17日
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昨年7月から療養しているフジテレビの渡邊渚アナウンサー(26)が、自身の症状について〝ワクチン説〟を初めて否定した。本人がインスタグラムのストーリーズでひっそりと打ち明けていた。今も病名を伏せており、SNS上では新型コロナウイルスのワクチン接種の後遺症――ワクチン説が拡散。これを打ち消したかったという。【写真】渡邊渚アナが投稿した療養中の様子 渡邊アナは昨年6月に体調を崩し、翌7月以降、担当番組を休演したり降板したりしている。病名は伏せつつ、インスタで少しずつ症状を説明している。 SNS上では、新型コロナのワクチン接種の後遺症で体調不良になったとするワクチン説が拡散。最近でも「ワクチン後遺症治らない」「あんなもの打つからこーなるんだよ」と断定した投稿が散見される。 渡邊アナの新型コロナ絡みと言えば、2022年7月に感染したことが発表され、翌8月に仕事復帰したことはある。当時、インスタでは「体調が戻っても、声がなかなか元通りにはならず、時間がかかってしまいました」と報告し、「完全復活できました」としていた。当人と一緒に仕事をしたフジ局員の話。「渡邊さんはこのほどフォロワーから質問を募集し、11日夜、インスタのストーリーズで60個ほどのさまざまな質問と自身の答えを公開しました。その中に、今の症状はワクチン接種が関係しているかという質問があり、渡邊さんは『いいえ』とだけ回答。ただ、質問が非常に多かったためか、これを見落としたフォロワーは少なくなかったようです」 ストーリーズの機能により、60個ほどの質問と回答は13日までにすべて削除されている。 渡邊アナがワクチン説を否定するのはこれが初めてだ。「本人もワクチン説が拡散していることは知っています。陰謀論はさすがに看過できず、否定したようです」(前出局員) ワクチンの後遺症をめぐっては諸説が発表されているが、渡邊アナの病気とは関係ないようだ。 フジ側もワクチン説に憤慨している。「会社も仕事に真摯な渡邊アナを評価している。復帰を待っています」(同) レギュラー出演していた「めざましテレビ」を休演扱いにして降板させていないのも、復帰を待っているからだろう。 ただ、現実問題として医療費もかさむ。渡邊アナは8日、インスタに「『生きてるだけで丸儲け』と言うけれど、医療費を見ると『生きてるだけで大損じゃん!』と思ってしまうこともある」とつづった。「すでに3ケタ(100万円)は超えたと聞きました」(同) フジとしては症状が少しでも快方に向かうのを願うばかりだ。
2024年03月14日
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今月8日午後1時過ぎに流れたマンガ家鳥山明氏(享年68)の訃報に触れた人は、耳を疑っただろう。その4日前には、読み切り作品「SAND LAND」プロジェクト発表会が行われて、本人のコメントが伝えられていたからだ。訃報を公表した「週刊少年ジャンプ」によれば、1日に急性硬膜下血腫で亡くなっていたという。【写真】MANGAカルチャーは世界席巻も、低すぎる国内の評価…鳥山明氏の死去を機にSNSで疑問噴出 ◇ ◇ ◇「熱心に取り掛かっていた仕事もたくさんあり、まだまだ成し遂げたいこともあったはずで、残念でなりません」 公式サイトのこの一文からは、鳥山氏の死があまりにも突然だったことが見て取れるだろう。さらに読むと、こんな一節が目に留まる。「なお、葬儀は近親者のみにて執り行いました。静謐を望む本人の意向により……」 鳥山氏が望む「静謐」と同時にいま取り組んでいる仕事、すなわち「SAND LAND」プロジェクトを、遺族や関係者が大切に思い、葬儀とプロジェクトの公式発表を終えて発表する段取りになったのかもしれない。 実はこの経過にこそ、世界的なマンガ家の命を奪った急性硬膜下血腫を読み解くヒントが隠されているという。どういうことなのか。■教科書的には交通事故や転落など強い衝撃で 一般的な急性硬膜下血腫について、東京都健康長寿医療センターの元副院長で、「東都クリニック」循環器内科の桑島巌氏に聞いた。 まず、急性硬膜下血腫はどんな病気か。「脳は、硬膜という膜で覆われていて、その外側を包んでいるのが頭蓋骨です。事故やスポーツなどによる強い外傷で脳が傷つくと、脳の表面から出血が起こることがあります。出血がひどく、急速にたまった血の塊で脳を圧迫する病気が、急性硬膜下血腫です。すぐに失神したり、半身麻痺になったりして、片目の瞳孔が開くなど重症が多くなります。すぐに手術で血腫を取り除かないと、脳のダメージが残り、命が危ないのです」 脳の表面からの出血というと、脳の組織から血液がじわっとしみ出るような状況をイメージするかもしれない。が、その程度では済まないことが少なくないという。「医学生が学ぶ教科書的には、急性硬膜下血腫を起こすような外傷は、ものすごく強い力によるケースです。そうすると、脳の組織が崩れることがあります。それが脳挫傷で、強い外力のときは、直接の外傷部位直下のほかに反対側も脳挫傷になりやすく、急性硬膜下血腫では重い脳挫傷を併発しやすいのです」「ものすごく強い力」とは、たとえば交通事故で車と衝突して車や地面に頭を打ちつけたり、建物から誤って落下して頭を打ったり。あるいは、格闘技をはじめとする激しいスポーツでマットなどに頭から投げ落とされたりといった具合だ。一般の生活シーンで典型的なのは、階段を踏み外すケースがあるという。 たまたまつまずいたところに石壁や大きな岩など硬いものがあれば、ちょっとした転倒でもかなり強い力を受けるが、いい大人が岩の前で転ぶのはかなりレア。要は、日常的な転倒を楽に超える外力が加わるような外傷が、主な急性硬膜下血腫の原因だという。 脳がそれだけ大きな力を受ければ、深刻な事態だろう。それなのに、場合によっては、「すぐに救急車を」とはならないこともあるそうだ。「強い外力による急性硬膜下血腫が脳挫傷を伴いやすいのはその通りですが、脳挫傷は外傷を受けてからかなり時間が経過してから明らかになることが珍しくありません。それで血腫は、少しずつ大きくなるため、事故直後は周りの人とふつうにやりとりができたのに、何時間か経ってからふらふらしたり、気分が悪くなったりすることがある。“ふらふら”や“何となく気分が悪い”くらいの症状では、衝撃の強さに比べて症状が軽いため、放置する方もいるでしょう。それで放置してさらに時間が経過すると、脳が腫れます。その腫れによって脳幹という生命維持に関わる中枢が損傷されると、命に関わるのです。一般の方にとっては、急性硬膜下血腫の『急性』の言葉のイメージと、全体の病気の進行がリンクしにくいこともあります。その点、事故直後に意識がない場合よりも、意識がある方が厄介です」ここまでの急性硬膜下血腫は、強い衝撃による典型的な流れだったが、実は強い衝撃でなくても発症する。しかも、「その方がもっと危ない」というから怖い。怖さのベースにあるのが、いわゆる血液をサラサラにする薬で、血液を固まりにくくする薬だという。「不整脈のひとつ心房細動や心筋梗塞、脳梗塞、狭心症などがある方は、抗凝固薬や抗血小板薬といった血液を固まりにくくする薬が処方されます。そういう方は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病や加齢の影響が強く、動脈硬化が進んでいて、血管が切れやすいのです。それで、万が一、血管が切れると、薬の影響で出血が止まらず、血腫ができる。それが脳で生じると、硬膜下血腫になります。で、こういうタイプは、血管が切れやすいので、強い衝撃でなくても硬膜下血腫を起こしやすいのです」「日本外傷データバンク2022」によると、外傷で救急診療を受けた8万8817人のうち、頭部外傷は2万9311人で33%。外傷の中で頭部は下肢に次ぐ。では、強い衝撃ではないほどの強さとは、どれくらいなのか。「たとえば、開いている扉に気づかず頭をぶつけたり、座って居眠りしているときにうつらうつらして壁にドンと頭を打ったりするケースです。血管がモロくなっていると、生活の中でのちょっとした衝突や転倒でも脳の血管が切れて、急性硬膜下血腫を起こすリスクがゼロではありません。そういう場合、衝突直後の患部の痛みはあっても、意識障害はないことがほとんどで、1週間くらいして“ふらふらする”“何となく気分が悪い”などの症状が現れます。血腫による症状が現れたら、事故直後の発症と同様にすぐに治療しないと危ない。迷わず救急車を呼んでください」 鳥山氏は2014年3月28日、アニメ「ドラゴンボール改」の完成披露試写会にコメントを寄せている。その中で「闘いの漫画を描く気がなくなってしまいました」として、こんなエピソードを紹介した。「(ドラゴンボールの週刊連載のラストは)漫画を描いている自分でさえイヤになるほど激しくくどい闘いの連続です。血圧高めで薄味好きのオジサンになってしまった今では、もうこんな闘いは描けません。というか、これ以降、闘いの漫画を描く気がなくなってしまいました」 世界的なマンガ家は高血圧だったようだ。 ドラゴンボール連載中には、読者からプレゼントされたパンティーを壁に飾っていたところ、たばこのヤニでパンティーが黄ばんだというエピソードも残っている。締め切り前はたばこを1日100本ほど吸うヘビースモーカーだったともいわれる。 もし、鳥山氏の高血圧がひどかったとすれば、動脈硬化の進展から、桑島氏が指摘する弱い衝撃による急性硬膜下血腫だったのかもしれない。「いまや高血圧や糖尿病などの生活習慣病を1つか2つくらい持っている方は珍しくありません。つまり、動脈硬化が進んでいる方がかなりの数に上るわけです。急性硬膜下血腫は、交通事故などで発症する教科書的なケースも危険ですが、いまの時代、注意すべきは血液サラサラ薬を服用している方のちょっとした事故だと思います」 ビッグプロジェクト公開直後の訃報は、あまりにもショッキングだが、歴史的なマンガ家の死をムダにしないためにも、持病を抱えた人はちょっとしたケガにも十分注意しよう。
2024年03月12日
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女優の池上季実子(65)が、11日放送のテレビ朝日「徹子の部屋」(月~金曜前)に出演。2022年に両親を立て続けに亡くしたことを明かした。 商社マンの父と、歌舞伎役者の八代目坂東三津五郎の娘である母の間に生まれた池上は、ニューヨークで幼少期を過ごした後、京都で育ち、虫取りが大好きなヤンチャな少女だったという。 それでも祖父である八代目坂東三津五郎の仕事の影響で「子供の頃にたくさん着物をおめしになってる方を拝見して、たまたまお仕事で着物を着ることが多くとても役に立った」と感謝した。 両親はその後、離婚し母、弟と3人で生活。高齢になった母親の介護は弟がメーンで担っていたそうだが、「仕事のない時は母の面倒を見る形で」と池上も母親の様子をちょくちょくうかがっていたという。 ただ、「とにかく母は歌舞伎界でもあるので、男の子が大事なんですよ。男の子に甘いんです。弟が忙しい時期だから私が母の面倒を見てるのに“弟は?弟は”って言うわけですよ」と池上よりも弟が大事だったといい「段々頭にきて、“彼は忙しいから私が面倒見てる。そんなに私がいる時に弟のことばかり言わないでよ”って」とケンカしたこともあったと懐かしんだ。 その母親が2022年8月に入院先で容態が急変。「息が浅くなってるから病院に来てください」と連絡を受け、急いで向かったものの「ちょうど大雨の時で、タクシーが全然いなかったんですよ。ようやく着いたのが電話もらって25分ぐらい」と振り返り、先に病院に到着していた弟も母親の死に目に会えなかったそうで「“ママさ、あれだけ弟の名前、連呼してたのに、私のこと待たなくていいのに何で弟のことは待たなかったのよ?”ってご遺体に怒っちゃいました」と本音を漏らした。 その後、遺体とともに自宅に戻ると、離婚して40年近くになる父から弟に電話がかかってきたそうで「お前大丈夫か?何かあったんじゃないか?体、何かあったんじゃないか?」と執拗に電話を切らなかったといい、母親の死を知らない父の電話に「皆で“何で分かるの?これ、どういうこと?”って。母と父は全然、会ってないんですよ」と別れたと言えども夫婦の不思議な縁を感じたとした。 その後、父親も母親の死去後、10日足らずで亡くなったといい「弟が一番可哀想でした」と池上。当時、池上も新型コロナウイルスに感染し、治療中だったことから「弟はあっち行ったり、こっち行ったり、苦労かけた。年子なんですけど、あっちの方が最近はお兄ちゃん。兄弟がいて良かった」と弟の存在に感謝していた。
2024年03月12日
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京都大学名誉教授の福島雅典氏が新型コロナワクチン後遺症の調査結果についての論考を、月刊「文藝春秋」4月号で発表した。福島氏は2023年6月、「ワクチン問題研究会」という学術団体を有志の医師らと立ち上げ、ワクチン接種後の健康被害=「ワクチン接種後症候群」の研究に取り組むべく、四つの目的を掲げた。世界中の論文のデータベース化、症例データベースの構築、検査方法の開発、治療方法の確立だ。【画像】日本国内においてコロナワクチン接種後、急に発症するなど、医学学会で報告や検討された疾患(2021年12月~2023年11月)コロナワクチンの副作用の出方は前例がない《まず、ワクチン接種後症候群がどれほど多岐にわたるのか、お示ししましょう。 次頁の表は、ワクチン接種後、急に発症するなどした疾患として、2021年12月から2023年11月までの2年間に、国内の医学学会で報告・検討された疾患の一覧です(開催学会数134、演題数447)。計201疾患に上り、あらゆる体内組織で発症しています。 世界中の論文から見えてくるこのワクチンの副作用は、パターンが決まっておらず、全身に起こる、しかも複数の疾患が同時に起こることもあるというものでした。こんな副作用の出方は前例がない、というのが医師としての率直な感想です。私の専門のがんで言うと、抗がん剤は副作用の嵐ではありますが、そのパターンは決まっているからです。「血栓症」とつく疾患が上位にランクイン ワクチンによる副作用の上位10疾患は、(1)血小板減少(557)、(2)頭痛(455)、(3)心筋炎(344)、(4)血小板減少を伴う血栓症(328)、(5)深部静脈血栓症(241)、(6)ギラン・バレー症候群(143)、(6)静脈洞血栓症(143)、(8)アナフィラキシー(140)、(9)リンパ節腫大(132)、(10)血管炎(129)でした(後ろのカッコ内の数字は世界中の論文での報告数)。 血栓症とつく疾患が三つ含まれているなど血管系障害が目立ちます。 これが比較的初期のワクチン接種後症候群の傾向です。接種から長期間経過して判明する新規症例は含まれていないことに注意が必要です。》なぜワクチンが様々な健康被害を生むのか 厚労省のデータを元に、ファイザー社製ワクチン接種後の死因を円グラフにすると、死因上位は、(1)血管系障害、(2)心臓障害、(3)状態悪化、(4)肺炎、(5)その他、と血管系障害と心臓障害だけで半数近くを占めるという。これは接種開始から数カ月間の時期でも、翌年までのデータでも、死因の順序も割合もほぼ一致した。 なぜ、ワクチンが様々な健康被害を生むのか。このワクチンが生体内で生成するスパイクタンパク質による副作用について、福島氏は説明する。《ワクチンの目的である人為的な抗体を作り出そうとしたら、mRNAが厚労省の言うように数分で壊れてしまっては役立ちません。 ですからワクチンのmRNAは、化学構造を改変して壊れにくくしてあります。さらにそれを脂質の膜=脂質ナノ粒子で包むことによって、いっそう壊れにくくしてあります。mRNAを壊れにくくしたことは生命原理に反する それがいつ壊れるのか。この問いに答えることは、誰にもできないでしょう。接種後少なくとも2週間は血中にとどまっていたとする論文もありますし、スパイクタンパク質が3、4カ月後に検出されたとするデータもあります。細胞内にmRNAが安定的な形で残っているとか、DNAに組み込まれているといった可能性も考えられますし、どれくらい経過すれば安全だとは、現時点では断言できません。 私が言えるのは、mRNAをあえて壊れにくくしたこと自体が生命原理に反している、ということです。mRNAワクチンは人工的に改変・安定化されたmRNAを脂質ナノ粒子に包みこんで投与する点が革新的とはいえ、コロナワクチン以前の臨床試験がすべて失敗に終わっており、危険であると以前から指摘されていました。それゆえ実用化には慎重な声が多かったのです。 血管系障害と心臓障害は、ワクチン接種後ほぼあらゆる人の体内で起きているのではないか。ワクチンを打った後に筋肉痛や発熱が起きやすいのも、広い意味での血管炎と捉えると理解できます。程度が軽ければ、本人が自覚しないうちに治るケースもあるでしょう。リウマチや皮膚筋炎などの自己免疫疾患が多発 血管以外でも、異物であるスパイクタンパク質がどんどん産生されれば、自己免疫反応が起きます。スパイクタンパク質を産生する自身の細胞を免疫が攻撃することによって、非常に激しい炎症が起きたり、組織損傷を引き起こしたりする可能性が出てきます。リウマチや皮膚筋炎といった自己免疫疾患が多発しているのは、これが原因でしょう。 また、スパイクタンパク質との戦いを続けているうちに、体に備わっていた免疫機能が低下します。 その結果生じる副作用の一例が、帯状疱疹だとみられます。 国は帯状疱疹ワクチンで予防するよう推奨していますが、帯状疱疹には特有の症状がありますから、早期発見を推奨して標準治療で治す方が適切ではないかと私は思います。》行政文書開示請求書を厚労省に提出 さらに福島氏が懸念しているのが、がんだ。厚労省のデータを元に、がん種別に年齢調整死亡率を月単位で算出。それを棒グラフにして、月毎のワクチン接種者数の折れ線グラフと重ねると、ワクチン接種後のタイミングで明確に死亡率が上がっているがんが複数あった。 最も増加したのが、血液のがんである白血病。また、乳がん、卵巣がんも同様だ。 福島氏の指摘を厚労省は真摯に受け止め、対策を練るべきだが……。《私は2022年8月、感染者について、ワクチン接種者と未接種者における重症化率と致死率のデータを開示すべきだという行政文書開示請求書を厚労省に提出しました。ですが、待たされた末に届いたのは、不開示決定通知書でした。》《私のことを“反ワク”と呼ぶ人がいるのは承知していますが、バカバカしい話です。科学者であればワクチンへの賛否という主観を交えず、あるがままに事象を見るべきです。事実に目を瞑って「ワクチンは安全なんだ」と妄信するのはいわば“ワクチン信仰”でしかありません。体内で起きる現象は、医学の対象となるもので、信じるか信じないかという宗教論争にするのは間違っているのではないでしょうか。》 他にも、新型ヤコブ病や心筋融解などの驚くべき症例も採り上げている福島氏の論考「 コロナワクチン後遺症の真実 」は、3月8日発売の文藝春秋4月号( 電子版 では3月7日に先行公開)に16ページにわたって掲載される。福島氏による免疫力をこれ以上落とさないための、食事、運動、睡眠、心のあり方の管理についての指導についても触れている。「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2024年4月号
2024年03月07日
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訃報が伝えられた女優山本陽子さんの所属事務所は22日、山本さんが帰宅直後に急変し急性心不全で亡くなったと発表。事務所の社長が亡くなる数時間前まで一緒にいたことも明かした。◆大地真央、山本陽子さんとの思い出ショット【写真】 所属事務所「三陽企画」の日塔謙太郎代表取締役は「突然ではございますが、令和6年2月20日、弊社所属女優、山本陽子が急逝しましたことをお知らせ申し上げます」と報告。「亡くなる数時間前まで一緒におり、いつもと変わらぬ様子で帰宅の途へついたので、所属事務所代表であり、家族でもある私自身いまだに信じられません。死因は帰宅直後の急性心不全でした」と明かした。山本陽子さん死去 2月2日にテレビ出演も…熱海市内の病院で 64年映画「抜き射ちの竜 拳銃の歌」で頭角https://t.co/ybp9m2Nt8u日本を代表する女優、#山本陽子(やまもと・ようこ=本名同じ)さんが20日に病気のため静岡・熱海市内の病院で死去したことが21日、分かった。81歳だった。— サンスポ (@SANSPOCOM) February 21, 2024 「今回このようなかたちで皆様へ突然の訃報をお知らせすることになったのは残念でなりません。4月公演、アガサ・クリステイー原作の舞台『そして誰もいなくなった』の稽古を間近に控え、台本と向き合う日々でした。やり遂げられなかったこと、共演者、公演関係者、観劇予定のお客様へご迷惑をお掛けすることになったことは大変申し訳なく思いますが、今頃本人は向こうで『こっちの話し方のほうがいいかしら?』などと役作りに励んでいることと思います。常に傍らにいた私から見ても最期の瞬間まで自由に生きた幸せな人生でした」と振り返った。 「なお、故人の遺志により、葬儀は親族のみで執り行わせていだだきますことお赦しください。知人・友人の多い故人でしたが、供花、香典、弔電等もご辞退申し上げます。日をあらためてお別れ会を企画させていただければと思います」としている。
2024年02月22日
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すべての臓器で発症心臓溶けたケースも 2021年12月から23年11月の間に、米国立医学図書館(NLM)が提供する医学関連分野の文献データデータベース、パブメド(PubMed)に掲載された副作用報告件数は3071件にのぼる。血液、神経、内臓、目など、すべての臓器で疾患しており、血小板減少心筋炎、キラン・バレー症候群、アナフィラキシーなど症状もさまざま。 日本国内では、精神疾患の副作用が報告されていなかったが、精神障害やうつ、睡眠障害などの症例も見受けられるという。 コロナワクチンの副作用は、パターンが決まっておらず、複数の疾患が同時に発症することもある。福島医師は「28歳の男性は心臓が溶ける心筋融解を起こしており、これまでの医師経験の中で見たことがない症状が、コロナワクチンによって引き起こされている」と説明する。武見厚労大臣に救済の要望書提出会見の日、会では武見敬三厚生労働大臣宛の要望書を提出した。要望は5つで、①ワクチン接種死亡者の全例調査 ②ワクチン接種後の健康被害者の全例調査 ③ 全被害者の救済・補償及び適切な医療の提供 ④国のワクチン政策の検証 ⑤ワクチン接種後健康被害者に対する適切な診断と治療に関する研究の推進─だ。死亡の認定件数453件 国内で過去45年間の従来の全ワクチン被害認定件数は3522件。うち死亡認定は151件。 一方で、厚生労働省が発表した最新データ(1月26日付け分)によると、コロナワクチン接種による申請受理件数は1万135件。うち、死亡に係る受理件数は1158件。このうち、認定された件数は6088件、死亡の認定件数453件。従来型のすべてのワクチンに比べ、突出していることが分かる。 医師らは「患者、家族に成果物を届けることを目標に、ワクチン接種後症候群について、誰も否定できない検査法を開発し、副作用情報を明確に示してメカニズムを分子レベルで解剖していく」と意気込んだ。今後、自治体や医師会など各機関と連携して相談窓口を設けていく方針。 会見当日は大手メディアも取材をしていたが、未だ報じてはいない。 副作用の正式名称は「ワクチン接種後症候群」。会見の様子や論文、資料などについては、(一社)ワクチン問題研究会の公式サイトにて公開されている。
2024年02月22日
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脳梗塞患者が抗凝固薬を服用中に出血合併症を生じて,抗凝固薬を中止した場合,「抗凝固薬を再開すべきか」「いつ再開すればよいか」は,現場でしばしば遭遇する悩ましい問題です。抗血小板薬・抗凝固薬のまとめ画像です。患者さんに血をサラサラにする薬を飲んでいるかどうか、確認する際にご活用ください。#イシヤク #抗血小板薬 #抗凝固薬 pic.twitter.com/hQSEN7ONRy— イシヤク | 医師向け薬剤比較アプリ (@IshiyakuApp) June 21, 2022 再開すべきか否かは,出血の原因となった疾患の具合と,脳梗塞再発の危険度を天秤にかけて考えます。まず抗凝固薬服用が必要なタイプの脳梗塞かを,この機会によく確認して下さい。脳梗塞再発予防のための抗血栓薬の選び方は,心原性脳塞栓症には抗凝固薬,非心原性脳梗塞には抗血小板薬を原則として用います。心房細動を思わせるような動悸の病歴があって抗凝固薬を始めたが,結局心房細動が一度もみつからずに過ごしている人や,感染症などの原因を伴う深部静脈血栓を脳梗塞発症時に有して奇異性脳塞栓症と診断したが,その後原因疾患が解決して静脈血栓が起こりそうにない人など,必ずしも抗凝固療法が必要ではない患者には,この機会に抗凝固薬を完全に中止してもよいでしょう。判断に悩む場合には,専門医にご相談下さい。出血の原疾患の軽重も,再開の是非を判断する際に重要です。再出血の危険が高い疾患,たとえば治癒困難な悪性疾患によって出血した場合には,脳梗塞再発の危険が高まっても抗凝固薬をあきらめざるをえないことがあります。いわゆるフレイルで転倒を繰り返して硬膜下血腫をよく起こす患者に,抗凝固療法を断念する場合も少なくありません。このような場合,患者本人ないし家族に,本来必要な治療ができなくなったことを十分に説明して理解して頂く必要があります。再開時期も,脳梗塞のタイプや出血原疾患の事情によります。たとえば機械弁置換術後などの弁膜症性心疾患で脳梗塞を起こした患者には,一刻も早く抗凝固療法を再開しないと脳梗塞再発の危険が高まります。一方,非弁膜症性心房細動ならばゆっくり再開してよいというわけではありません。弁膜症性よりも多少は脳梗塞再発の危険が低くなりますが,数日間の休薬で脳梗塞を再発して入院してくる非弁膜症性心房細動患者も少なくありません。「本来抗凝固療法の適応を有する患者では,出血合併症のコントロールがつき次第,一刻も早く再開する」が,大原則です。再開時に,中止前に用いていた抗凝固薬の種類や投与量が適切かも,よく確認して下さい。たとえばワルファリン服用患者で,必要量を超える量を投与し,プロトロンビン時間(prothrombin time- international normalized ratio:PT-INR)が適正治療範囲を超えていた場合は,適切なPT-INRを示す投与量になるよう調整して下さい。脳梗塞の塞栓源として最も頻度が高い非弁膜症性心房細動には,ワルファリンと直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anti coagulant:DOAC)(ダビガトラン,リバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバン)のどちらも適応がありますが,出血合併症,特に頭蓋内出血の危険は,明らかにDOACが低いです。他の条件が許すならば,出血合併症を契機としてワルファリンからDOACに切り替えることも,考えてよいと思います。今日の薬剤📝💊タケキャブ(プロトンポンプ阻害薬(PPI))💊・従来のPPIと、異なる作用機序でプロトンポンプを抑制。他のPPIに比べ、比較的早い段階で高い効果が得られるとされる。・胃潰瘍を始めとした全ての胃酸関連疾患に...続きはイシヤクアプリでhttps://t.co/hRR63LlP34 pic.twitter.com/5CFfq3NETk— イシヤク | 医師向け薬剤比較アプリ (@IshiyakuApp) February 24, 2024 【回答者】豊田一則 国立循環器病研究センター副院長
2024年02月21日
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脳の血管に障害が起こる病気の総称「脳卒中」。血管が破れる「脳出血」や「くも膜下出血」、血管が詰まる「脳梗塞」があり、年間約10万人が亡くなっているそうです。治療は1分1秒を争い、早急に治療をしなければ命を落としてしまうのだとか。そこで今回は、脳卒中から命を守るための正しい対策を専門医に教えてもらいました。脳卒中の基礎知識<脳卒中とは?>脳卒中とは、脳の血管に障害が起こる病気の総称。血管が破れる「脳出血」や「くも膜下出血」、血管が詰まる「脳梗塞」があるそうです。<脳出血とは?>脳出血は脳の細い血管が破れる病気の1つ。脳の中に血が溜まる事で、血流障害や脳を圧迫し、頭痛・めまい・手足の麻痺など、さまざまな症状を引き起こすそうです。<くも膜下出血とは?>くも膜下出血も脳の血管が破れる病気の1つで、脳の表面の太い血管にできたコブが破れる事によって発症します。これが起こると脳の中は血の海になり、激しい痛みや吐き気を伴い意識を失う事もあるのだとか。主な原因は高血圧や動脈硬化といった生活習慣病だそうです。<脳梗塞とは?>脳梗塞とは、脳の血管が詰まり、その先の脳細胞に血液が行き渡らず脳の組織が壊れてしまう病気だそうです。「脳出血」「くも膜下出血」から命を守る3つのポイントCBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』(1)発症は起床時に要注意!血圧は、就寝中に一時的に降下しますが、朝目覚める時間が近くなると上昇します。これにより脳の血管に負担がかかり、脳卒中を発症しやすい傾向にあるのだとか。また、日頃から高血圧の原因となるアルコールやタバコを嗜んだり、脂っこい物を好んで食べたりする人などは脳卒中のリスクが高まるため特に注意が必要だそうです。(2)突然起こる強烈な頭痛がサイン脳は神経が集まっている部分。少しでも触ると痛そうですが、実は脳そのものには感覚の神経が無く、痛みを感じないそうです。痛みを引き起こしているのは、頭の血管や筋肉、脳を包んでいる硬膜。そのため、脳で出血が起こると出血が脳の膜に刺激を与え、強い痛みを起こすのだとか。一方、くも膜下出血の場合は、破裂した脳動脈瘤から流れ出た血液が、時間をかけて脳全体を覆い、その刺激が強い痛みを引き起こすそうです。<吐き気にも要注意!>先生によると、くも膜下出血の場合は痛みと共に強い吐き気をもよおすのが特徴だそうです。出血が酷い場合、時間が経つにつれて血が血腫と呼ばれる血の塊へと変化します。これが、脳の中にある嘔吐中枢と呼ばれる部分を圧迫し、吐き気を伴うのだとか。激しい頭痛とともに、吐き気・意識障害・失禁などの症状が出た場合はかなり危険な状態。一刻も早く病院へ行き治療を受ける事が命を守る鍵となるそうです。<くも膜下出血の前兆「警告頭痛」>脳出血は前兆がない事がほとんどだそうですが、くも膜下出血は前触れがあるそうです。それが「警告頭痛」。警告頭痛は、動脈瘤からの少量の出血が原因。その特徴は、さほど痛みの強くない頭痛が数日~数週間続く事。しかし、一時的な痛みを繰り返すので片頭痛と勘違いし、くも膜下出血の前兆と気付けない事が多いそうです。(3)救急隊に頼る事が生死を分ける脳卒中から命を守り、後遺症を回避するためには1分1秒でも早く治療を開始する事が大切だそうです。救急車を呼ぶ事は決して恥ずかしい事ではありません。身体に異常を感じたら、すぐに119番をしましょう。救急車に乗ると、救急隊員が適切な病院を判断してくれます。自分で病院を探していると間に合わないので、救急隊員に頼る事も大切だそうです。命を守る「脳梗塞」の対処法<脳梗塞の前兆は?>脳梗塞の前兆は「一過性脳虚血発作(TIA)」といい、小さな血栓が一時的に脳の血管に詰まって起こる事で、手足の痺れなどの症状が現れます。しかし、すぐ症状がおさまるため、放置してしまう人が多いのだとか。実際、一過性脳虚血発作を発症すると、90日以内に15%~20%の確率で、脳梗塞を発症するという恐ろしいデータもあるそうです。手足に痺れがある場合は、脳神経内科や脳神経外科などを受診しましょう。<脳梗塞の原因は?>脳梗塞の一番の理由は高血圧だといわれているそうです。さらに、糖尿病がある人や心臓に疾患を抱えている人も脳梗塞のリスクがあるため要注意。また、冬場は血圧が変動しやすく、寒暖差が大きくなる事で血圧が急激に上がる事があるのだとか。そのため、血圧が正常値だからといって安心しきらない事も大事だそうです。<覚えておきたい脳梗塞のサイン「BE FAST」>脳梗塞のサインは、手足の痺れ以外にもあるそうです。それが「BE FAST」。症状に気づいたら、急いで病院を受診しましょう。B(Balance):身体のふらつきE(Eye):目の異常(片目が見えない、視野の異常など)F (Face)::顔面の麻痺A(Arm):腕の麻痺S(Speech):言葉の異常(ろれつが回らない、適切な言葉が出ないなど)T(Time):時間・急いで受診を!(2024年2月4日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)CBCテレビ
2024年02月04日
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マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」への移行をめぐり、政府は現行の保険証を来年12月1日で廃止する方針を固めた。翌2日以降、新規発行はできなくなる。複数の政府関係者が明らかにした。【図解】来年秋以降、保険証はどうなる? 廃止後の3つの選択肢とは 今年6月初旬に成立したマイナンバー法などの改正法で、現行の紙などの保険証は2024年12月8日までに廃止すると定められている。政府は来年秋をめどに廃止の日を調整してきたが、自治体や医療機関などの準備に余裕を持たせるため、12月まで割り込ませることにした。今後、政令で正式に定める。 来年12月の廃止後も経過措置として、有効期限が残っている保険証は最長1年間使うことができる。マイナンバーカードを持っていない人や、持っていてもカードを保険証として登録していない人には、保険証の代わりとして「資格確認書」が自治体などから送られる。
2023年12月22日
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タレントの島崎俊郎さんが急性心不全のため、自宅で死去していたことが6日、分かった。68歳。京都府出身。【写真】2009年、アダモちゃん誕生25年記念イベントで、「ハ~イ」とおなじみのポーズをとる島崎俊郎さん扮する「アダモちゃん」 関係者によると、普段と変わらずに11月も仕事をしていた。だが、約1週間前から周囲に不調を訴えていたという。 死因となった「急性心不全」は、心臓の機能が止まった状態を示す。急に発症する「急性」と徐々に進行して発症する「慢性」があり、「急性心不全」は、過度のストレスや、心筋梗塞、不整脈、弁膜症などの病気によって起きることが多い。冬場に起こることが多く、寒い季節は要注意。
2023年12月07日
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数年前まで、バラエティー番組に欠かせない存在だった西川史子(52才)が脳出血を再発し、入院生活を送っていることがわかった。 入院しているのは、「寝たきりにさせない」をモットーにする回復期リハビリテーション専門病院だ。西川史子、脳出血再発で入院生活SNSの更新ストップ、順調に回復もリハビリ続けるhttps://t.co/7qlWpo1zuw「西川さんがここに入院してから約半年が経ちました。食欲もあり、お話も楽しそうにしていて元気です。ただ、かなりおやせになりました」(西川の知人)#NEWSポストセブン— NEWSポストセブン (@news_postseven) November 29, 2023 【写真18枚】杖を肘の横に置いた西川史子。白ブラウス姿。他、ピンクのコート姿の街中での西川(45才時)、サングラスを付ける瞬間の姿も「西川さんがここに入院してから約半年が経ちました。この間SNSはストップしてしまっていますが、食欲もあり、お話も楽しそうにしていて元気です。ただ、かなりおやせになりました。もともとふくよかとは言えない体形でしたけど、お見舞いに来るかたがびっくりされることも多いようです」(西川の知人) 西川が入院を余儀なくされたのは、立っているだけでも汗ばむ今年の初夏のことだった。前出・西川の知人が語る。「自宅で倒れていたところを関係者が発見して病院に搬送されました。彼女は一昨年も同様に救急搬送されましたが、どうやら同じ病気が再発してしまったようです」 2021年8月、彼女が脳出血で倒れたのも同じく自宅だった。「勤務先の病院に出勤せず、連絡が取れなかったのでマネジャーが警察の立ち合いのもと自宅に入ると、リビングで倒れている西川さんを発見した。そのときは入浴後に異変を感じ、立てなくなったとのこと。病名は『右脳内出血』で、5時間に及ぶ緊急手術を受けました」(芸能関係者) 西川の緊急手術は成功に終わったが、入院は4か月に及んだ。彼女は2021年12月に更新したインスタグラムで長期にわたる入院生活を終えて退院したことを報告し、後遺症についてこう述べた。《左半身の麻痺はまだ完全によくなってはいません。当初はほとんど動かなかったのですが、リハビリによって身の回りのことは自分でできるようになりました。まだまだ不自由はありますが、今の自分の身体をしっかりと受け止め、医師として向き合いながらさらに身体機能の向上を目指してまいります》 いまの彼女はどのような状態か。西川の父親に取材をするとこう答えた。「6月に症状が出て、いまもずっと入院したままです。主治医から時々連絡が来て、一応順調に回復しているらしいけど、片方(半身)のいうことがきかないから大変でしょうね……。いまもずっとリハビリを続けているようです」 30日発売の『女性セブン』では、左半身に麻痺が残りながらも懸命に続けるリハビリ、西川が抱く「第二の夢」などについて詳報している。
2023年12月01日
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佐藤美香さん(仮名)は50代の独身会社員。いまも老人ホームで亡くなった母のことが思い出され、後悔の念に駆られるという。佐藤さんの母親はお嬢様育ちで、一度も働いたことがないのが自慢だったという。父親が亡くなったあとも、すべての事務的作業はひとり娘の佐藤さんに丸投げ。頼みごとがあると、どんなタイミングでも遠慮なく連絡をよこしてくるのだという。「父が健在だったときは、父がつきっきりで母のお守りをしていたので、問題ありませんでした。しかし、父が亡くなると、私にその役割が回ってきて…」なにか気になること、欲しいものがあると、仕事中でも、夜中でも「ねえ、美香ちゃん?」といって電話をかけてくる。電話に出ないと、何十回も呼び出し音を鳴らす。あまりに大変なので、実家に帰って同居をスタートさせたが、仕事で家を空けるならほとんど意味がないことが分かり、佐藤さんは途方に暮れた。周囲に相談したところ「老人ホームに入れた方がいい」とアドバイスされ、なかばだまし討ちのようにして母親を有料老人ホームに入れたのだという。「それが、入居して半年ぐらいでしょうか。だんだん認知症のような症状がでてきて…」佐藤さんに母親は、施設入居後、1年半で亡くなってしまった。「自宅にいてもらえば、母ももっと長生きしたかもしれません。ですが、それでは働けません。ほかに選択肢がなかったと思うのですが…」佐藤さんの母親が入居したホームは、入居金は300万円、実費分入れて毎月の請求は25万円程度。母親の年金が10万円弱だったことから、貯蓄から15万円ほどを取り崩して支払いを行っていた。「本当は、もっといい施設に入れることもできました。でも、お金が不安で…。簡単にいうと、私がケチったのですよね、母のお金を」「最後のほうは、〈美香ちゃん、お家に帰れる?〉しかいわなくなりました。本当にかわいそうでしたが…。私、もっと頑張ればよかったのでしょうか?」終の棲家として、自分の意思で老人ホームを選ぶ高齢者も増えている。しかし、そうではないケースも、もちろんあるだろう。介護する家族にもそれぞれ自分の人生があり、譲歩できる部分、できない部分がある。佐藤さんは後悔に苛まれているが、密かに同じ思いを抱いている人も、多いのではないだろうか。
2023年11月22日
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健康だと思っていたのにまさか自分が──そんな病気のひとつが心房細動だ。無症状の人が4割との報告もある。 心房細動は、心房が細かく動いてけいれんしている状態で、脈が不規則になる「不整脈」の一種。不整脈にはさまざまな種類があり、中には生命の危険を伴い、突然死の原因ともなり得るものがある。心房細動は、まさにそれに当たる。「心房細動の患者数は年々増えており、日本では2030年に推定108万人になるとみられています。しかし無症状の心房細動も多く、それらを含めるともっと患者数が多いと考えられます」 こう指摘するのは、京都府立医科大学不整脈先進医療学講座准教授の妹尾恵太郎医師。 心房細動の主な症状は動悸、胸苦しさ、息切れ、めまいだが、「無症状が4割」というのは、次の2つが考えられる。 まず、症状が軽く、本当に自覚していないケース。 心房細動を含む不整脈は非常に気まぐれで、いつ起こるか分からない。健康診断を毎年受けていても、そのタイミングで心房細動が起こっていなければ発見されない。「健康診断で異常なし」でも安心できない。 次に、症状に慣れてしまっているケース。「動悸や息切れがあっても、軽ければ危険性を認識しない。忙しいからと病院へ行けず見過ごしているうちに体が慣れてしまう」(妹尾恵太郎医師=以下同) ある70代患者は年1度の健康診断は異常なし。健康に気遣っており、心電計付き上腕式血圧計で心電図の乱れが出た時は機械の故障だと思っていた。 睡眠時無呼吸症候群と高血圧がある60代患者は階段を上る時に動悸・息切れを感じていたが、「年のせい」とみなしていた。 この2人はいずれも、心電計付き上腕式血圧計で測定した心電図を医療機関に見せたことで心房細動発見に至ったが、それがなければどうなっていたか分からない。 というのも、心房細動は前述の通り突然死のリスクが高いから。心房細動は心房のけいれんで血液がよどみ、血栓ができやすくなる。それが血流に乗って脳に飛び、血管に詰まると脳梗塞が起こる。「心房細動から起こる脳梗塞は『心原性脳塞栓症』といって、命に関わる大きな脳梗塞になることが多い。一命を取り留めても、麻痺や寝たきりなど重い後遺症が残る可能性が高い」 治療が遅れると、手術後の再発リスクが高くなることもある。■自分で脈を測って早期発見 心房細動の治療は第1選択が薬物治療、十分な効果を得られない場合、カテーテルアブレーションが検討される。 カテーテルアブレーションは、足の付け根からカテーテル(細い管)を心臓まで入れ、異常な電気信号を出している部位を焼灼する、比較的、体への負担が軽い手術だが、再発リスクが3~4割。「心房細動になってから長いほど、術後の再発リスクが高い。発症1年未満の手術が、その後の経緯が格段に良い」 心房細動が無症状、あるいは症状が軽くても、脳梗塞をはじめとする病気のリスクは症状がある場合と変わらない。「自分は大丈夫」とむやみに思わないことだ。 無症状が4割という状況の中、どうやって早期発見をするのか?「一番手軽なのは検脈です。特に、軽い息切れや動悸の症状を感じたら、検脈で脈を確認してください」「トン・トン・トン……」と規則正しく打っていれば問題なし。「トン……トトン・トン・トッ……トン・トン・トトン」などのように不規則なら病院へ。 心電計付き上腕式血圧計や心電図を測定できる機能がついたスマートウオッチを利用するのも手だ。 ただし、「機械が壊れている」「しばらく様子を見よう」などと思って放置していれば意味がない。検脈の場合と同様、病院で検査を。 繰り返しになるが、健康診断で異常なしでも、その時に心房細動が起こっていなかっただけかもしれない。決して「心房細動ではない」わけではないのだ。――脳卒中、脳梗塞、脳出血といった病名をよく聞きますが、どのような違いがあるのでしょうか。脳卒中とは、脳血管に障害が起こる病気(脳血管障害)の総称です。そのなかで脳の血管の詰まりが原因のものを「脳梗塞(虚血性脳卒中)」、血管の破れが原因のものを「脳出血」と呼んでいます。また、脳を覆う膜の下の動脈にできた瘤(こぶ)が破裂して起きるのが「くも膜下出血」です。近年では脳卒中の患者の約75%が脳梗塞、約20%が脳出血、約5%がくも膜下出血となっています(※2)。脳梗塞と脳出血の症状は似ており、片側の手足のまひ、顔などのしびれ、ろれつが回らない、失語などが代表例です。脳は領域ごとにつかさどる部位が異なるため、異常が起きた場所に応じて症状も変わるのです。また、くも膜下出血の場合、激しい頭痛が特徴です。――脳梗塞では、どうして脳の血管が詰まるのでしょうか。脳梗塞には主に3タイプの原因があります。脳の太い動脈が動脈硬化などで狭くなって起きる「アテローム血栓性脳梗塞」、細い血管が詰まる「ラクナ梗塞」、そして、心臓の中にできた血栓が脳に流れ着き、脳の血管を詰まらせる「心原性脳塞栓症」です。統計を見ると3タイプの発症割合は、それぞれ約3割程度ずつとなっています(※2)。――心原性脳塞栓症の原因と予防について教えてください。心原性脳塞栓症の約9割は、不整脈の一種である心房細動が原因です。心臓に心房細動があると血液がうまく流れないため、血の塊である血栓が生じ、これが脳に流れて血管を詰まらせます。ですから心原性脳塞栓症の場合、脳の血管自体に異常はなく、症状も突然現れます。予防には、血液を固まりにくくする抗凝固薬の内服や、心房細動の原因部分を焼灼(しょうしゃく)し不整脈を抑制するカテーテルアブレーションなどがあります。心房細動は自覚しづらいので、自己検脈や心電図検査などの検診が大切です。高血圧や糖尿病、脂質異常症、あるいは過剰な飲酒、喫煙などが脳卒中の危険因子となります。生活習慣のコントロールや、定期的な健康診断の受診が脳卒中の予防には欠かせません。point2 初期症状や予兆を知っておく――脳梗塞を発症した場合、どういう治療がありますか。脳に血が通わなくなると、すぐに脳細胞が壊死し始めます。当然、治療開始が早いほど予後が良好になりますから、治療は時間との闘いです。具体的な治療ですが、血栓を溶かすtPAという薬の投与は心原性、非心原性を問わず効果があります。ただし、これは原則として発症後4時間半以内にしか使えません。脳細胞の壊死の進行後に血流が戻ると、出血を起こす危険性があるからです。これも脳梗塞の治療が一刻を争う理由の一つです。心原性脳塞栓症では、カテーテルを用いて血栓を取り除く機械的血栓回収療法が行われるケースもあります。こちらは原則6時間以内に行うことが必要です。症状と画像所見によっては24時間以内でも有効な場合があります。さらにアテローム血栓性脳梗塞では、血管内にカテーテルを使ってステントを留置し、血管を広げる治療も用いられます。一方、細い血管が詰まるラクナ梗塞の場合、カテーテルでの治療はできません。抗血小板薬を投与し、脳梗塞の拡大や再発を防ぐ治療が取られます。またアテローム血栓性脳梗塞でも再発予防のため同薬が使用されます。――一刻も早い治療が重要とのことですが、脳卒中には初期症状や予兆のようなものはありますか。「急に手足から力が抜ける。周りの人から片脚を引きずっているといわれる。物につまずきやすい。急にめまいがする」というような症状が出たら脳梗塞や脳出血を疑うべきでしょう。また、「ろれつが回らない。言葉が出てこない。手や足の片方だけがしびれる。片目だけが一時的に見えなくなる」なども特徴的な初期症状です。とはいっても、脳卒中かどうかを自己判断するのは困難です。こうした症状が現れ、疑いを持ったら、迷わず救急隊を呼んでください。事は一刻を争います。「明日まで様子を見て……」、あるいは「家族に相談して……」などと考えるのはもっての外です。――脳卒中らしき人がいた場合、周囲の人ができることはあるでしょうか。すぐに119番することです。それには脳卒中の初期症状を知っておくことが重要です。FASTという言葉を覚えておくとよいでしょう。顔(F:フェース)のまひ、腕(A:アーム)のまひ、言葉(S:スピーチ)の障害が認められたら、すぐ119番。そして、元気だった最後の時刻(T:タイム)を覚えておき、救急隊に伝える。これが治療と回復を大きく左右します。※1 「2022年国民生活基礎調査」から。1位は認知症※2 「脳卒中データバンク2021」から
2023年11月15日
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やがて訪れる“最期のとき”に落とし穴があった。兵庫県在住の川田里美さん(仮名・60才)は4年前から母親を在宅介護してきた。母と介護生活でどんなことをしたいか、そして最期をどう迎えたいかなどを話し合ってきた。しかし今年の8月、やってきたそのとき、とっさに取った自分の行動を悔やんでいる。「最期を自宅で看取るつもりで在宅介護を続けてきたのに、母が急変したときに慌てて救急車を呼んでしまいました。母は病院に搬送され、延命治療の末に入院先で息を引き取りました。“家で死にたい”という願いを叶えることができず、ずっと後悔しています」 悲劇を回避するために、森田さんは親と意思疎通が取れるうちに、施設への宿泊や訪問を組み合わせた小規模多機能型居宅介護と、在宅医の両方と契約しておくことを推奨する。「ギリギリまで本人の要望を聞くことができますし、小規模多機能型居宅介護なら“風邪をひいたので今日急に預けたい”という状況にも対応してくれます。 また、在宅医がいれば急変したときも対応してくれます。例えば、高齢者が重症化しやすい肺炎になっても入院を避けられる。在宅医と契約していれば自宅で薬をのめますし、点滴もできます。もちろん本人が延命治療を希望するなら救急車を呼んでもいいですが、最期は自宅で親族に見守られたいというかたは多いと思います。在宅医がいるとその願いを叶えられます」「ホームページで訪問診療をうたっていても、実際には外来診療がメインで訪問診療に当てているのは1週間に1日だけとか、夜間や休日の対応はしないというクリニックがあります。容体が急変しても医師がすぐに来てくれず、親や配偶者を苦しませてしまうこともゼロではありません。しっかり調べずに、医師に“がんばりましたね”と言われながら穏やかに亡くなるというイメージだけを持っているのは危険です」(石川さん)
2023年10月27日
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「最初におかしいな、と感じたのは、母がまだ50代のころ。私は38歳で、次女のサクラを出産してまだ病院にいたときのことです。長女の桃子を母が面倒見ていたのですが、お見舞いに来るとき、桃子が毎日同じ服を着ている。几帳面な母が着替えさせないなんておかしいと思ったのですが、そのときは母も忙しいのかな、としか思いませんでした」 母が70代になり、病院で脳の検査をすると、脳腫瘍が見つかる。大きさはテニスボール大にもなり、20年以上も前にできていたことが判明。それまでの母の行動は脳腫瘍が原因の老人性うつ病と認知症によるものだともわかった。「医師から『よくここまで一緒に住んでいましたね』と言われて、初めて気持ちをわかってもらえた、と思いました」 母の脳腫瘍は明日死んでもおかしくない状態。医師からも「明日起きてきたら神様からのプレゼントだと思って」と言われた。その言葉に、安藤さんの気持ちも「母に幸せな時間を過ごしてもらいたい」という前向きなものへと変化した。「食べることが大好きな母に喜んでもらいたくて、料理もたくさん作りました。朝の『おはようございます』のあいさつも、今日も生きていてくれてよかったという気持ちを込めて。そのころ、母はすごく短気でイラッとするとテレビのリモコンなどを叩きつけていたんですが、私たち家族の愛情が伝わったのか、母も穏やかになっていきました」 最期は家族が見守る中で、母を見送ることができた。「脳腫瘍によるむくみも、亡くなったら腫れが引いて見事な美人に。それを見て、思い残すことなく旅立ったんだと実感できました」 安藤さんは最期まで在宅介護をしていたが、「無理なことは人に任せたほうがいい」と言う。 在宅介護を始めて4年がたったころ、安藤さんは介護うつを患ったことも。母は寝たきりになり、鼻から管を通して栄養を摂取する経管栄養を始めた。安藤さんは仕事もしながら夜中の2時間おきの痰の吸引や経管栄養、排泄の世話などを1人でこなすうちに寝る時間が減り、次第に心もすり減っていった。「朝や仕事のときにはヘルパーさんにも来てもらいましたし、家族も体位交換などは手伝ってくれましたが、下の世話などは自分がやらなきゃという気持ちでした。皆さんには介護を1人で抱えず、人に任せてほしいですね」 また、自分が介護されないよう意識するのも大切、と安藤さん。「そのためには生活力をつけて、常に頭を働かせていること。特に炊事は頭を使いますから男性もできるようにしたい。奥田もこの10年で、炊事、掃除、洗濯、皿洗いなどなんでもやるようになりました」 家族が困らないよう、あらかじめ老後や死後の話もしておくとよい、と安藤さん。「私は認知症になったらさっさと施設に入れて、担当の介護士さんは私好みの男の子にしてと伝えています(笑)。死んだらつけまつげをつけてきれいにして棺桶に入れて、ロックをかけながら楽しく見送ってほしいですね」
2023年10月23日
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今まで話してこなかったのですが、、家族性高コレステロール血症という病気を持ってるんだけど同じ人いますか?どう過ごしていますか?数値がとんでもない事になってて、そろそろちゃんと知識いれなきゃなと🥲同じ人いるかなぁ..— 藤田 ニコル(にこるん)🌙 (@0220nicole) October 13, 2023 健康診断などで「コレステロール値が高い」と言われたことはありませんか? 原因は色々ありますが、その中に遺伝的に高くなる場合がある事をご存じですか? コレステロールにはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)とHDLコレステロール(善玉コレステロール)があります。 一般的にはLDLコレステロール(悪玉)値が高い場合を高コレステロール血症といいます。 血液中のLDLコレステロール(悪玉)が増えると動脈硬化を起こし、血管の壁が硬く厚くなり血管の内腔が狭くなります。動脈硬化が進行すると、血管内腔がさらに狭くなり血栓により閉塞し、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な疾患を引き起こします。また、血液中のHDLコレステロール(善玉)が少ない場合も同様に動脈硬化の進行が起こります。 コレステロールが高くなる原因として動物性脂肪の取り過ぎや運動不足、肥満などはよく知られています。その他、閉経後女性ホルモン低下や甲状腺機能低下症、糖尿病、ネフローゼ症候群などの疾患が原因となる場合もあります。そして一番問題となるのが、遺伝的原因により高くなっている場合です。 遺伝的原因の代表が「家族性高コレステロール血症」で、日本では200~500人に1人の割合で存在します。 家族性高コレステロール血症の特徴には次の3つがあります。 ① 未治療の状態でLDLコレステロール(悪玉)が180mg/dL以上 ② 黄色腫(手背、肘、膝などの黄色いしこり又はアキレス腱の肥厚)あるいは皮膚結節性黄色腫(皮膚の黄色いしこり) ③ 家族(2親等以内)に家族性高コレステロール血症の存在あるいは若くして冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)発症歴 以上の2項目が当てはまる場合に診断が確定します。 家族性高コレステロール血症で問題となるのは、子供の頃からコレステロールの高い状態が長く続く事です。他の原因では成人以降からコレステロールが高くなる場合がほとんどですが、長期間高い状態が続く家族性高コレステロール血症では、若年ですでに動脈硬化が進行している事が多く、30~40代と若い年齢で狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす事がよくあります。そのため、平均寿命も10年以上短くなってしまいます。 しかし、家族性高コレステロール血症であっても、早くから適切な治療を開始すれば、動脈硬化の進行を防ぎ、寿命を延ばす事が可能です。 食事療法及び運動療法は基本ですが、それだけで改善は難しく薬物療法が必要となります。薬物療法の第一選択として、肝臓でのコレステロール合成を抑制するスタチン製剤があります。スタチン製剤で効果不十分の場合、小腸コレステロールトランスポーター阻害剤や陰イオン交換樹脂などの内服薬併用が必要となります。 また、内服薬でも効果が十分でない患者さんのために、肝臓内にある一部の酵素を阻害して血中のコレステロールを下げるPCSK9阻害薬という新しい注射薬が2016年に発売されました。
2023年10月13日
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シニア世代に大人気のYouTuber・Mimiさん(63歳)。60代になってからYouTubeに動画をアップし始め、プチプラアイテムを使ったおしゃれなコーディネートや、ひとり暮らしのお金事情など、シニアの気になることを本音で伝えてくれると話題です。Mimiさんの母親の最期が延命治療のできない施設では、看取りは成功とは言えない。病院で何らかの延命処置が施されるようにすることが正解。自然に任せるやり方は安楽死に近い。母を同時期に亡くした自分の場合は、点滴で半年の延命治療をして、母の看取りを自宅でできた。たまたま母が、体調を崩して入院。病院と自宅の中継ぎとして、リハビリを中心におこなう老人向け施設に入所…というタイミングでコロナ禍に突入しました。医療施設や介護施設は面会禁止となり、家族であっても面会はかないません。私の勤めていたカフェも休業となり、自宅で過ごすことが多くなりました。●母を家に戻すべき?施設に頼るべき?お店の休業は、最初こそ立ち仕事から解放されてうれしく思ったほどでしたが、母には会えないし、自由に外出できるわけでもない。さみしさが募り「母を家に連れ帰った方がいいんじゃないか」と考えるようになりました。今なら時間がある。母だってさみしがっているでしょう。しかしここは、より現実的に考えねばなりません。私の手持ちのお金と母の年金で家で介護できる体制を整えられるだろうか。母と言い合いしていた頃に比べて要介護度は各段に上がっています。仕事は辞めざるを得ないでしょう。そうなると、介護には専念できても収入は激減。のちのち、母のことを恨んでしまうかも…。考えた末、母の帰宅作戦は断念することにしました。自分のことしか考えてなかった気もしますが、この判断は間違っていなかったと思っています。●延命処置をするかしないか。どちらを選んでも後悔は残る母は60代のときから治療を続けていた緑内障が80代で進行。ほとんど見えなくなりました。耳も不自由になりはじめ、認知にも混乱が。病院や施設など、家と違う環境に行くとつじつまの合わないことを言うようになりました。コロナ禍で見舞いにも行けず、スマホやタブレットでリモートお見舞いしようにも、目も耳も不自由ではかなわず。母はさぞ、さびしかっただろうと思います。それでもコロナが落ち着いたタイミングで、仲よしの妹(私の叔母)たちを連れてお見舞いに行くこともできました。いよいよ母の状態が思わしくなくなったとき、施設の方がこれから訪れるであろう『看取り』について、丁寧に説明してくださいました。「ここで看取ることもできます。病院へ移すこともできます。どちらになさいますか?」病院では何らかの延命処置が施されます。水分が足りなければ点滴、栄養が足りなければ鼻などからチューブ…というわけです。「こちらの施設では延命治療はしません。木などが枯れゆくように、人として命が終わっていくのに任せます」そして「枯れるがままに終わっていく(老衰)のが、おそらく本人にとっては一番苦痛が少ないと思いますよ」とも。2022年12月、母はその介護施設で亡くなりました。●いちばん身近で大切な母を失ってしまったけれど…コロナ禍で会えない時期があったからでしょうか。今でも、あの施設に行けば母に会えるような気がします。介護の在り方は人それぞれ。正解も不正解もありません。私のような状況の人ばかりでもないでしょう。けれど、だれもが年老いて、いずれひとりでは暮らせない状態になることだけは変わりません。母ひとり、子ひとりで暮らしてきた20数年。だんだんと弱っていく母を見ていくのは悲しかったし、この先自分だけになってしまうこともさみしかった。それでも、母は私に弱っていくさまを見せてくれて、この先の心構えをさせてくれました。なにものにも代えがたい、彼女が最期に遺してくれた大きな遺産です。
2023年10月05日
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論題Effects of aspirin on risks of vascular events and cancer according to bodyweight and dose: analysis of individual patient data from randomised trials体重と用量に基づいたアスピリンの心血管イベント及び癌の発症予防の効果:ランダム化比較対照試験の統合解析概要研究者グループがそれぞれ実施したアスピリンによる心血管イベント一次予防のランダム化比較対照試験の患者単位データを統合し、アスピリンの用量及び患者の体重別に分析した。その結果、低用量アスピリン(75-100mg/日)の心血管イベント予防効果は、体重が増加するにつれて減弱し、心血管イベント予防効果は体重70kg以下の患者で認められることが明らかとなった。逆に、高用量(325mg/日以上)では、体重が大きい患者で効果があることが明らかになった。体重によるアスピリンの効果の増減は大腸癌予防においても同様であった。これらの結果から、低用量アスピリンの有効性は、体重が70kg以下の患者に限られ、世界的にはこれらの体重基準を満たす患者は男性では20%、女性でも50%であり、低用量アスピリンと一括りにした処方は適切ではないことを世界で初めて明らかにした。研究の背景低用量アスピリン(75-100mg/日)による脳梗塞や心筋梗塞の再発予防は広く世界で普及しており、冠動脈ステント後の血栓予防薬としても標準的な治療薬となっている。また心血管イベントの一次予防としても、ハイリスク患者を中心に世界で広く利用されており、近年では大腸癌の予防効果についても報告がなされている。しかし、低用量アスピリンによる心血管イベント一次予防に関する研究結果は安定せず、近年では効果がない、との報告も散見される。その理由として、降圧薬や糖尿病治療薬のように、降圧効果や血糖値を指標に用量を調整する薬剤とは異なり、全ての成人に対して低用量アスピリンとして一括りに処方されていることから、患者個人での効果に違いがあるのではないか、その効果の違いの原因に体重の差異があるのではないか、と考えられた。そこで、世界中のアスピリンによる心血管イベント一次予防の研究者が協力して、データを統合して解析を行うこととした。現在、虚血性の心・脳血管系疾患での血栓・塞栓形成抑制には、アスピリンなどの抗血小板薬投与が一般に行われており、国内外のガイドラインでも推奨されている。アスピリンは、1899 年に抗炎症薬として臨床使用され、50 年前には抗血小板作用も確認された薬剤である。現在、抗血小板薬の中でアスピリンは、費用対効果が最も良い薬剤とされ、日本でも高い頻度で使用されている。アスピリンの抗血小板作用は、血小板の COX-1の選択的なアセチル化により COX-1 作用を阻害することで効果が発揮される。また、その抗血小板作用は、低用量(81~330mg/日)で効果を示すが、高用量では血小板凝集の抑制作用が失われることが知られている。ただしアスピリンは、優れた抗血小板作用を有する一方で、胃・十二指腸潰瘍の副作用を惹起する欠点も指摘されている。そのため、通常のアスピリン使用時には、PPI などの消化性潰瘍治療薬の併用が行われるが、低用量アスピリン療法時に併用できる PPI としては、「薬剤投与時における胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発予防」に適応を有するランソプラゾールもしくはエソメプラゾール(商品名ネキシウム)のみとなっている。研究手法と成果国際共同研究チーム及び文献データベースからアスピリン群と対照群を比較した心血管イベントに関する研究を検索し、統合対象となる研究を抽出した。個別の研究組織から患者単位のデータを入手し、定義やデータ構造を統一化した上で、統合解析を行った。10研究が統合対象となり、11万7279人の患者データが分析された。心血管イベント一次予防では体重が70kg以下の患者では、全ての心血管イベント(ハザード比(HR)0.77)、脳卒中(HR0.71)、心筋梗塞(HR0.81)、心血管死(HR0.79)はいずれも有意差に低用量アスピリン群で予防効果が認められたが、70kg以上の群ではいずれも予防効果が認められなかった。癌予防効果については、登録時に70歳未満で、体重が70kg以下の患者では有意に大腸癌の発生リスクが低用量アスピリン群で低下していたが、70kgを超えると、大腸癌予防効果が認められなかった。今後の課題低用量アスピリンと一括りにした(one-dose-fits-all)処方は、少なくとも心血管イベント一次予防には適切でないことが明らかとなったことから、体重別などの至適な用量を今後検討していく必要があり、研究を進める予定である。また、一次予防だけでなく、二次予防で用いられている低用量アスピリンも、効果があることは示されているが、実際には体重の影響を受けている可能性があり、二次予防領域においても検討が必要である。研究費等の出処厚生労働科学研究費補助金(H27-循環器等-一般-001)Wellcome Trust and National Institute for Health Research Oxford Biomedical Research Centrehttps://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)31133-4/fulltext
2023年09月29日
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●脳梗塞について<脳梗塞とは?>脳梗塞とは、動脈硬化や血栓などの影響で脳の血管が詰まり細胞が壊死する病気。発症後の対応を間違うと、半身不随や失語症などの重篤な後遺症が残るだけではなく、最悪の場合死に至る事もあるそうです。<夏は脳梗塞の死亡率が上がる!?>平均気温27~29℃を基準とした時、気温が32℃に上昇すると脳梗塞での死亡率が1.66倍に増加するというデータがあるそうです。<夏の脳梗塞を引き起こす原因は?>先生によると、夏の脳梗塞を引き起こす原因の1つは脱水症状。身体は、汗をかく事で上がった体温を下げようとしますが、水分を補給しないと脱水症状に陥りやすくなります。脱水状態になると、血液がドロドロに固まりやすくなり、血管に詰まりやすくなってしまうそうです。<ストレスも脳梗塞の原因に!?>ストレスを受けた時、副腎から「ストレスホルモン」が分泌されます。その結果、自律神経の交感神経が優位になり、血管が収縮して血圧が上昇。これが長く続く事で脳梗塞のリスクが高くなってしまうのだとか。先生曰く、夏の暑さは身体にとって大きなストレス。そのため、日常のストレスと暑さによるストレスが重なるこの時期は、特に注意が必要だそうです。●脳梗塞?熱中症?判断のポイント熱中症の症状は、めまい・ふらつき・吐き気など。実は脳梗塞にも似たような症状があるのだとか。そのため、熱中症なのか脳梗塞なのかを正しく見極める事が大切だそうです。<脳梗塞の特徴的な症状>(1)麻痺脳梗塞になると、顔の左右どちらかが麻痺して口が動かなくなるそうです。そのため、水を飲んだ時に口の片側からこぼれたりする場合は脳梗塞のサインと考えられるそうです。(2)言葉が出ない大脳の言語を司る部位が血栓によって損傷すると、意識があるのに言葉が出にくいという症状が現れるそうです。(3)視野が欠ける片方の目が急に見えなくなったり、視野の一部が欠けたりする場合も要注意。このような症状が見られた場合は、躊躇する事なく救急車を呼びましょう。●脳梗塞の大きな罠!10分で消える症状!?脳梗塞と同じ症状が一時的に起こって短時間(数分~10分程度)で消失する事があるそうです。これは、脳梗塞の前兆「一過性脳虚血発作(TIA)」と呼ばれるもの。TIAを起こす血栓は小さいため、自然に溶けたり流されたりして症状がすぐになくなるのだとか。TIA発症後1日以内に治療をすると、平均20日後と比べてその後の大きな脳卒中(脳梗塞を含む)の発症を80%軽減すると言われているそうです。●脳梗塞のサイン「半身麻痺」早期発見につながるチェック法<半身麻痺が起きやすい部位や症状>脳梗塞の特徴の1つ「半身麻痺」が起きやすい部位や症状を「FAST」と覚えると良いそうです。F(Face)顔A(Arm)腕S(Speech)言葉T(Time)時間Tの時間は、早期治療の大切さを表してしているそうです。<「FAST」で脳梗塞の半身麻痺を見分ける方法>(1)F(Face)顔口を横に開きます。片側が横に広がらない場合は、麻痺の可能性があるそうです。(2)A(Arm)腕手のひらを上に向け両手を前に出し目を閉じて10秒数えます。小指側が内側に回転したり、腕が下がったりする場合は麻痺の可能性があるそうです。(3)S(Speech)言葉「ぱぴぷぺぽ」を声に出して3回繰り返します。何度繰り返しても言えない場合は、顔の半分や舌や喉に麻痺が出ている可能性があるそうです。●脳梗塞の治療法<tPA療法>脳梗塞には、「tPA」という血栓を溶かして血流を回復させる薬が使えるそうです。ただし、使用できるのは発症から4時間半以内。そのため、患者さんの約10%しかこの治療を受けられていないのが現状だそうです。<血栓回収治療法>血栓回収治療法は、カテーテルを脚から挿入し脳に詰まった血栓を取り出す治療法。2015年に認められた新しい治療法で、発症後24時間以内に行う事ができるそうです。<「FAST」を覚えて少しでも早く病院へ>先生曰く、脳梗塞治療は時間との勝負。そのため、いざという時にすぐに病院へ行けるように「FAST」をしっかり覚えておく事がとても大切だそうです。●脳梗塞は発症を防ぐ事が大切!「脳ドック」で早期発見<脳ドックとは?>脳ドックは、脳梗塞や脳出血、認知症の可能性など脳の疾患リスクを早期発見するため、MRIなどで詳しく調べる検診コースの事。先生の病院では、脳ドック受診者のうち脳の血管トラブルが15%近く、軽い脳梗塞も3%ほど見つかっているそうです。<脳ドックで見つかる「隠れ脳梗塞」>隠れ脳梗塞は「無症候性脳梗塞」といい、脳の細い血管が詰まり小さな脳梗塞が起こっている状態の事。大きさによっては身体で感じられる症状がない場合もあるそうです。しかし、脳の血管にはダメージがあるため認知症につながる可能性があるのだとか。また、隠れ脳梗塞になった人のなかには、仕事上での書類の書き間違えが増える、言葉が出ないなどの症状が現れたケースもあるそうです。<血管を詳しく調べられる「MRA」>脳ドックには、「隠れ脳梗塞」についてもっと詳しく知る事ができるMRAと呼ばれる検査があります。血管が立体的に写るため、詰まったり細くなったりなど脳の血管の状態を詳しく調べる事ができるそうです。<脳梗塞は発症を未然に防ぐ事が大切!>先生によると、隠れ脳梗塞の原因は生活習慣。そのため、生活習慣を見直すとともに定期的に採血検査を行い、数値を確認する事が大切なのだとか。また、40歳以上の方は2~3年に1度脳ドックを受診すると良いそうです。(※脳ドックは地方自治体や健康保険組合などから補助金や助成金が出る場合があります)記録的な暑さで熱中症の症状を訴える人が急増していますが、実は、熱中症と同じく、夏場に増えるとされているのが脳梗塞です。初期の症状が熱中症と似ているため、その見極めが肝心と医師も注意を呼びかけます。連日、危険な暑さが続く2023年の夏。8月5日、伊達市梁川で県内で観測史上初めて最高気温が40度に達し、全国的な話題になりました。こうした中、ことしは熱中症の患者も急増。7月1か月間に熱中症やその疑いで搬送された人は、2022年の同じ時期と比べて3割以上増えているといいます。酷暑のなかで、特に熱中症に厳重な警戒が必要ですが…実は、熱中症と同じく夏に多くの患者が発生する、ある病気があるといいます。■あづま脳神経外科病院 佐藤拓院長「夏には脳梗塞も増えて、当院でも7月、8月にかけて脳梗塞の患者さんが増えています」注意して欲しいのが脳梗塞です。脳の血管が詰まり、血流が途絶え、脳の神経細胞が死んでしまう病気です。重い後遺症が残ることもあり、最悪の場合は死に至ることもあります。脳梗塞は寒い冬に起こりやすいというイメージがありますが、夏も冬と同じくらい発生しているのです。その理由は…■あづま脳神経外科病院 佐藤拓院長「夏は暑いので、水分摂取をしていないと脱水になって脳梗塞発症の危険性が高まります」夏の脳梗塞を引き起こす原因の1つが脱水症状です。体内で水分が不足すると血液がドロドロに…その結果、血管が詰まりやすくなり脳梗塞発症のリスクが高まるとされているのです。対策としてはこまめな水分補給が挙げられますが、この時期は日中だけでなく就寝中も注意が必要です。■あづま脳神経外科病院 佐藤拓院長「どうしても夜間、トイレに行くのを控えたいために、水分を取らない人もいるので、なるべく夜間、水分をとってから寝ることも検討してほしい」一方で、脳梗塞を発症した場合は早期治療がカギとされます。初期症状は夏に増える熱中症と似ているため、その見極めが重要だと佐藤院長は話します。■佐藤院長「言葉が出にくいとか…あるいは手足に力が入りづらいといった麻痺症状が出る場合には、熱中症とは異なる部分なので病院をすぐ受診してほしい」顔や腕のしびれやまひ、ろれつが回らない、力が入らないといった脳梗塞の症状が見られた場合は、すぐに救急車を呼び適切な治療を受けることが大切です。■佐藤院長「ことしは気温が高いので水分摂取はこまめにとってもらって、予防してもらえればと思います」
2023年07月09日
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医師です。2年前、当院関連の看護学生が病院実習前のコロナワクチン接種した2日もしくは3日後(私の記憶が不確か)にこの方のように朝、呼吸が止まっているところを家族に発見され、その後死亡が確認されました。基礎疾患もなく、コロナワクチンとの因果関係を科学的に証明できなくても、誰がどう考えてもコロナワクチンが原因です。命を救うためのワクチンが原因で亡くなるなんて。メディアはあまり報じませんが、この実情を皆さんには知っといてもらいたい。およそ2か月前に新型コロナの感染症法上の分類が5類に移行しましたが、医療従事者や高齢者を対象としたワクチン接種は現在も行われています。そうした中、ワクチンを接種した後に夫を亡くした宮城県内の女性が、ワクチンの危険性を訴え活動しています。残された家族の思いとは…。【写真を見る】「テレビを見て大丈夫だと思って打ったけど命を落としてしまった」コロナワクチン接種3日後“急性循環不全”夫を亡くした35歳女性の訴え「原因を究明しないと被害は増える」■「ワクチン推進の方向をひっくり返したい」須田睦子さん:「パパを突然、亡くして子どもたちが悲しむ姿を一番近くで見てきた」7月2日、仙台市内で開かれた薬害問題を考えるシンポジウム。主催したのは新型コロナのワクチンを接種した後に夫を亡くした須田睦子さん(35)です。須田睦子さん:「夫のためでもあるし、自分のためでもあるし、一番は父親を失って泣いて過ごしてきた子どもたちの思いもあるので。ワクチンを推進する方向をひっくり返したい」大和町に住む須田さん。幸せな日常が一転したのは、2021年10月でした。■夫・正太郎さんがコロナワクチン接種後に死亡須田睦子さん:「夫がいて子どもたちがいてっていう将来しか想像していなかった」当時、第4子を妊娠中だった須田さん。夫の正太郎さん(当時36歳)は、自宅近くの医療機関で2回目の新型コロナワクチンを接種しました。妻や子どもたちを守ろうと受けたワクチン接種。しかし、接種から3日目の朝…。須田睦子さん:「寝室に行ったら夫の呼吸が止まっている状態だった。前日まで熱も出ていたし、胸の痛みとか息苦しさとかを訴えていたので、ワクチン以外(原因は)考えられなかったんですよ。大きな病気や持病があったら、そっちも疑うんですけど、それが一切なかった」夫の正太郎さんは、次女・すみれちゃんの誕生を見ることなく、帰らぬ人になりました。死因は、全身に十分な血液を送れなくなる急性循環不全でした。須田睦子さん:「ワクチンで人が死ぬというのは考えてなかった。分からなかったのでなんでってしか思えない」須田さんは、正太郎さんが亡くなった2ヶ月後、ワクチン接種の副反応で障害が残ったり死亡したりした場合に医療費や死亡一時金の給付が受けられる国の救済制度に申請しました。そして、1年以上経過した今年1月、国はようやく「ワクチン接種と死亡との因果関係は否定できない」として申請を認めました。
2023年07月06日
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□低血圧とは、収縮期血圧が100mmHg未満の場合である。低血圧の分類は①急性低血圧②慢性低血圧③起立性低血圧に分けられる。□①急性低血圧にはショック、一過性低血圧(起立性低血圧、食後低血圧、排尿後低血圧、透析後低血圧)、②慢性低血圧は本態性低血圧、症候性低血圧、体質性低血圧に分けられる。本態性低血圧とは原因不明の低血圧による症状を認めるもので、症候性低血圧とは低血圧をおこす原因疾患があり、体質性低血圧とは血圧は低いが無症状で病的意義がなく通常の生活を送っている場合を示す。□低血圧の症状はめまい、ふらつき、立ちくらみの代表的なものから倦怠感、易疲労感、なんとなく元気が出ない、眠気、手足の冷感など多様である。また、血圧低下が高度であれば失神発作、一過性脳虚血発作(TIA)をきたすことがある。□検査や治療を必要とする低血圧で重要な病態はショックである。心原性ショックは収縮期血圧が90mmHg未満、もしくは通常血圧より30mmHg以上の低下と定義されている。また、非心原性ショックは普段の血圧が150mmHg以上の時は収縮期血圧が60mmHg以上の低下、110mmHg以下の時は収縮期血圧が20mmHg以上の低下と定義されている。(図)□数値だけを考えれば若い女性で血圧が80mmHg台でも無症状の人はいる。血圧値ではショックになるが無症状なので、この症例は体質性低血圧と考え経過観察とする。また、80歳男性の収縮期血圧が170mmHgのため高血圧の診断で降圧剤の服薬を始めた。数カ月経過した時点で収縮期血圧が110mmHgと低くなっていたが記憶力も悪くなり降圧剤を減量し、収縮期血圧が140mmHgに回復するとともに記憶力も回復した。この症例は定義上は非心原性ショックに当てはまるが、降圧剤による過度の降圧(低血圧)と考える。□つまり、検査や治療を必要とする低血圧は症状の有無が重要である。ショックの5徴:①pallor(蒼白)②Prostration(虚脱;身体的・精神的)③Perspiration(冷汗)④Pulselessness(脈拍触知不良)⑤Pulmonary deficiency(呼吸不全)を伴っていれば迅速な治療・検査が必要である。一過性低血圧もめまい、ふらつき、立ちくらみの症状を認め血圧低下が高度となれば失神発作も来たすが、一過性低血圧は病歴聴取をしっかりすれば診断ができる。□低血圧をきたす主な疾患を表に示す。心血管系、呼吸器疾患は聴診、画像(レントゲン、エコー)、心電図などで診断は容易である。内分泌疾患は身体所見が重要となる。それぞれの疾患に関しては他の成書を参考にしてください。最後に、今後さらなる高齢化社会が進むなか高齢者に特に注意が必要な循環血液量減少(脱水、利尿剤)、多疾患患者が多くなり内服薬の増加・相互作用による低血圧も注意すべきである。表 低血圧をきたす疾患 心血管系 心筋梗塞、心不全、大動脈弁狭窄症、閉塞性肥大型心筋症、心タンポナーデ、重症不整脈など呼吸器疾患 肺梗塞、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾(COPD)内分泌疾患 甲状腺機能低下症、Addison病、下垂体疾患神経疾患 頸動脈洞過敏症、過換気症候群、舌咽神経痛薬物性 降圧薬、利尿薬、抗うつ薬、抗不安薬、向精神薬、抗Parkinson薬、麻酔薬、アルコール起立性低血圧 Shy-Drager症候群、Parkinson症候群、Guillan-Barre症候群、糖尿病性神経症などその他 循環血液量の減少(脱水、出血、透析など)原因低血圧は、典型的には以下のうち少なくとも1つが原因となって起こります。細い動脈(細動脈)の拡張特定の心疾患血液量の不足細動脈の拡張は以下によって発生します。特定の重度の細菌感染症で細菌が作り出す毒素(敗血症性ショック)特定の薬脊髄の外傷により、細動脈を収縮させる神経が損傷アレルギー反応(アナフィラキシー)特定の内分泌疾患(アジソン病など)心臓のポンプ機能を障害して心拍出量を低下させる様々な心疾患として、以下のものがあります。心臓発作(心筋梗塞)心臓弁膜症頻脈(心拍が極めて速くなった状態)徐脈(心拍が極めて遅くなった状態)不整脈(心臓のリズムが異常になった状態)体内の血液量が過度に減少する原因としては、以下のものがあります。脱水出血腎臓の病気また、低血圧は、脳から心臓や血管へ信号を伝達する神経が 自律神経性ニューロパチーと呼ばれる神経の病気で損傷した場合にも起こります。座っている姿勢から急に立ち上がると、脳に血液を送る血管の血圧が下がり、その結果、一時的にふらつきや気が遠くなる感じがします。この状態を 起立性低血圧と呼びます。起立性低血圧は、脱水状態にある人、体がほてった状態の人(例えば、熱いお風呂から出る)、特定の病気がある人、長時間にわたり横になるか座っていた人では、より顕著に起こる可能性があります。起立性低血圧は、失神を引き起こすことさえあります。ほとんどの場合には、身体は迅速に反応して血圧を上昇させ、失神を防ぎます。症状血圧が下がりすぎた場合、最初に機能不全を示す臓器は通常、脳です。脳が最初に機能不全を示す理由は、体の最も高い位置にあり、脳に血液を供給するには重力に逆らわなければならないからです。その結果、低血圧の人のほとんどが めまいやふらつきを感じ、特に立っているときに症状が現れやすく、 失神することもあります。失神して床に倒れると、脳と心臓が同じ高さにくるため、血液が重力に逆らわずに脳に流れるようことで、脳への血流量が増えて脳の損傷が未然に防がれます。しかし、血圧があまりに低くなると、脳の損傷を防ぎきれなくなります。また、転倒により頭部やその他の部位に重篤な外傷が生じることもあります。低血圧ではたまに、心筋に血液が十分に供給されないことによる息切れや胸痛(狭心症)が起こります。血圧が極めて低くなったまま元に戻らないと、すべての臓器が機能不全に陥ります。この状態を ショックといいます。低血圧を起こす病気は、ほかにも多くの症状を引き起こしますが、それは低血圧による症状ではありません。例えば、感染症では発熱が起こる場合があります。一部の症状は、身体が低下した血圧を上昇させようとすることで起こります。例えば、細動脈が収縮すると、皮膚や手足への血流が少なくなるため、これらの部分は冷たくなり、青ざめていきます。心臓が速く強く拍動すると、 動悸(心臓の鼓動を自覚する症状)がみられるようになります。
2023年06月26日
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抗血小板薬の著しい普及は私たちの感性に影響を与えます。さらに、動脈血栓に対しては抗血小板薬、静脈血栓に対しては抗凝固薬というくくり方も非常に理解しやすいですね。 その結果として、抗凝固薬は心筋梗塞予防に多少有効かもしれないけれども、抗血小板薬であるアスピリンには及ばないと考えてしまいがちです。実際のところ、私自身がいつのまにかそのように考えていました。そこで、今回はこの問題を見直してみたいと思います。 実は1990年代に、心筋梗塞の予防は、抗血小板薬か抗凝固薬かという討論がなされていたようです(私自身はあまり記憶にないのですが・・・)。そしてこのような討論の結果、2000年以降ようやく抗血小板薬に落ち着いたのでしょう。それでは、このような結論に至らせた臨床報告を改めて見てみたいと思います。(1)心筋梗塞の1次予防(Lancet. 1998;351:233-41. ) この臨床試験は、心筋梗塞の1次予防として、アスピリン、低用量ワルファリン、あるいはその併用が有効かどうかを検討したものです。完全な無作為化とはいえないようですが、5499例がプラセボ、アスピリン、低用量ワルファリン(平均PT-INR:1.47)、アスピリン+低用量ワルファリン併用に割り付けられ、1次エンドポイントを虚血性心疾患イベントとして経過観察されました。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9457092/心房細動および陳旧性心筋梗塞での抗血小板薬使用について。非弁膜症性心房細動では,CHADS2スコアが2点以上の場合は抗凝固薬として優先順位が高い新規経口抗凝固薬(novel oral anti coagulants:NOACs)およびワルファリンが用いられ,また,陳旧性心筋梗塞では抗血小板薬として低用量アスピリンの永続投与が勧められていますが,以下についてご教示下さい。(1) 陳旧性心筋梗塞で,ワルファリンではなく低用量アスピリンが勧められる理由。(2) 非弁膜症性心房細動および陳旧性心筋梗塞の合併では,ワルファリンと低用量アスピリンの両薬剤使用に利点があるのか。 (茨城県 O)【A】(1)陳旧性心筋梗塞で低用量アスピリンが勧められる理由日本循環器学会の『心筋梗塞二次予防に関するガイドライン(2011年改訂版)』では,「禁忌がない場合のアスピリン(81~162mg)の永続投与」がエビデンスレベルAのクラスⅠで推奨されています(文献1)。根拠は,欧米におけるランダム化比較試験をはじめとする質の高い研究のメタ解析で,主要冠動脈イベントがアスピリン投与により低下することが示され,またわが国においても複数の試験で低用量アスピリンの心筋梗塞二次予防における有用性が明らかにされたからです。一方,ワルファリンに関して,同ガイドラインは「左室,左房内血栓を有する心筋梗塞,重症心不全,左室瘤,発作性および慢性心房細動,肺動脈血栓塞栓症を合併する症例,人工弁の症例に対するワルファリンの併用」をエビデンスレベルAのクラスⅠで推奨しています。また,エビデンスレベルBのクラスⅡbで「アスピリン投与が禁忌あるいは困難である症例におけるPT-INR 2.0~3.0でのワルファリン投与」と記されています。ワルファリンとアスピリンの単独投与対比でワルファリンの有効性を示す論文もありますが,ワルファリンの用量が日本では受け入れがたいほど高い設定(PT-INR 2.8~4.2)であったこと,日本で比較試験が行われていないこと,ワルファリンのほうが出血性合併症が多いことから,ワルファリンの投与は,心臓や静脈内血栓形成が危惧される状態でのアスピリンとの併用か,アスピリンが禁忌の場合に考慮するにとどまっています。(2)非弁膜症性心房細動・陳旧性心筋梗塞合併症へのワルファリン・低用量アスピリン併用上記のガイドラインの記述から理解できるように,ワルファリン・低用量アスピリン併用には利点があると理解されます。心房細動に伴う左心耳内のフィブリン血栓形成をワルファリンで抑制し(文献2) ,血流速度の速い動脈内での粥腫破綻に伴う血小板を主体とした血栓形成をアスピリンで抑えるという考えです。ただし,抗血栓薬の併用は出血性合併症を倍に増加させることになるので,脳出血や消化管出血の予防に十分な注意を払うべきです(文献3)。脳出血予防の観点からは,十分な血圧管理(収縮期血圧130mmHg未満)を(文献4),また上部消化管出血のリスクの高い症例ではプロトンポンプインヒビターの投与を考慮します。大出血のリスクがきわめて高く,2剤投与することが困難な場合,抗凝固薬を抗血小板薬の代替とすることはある程度可能ですが,逆は真ならずの原則に沿って,抗凝固薬単独で診療する選択もありうるでしょう(文献5)。【文献】1) 心筋梗塞二次予防に関するガイドライン. 2011年改訂版.[http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_ogawah_h.pdf]2) 心房細動治療(薬物)ガイドライン. 2013年改訂版.[http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2013_inoue_h.pdf]3) Toyoda K, et al:Stroke. 2008;39(6):1740-5.4) Toyoda K, et al:Stroke. 2010;41(7):1440-4.5) 矢坂正弘:抗凝固療法 達人の処方箋. 山下武志, 編. メディカルレビュー社, 2014, p160-2.
2023年06月23日
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脳梗塞や心筋梗塞の予防薬のひとつ、「抗血栓薬」。血液をサラサラにするという役目を担っている医薬品ですが、その特徴からケガなどにより出血した場合に血が止まりづらくなるなどの症状が起こることも。そのため、医師などに服用していることを知らせる「抗血栓薬カード」が存在します。今回は抗血栓薬カードについて、吉田病院付属脳血管研究所(神戸市兵庫区)吉田泰久院長に詳しく聞きました。【写真】ぎっくり腰に要注意!予防法は ――抗血栓薬カードとは、どのようなカードなのですか?「抗血栓薬」は血管が詰まるのを防ぐ薬で、脳梗塞や心筋梗塞の予防薬とされています。この薬を服用していると血が止まらなくなるため、ケガや出血をした際に大きな影響を及ぼします。服用しているかどうかを治療する側が把握していないと危険な状況に陥ってしまうので、それを防ぐために製薬会社が作成しているカードなんです。 ――服用していると、転倒・事故に遭った際にも出血がひどくなるということですね。そうです。抗血栓薬にも数多くの種類があるのですが、なかでも心臓から起こる脳塞栓(のうそくせん)を予防する「抗凝固剤(こうぎょうこざい)」などに対しては、中和薬が存在します。この中和薬も3種類ほど存在するなど、どの薬を服用しているかどうかで大きく変わるんです。出血がひどい場合、中和薬を投与すると効果が早く出るため多量な出血を防ぐことができます。そのため、抗血栓薬を服用しているかどうかは必要な情報なんです。 ――中和薬の投与により血液が凝固してしまう可能性もあるのでしょうか? 可能性はありますね。凝固しすぎるということはありませんが、これまでサラサラだった血液が止まるようになるため、長時間凝固させてしまうと血栓症になる可能性は出てきます。 ――抗血栓薬を服用しているがカードを持っていないという場合はどうしたらいいのでしょうか?知っておきたい いのちを守るため、服用薬を医師に伝える「抗血栓薬カード」 医師が解説 https://t.co/NykEApqQNP— まいどなニュース (@maidonanews) June 22, 2023 このカードは恐らくメーカーが作成しており、病院に常時置いているということはないかもしれません。そのため、自身が服用している抗血栓薬の名称は覚えておいていただければと思います。最も代表的なのが「アスピリン」と呼ばれる薬です。また、お薬手帳のコピーなどを持ち歩いていただくのがいいですね。 ――現在、マイナンバーカードの健康保険証利用が可能になってきていますよね。そうですね。当院でも対応しており、マイナンバーカードがあればこれまでの薬歴(やくれき)もデータとして引き出すことは可能です。ただし、手続きが複雑なうえにまだまだ普及していないため、抗血栓薬カードを持っていない場合はお薬手帳のコピーを持ち歩いていただければと思います。 ◆吉田泰久 社会医療法人榮昌会 吉田病院 / 理事長兼院長 / 1952年12月の開設以来70年近くにわたり、神戸市の救急医療のなかでも脳卒中患者の診療を主に担い、急性期から回復期、在宅まで一貫した脳卒中治療を提供している。 診療科は、神経外科、脳神経内科、内科、循環器内科、リハビリテーション科(まいどなニュース/ラジオ関西)「血液サラサラ」といったキャッチフレーズのサプリメント類が、近年人気を博している。効能はさておき、実際、血液や血管の機能に何らかの支障をきたすと、“サラサラ”と快調に流れていた血流が滞り、あるいは立ち止まってしまう。【写真を見る】血液を正しくコントロールするための食品15選 高速道路ならさしずめ渋滞ラッシュ。川の土管なら中が泥でいっぱいになり、スムーズな水の流れを食い止めているような危険水域だ。こうなると不慮の接触事故や土管の亀裂、川の氾濫など、さまざまな災難を招くことになる。「血栓」の悪巧みがそうである。 血栓の生じる主な原因は、糖尿病など生活習慣病による動脈の硬化、静脈血流うっ滞、脱水、不整脈(脈のリズムが不規則になる心房細動による左房内血流うっ滞)だ。東邦大学名誉教授(平成横浜病院総合健診センター)の東丸貴信氏に、血栓ができるメカニズムを解説してもらおう。「動脈が硬化すると、血管内皮細胞の機能が落ちます。内皮は血液を固まらせないようにしているので、血管内壁上で血液が固まりやすくなります。動脈硬化が進んで、血管内皮下のコラーゲンや脂質成分に接した場合、血小板凝集(血小板同士で集合すること)や血液凝固が急速に進んで血栓ができてしまうのです。血管内腔が狭くなると、より血栓ができやすくなります」(東丸名誉教授、以下同) しかも、血栓は腕や下肢(深部静脈血栓症)、心臓(心筋梗塞)、脳(脳卒中)、肺などの血管のほとんど、どこにでも出来る可能性がある。「初期段階なら命に別状はありませんが、大きな血栓が太い動脈や静脈を詰まらせると、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症の症状が急速進行し、さらに治療に後れをとると、寝たきりや死に至ることもあります」軽度から重度まで、血栓が起こす病気の数々 飛行機のエコノミークラスなど、動きが制限される狭い座席に長時間座っていると、ふくらはぎや太もも周辺に腫れや突っ張りが生じ、痛みやだるさなどの症状に襲われることがある。足を動かさないことで血流が悪くなり、足の深い静脈に血栓が生じてしまう「深部静脈血栓症」である。 この血栓が剥がれて肺動脈を詰まらせることがある。これを「肺血栓塞栓症」という。俗に「エコノミークラス症候群」と称されるものだ。「血栓は生じる血管の場所によってさまざまな病気を引き起こします。肝臓から流れ出る血液を運ぶ血管(肝静脈など)が塞がると、指定難病の『バッド・キアリ症候群』。肝臓や脾臓の血管に生じると、激しい痛みが突然発生し、胃潰瘍、痛風、腎結石といった他の合併症などを起こすこともあります」 血栓によって引き起こされる病気でとくに危険なものは、冠動脈や脳動脈が詰まって心臓や脳の組織が壊れる「急性心筋梗塞」や「脳梗塞」。どちらも50代から急増し、厚生労働省の調査(「患者調査」2020年)によると、それぞれの患者数は200万人近くにのぼる。死因も上位(同調査2022年)で、ガンに次ぐ2位(心疾患)と3位(脳血管疾患)。しかも、急性期を切り抜けても、心不全や言語・運動障害など、厄介な後遺症が発生することも多い。 血栓はこのように、実に多種多様な軽重の病気を発症させる。では、血栓から逃れるすべはあるのだろうか。「人体はよくできており、血管内に血栓が出来てもそのままにしておきません。体内では、出来始めた血栓を溶かそうとする繊維素溶解のメカニズムが作動します。しかし、このような防御作用はごく初期のみに有効です。大きくなった血栓は血栓溶解薬を注射して溶かすか、動脈硬化病変諸ともにバルーンカテーテルで広げるしかありません」 いまからでもできる自助努力は? 「食生活を中心とする生活習慣病の予防や改善です。とくに40代で生活習慣病のある人は、かかりつけの医師でもいいですから、心臓や脳の画像検査などを行っておくこと。今の診断学はかなり進んでいるので、危険を予知できます。単なる健康診断で安心せず、一度は専門医の診察や脳や心臓を含めた人間ドックを受け、身体の異常を早めに見つけて治療することが、健康長寿の大原則です」
2023年06月23日
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突然死(予期せぬ死、急死、頓死とんし)瞬間死あるいは急性症状の発現後24時間以内の死亡で、外因死を除いた自然死のことをいいます。急性心臓死あるいは心臓発作この大半が虚血性心疾患です。虚血とは臓器への血液供給が減少し、酸素や栄養がいきわたらない状態をいいます。1 狭義(本来の意味)心臓の栄養血管である「冠状かんじょう動脈」の動脈硬化性変化による狭窄や閉塞で起こります。代表例が狭心症、心筋梗塞2 広義心筋に虚血をもたらす疾患の総称。重篤な不整脈(致死的不整脈)、高血圧性心疾患(心肥大)、弁膜症など虚血性心疾患の症状1 典型的な場合胸痛ないし胸部の苦悶感、肩から上腕にかけての痛み、悪心・嘔吐、場合によっては下顎痛、歯痛。高齢者では腹痛や腹部不快感などもあります。症状が続くと全身の熱感や発汗が強くなります。これは心臓の動きが悪くなり、それを防ぐために自律神経の交感神経が作動して闘争的な生理状態となるためです。2 短時間(多くは1分以内)で急変し死亡する場合時として甲高いいびきや悲鳴のようなうめきを2、3回発したり、口から白色、時にはピンク調の泡あわを出すこともあります。いびきは、心停止による脳虚血により舌がのどに落ち込むため、終末呼吸が鼾のように聞こえるのです。口から泡を出すのは急性左心不全による肺水腫のために起こります。心臓死に類似した経過や遺体所見を示す疾患くも膜まく下出血、脳出血、急性大動脈解離(解離性大動脈瘤)、肺動脈血栓塞栓症(解剖では反復性とわかることが多い)、気管支喘息などがあります。心臓死とくも膜下出血や脳出血を区別するために「後頭下穿刺こうとうかせんし(場合によっては腰椎穿刺ようついせんし)」を行い、脳脊髄液に血液が混じっていないことを確認します。死因を一般に分かり易い心筋梗塞としないでなぜ虚血性心疾患とするのか当院で扱う虚血性心疾患の患者は心筋梗塞の初期が多く、比較的短時間で死亡するため最も鋭敏な心電図検査で心筋梗塞の波形を見る間もないこと、解剖で梗塞巣すなわち心筋の壊死巣を確認できないなどの理由で、原則としてこの病名は使いません。一般に梗塞巣の確認は心筋虚血が5時間から6時間以上続くことが必要です。なお、突然死亡するという状態を強調する場合に「虚血性心不全」の診断名もよく用いられますが、「虚血性心疾患」と同じことです。「鬱血うっけつ性心不全」についてこの病名は慢性心不全(心不全が長期間持続した場合)の状態を意味します。その症状は心臓ポンプ機能低下により肺や末梢組織に過剰な血液が貯まって起こるもので、一般には全身あるいは下肢の浮腫、胸水の貯留などが認められます。原因として虚血性心疾患(陳旧性心筋梗塞後が多い)、高血圧症、弁膜症、心筋症などの心臓病変以外に腎臓や内分泌臓器疾患もあげられます。患者を助けること(救命)が可能であったか短時間での心肺停止の場合、実際に家族や知人らがそばにいて直ちに救急搬送してもほとんどの例で蘇生は稀ですので、助けることは極めて困難であるといわざるを得ません。心臓死の予防は可能だろうか虚血性心疾患の三大危険因子は高血圧、糖尿病、高脂血症(総コレステロールや中性脂肪の高値)であり、これに喫煙、肥満、食事、運動不足、情動ストレスなどが加わるとされています。生前に自覚症状があった場合は、診断後の治療によって病変の進行はある程度食い止められたかもしれません。しかし、健診や人間ドックで潜在性心疾患を事前に発見できなかった場合は、その予防は不可能であったといわざるを得ません。当院が扱う事例ではこのような例が圧倒的に多く、今後の課題になっています。https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kansatsu/kiso/kyushi.html
2023年06月21日
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80代の女性は全身状態が悪化し、水も飲めず、何も食べられなくなった。家族は「点滴はしないんですか?」と迫った。 ◇末梢静脈点滴終末期の点滴は、患者に「溺れ死ぬ」ような苦痛を与えると言われる 聞き取った本人の意思を尊重し、訪問診療医は末梢(まっしょう)静脈点滴を選択しなかった。 末梢静脈点滴とは、主に腕や手の静脈に針を留置して行う点滴だ。点滴で入れることができるのは、水分や電解質、わずかなアミノ酸などだ。手術前後や軽度の低栄養状態にある患者の水分や栄養の摂取を一時的にカバーする目的で使用される。また、末梢静脈点滴では薬剤も投与される。 家族の納得のいかない表情を見た訪問看護師は、「この状態で点滴をして楽になったという方を私は知りません」と声を掛けた。 病院勤務時代、その看護師は末期がんや高齢の患者のみとりに数多く立ち会ってきた。医療にできるのは、もはや痛みを取り除くことくらいとなった終末期に、末梢静脈点滴を続けることは患者に苦痛を与えるだけだという事実を看護師は知っていた。 ◇溺れ死なないために 死が近づくと、人は尿が出にくくなる。そこへ点滴で強制的に水分を入れると、体外に排出できない余分な水分が体にたまり、体の至る所がむくんでくる。肺がむくむと呼吸が苦しくなり、肺水腫が起こることもある。肺水腫とは肺が水浸しになる状態だ。だから、終末期の点滴は「まるで溺れ死ぬような状態」と形容される。 数日後、80代の女性は点滴をせずに枯れるように亡くなった。苦しむことなく、安らかな往生だったという。看護師は「点滴はしないんですか?」と迫った家族に尋ねた。 「点滴をしたら、もう少し生きられたかもしれません。そうした方がよかったでしょうか?」 家族は首を横に小さく振った。 ◇点滴が外せない理由 筆者は取材を重ねる中で、機会あるごとに看護職に終末期の点滴について意見を聞いてみた。ほとんどの看護師は点滴否定派だった。ところが、「そうは言ってもねえ」と言葉を続ける看護師が少なからずいた。 そうは言っても点滴を外せない。その理由は主に二つだ。 一つ目は、事もあろうに、医師が終末期の点滴が患者に与える苦痛を理解せずに、何気なく点滴を処方してしまうからだという。 医療の現場では、医師がヒエラルキーの頂点にいる。医師が決めた治療方針に異を唱えることは難しく、患者の苦痛を肌で感じている看護師の思いは、こと治療方針に関してはなかなか届かない。 二つ目の理由は、家族や親戚の声だ。痩せ細っていく患者の姿に耐え切れず、「水や栄養をあげてください」と願い出ることが少なくない。医療者が点滴のリスクを事前に説明していても、患者の衰弱ぶりにその説明は消し飛んでしまうのだ。他方、家族が点滴外しに同意し、穏やかな死を迎えつつあるにもかかわらず、突然面会に来た親戚の一言で点滴が再開されることもあるという。
2023年06月20日
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■過剰な治療を受ける患者の一例 ここでお示しするのは、当院で入院受け入れをお断りしたケースです。紹介状から読み取った患者さんの経過を書いたもので、なるべく患者さんは受け入れたいと思っているのですが、状況によってはお断りする場合もあることをお伝えしておこうと思います。 よくある話ですが、U・Yさんは入所中に誤嚥性肺炎を起こして2021年2月24日に救急センターに緊急搬送されました。3月6日まで肺炎治療のため抗生剤の点滴治療を受け、その後中止となりましたが、翌日にはすぐに肺炎を再発しています。持病としては多発性骨髄腫、胃がん術後、慢性B型肝炎がありました。U・Yさんは、もともと要介護4で施設入所されていて、訪問診療においてそれぞれの治療が継続されていました。処方薬は7種類、その中にはB型肝炎の治療薬が含まれていました。 ご紹介いただいた時点では、意識曖昧、ベッド上全介助、経管栄養、おむつ、1日3~4回の喀痰(かくたん)吸引が必要という状態でした。絶食となっていましたが、薬を飲ませるために鼻から胃管チューブが挿入され、別に点滴で栄養剤が注入されており、チューブや点滴を自己抜去しないように両手にはミトン(グローブのような抑制グッズ)がはめられ、ベッドに固定されているようでした。そこでご家族である娘さんから経口摂取ができるようにリハビリの希望があったため、3月12日に嚥下訓練を目的とした入院依頼があったのです。■現代医療の問題点 私は紹介資料を見て、多くの問題点に気づきました。誤嚥性肺炎を起こして急性期病院に搬送し、治療が行われたまでは当然のことだと思いますが、喀痰吸引を毎日数回繰り返しながら、食事を再開できていないにもかかわらず誤嚥性肺炎を再発しています。もともと多くの介助が必要となって施設療養となっていたのですから、この時点で回復が極めて難しいことが推測できたはずです。そこで医師は、点滴での栄養管理を継続しながら、内服薬を服用させるためだけに経鼻胃管チューブを挿入したのだと思います。そして、そのチューブと点滴を自己抜去しないように両手を縛ったわけです。私は、そこまでして、この内服薬は必要なのかという疑問を感じました。処方内容を見ると、B型肝炎治療薬1、ビタミン剤1、骨粗しょう症薬1、向精神薬1、脂質降下剤1、眠剤2、ほかに帯状疱疹の内服薬などがありました。意識も曖昧で、会話も経口摂取もできない全介助状態なのに、これだけの薬が必要なのでしょうか。血液検査で肝機能には異常がありませんでしたが、B型肝炎ウイルス検査が陽性というだけで、この高齢者に、肝炎治療薬が必要でしょうか。治療薬は1錠約700円で、年間で25.55万円かかることになります。 食事も入っていない寝たきり高齢者に、コレステロールを下げる薬は果たして必要なのでしょうか。寝たきりの人に、骨粗しょう症の予防薬は効果的といえるのでしょうか。もともと必要なかったかもしれないのに、前医が使っていたことを理由に、ただ機械的に処方を続けるというのは、あまりにも怠慢なように思えます。U・Yさんは、85歳で施設に入った時点で要介護4(ほぼ寝たきり)です。それから半年ほどが経過して肺炎を起こしています。年齢と状態を考えれば体力は限界に近くなっていたものと思います。入所された時点で、娘さんたちは、親の年齢と余命を考えておかなければいけません。自分で歩けなくなったら、トイレに介助が必要となったら、食事が食べられなくなったら、どうしたら本人のために良いのかを具体的に話し合っていなければならなかったと思うのです。おそらく、今まで誰も考えていないし、話し合いもしていなかったのではないでしょうか。両親には長く生きていてほしい、ご飯は口から食べてほしい、自分の足で歩いてトイレに行ってほしいと、ただ一方的に思っているだけのような気がします。医師は治療をするけれども、その後の方針は家族が決めることだとでも思っているのでしょうか。本人にとって重要とは思えない薬を処方し続ける。回復の見込みがないとわかっていても、死ぬまで濃厚な治療を続ける、少しでも命を長らえさせることが、医師の使命だと思っているのでしょうか。U・Yさんはそう長くはありません。いつまでこの状態を続けるのでしょうか。誰が止められるのでしょうか。■リハビリテーションの限界 結局、U・Yさんの当院への受け入れはお断りしました。理由は、私の病院では皆さんのご期待には応えられないということ、U・Yさんにリハビリを頑張れというのは無理があるということ、そして万一リハビリが成功して一時的に経口摂取が可能となったとしても、すぐに誤嚥を起こすだろうということの3点の理由からでした。そこで、U・Yさんにとって最も幸せな選択は、すべての治療を中断して、残りのわずかな時間を自宅のベッドで過ごし、ご家族に見守られながら最期を迎えるのが最善だとお伝えしました。それは訪問診療、看護師さんなどの介護サービスを使えば可能です。もし、最期の看取りということであれば1週間前後のことですので、ご家族への負担も長く続くわけではありません。このように考えることが、本来の介護保険制度の目的であったはずです。ところが、ご家族の方に自宅での看取りを勧めると、多くの場合は「自宅で看取りはできません」という返事が返ってきます。それが高齢者介護の現実なのです。■診療ガイドラインに治療をやめるという指針はない 今回のように高齢で多重疾患、複数障害を抱えながらも回復の見込みのない人たちに対する治療の継続やリハビリテーションの依頼が散見されます。理由は医師側だけでなく、患者家族の両方にあります。医師は、家族に対してこれ以上の改善は難しいということを言い出せないでいるし、家族側も患者を看取る覚悟ができていないのです。人にはそれぞれの人生があり、人生の物語がありますが、医師の治療方針には診療ガイドライン以外の選択肢がありません。ガイドラインには治療中断の指針は書かれていません。家族も一方的な愛情だけで患者本人の苦痛や意思の尊重にまで考えが及ばない。いや、肉親の生死を目前にどのような判断をしてよいかわからないのです。そこで結論を先延ばしにするための方便が「リハビリテーションをお願いします」ということになるわけです。
2023年06月17日
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◆『ピエタ』との出会い会社を立ち上げる前の10年間は、『読売新聞』の読書委員として書評を書いていました。もともと本を読むのが好きで、テレビ局の楽屋や移動の車中ではいつも本を読んでいたけれど、それほど多読というわけではなくて。読書委員を務めていたおかげで、たくさんの本に出会えました。2011年、読売新聞の担当の方が、「どうしても小泉さんに読んでほしい」と、大島満寿美さんの小説『ピエタ』を勧めてくれました。読み始めたら、止まらなくて……。<中略>会社を設立して間もない頃から、この作品の舞台化のために動いていました。実際、ある脚本家の方と具体的に話を進めていたのですが、残念なことにその方がご病気で他界されて。その後、劇作家で演出家でもあるペヤンヌマキさんが引き受けてくださり、満を持して2020年に上演することが決定。ところが今度はコロナで延期せざるをえなくなったのです。すでに劇場を3週間おさえていたので、中止すればキャンセル料が発生します。2ヵ月ほどスケジュールを空けてくださっていた役者さんたちに、補償金も払いたい。「どうせ赤字になるなら、気持ちよく」と腹をくくりました。劇場はキャンセルせず、演劇、朗読、音楽などを日替わりで届ける企画に切り替え、『ピエタ』も朗読劇として上演しました。<中略>『ピエタ』の舞台化は、きっといつかできるだろうと信じていました。だからなかなか辿り着けなくても、ネガティブな気持ちにはなりませんでした。そしてようやく今年の夏、実現することに。結果論ですが、今がベストタイミングだと思います。以前は流して読んでいたところが、しっかりと目に入ってきましたし。作品自体が、時期を選んでくれたのではないか、という気さえします。<後略>◆退院させて実家で看病することに『ピエタ』の公演が無事終わり、一段落したら、家族や親戚と過ごす時間も大切にしたいと思っています。実は昨年末、母を見送りました。80代半ばでした。腰椎を圧迫骨折して救急車で運ばれたんですが、その時の病院の対応が納得のいくものではなくて……。姉が怒りで震えているのを見て、「ここは私が」と思い、担当医とお話しして母を退院させました。それからしばらくは、一緒に外出もできたのですが、今度は脳梗塞で倒れ、また同じ病院に運ばれて……。母は以前、上あごの腫瘍切除の手術を受けており、特殊な入れ歯を使っていました。でもそれを外されてしまい、食べることも話すこともできなくなってしまって。姉が何度も「つけてあげてください」とお願いしても、聞いてもらえませんでした。2週間何も口にできず、栄養は点滴のみ。母の尊厳を守りたい一心で、姉と相談し、退院させて実家で看病することにしました。在宅医療の先生を探して来てもらいましたが、2週間も口を動かさなかったせいで、嚥下ができなくなっていて。本人が胃ろうや延命措置はしてほしくないというので、点滴で栄養を補給しながら、見守り続けました。退院してから見送るまでの約1ヵ月間、毎日、叔母や姪っ子、姪の子どもたちなど、たくさんの人が母に会いに来てくれて。私もその間は仕事をほとんど入れず、姉と交替で母に付き添い、夜は母と一緒に過ごしました。姉もみんなも、朗らかに、献身的に介護をしてくれる。その様子を見ながら、この人たちに何かあったら、私がお世話したいなぁと感じたんです。母が住んでいた家は、今、誰も住んでいないので、落ち着いたらちょっと手を入れてみんなが集まれる場所にしたい。私も、いつでも帰れるようにしたいです。<後略>2022冬に、最愛の母を在宅で看取り、かけがえのない時間を過ごしたという小泉今日子さん。最終回のインタビューでは、母がいなくなった実家をどうするか、そして、これから迎える老後をどう楽しむか――小泉さん独自の計画を語っていただきました。母亡き後の実家の片付け、そして今後昨年のクリスマスに、約1か月の在宅介護を経て、母を見送った小泉さん。今一番したいことは「母の家の片付け」だといいます。「物のない時代を経験しているからか、母の世代って本当に物を捨てないんですよ。まだ母が元気だった頃、姉と一緒に断捨離しようと言って、トラック1台分くらいの量を捨てたことがあったんです。でも放っておくと、またすぐに物が増えて元の状態に戻っていました。おしゃれが好きな母だったから、つい新しい服を買っちゃうんでしょうね。亡くなってから家を整理していたら、ものすごい量の洋服があって。スパッツだけでも、姉と二人で笑っちゃうくらい山のように出てきました。ゆっくり片付けに行きたいけど、忙しくて時間がとれないのが今の悩みです」小泉さんは、物の片付けが一段落したら、母の住んでいた家をもっと楽しく活用できないか、あれこれ考えているそう。「母の家がある神奈川県厚木市は、私が生まれ育った町で、叔母や姪っ子をはじめ親戚がたくさん住んでいるんですね。だから、古くなった家に手を入れて、私が居心地よくいられる場所を作って、親戚みんなが集まれる広間みたいな場所も作りたいと思っているんです。母を家で看ようと決めたとき、叔母や姪っ子たちがみんなで助けてくれたから、母にしてくれた恩を、これから私と姉でどんどん返していきたいですね」
2023年06月15日
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急に発作が出て倒れたり、半身不随など重大な後遺症が残ったりするイメージが強い脳梗塞。日常生活に大きな支障が出ることも多く、できることなら回避したいと思う方も多いのではないでしょうか。脳梗塞は動脈硬化が進行した結果として起こる病気です。そのため、普段から血管にやさしい生活習慣を心掛けておくことが予防の鍵とされています。この記事では、脳梗塞の原因や前兆、予防するためのポイントを詳しく紹介します。1.脳梗塞とは?そもそも、脳梗塞とはどのような病気なのでしょうか。ここでは、脳梗塞について分かりやすく説明していきます。1-1.日本人の死因第3位を占める「脳卒中」の一つ脳梗塞は、「脳卒中」という病気の一種です。脳卒中とは、さまざまな要因で脳の動脈硬化が進み、脳の血管が詰まったり破れたりする病気の総称とされています。脳卒中は日本の死因で第3位を占めており、日本人にとっては関わりが深い病気です。脳卒中のなかにも種類があり、脳の血管が破れることで起こる「脳出血」、脳血管にできた動脈瘤が破裂して起こる「くも膜下出血」、脳の血管が詰まることで起こる「脳梗塞」の3種類に分かれます。近年では、降圧剤の開発などによって血圧がコントロールしやすくなり、脳出血が起こる割合が低くなっています。その分脳梗塞が起こる割合が高くなっており、近年は脳卒中の75%を脳梗塞が占めています [1]。【出典】[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「脳卒中(のうそっちゅう)」1-2.脳細胞に栄養や酸素が行きわたらなくなるひとたび脳梗塞が起こると、脳の細胞に必要な栄養や酸素が行きわたらなくなります。その影響で脳細胞が部分的に死滅して、以下のような症状がみられることがあります。・運動障害(半身麻痺)・感覚障害(しびれるなど)・嚥下障害(食べ物が飲みこみにくくなる)・失行(運動障害がないにもかかわらず、服を着るなどの日常動作ができない)・失認(自分やものの状態を認識しにくくなる)・同名半盲(右か左のどちらかしか見えなくなる)・意識障害脳梗塞をはじめとする脳卒中は後遺症が残るケースも多く、年代を問わず寝たきりになるリスクもあります。脳梗塞は脳の血管で動脈硬化が進行した場合に多く見られるため、日々の生活習慣を見直すことも大切です。2.脳梗塞の三つのタイプ脳梗塞は、原因によってさらに3タイプに分けられます。ここでは、脳梗塞のタイプと特徴について解説します。2-1.ラクナ梗塞ラクナ梗塞は、脳梗塞のなかでも、脳の細い血管の動脈硬化が原因となって引き起こされるタイプで、脳内小動脈病変が原因とされています。ラクナ梗塞では手術が必要になることは少なく、抗血栓薬や脳保護薬といった投薬による内科的治療が基本です。発症後4~5時間以内であれば血栓溶解剤が使えるため、異変を感じたらすぐに医療機関を受診することが重要とされています。脳細胞が壊死する範囲が比較的小さく、目立った症状が出ないこともあります。これを「無症候性脳梗塞」といい、脳のCTなどの検査で偶然発見されるケースも珍しくありません。ただし、脳内のさまざまな場所で再発を繰り返すと言語障害や嚥下障害の原因になることもあるため、油断は禁物です。2-2.アテローム血栓性脳梗塞アテローム血栓性脳梗塞は、太い血管の動脈硬化が原因で引き起こされるタイプです。血管の内側に「プラーク」と呼ばれる塊ができることで起こる脳梗塞の総称です。比較的大きな動脈内で起こるとされています。血管は徐々に狭くなっていく特徴があり、脳梗塞になる前に脱力感や片麻痺、言葉が思うように出てこないといった「一過性脳虚血発作(TIA)」と呼ばれる症状が先に出ることもあります。TIAが出るのは全体の20~30%とされていますが、脳梗塞に至った後も徐々に進行することもみられます[2]。アテローム血栓性脳梗塞では、血栓溶解療法や内科的な治療だけでなく、血管内治療などが行われることもあります。早期に治療を行うことで脳のダメージを抑えることが期待できるため、脳梗塞が疑われるような症状がある際には速やかに受診することが必要です。また、加齢に加えて高血圧や脂質異常症などの生活習慣病や、喫煙習慣なども挙げられます。普段の生活習慣の積み重ねが原因で起こるケースも多いため、リスクが高い習慣がないかチェックしておくことも重要です。【出典】[2] 社会医療法人財団 白十字会「アテローム血栓性脳梗塞」2-3.心原性脳塞栓症心原性脳塞栓症は、心疾患によって心臓にできた血栓が脳へ運ばれることで起こる脳梗塞です。心房細動などの不整脈(脈拍が不規則に乱れること)が起こって心臓の動きが悪くなり、血流が滞ることで血栓ができやすくなります。こうしてできた血栓が脳へ塞栓として運ばれて詰まり、脳梗塞を起こすことが原因です。心原性脳塞栓症は脳梗塞の15~20%を占め、60歳以上の方で発症しやすいとされています[3]。前触れもなく突然発症し、梗塞が起こる範囲が広いことが特徴です。明らかな麻痺や意識障害といった深刻な症状が起こりやすく、再発の可能性が高いだけでなく、死に至るケースもある危険な病気として知られています。【出典】[3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「心原性脳梗塞(しんげんせいのうこうそく)」3.脳梗塞の原因脳梗塞の発症は日常生活に支障が出るだけでなく、場合によっては命に関わる重大なケースもみられます。脳梗塞を予防するには、発症の引き金になる危険因子をできるだけ取り除いておくことが重要です。脳梗塞の危険因子として、以下の三つが挙げられます。3-1.高血圧血圧が高い状態で推移する高血圧は、脳梗塞の危険因子として代表的な症状です。脳出血との共通の危険因子ともされており、血圧を正常値で管理することは脳血管疾患の予防に役立つことが分かります。血圧が高いほど脳卒中の発症率が高くなります。高血圧と言われるのは、診察室で計測した血圧が140/90mmHg以上です。この数値を超えていたり、超えていなかったとしても別の基礎疾患などがある高リスク群とされる方は、130/80mmHg未満に下げることを目標として、降圧薬など内服治療でコントロールすることが強く推奨されています[4]。糖尿病などの持病がある場合は、より厳格に目標を設定することも必要です。また、持病の種類によって推奨される降圧薬も違うため、専門医のもとで適切に血圧管理することが求められます。【出典】[4] 一般社団法人 日本脳卒中学会「脳卒中治療ガイドライン2015[追補2019]」3-2.糖尿病生活習慣病として広く知られる糖尿病も危険因子の一つです。糖尿病は虚血性脳卒中の発症リスクを2.27倍、出血性脳卒中のリスクを1.56倍高めるとされています。また、糖尿病がある方の場合、脳卒中発症の危険度は男性よりも女性の方が27%高いことが報告されています[5]。ただ、低血糖症状が増加するほど血糖値を下げ過ぎてしまうと、脳卒中のリスクが減らず、死亡率が上昇するといった研究結果も示されています。糖尿病の治療は必ず専門医やスタッフのもとで行い、適切な血糖コントロールを継続することが重要です。【出典】[5] 一般社団法人 日本脳卒中学会「脳卒中治療ガイドライン2015[追補2019]」3-3.脂質異常症脂質異常症のなかでも、特に高コレステロール血症は脳梗塞の危険因子と考えられています。総コレステロールが1mmol/L(38.7mg/dL)増えると、脳梗塞の発症が25%増加するとの研究結果も出ています。また、総コレステロールが増加するとアテローム血栓性脳梗塞の発症リスクが高くなるとされています[6]。さらに、総コレステロール240mg/dL以上、LDLコレステロール160mg/dL以上、中性脂肪150mg/dL以上を示す場合、脳梗塞を発症するリスクが上昇することも報告されています。コレステロールだけでなく、日頃からさまざまな血中脂質の数値にも気を配っておくことが必要です。【出典】[6] 一般社団法人 日本脳卒中学会「脳卒中治療ガイドライン2015[追補2019]」4.脳梗塞の前兆脳梗塞が起こる前の兆候はほとんどなく、突然症状が現れることが多いとされています。なぜ、脳梗塞は突然起こるのでしょうか。4-1.脳梗塞は突然起こるケースが多い脳梗塞が突然起こるとされている理由は、脳梗塞の原因となる動脈硬化の特性によるものです。動脈硬化には明らかな自覚症状がなく、徐々に進行していく性質があります。そのため、本人が気づかないうちに血管内にプラークができて血流を遮り、脳梗塞を起こしてしまうのです。また、突然プラークが破裂して血管を塞ぐ場合もあり、つい先ほどまで健康そうに見えていた方が急に脳梗塞となるケースも少なくありません。脳や血管の状態はCTなどの検査で見ることもできますが、何かしらの自覚症状がなければ受ける機会がない検査がほとんどです。そのため、突然起こる脳梗塞を回避するには、普段から動脈硬化の予防・改善を目指す必要があります。4-2.脳梗塞の前兆にみられる症状脳梗塞の発作が起こる直前に、前兆としてTIAを起こすことがあります。そのほか手足のしびれ、思うように力が入らない、舌がもつれるといった身体的な症状に加え、言葉が出てこない、めまいがする、目の前が急に暗くなるといった症状がみられることもあります。これらの症状は、動脈硬化が進行する過程で作られるプラークが血流を悪化させることによって起こるものです。症状がみられたら、すぐに医療機関で検査を受けてください。脳梗塞は、症状が出てからできるだけ早く治療を開始することが重要です。より効果的な治療を選択するためにも、スピーディな相談・受診を心掛けましょう。5.脳梗塞の予防方法脳梗塞は知らないうちに進行しており、ある日突然症状が出ることも多い危険な病気です。脳梗塞を予防するには、動脈硬化の進行を抑え、血栓ができるのを防ぐことが重要とされています。まずは日常生活のなかで血栓ができやすい習慣を見直し、動脈硬化のリスクを下げることが必要です。ここでは、動脈硬化や脳梗塞のリスクを減らすポイントを6つ紹介します。5-1.禁煙をする喫煙習慣がある方は、禁煙を始めてみるのがおすすめです。喫煙は、脳梗塞や動脈硬化に限らず、さまざまな病気のリスクを上げる要因になります。まずは本数を減らすことから始め、最終的に禁煙までできることを目標にしましょう。近年では禁煙外来も多く開設されており、禁煙補助薬などを併用しながら医師と二人三脚で禁煙が目指せます。自分一人では挫折しそうだと感じる方は、禁煙外来があるクリニックを探してみてください。5-2.適切な体重を維持する自分の適正体重を維持することも重要です。肥満は喫煙と同じく、さまざまな病気のリスクを上げるため、適切な体重を維持するようにしましょう。自分の適切な体重を知るには「BMI(ボディ・マス・インデックス、体格指数)」と呼ばれる指標をもとにして計算するのが便利です。BMIは肥満度を表す指標として国際的に用いられており、以下のような計算式で計算できます。[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]※身長の単位は「cm」ではなく「m」です。例えば、身長160cmの方は1.6mで計算します。日本肥満学会が定めた基準によると、BMIが25以上の場合は「肥満」と判定されます。BMI25以上では高血圧や糖尿病、脂質異常症のリスクが2倍以上になるため、脳梗塞の危険因子とされる病気のリスクがさらに上がることが分かります[7]。また、標準体重はBMIが22になるときのことで、以下のような計算式に置き換えて計算できます[8]。標準体重=[身長(m)の2乗]×22例えば、身長160cmの方の場合は、1.6×1.6×22=56.32≒56kg前後が標準体重です。自分の適切な体重を把握し、できるだけ近い体重で維持できるようにしてみてください。すでにBMIが25以上ある方は、まずは25を切ることを目標にして徐々に減量していきましょう。【出典】[7][8] 厚生労働省 e-ヘルスネット「BMI(BMI)」5-3.食事方法を工夫する前述の標準体重を維持するためにも、毎日の食事内容にも注意します。食事は腹八分目にとどめ、1日30品目を目指してさまざまな食材を摂ることが大切です。脂質異常症の原因になりやすい脂っこい食事や、高血圧の原因になりやすい味の濃い食事はできるだけ避けましょう。代わりに、緑黄色野菜や大豆、海藻、きのこ類といった食物繊維などの栄養が豊富な食材を意識して摂ってみてください。また、イワシやサバなど青魚に含まれる魚油は質が良く、動脈硬化を予防したい方にとってはうれしい食材です。ただし、質が良くても脂は脂なので、食べ過ぎるとカロリーオーバーになるので注意しましょう。食習慣で気を付けたいのが、間食や夜食です。どんなに食事内容を見直しても、糖分が多いお菓子を頻繁に食べていては意味がありません。ジュースや砂糖入りのコーヒーなども同じです。3食の食事以外の飲食は、お茶やノンカロリー・低カロリーのものにとどめておくのがおすすめです。さらに、深夜に飲食することはさまざまな生活習慣病の原因になります。少なくとも、夕食は就寝3時間前までに済ませ、夜食を食べるのはやめましょう[9]。【出典】[9] 一般社団法人 日本臨床内科医会「脳梗塞・心筋梗塞を防ぐには」5-4.こまめに水分補給をするこまめな水分補給も重要です。体内の水分量が少ないと血液濃度が濃くなり、血栓ができやすくなるとされています。特に高齢の方は喉の渇きに対する感受性が低下しているため、喉が渇いていなくても意識して水分補給することが重要です。また、夏場に比べて冬場は水分摂取が少なくなる傾向にあります。季節や天候にかかわらず、水分は年間を通してしっかり摂るように意識してください。5-5.運動習慣をつける適度な運動習慣をつけることも大切です。運動は血糖値や血圧のコントロール、善玉とされるHDLコレステロールの増加に役立つとされています。全身を動かすことで血液のポンプ機能を動かすことにもつながり、血流が良くなることも期待できます。どのくらいの運動強度が適しているのかは、年代や基礎疾患の有無などによって違います。かかりつけの医師や看護師に相談し、自分に合った運動量を知ることから始めましょう。一般的には、1回あたり30~40分程度の早めのウォーキングを週3回程度できればベストです[10]。まとまった運動時間が取れない方は、駅で階段を使う、エスカレーターやエレベーターを使わないといった習慣をつけるだけでも違ってきますよ。手軽にできる運動として、室内でできる筋トレも人気です。どんな運動が適しているかも含めて、専門家に相談してから始めることをおすすめします。【出典】[10] 一般社団法人 日本臨床内科医会「脳梗塞・心筋梗塞を防ぐには」5-6.アルコールは適量を守るアルコールは適量を守って飲むことも重要です。例えば、ビールであれば500ml、日本酒は1合(180ml)程度が適量とされています[11]。適量の範囲内で抑えられる自信がない場合は、休肝日を設けて飲む機会そのものを減らすといった工夫が必要です。また、アルコールの摂取が不整脈の原因になることもあります。血流のリズムが崩れることで血栓が作られることもあるため、脳血管疾患や心疾患の既往歴がある場合は医師に相談してから飲酒を判断しましょう。【出典】[11] 厚生労働省 「アルコール」6.脳梗塞の原因や予防方法について まとめ脳梗塞は、動脈硬化が原因で血栓ができたり、破裂して起こる脳卒中のうちの一つです。自覚症状がないまま進行し、突然発作を起こすことも多い危険な病気として知られています。危険因子としては、糖尿病や高血圧、脂質異常症などが挙げられます。そのため、脳梗塞を予防するには、普段の生活習慣全般を見直し、動脈硬化を進行させないように注意することが重要です。食生活を改善したり、運動習慣をつけたりと、さまざまな方向からアプローチしていきましょう。1.脳梗塞でみられる症状脳梗塞が起こることでみられる症状はさまざまです。これは、脳の血管が詰まった場所によって症状の現れ方が異なることによります。脳梗塞を発症すると具体的にどんな症状がみられるのか、下記で詳しくみていきましょう。1-1.運動障害(半身の麻痺)脳梗塞で最も多い症状といわれるのが運動障害です。顔を含む半身の手足がしびれたり、力が入らなくなったりする半身不随が症状として現れます。一般的に、脳梗塞が生じた側と反対側の半身に症状が現われるのが特徴です。例えば、右脳に梗塞が生じると、左半身に麻痺などの症状が現われます。これは、脳の神経線維が脳幹の延髄(えんずい)という場所で交差し、反対側の体を動かしているからです。脳梗塞が生じた際は、半身の手足を思うように動かせないため、お箸やお茶碗などを落としてしまったり、足がもつれて思うように歩けなかったりします。また、顔にも症状が現われ、顔の片側にゆがみなどの症状がみられることも珍しくありません。1-2.感覚障害(しびれ)脳梗塞では、半身の感覚が鈍くなったり、しびれを感じたりする症状が現れることもあります。このような感覚障害は顔や手足に起こることが多くあります。顔や手足の感覚情報は、手足の末端神経から、脊髄、脳の視床、大脳の感覚中枢へ伝達されます。そのため、これらの経路のうち、どの部分の血管が詰まっても、感覚障害が起こる恐れがあるのです。1-3.言語障害(うまく話せない)脳梗塞によって言語障害が起こると、構音障害や失語症などの症状がみられます。構音障害としてよくみられるのが、ろれつが回らないといった症状です。きちんと話したいことがあるのに、舌や唇に運動障害が生じることで発音に問題が生じ、うまくしゃべれなくなってしまいます。この場合、言葉の内容は普通ですが、タ行やラ行などの舌音がうまく発音できない症状が目立ちます。失語症としてよくみられるのは、話そうとしても言葉が出ない、話されている言葉が理解できないといった症状です。こちらは言語中枢の障害によって起こる症状で、人の言うことは理解できるのに、言葉を話せないことが特徴です。構音障害のように話はできるがうまく発音できない症状とは異なります。1-4.嚥下障害(飲み込めない)脳梗塞を発症すると、食べ物や飲み物をうまく飲み込めない嚥下(えんげ)障害が起こることもあります。脳卒中の発作直後では、全体の3~4割の患者さんで起こるとされており、珍しい症状ではありません。嚥下障害が起こると、飲食物をうまく飲み込めないためにむせてしまい、食べ物や飲み物が気道に入ってしまうこともあります。それによって誤嚥性(ごえんせい)肺炎を発症することもあるため注意が必要です。1-5.失行(日常動作ができない)運動麻痺や感覚障害が起こっているわけではないものの、日常的に行っていた動作が、急にできなくなる失行(しっこう)といった症状がみられるケースも珍しくありません。簡単に説明すると、自分が行おうと考えていた行動と、違う行動をとってしまう状態といえます。失行にはさまざまな症状があり、代表的なものには観念運動失行、着衣失行、構成失行といったものがあります。それぞれに起こる症状を、下記で詳しくご紹介します。・観念運動失行観念運動失行は、言葉で指示された動作ができない状態のことです。例えば、じゃんけんのグー・チョキ・パーや、別れるときのバイバイといった習慣的な動作があげられます。これらの動作を自発的には行えるのですが、人から言葉で指示されると途端にできなくなり、マネすることも難しくなる状態です。・着衣失行着衣失行とは、衣服を正しく着用できない状態のことです。自分の体と衣服の関係に混乱し、シャツを裏返しに着たり、衣服の上下左右を逆に着用したりすることがあります。・構成失行形を構成する能力がうまく機能しない状態です。立体的な物をうまく描けない、マッチ棒などを使って図形を作ることができない、指を使って上手に形を作れないといった症状がみられます。1-6.失認(認知できなくなる)失認とは、感覚障害や知能低下が起こっているわけではないのに、対象物を認知できなくなる症状です。代表的なものには、半側(はんそく)空間無視、相貌(そうぼう)失認、物体失認があります。・半側空間無視半側空間無視は、実際は見えているはずなのに片側の空間にあるものを認識しにくくなる症状です。そのため、壁に半身をぶつけてしまったり、特定の物の絵を描く場合も、片側だけしか描かなかったり、直線も2等分できません。また、食事も片側半分だけを食べて、反対側の半分を残してしまいます。・相貌失認自分の家族など、よく知っている方の顔を認識できなくなる症状です。ただし、声を聞くとその方が誰か分かるなど、視覚以外の感覚からだと認識することはできます。・物体失認物体失認は、物を見ただけではそれが何なのか判断できないものの、音を聞いたり、触れたりすることで理解できる症状です。これらに加えて、左右がわからなくなる左右失認、指を理解できなくなる手指失認などがみられることもあります。1-7.同名半盲(視野が狭くなる)同名半盲とは、視野が半分欠けてしまい、右半分または左半分の視野にあるものが見えなくなる状態です。脳梗塞などによって大脳が障害を受けることによって引き起こされます。1-8.意識障害(意識が正常でない)意識障害とは、意識が正常ではない状態のことです。脳自体の障害によって生じるものと、脳以外の原因によって脳血流や代謝異常が発生し、脳の機能が低下するものがあります。意識障害には、傾眠、昏迷、半昏睡、昏睡といったものがあります。・傾眠外部からの軽い刺激や情報で意識を取り戻すものの、放っておくと眠ってしまう状態です。・昏迷軽度の刺激や声かけでは反応がなく、体を揺らしたり、大声で呼びかけたりすることで反応します。・半昏睡強い刺激に反応し、顔をしかめる、刺激を避けようとするといった動作がみられます。・昏睡眼を閉じたままで、外部からの刺激にまったく反応しない状態です。2.脳梗塞の前兆・初期症状脳梗塞の前兆となる症状を把握しておくと、早期対応が可能となります。しかし、一般的に脳梗塞に自覚症状はなく、ゆっくりと進行します。血管の内壁に徐々にプラークが塊として生成され、あるとき突然破裂するのです。すると、一瞬で血栓が形成され、血管をふさいでしまいます。しかし、場合によっては血流の悪化を示す症状が、発作の前に現れるケースも少なくありません。発作の前に現れる症状は下記のとおりです。・手足がしびれる・力が入らない・舌がもつれる・会話中に言葉が出てこない・目の前が暗くなる・めまい などこれらの症状がみられるなら、脳梗塞の発作が起こる前兆の可能性があります。すぐに病院で詳しい検査を受けましょう。3.脳梗塞のリスクが高い方の特徴現時点で脳梗塞を起こしたことはない方でも、「自分が脳梗塞になりやすいかどうか確認したい」と感じる方もいるのではないでしょうか。脳梗塞の危険因子として、以下の三つが挙げられています。3-1.高血圧高血圧は、脳梗塞の最大の危険因子といわれています。しかも、血圧が高いほど脳卒中の発症率は高いとされているのです。高血圧とは、診療室での血圧が収縮期血圧140mmHg、拡張期血圧90mmHgといった血圧の高い状態が続く症状を指します。高血圧と診断されると、降圧薬などを使用して血圧をコントロールする治療が行われますが、高血圧治療は脳卒中の予防にもつながるといわれています。実際、降圧治療を行うことで脳卒中の発症率が抑えられたという研究報告もあるほどです[1]。高血圧症は珍しい病気ではなく、厚生労働省の2010年の報告によると、日本国内における高血圧症有病者の割合(30歳以上)は、男性60.0%、女性44.6%と報告されています[2]。身近な病気である分、誰でも発症するリスクはあり、そしてそれにともなう脳梗塞の発症も珍しくないということです。できれば高血圧を発症しないようにするのが一番ですが、発症した場合は降圧薬などをしっかりと服用することが、脳梗塞の予防につながります。【出典】[1]日本脳卒中学会 「3-1危険因子の管理(1)高血圧」[2]厚生労働省 「平成22年国民健康・栄養調査結果の概要 2.高血圧の状況」3-2.糖尿病糖尿病も脳梗塞の危険因子の一つです。糖尿病は虚血性脳卒中の発症リスクを2.27倍、出血性脳卒中のリスクを1.56倍高めるといわれています。また、糖尿病患者については、脳卒中の危険度は男性と比べて女性の方が27%高いという結果が報告されているのが特徴です[3]。高血圧については降圧薬の服用によって脳卒中の発症率を抑えられるとされていますが、糖尿病については血糖のコントロールと脳卒中の発症率減少の関係は分かっていません。【出典】[3]日本脳卒中学会 「3-1危険因子の管理(2)糖尿病」3-3.脂質異常症脂質異常症とは、血液中の脂質の値が基準値から外れていることです。具体的には、一般的に悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールや中性脂肪であるトリグリセライドが以上に増えているケースを呼びます。逆に、善玉コレステロールであるHDLコレステロールが減っている場合も脂質異常症と診断されます。脂質異常症も脳梗塞のリスクを高めるといわれているため注意が必要です。特にLDLコレステロール値が高い、高コレステロール血症は脳梗塞の危険因子であることが知られています。では、HDLコレステロールが低い場合はどうかというと、低HDLコレステロール血症も脳梗塞の危険因子になることが確認されており注意が必要です。加えて、総コレステロールと脳卒中の関連については、総コレステロールが1mmol/L(38.7mg/dL)増えると、脳梗塞の発症も25%増加したとの研究結果も出ています[4]。総コレステロールの増加は、特にアテローム血栓性脳梗塞の発祥リスクが高くなるといわれています。【出典】[4]日本脳卒中学会 「3-1危険因子の管理(3)脂質異常症」〇夏に多い脳梗塞・血栓症脳梗塞は冬に多いイメージですが国立循環器病センターの調査によると、夏場6月~8月は冬と同じくらいの割合で発症することがわかっています。国立循環器病センターが調査を行い、2018年に日本循環器学会英文機関誌「Circulation Journal」で発表。〇脳梗塞が起こりやすい魔の時間帯は ?脳梗塞を起こしやすい、魔の時間帯はわかっています。それは睡眠中から朝の起床後2時間以内です。考えられる理由としては睡眠中の汗によって脱水になり血液がどろどろし、睡眠中は血圧が低下するため、血液の流れが遅くなり、血栓ができやすい状態になっていること。そして、起床する前後からは、交感神経が優位になり、血圧が上昇、アドレナリンが分泌されることによって血液が固まりやすくなるためと言われています。例 夕飯からお酒を飲み食事をし、水分はお酒のみ、お風呂で汗を流しそのまま寝てしまった。その日は熱帯夜で寝苦しかったが疲れていたのでそのまま寝ていた。朝起きて、のどは乾いていたが、朝ご飯は食べずに出社した。例 家族の夕飯を作り子供と食事をした。子供に食事を食べさせ、自分はゆっくりは食べられなかったが、子供をお風呂に入れて寝かしつけた。自分もそのまま疲れて寝てしまった。夜は暑かったが、疲れていたのでそのまま寝てしまった。朝、喉は渇いていたが、子供のお弁当作りや朝食を作り幼稚園に行く準備や下の子の授乳をして水分補給はしなかった。よくある光景だと思います。しかし身体の中は相当脱水になっています。熱中症のリスクはもちろんですが、血栓もできやすい状況です。〇血栓とは血管にできた小さい傷を修復するためのかさぶたです。かさぶたとしての役割を果たすと通常はなくなります。しかし様々な原因で消えずに血液中に残ることがあります。それが脳で詰まると脳梗塞、肺で詰まると肺塞栓症、心臓で起こると心筋梗塞を起こします。糖尿病などがある方は網膜血管や腎臓や神経血管で詰まることもあります。〇血栓症に影響する3つの因子血栓症が起こりやすいかどうかは「血管内皮の状態」「血液成分」「血流」が関係しています。・血管内皮の状態 動脈硬化加齢などで起こる動脈硬化によって血管の弾力性が失われると、血管内皮に傷が付きやすく血栓ができやすくなっています。高血圧・脂質代謝異常・糖尿病など動脈硬化症をおこしやすい生活習慣病のある方は特に注意が必要です。・血液成分 どろどろの血液は固まりやすく、サラサラの血液は固まりにくい性質があります。・血流長時間椅子に座ったままや同じ姿勢でいると、体内の血流が悪く、静脈の中に血栓ができ、この血栓は歩行などをきっかけに足の血管から離れ、血液の流れに乗って肺に到着し、肺の動脈を閉塞することがあり命に係わる突然死の原因になります。(エコノミークラス症候群)運動など体を動かすと血のめぐりが良くなり血栓の予防になります。〇血液がドロドロになる原因は?①脱水夏場に汗をかき、水分摂取が少ないと血液は濃くなりどろどろします。②高脂血症食事からの油・脂質やお酒の影響などで、血液がドロドロしている状態。③過度なストレスと睡眠不足交感(戦い)神経が優位な時、体内の血液はドロドロになります。(傷を負ったときに止血が早くできるように)特に怒りの感情は自身の心も体も多大な影響を受けます。お仕事や育児・介護など日常生活でストレスが多く時は、血液はどろどろし血栓ができやすい状況なのです。頑張りすぎていると、若い方も脳梗塞や心筋梗塞を起こすことがあります。睡眠時間を確保して副交感神経が優位な時間を作り血液をサラサラにしましょう。【夏の脳梗塞の予防】〇水分補給 利尿作用のないものを飲んで利尿作用(脱水リスク)があるアルコールやコーヒーは控え、利尿作用のない麦茶や白湯、水がお勧めです。一度にがぶ飲みするのではなく、ちょこちょここまめに飲むと体内に留まりやすくなります。特に寝る前と起床後すぐのコップ一杯の水が命を守ります。〇ストレス解消・リラックス簡単な方法としては深呼吸。そして「笑う」ことがとてもお勧め。運動のストレス解消効果は絶大です。あまり難しく考えずに、20~30分くらい少し息が苦しくなる程度の早歩きなどでも大丈夫です。また推し活など、わくわくできるものに出会えると幸せですね。〇普段から糖尿病・高脂血症・高血圧など動脈硬化を予防しましょう。血液をサラサラに保つこと、そして血管を傷めないような食事がお勧めです。バター・マーガリン・油もの・揚げ物・肉類などの脂肪は控えめに。血液サラサラのために私が食べている簡単な常備菜をご紹介しています。保健指導歴30年の保健師が毎日食べているレシピ 血管を若々しく血液サラサラ 悪玉コレステロール対策に☆次のような症状がみられたときは、脳梗塞を起こす前触れである可能性があります。脳梗塞の前兆おかしいなと思ったら、下記の判定方法を試してください。脳血管疾患の徴候【FAST】[脳血管疾患の徴候【FAST】[脳血管疾患の徴候【FAST】「F Face 顔がゆがんでうまく表情がつくれない」「A Arm 腕を同じ場所で固定できない」 持っていたものを落としてしまうなど「S Speech うまく話せない」 口を広げて「イー」と発音したときに、片側しか口角が上がらない。ろれつが回らなく、簡単な言葉でも、ろれつが回らず上手く言えなくなる。「T Time 症状が出た時間を記録してすぐに受診」
2023年06月15日
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【夢診断】亡くなった人が夢に出てきたら?亡くなった人が夢に出てくることは決して珍しいことではありません。しかしごく近い肉親であったり愛した人であったりすれば、何か伝えたいことがあるのでは?と思うのは当然のことでしょう。ここでは、誰が出てきて、どんな表情で、どんな言動をしていたかなど、パターン別にその意味を解説します。目次 亡くなった人が夢に・・・誰が出てきたかで意味は違う? 亡くなった人が出てくる夢診断のキーは故人の表情や雰囲気 シチュエーション別診断。夢の中で亡くなった人は何をしていた? 亡くなった人に会いたいのに夢に出てきてくれないのは何故? 夢診断に関係するよくある質問 亡くなった人が夢に出てくるのにはメッセージ性があることが多い亡くなった人が夢に・・・誰が出てきたかで意味は違う?故人が夢の中に現れるのにはどんな意味があるのでしょう。もし故人を想い過ぎているのなら、単にその想いが夢の中に反映された可能性が高くなるため、夢診断としてはあまり意味を持ちません。亡くなって間もないのならば尚更です。死後しばらくの年月が経っていれば、良くも悪くもメッセージ性が高いと考えてよいでしょう。夢の診断において、死とは再生や復活の象徴であり、人生の転機や大きな出来事が起こることを暗示しています。亡くなった父親・母親が出てくる夢両親の夢は、故人に対する思いもひとしおであるため、死を惜しむがゆえに夢に現れると解釈されています。ただし、死後何年か経つ場合や、故人に話しかけられる夢は、重要なメッセージ性があると考えてよいでしょう。メッセージ性がある夢は、現状を好転させるアドバイスを伝えようとしていることが多く、両親が笑顔だったり穏やかに談笑をしていたりする夢は、さらに夢の持つメッセージ性も高くなります。故人の言葉や印象に残っている部分によく注目してみましょう。亡くなった祖父・祖母が出てくる夢祖父や祖母、又は祖父母が一緒に出てきた夢は、何かを伝えるために出てきたと考えてよいでしょう。祖父母の夢は、健在の祖父母であっても亡くなった祖父母であっても、ほぼ同じ意味を持ちます。祖父母が嬉しそうな表情をしていれば、運気が上昇していることの暗示。近いうちに幸運が舞い込むでしょう。反対に、険しい表情や悲しい表情をしていれば、あなたの進んでいる方向が間違っていたり、危険なことが起こったりすることへの忠告です。亡くなった親戚が出てくる夢近い肉親同様の関係にあった親戚であれば、何らかの手助けをしようとして現れた可能性があります。故人の発した言葉などにヒントがないか、細かいところまでよく思い出してみましょう。亡くなった友達が出てくる夢心を許していた親友であれば、肉親と同じく何らかのメッセージを伝えようとしている可能性が高くなります。それほど近い関係にはなかった場合は、懐かしい友達との思い出が夢に反映された可能性も。亡くなった人が出てくる夢診断のキーは故人の表情や雰囲気夢の中に誰かが出てきた場合は、その人の表情や発した言葉、夢全体の雰囲気が夢を読み解くキーポイントとなります。故人の夢は、さらにその意味合いが強まります。亡くなった人が笑っている夢穏やかな表情でニッコリしている故人の夢は、幸運が訪れる暗示です。現在あなたの向かっている道が正しいと知らせてくれている可能性もあります。楽しそうに笑っていたり、声を立てて笑っていたりする故人の夢は、現在抱えている悩み事が解決し、苦しみから解放されることを暗示しています。亡くなった人から怒られる夢故人から怒られる夢は、予知夢や重要な警告の可能性が高くなります。故人の発した単語の一つ一つや身体の部位、夢に出てきた小物などにも注目してみて下さい。故人が怖い顔をしていれば、その分より強い警告となります。亡くなった人が恐ろしい形相をしている夢夢の中で故人が恐ろしい顔をしていたら、あなたに改めるべき点があることを暗示しています。人には言えないような後ろめたいことをしていたり、グレーなことに手を染めていたりしていませんか?自分を省みて、後悔の残らないようにしましょう。亡くなった人が心配そうな表情をしている夢夢の中の故人が心配そうな表情をしていれば、困難が待ち受けていることを暗示しています。これから行なおうとしていることを再考してみましょう。また、お酒やギャンブル、食生活、異性との交際などの面で不健康な生活をしていたり、何かに依存したりしていれば、生活を改めて気を引き締める時です。亡くなった人が泣いている・嬉し泣きをしている夢夢の中の故人が泣いていれば、あなたに災難が降りかかったり、面倒なことに巻き込まれたりすることを暗示しています。人間関係には注意をし、体調管理にも気をつけましょう。故人が声を上げて泣いている夢は、さらにその意味が強くなります。ただし、故人が嬉し泣きをしている場合は、あなたの夢や目標が叶うなど、何か嬉しい出来事が訪れる前兆です。故人が諸手を挙げて大喜びで嬉し泣きをしている場合は、嬉しいビッグニュースが届くかもしれません。シチュエーション別診断。夢の中で亡くなった人は何をしていた?夢の中に出てきた故人は、どんな行動をしていましたか?シチュエーション別に解説をします。亡くなった人と話す夢故人と話す夢は、諦めかけていた願い事が叶うことを意味しています。また、今まで苦しんでいた悩み事が解決し、運気が好転するという暗示でもあります。仕事面での評価や昇進も期待できるでしょう。亡くなった人から呼ばれる夢故人から手招きをされたり呼ばれたりする夢は、大きな病気にかかったり、予期していなかったトラブルに遭うなどの警告夢です。呼んだ故人が肉親ならその深刻度はいっそう高まり、最大の警告夢となります。自然災害で大きな被災をしたり、飛行機事故などの大きな事故に遭ったり、非常に大きな事件に巻き込まれるなどの可能性があります。危険なリスクは避け、情報収集に努めるなど細心の注意を払って行動をしましょう。亡くなった人から何かをもらう夢故人からプレゼントなどをもらう夢は、金運が上昇することの暗示です。仕事での昇給や臨時収入などが期待できるでしょう。また、有益なアドバイスを得ることができ、新しい才能を発揮できる機会にも恵まれるでしょう。ただし、プレゼントを突き返す夢であれば、全体的な運気が低迷することを意味しています。また、自分が望まぬものをもらう夢は、逆に金運の低下や何か面倒なことを押し付けられることの暗示です。亡くなった人を探す夢故人を探しても見つからない夢は、故人に気持ちを伝えることができずに後悔していたり、強い未練を抱いていたりする気持ちの表れです。故人を探して見つけることができれば、近い未来に幸運が訪れるという前兆です。故人と話したり、良い気分になったりする夢であればあるほど吉夢となります。故人が亡くなる夢恐らくあなたは故人から多大な影響を受けていたのではないでしょうか。故人が亡くなる夢は、辛いことを乗り越えて精神的成長を遂げ、故人の死を受け入れることができたことの表れです。ただし、このような夢を繰り返し見る場合は、故人の死がトラウマとなっており、現実を受け止めようとする心の動きでもあります。いずれショック状態から抜け出せる時は来るでしょう。夢は時として傷を癒してくれます。亡くなった人が生き返る夢故人が生き返ることによって大喜びをしたり嬉し涙を流したりしている夢は、これまで諦めていた目標が叶ったり、過去の恋愛が復活したりと、終わったと思っていた出来事が復活することを意味しています。もう無理だと限界を感じていたとしても、どんでん返しの可能性があります。最後まで諦めないようにしましょう。過去に諦めた夢があるのなら、再挑戦するべき時です。ただし故人が生き返っても嬉しくない夢は、予期せぬトラブルが起こってしまう可能性があります。亡くなった人に会いたいのに夢に出てきてくれないのは何故?亡くなった人が夢に出てくる人がいる一方で、夢でもいいから会いたいのに出てきてくれない、という人もいるのではないでしょうか。亡くなった人の夢を見る人と見ない人の違い同じ家族の中でも、故人の夢を見る人もいれば、一度も見たことがないという人もいます。この違いは何なのでしょうか。大抵の場合、故人が一度も夢に出てこないという人は、その人に対する未練を強く持っています。故人に対する愛情が深ければ深いほど、夢には出てきません。故人は自分が死んだことによりあなたを苦しめているのではないかという念で、後を追われたくない、そこに囚われて悲しい思いをしたくないという想いを持っていると考えられるからです。亡くなった人に夢で会うには?それでも、故人に夢の中でもいいから会いたい、という場合はどうしたらいいのでしょうか。それは故人に対する執着を手放すことです。故人に会いたくてたまらないほどの深い執着を手放すのは並大抵のことではないかもしれません。しかし泣くのをやめて、まず亡くなった現実を受け止めること。今を生きている自分の現実世界で前向きに生きる覚悟を決めましょう。そうして元気な姿を見せることによって、故人もきっと安心するはず。そうなった時、夢の中で会える確率も高くなるのではないでしょうか。夢診断に関係するよくある質問Q夢に人が出てくるのはどういう意味ですか?A夢に人が出るのは、自分を客観視したいときか予知しているときかの2つといわれています。夢に出てくる人があなた自身である場合、その夢は自己反省や自己啓発のサインであることも。親しい友人や家族の場合、深層心理で彼らとの関係を深めたいとか、彼らから何かを学びたいという欲求を表すことがあります。亡くなった人の場合は、良くも悪くもメッセージ性が強いものが多いそうです。Q夢なのにリアルな感覚が残るのはなぜですか?Aリアルな感覚が残るのは、レム睡眠の時の入眠時幻覚を伴う夢の場合です。睡眠にはレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(大脳を休める深い眠り)の2つの段階があり、この2つは周期的に繰り返されます。入眠時幻覚はストレスなどが原因で、覚醒状態を調節する物質(オレキシン)が上手く生成できないと起こりやすいといわれています。Q夢をよく見る人の特徴はありますか?A誰でも夢を見ているのですが、夢をよく覚えている人と覚えていない人がいます。夢をよく覚えている人はストレスを抱えている状態や性格的に物事をネガティブにとらえやすい傾向にあります。また夢そのものに関心が高い人やクリエイティブな仕事に関わっている人、睡眠時間が長い人なども覚えていやすいでしょう。亡くなった人が夢に出てくるのにはメッセージ性があることが多い故人が夢に現れる場合はメッセージ性があることが多く、未来に関する重要なアドバイスを含んでいることが少なくありません。夢の中で故人が発した言葉や表情をよく思い出し、起きたらすぐにメモするなど、忘れてしまう前に書き留めるのがおすすめです。故人が出てくる夢は吉凶がはっきりしています。悪い警告夢の場合でも、その意味を正しく理解して災いから意識的に逃れるようにしましょう。https://spirituabreath.com/yumeuranai-nakunattahito-468.html
2023年06月12日
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大分大(大分市)は31日、不整脈の一種で、脳梗塞(のうこうそく)を引き起こす「心房細動」を早期に発見する事業を6月1日から開始すると発表した。臼杵、杵築両市などと連携し、65歳以上の健診受診者から心房細動のリスクが高い人を選出。心電計を装着して1週間分の心電図を記録し、「隠れ心房細動」を発見することで、医療・介護費の削減につなげるという。【写真】救命につながったアプリ 自宅から医師が助言「プライスレスの良さ」 同大によると、心房細動は心房の収縮が不規則になる病気で、国内の患者は100万人を超えるが4割は無症状とされる。脳梗塞を引き起こし、死亡や寝たきり、要介護の原因となっている。 診断には症状が出ているときの心電図を記録することが必要だが、症状が無かったり、心房細動をときどき起こしたりする「発作性心房細動」の患者は見逃されることが多いという。 使用する心電計は、創薬支援サービスなどを手がける「JSR」(本社・東京)社製のコードレス貼り付けタイプの心電計「Heartnote」。12グラムと軽量で防水性があり、シャワーや半身浴も可能だ。 事業を構築した「日本コンベンションサービス」(同)のヘルスケアビジネス部によると、両市の健康診断受診者のなかから、65歳以上で心房細動のリスクを抱えている受診者を選び、同意を得て心電計を装着する。被験者の1週間分の心電図を記録して回収し、同大医学部の専門医が解析する。貼り付けから診断まで約1カ月で結果が出る見込みだ。 心房細動の症状が見つかった場合は、抗凝固剤の投与などで症状の改善に役立てるという。 総事業費は約1300万円。臼杵市で200人、杵築市で400人の被験者を見込んでいる。事業の成果検証は来年4月ごろに発表する予定だ。 事業を担当する同大医学部の高橋尚彦教授は「いきなり脳梗塞を起こして入院し、心電図をつけて心房細動が分かって後悔するという不幸をなくしたい」と話している。(白石昌幸)
2023年06月02日
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在宅看取りを1800人以上、ひとり暮らしの看取りを120人以上経験した在宅医の小笠原文雄先生の著書『最期まで家で笑って生きたいあなたへ なんとめでたいご臨終(2)』が話題を呼んでいる。『週刊新潮』(5月 18日号)では立川談四楼さんが《そんな私に本書は希望を与えました。在宅医療という名の希望です》と、『サンデー毎日』(5月28日・6月4日号)では大平一枝さんが《読み終えて気づいた。これは、生き方の本だ》と絶賛。そこで、小笠原文雄先生が『最期まで家で笑って生きたいあなたへ』の読者から届いた質問に回答する。医療崩壊、大丈夫でしょうか?【質問】コロナ禍で、病院にかかれなかったりする人が出るなど、医療崩壊が盛んに報じられました。今後、ますます超高齢社会が進み、平時であっても病院にかかれない人が出てくるのではと心配になります。先生はどう思われますか?(40代・男性)【小笠原先生の回答】私は病院にかかれなくなるから幸せですよ、とこの本でお伝えしているつもりです。というのも、病院に入院して幸せな人は2割か3割で、あとの7、8割の人は在宅医療の方がいいと思っています。 病院じゃないといけない人は、救急救命をしないと亡くなってしまうかた、高度医療や感染管理が必要なかたですね。手術をすれば助かる人は絶対に入院して手術をしないといけませんし、例えば白血病の人だったら、やっぱりきちんと入院して抗がん剤を使った方が予後がいいわけです。 でも、抗がん剤を使うと早く亡くなってしまう人もいます。言葉は悪いですが、医学の進歩のために入院させて医療をやっている側面も多少はありますから、病院か在宅か、どちらが自分にとって幸せなのかを知っておくことは非常に大事です。 心不全も、入院していると血管が収縮して血圧が上がるから、増悪してしまう。心筋梗塞でも、不整脈で亡くなるリスクは数日間だけで、あとは不整脈はあまり起こらなくなるので、退院させた方が予後がいいかもしれない。家でも、心不全に効果があり、簡単な人工呼吸器が使えますし、点滴も家でできるんです。ただし、そうしたことができる医師は現在多くないので、残念ながら、知識や経験がない在宅医だったら、入院も考えた方がいいでしょう。夫が家で最期まで暮らすために準備すべきことは?【質問】いまは元気な夫がこの本を読んで、病気になったら家にいてもいいかなと言うようになりました。何か準備しておいた方がいいことはありますか?(70代・女性)【小笠原先生の回答】 旦那さんはきっとこの本を読んで、命の長さだけではなく、笑って暮らす、笑って生きる、そういう命の質を最期まで大切にしたいと思われたのではないでしょうか。 奥様が旦那さんの気持ちに添いたいと思われるそのお気持ちがとても大事だと思います。ただし、家にいたら早く死ぬということがわかっている病気だったら、入院してきちんと治療をしてもらいたいので、病院の医師やかかりつけ医に、その病気が入院して治る病気なのか治らない病気なのか、きちんと聞いてください。治らない病気を治そうと思って入院するほど不幸なことはありませんから。 いまできる準備は、旦那さんの思いはどういうものか、延命治療の有無なども含め、きちんと聞き取っておくこと、実際に病気になったときに相談できる人を作っておくことが大事かなと思います。 老老介護で介護力がないから、と最期まで家で笑って生きることを諦める必要はありません。大切なことは、ひとり暮らしでもきちんと最期まで支えてくれるチームとの出会いです。周りに、家で看取りをしたというお友達がいれば聞いてみるといったことから始めてみればいいと思います。※女性セブン2023年6月8日号
2023年05月31日
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日本人の死因の2位を占める心疾患(※高血圧を除く※1位がん)。その種類は150種類以上もあるといわれています。なかでも特に恐ろしいといわれているのが「心臓血管病」。自覚症状のないまま進行し、なかには突然死につながる事もあるのだとか。そうならないために必要なのは、病気に対する正しい知識。そこで今回は「心臓血管病」について専門医に教えてもらいました。●心臓の基礎知識心臓は、全体が縮んだり膨らんだりする拍動を繰り返す事で、全身に血液を送るためのポンプとしての役割を担っています。心臓が1日に送りだす血液の量は約8000L。ドラム缶にすると約40本分に相当するそうです。●心臓を動かすための血管の病気「突然死につながる心筋梗塞」<心筋梗塞について>心臓の筋肉には主に3本の冠動脈という血管があります。この冠動脈が正常に動いているおかげで、酸素や栄養を受け取る事ができているのだとか。しかし、冠動脈が詰まり血液が流れなくなると、心臓が酸素不足に陥り心筋が壊死して心筋梗塞につながるそうです。<心筋梗塞の原因は?>血管が詰まる時には動脈硬化が起こっているそうです。動脈硬化とは、高血圧や糖尿病、脂質異常症などにより、血管内にニキビのような脂の塊ができている状態の事。この脂の塊が血流の圧によって破裂すると、血の塊である血栓ができ、血管が詰まってしまうそうです。<一度発症すると高い確率で死に至る心筋梗塞>先生によると、心筋梗塞には予兆がなく、多くの場合は突然胸痛が起こるとの事。心臓血管病のなかで突然死する可能性が最も高いといわれており、年間3万人以上の死者を出しています。発症したら1分1秒でも素早い治療が必要だそうです。●心臓と全身を結ぶ血管の病気「突然死につながる大動脈解離」<大動脈解離について>大動脈は、心臓から全身に血液を送り出す最も太い血管。内膜・中膜・外膜という3つの層から形成されています。大動脈解離とは、この内膜という層が裂けてしまい、中膜に血液が流れ込む状態だそうです。<大動脈解離の原因は?>大動脈解離の大きな引き金になるのは、高血圧。血圧は、高ければ高いほど圧力が強くなり、血管にかかる負担が増加します。そのため、血圧が正常値を大きく超えている場合は血管に相当な圧力がかかっており、それに耐えられなくなった内膜が裂け、大動脈解離を発症してしまうそうです。<大動脈解離による他の臓器への影響>解離が各臓器へ行く細い血管に及ぶと、臓器障害が起こるそうです。例えば、脳をつなぐ血管にまで解離が及んでしまうと、脳障害が起こり脳梗塞に。他にも、心筋梗塞や腎不全などの重い病気を引き起こす可能性もあるのだとか。さらに、最も怖い合併症と言われているのが「心タンポナーデ」。心タンポナーデとは、解離が心臓に至る事で心膜の間に血液が流れ込み心臓が圧迫される病気。圧迫された心臓はいずれ動けなくなり、突然死につながります。大動脈解離による突然死の約90%は心タンポナーデによるものといわれているそうです。●心筋梗塞と大動脈解離の発症を防ぐために<動脈硬化のリスクファクターに注意>先生曰く、心筋梗塞も大動脈解離も原因は動脈硬化。動脈硬化のリスクファクター(※疾患発生の危険性を高める可能性がある要素)には、高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙・肥満などがあるそうです。<自分の健康状態を把握する事も大切>心筋梗塞と大動脈解離の発症を防ぐためには、血圧を毎日測るのはもちろん、糖尿病の予防、コレステロール値を把握する事も大事との事。血圧は、朝は朝食前、夜は寝る前の一番安定した状態で測るのが基本なのだとか。また、普段から自分の健康状態や病気について何でも相談できるような「かかりつけ医」を持つのがオススメだそうです。●心臓血管病は再発率が高い!?先生によると、心筋梗塞や大動脈解離などの心臓血管病は、初回の発症よりも再発率が高いそうです。例えば、心筋梗塞の初発率は3.5%なのに対し、再発率は18.8%というデータもあるのだとか。そのため、再発を予防する事がとても大切だそうです。●患者が実践する再発予防法「心臓リハビリテーション」再発予防につながる有力な治療法の1つが心臓リハビリテーションだそうです。<心臓リハビリテーションのカギ(1)筋力トレーニング>筋肉は、心臓へ血液を戻す補助ポンプの役割を持っています。そのため、筋肉を多くつける事で心臓が身体の先から血液を吸い上げる機能を手助けし、心臓の負担を減らす事ができるそうです。なかでも、最も重要なのが「ふくらはぎの筋肉」。第二の心臓とも呼ばれていて、心臓に血液を戻していく作用が強くあるのだとか。そのため、かかと上げでふくらはぎの筋肉を鍛えるのが良いと言われているそうです。<心臓病患者と筋力トレーニング>心臓病を発症し大きな治療を受けると、しばらくの間寝たきり状態になります。すると、筋肉量が低下し、補助ポンプ機能が弱くなってしまうそうです。そのため、なるべく早く筋肉量を戻す事が心臓への負担を減らす事となり、再発予防につながるのだとか。ただし、心臓のリハビリテーションは、普通のリハビリテーションとは異なり、患者さん一人一人の心臓にあった運動が必要となるそうです。<心臓リハビリテーションのカギ(2)徹底管理された食事制限>心臓リハビリテーションでは運動療法だけでなく、投薬や食事療法によって高血圧・糖尿病・脂質異常症の管理を行っているそうです。<心臓の負担を減らす食事療法!名医がオススメする栄養素「EPA」>EPAとは、マグロやサバなどの魚や亜麻仁油などに多く含まれている栄養素。高血圧・動脈硬化・脂質異常症などの生活習慣病の改善に役立つと言われているそうです。そのため、これらを積極的に摂取する事で心臓病の再発予防につながるのだとか。先生によると、EPAは熱に弱いのでお刺身でいただくのがオススメだそうです。(2023年5月21日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)
2023年05月21日
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寝すぎると、認知症になりやすい!って、知っていましたか?海外や日本で行われた睡眠と認知症の関係を調べた調査によると、1日の総睡眠時間が10時間以上の人は、睡眠時間が6時間程度の人と比較して、認知症になる危険性が2.2倍だったそうです。睡眠時間が長いと認知症になりやすい!なんて、ちょっと驚きですよね。そして、さらに付け加えると、一時的に、いわゆる、普段の睡眠不足を補う寝溜めとして睡眠を10時間以上とるのも、昼寝を1時間以上行うのも、夜中の3時以降に眠るのもたとえ睡眠時間は6時間から7時間であったとしても、認知症になりやすいという結果も出ています。何故、睡眠をとり過ぎると、認知症になりやすいのでしょうか?それは、睡眠の質が関係しています。【写真】認知症になる危険性を減らすために深い睡眠を!そのポイント■睡眠の質が悪いと脳のゴミ(アミロイドβ)が溜まる!睡眠には、脳を休めるノンレム睡眠と身体を休めるレム睡眠があります。さらに、ノンレム睡眠は、深いノンレム睡眠と浅いノンレム睡眠の2つに分類でき、深いノンレム睡眠が寝入り3時間以内に起こる睡眠を質の高い睡眠といい、起床時の熟睡感の決め手となります。また、深いノンレム睡眠は、起床時の熟睡感をもたらすだけでなく、認知症を引き起こす原因となるアミロイドβ等の脳のゴミを取り除く時間帯でもあります。つまり、深いノンレム睡眠が起こらなければ、アミロイドβなどの脳のゴミを取り除くことができず、脳内に溜まっていき、将来、認知症を発症する要因となります。さて、認知症を予防する上で非常に重要な深いノンレム睡眠ですが、眠りに入れば、いつでも起こるのか?というとそうではありません。深いノンレム睡眠は、深部体温の変化や睡眠時間、年齢など様々な要因によって、起こったり、おこならかったり、時間が短くなったりします。もう少し、詳しく言うと、30歳を過ぎると、睡眠時間が長くなると、朝方になって眠ると、深いノンレム睡眠が起こりにくくなります。■睡眠の質をアップして認知症を予防しよう!認知症になる危険性を減らすためには、深いノンレム睡眠のある質の高い睡眠を取る必要があります。そこで、質の高い睡眠を取るために知っておくと良い事について3つ紹介いたします。■■1:寝る1時間前にお風呂に入る30歳を過ぎると、生理的な深部体温の変化が緩やかになります。結果、睡眠時の深部体温の変化量が少なくなり、深いノンレム睡眠が起こりにくくなります。そこで、寝る1時間前にお風呂に入ります。シャワーではなく、40℃から42℃ぐらいのお湯に入浴します。(温度は、季節によって、あまり熱いお湯にならないように調節してください)お風呂に入り、一旦、深部体温を上昇させることで、深いノンレム睡眠を起こすために必要な睡眠時の深部体温の急激な変化を作る基盤ができます。■■2:ストレッチお風呂に入ったあと、寝るまでの1時間の間に、軽くストレッチをしましょう。時間は10分程度で構いません。肩や首を回したり、両手を組んで腕を前や上に伸ばしたりと、筋肉の凝りをほぐすようにストレッチします。筋肉の凝りがほぐれると、血管が拡張しやすくなり、お風呂に入り温まった血液が手先足先までスムーズに流れるようになります。体の末端まで、血液がスムーズに流れることで、手足からの体温の放熱が起こりやすくなり、深部体温の低下を促します。そして、急激な深部体温の低下が起こることで、眠気が生じるとともに、深いノンレム睡眠のある質の高い睡眠を取ることができるようになります。■■3:真っ暗な部屋で寝ない!真っ暗闇は、不安を感じさせる環境であるため、完全に部屋を暗くして眠ると、自覚していなくても脳が不安を感じ、警戒体制に入ってしまいます。脳が警戒体制に入ると、交感神経の働きが活発になるため、深いノンレム睡眠が起こりにくくなります。完全に明かりを消した真っ暗闇の部屋ではなく、月明かり程度の明るさ、加えて、白色系ではなく、オレンジ系の色の明かりになるよう照明器具を調節して眠るようにしましょう。文/豊田早苗精神科医。鳥取大学医学部医学科卒業後、総合診療医としての研修及び実地勤務を経て、2006年に「とよだクリニック」を開業。2014年には「とよだクリニック認知症予防・リハビリセンター」を開設。
2023年05月14日
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■50代・60代で早死にした人は、なぜ早死にしたのか? 元気そうに見えていた50代・60代の親族や友人が、体調を崩して急逝してしまった――。読者のみなさんにも、そのような経験はありませんか? 男性で81.5歳、女性で87.6歳という日本人の平均寿命を考慮すると、あまりにも早すぎる死の原因はいったい何だったのか。故人の死を悼む気持ちが強いほど、死の兆候や生活習慣の変化について気づいてあげられなかったことが、悔やんでも悔やみきれないでしょう。周囲で同じような悲劇を繰り返さないために、自分は何ができるのか。それは、故人の死から学ぶこと以外にありません。 「死人に口なし」なので、実際に早死にしそうな自覚が故人にあったかどうかはわかりません。しかし、家族や友人であれば、故人の生活習慣の乱れや外観の変化に何か気づいていたはずです。 今回、50代・60代の親族や友人を亡くした人を対象に、早死にの原因として心当たりのある兆候や生活習慣についてアンケートを取りました。データは雄弁に語ります。アンケートの結果をもとに早死にに繋がる兆候や生活習慣について一緒に見ていきましょう。■「赤ら顔」は危険な死の兆候 まずは、早死にした故人に見られた「死の兆候」について見ていきます。 「赤ら顔」は血行が良い証しなどといわれ、健康の代名詞と考えられたりもしますが、実はそんなことはありません。赤ら顔の人は大抵手も赤いのですが、そういった状態を漢方医学では「瘀血(おけつ)」といい、これは血の流れが滞っているということを示しています。私が周囲で早死にした人のことを思い浮かべると、ほとんどの人は顔が赤かったのです。 瘀血は西洋医学的にいうと、血液中にコレステロールや中性脂肪などの栄養物質に加えて、尿素窒素、尿酸などの老廃物が溜まって血液がドロドロになっている状態です。瘀血になっていると血液中の栄養素が体中へ運ばれにくくなり、代償反応として血管が拡張します。赤ら顔の人は血管が拡張した結果として、顔が赤く見えるようになります。ちなみに、冷え性は血管が収縮して血液の流れが悪くなり、これもやがて血液がドロドロになって瘀血になります。 血の流れが滞って血行が悪くなった結果、行きつく先は脳梗塞や心筋梗塞、そしてがんです。 女性の場合、手のひらや顔が赤い人でも、すぐには心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしません。なぜなら、瘀血のサインとして生理不順や出血多量、子宮筋腫などの子宮卵巣系の病気が間に挟まってくるからです。つまり生理には、瘀血を外に捨てる浄血作用があるということなんですね。一方の男性は、瘀血と脳梗塞や心筋梗塞の間にワンクッションがないので、突然死んでしまうこともありえます。 周囲に赤ら顔の人がいれば、体調に異常がないか、体に不具合はないかを聞いてみてあげるといいでしょう。体の不調には、本人ほど無自覚ということもありえますからね。■痛みや痺れを見逃すな、体の内なる声を聞こう 頭痛は早死にと関係があり、これも赤ら顔と同様瘀血によるものです。どんな痛みも発生するのは血行が悪いところです。先ほども言いましたが、血行が悪いところでは代償反応として血管が拡張します。その際にプロスタグランジンやブラジキニンといった、血管拡張作用と引き換えに発熱や痛みを引き起こす物質が合成されます。おそらく頭痛で悩んでいた人というのは、脳の血行が悪くなっていて最終的に脳出血や脳梗塞で亡くなったのだと思われます。胸のあたりや背中が痛い人は狭心症や心筋梗塞、大動脈瘤破裂、それから不整脈の可能性もありますね。 痛みのほかには手足の痺れも危険な兆候です。手足で左右片方だけの痺れの場合は、脳から来ている場合が多く、脳梗塞や稀に脳腫瘍が原因です。両側が痺れる場合は、手先、足先の血行が悪いことが考えられます。ここでもやはり血行が重要です。 自分の血行が悪いところを調べたくても、健康診断ですべて網羅するのは難しいと思われがちです。しかし、今は脳ドックや循環器ドックという便利な検査がありますから、不安がある方は利用してみてください。一番よくないのは、痛みや痺れの発生後しばらくして症状が緩和した際に、「様子を見よう」と放置することです。頭痛や痺れという体が発するSOSのサインを見逃さず、早めに病院に行きましょう。家庭内に不和を抱えていたり、不倫をしたりするのも死を早めます。家庭内で常に戦い・緊張を抱えているというのは、交感神経が常に働いている状態です。交感神経が活発だと血圧は上がり、血管は縮み、心臓には負担がかかり……。何もいいことがありません。家庭で穏やかに過ごせるのが、長生きの秘訣です。不倫については、言うまでもありませんね。体にも世間体にもよくないのでやめましょう。 夜型の生活もよくない生活習慣で、ホルモンバランスの乱れを起こします。 体の生命力を一番強くするホルモンに、副腎から分泌されるコルチゾールがあります。これは、分泌量に日内変動があり、朝から夜にかけてだんだんと分泌量が減っていきます。そしてもう1つ、免疫力を高めるリンパ球が関係しています。リンパ球が一番よく働くのは、寝ている間の午前0時から2時といわれています。その間に就寝していないと免疫力が上がらないので、昼夜逆転している人はあらゆる病気にかかりやすくなるというわけです。 同じ5時間寝るのであれば、午前2時に寝て7時に起きるのではなく、午後12時前には床について5時に起きるほうがずっといいです。昔からの知恵である「早起きは三文の得」は、まさにその通りということです。■死の兆候として見られていたことの多くが「血行」と関係 ここまで50代・60代で早死にした方の原因として考えられることについて解説してきましたが、死の兆候として見られていたことの多くが「血行」と関係していました。体は血行が悪いことを伝えるサインを発しますから気づいてあげられるようにしましょう。 動物は病気になると、食べないか、あるいは熱を出します。空腹の時間は細胞の生まれ変わりを強化します。熱が出るというのは温めることで、体温が上がれば免疫も活性化します。自発的に温めたい場合は筋肉を動かすとよいでしょう。特に人間の体の中心であるお腹をハラマキなどで温めるのも重要です。 食べ物にも体を温める食べ物と冷やす食べ物があります。赤・黒・橙の食べ物は体を温め、青・白・緑の食べ物は体を冷やします。年とともに体温は下がりますから、体を温める食べ物、つまり、牛乳よりチーズ、うどんよりそば、白ワインより赤ワイン、緑茶よりも紅茶、というように選択するとよいでしょう。チョコレートなんかは万能の健康食品ですよ。 死の兆候を事前に察知して、何事も「ほどほど」を心がけて突然死を防止しましょう。
2023年05月12日
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健康寿命を伸ばすために必要なこと〈医療技術の発達や国民の健康意識の向上により寿命が延びるのは喜ばしいこと。だが、要介護状態のまま長生きするのはあまりにわびしい。長年にわたり生活習慣病などの治療に当たってきた栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅院長が指摘する通り、長寿国となったわが国では健康寿命をいかに延ばすかが喫緊の課題となっている。 栗原氏によれば、要介護生活に陥る人たちの多くには「血管の不調」という共通点が見られる。そして、この重要な体内インフラである血管の不調を改善することこそが“ピンピンコロリ”への一番の近道なのだという。〉 なぜわれわれは要介護生活に陥ってしまうのか。19年の厚労省の発表によれば、要介護に陥る原因の第1位は認知症で17.6%、第2位は脳血管疾患で16.1%となっています。 脳血管疾患とは脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの総称で、脳にある血管が詰まったり傷ついたりしてしまうことで起こる病気です。脳の血流悪化で認知症に 一方、認知症は脳の認知機能が低下する病気。一見、「血管」とは無関係な病気のような認知症ですが、例えば、日本人の認知症患者の60%以上を占めるアルツハイマー型認知症は脳の血流が悪くなることで発症リスクが高まることが分かっている。また、20%を占める脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血の後遺症として発症する。こうして見ると、認知症も脳の「血管」がその発症に大きく関与している病気といえるのです。 さらに要介護生活に陥る原因には狭心症や心筋梗塞などの心疾患のほか、細血管障害を引き起こす糖尿病などもあります。これらを合わせると、介護原因の実に40%以上が「血管」に関わる病気で占められているのです。 つまり、血管を強くしなやかに若返らせることができれば、要介護リスクを抑え込める。“若返らせる”といっても特別な施術や高額な医薬品は必要ありません。日々の食生活や習慣を少し見直すだけで「血管」の老化を抑えることは可能なのです。いかにして血管は老化する? では、そもそも“血管が老化する”とはどういうことなのでしょうか。 私たちの体にある血管を全てつなげると、その全長は約9万キロメートルに及びます。このうち酸素や栄養を体の隅々に届けるのが「動脈」、老廃物や二酸化炭素を回収してくるのが「静脈」です。 心臓から出る大動脈は最も太い血管で、その直径は約3センチメートル。この大動脈が枝分かれをして次第に細くなり、直径0.01ミリメートル程度の「毛細血管」となって臓器や組織に酸素や栄養を送り込むのです。大動脈が都市と都市とを結ぶ高速道路だとしたら、毛細血管は街の中にある生活道路のイメージでしょうか。どちらがより大切というものではなく、どちらも健康な生活には欠かすことができない重要な組織です。 心臓から送り出された血液は、このように全身に張り巡らされた血管を一周し、たった1分足らずで元の心臓まで戻ってきます。血液はものすごいスピードで私たちの体の中を流れているのです。 実は、この血流の勢いは心臓のポンプの力だけで生まれるものではありません。動脈の内壁を構成している平滑筋という筋肉がポンプのようにしなやかに動くことで、血液を勢いよく先へ先へと送っているのです。 そして、この平滑筋が衰えて硬くなってしまっている状態こそが“血管の老化”です。平滑筋が衰えると、ポンピングの力が弱まり血流も勢いを失ってしまう。その結果、脳や臓器、体の組織に酸素や栄養が十分に行き渡らず、さまざまな病気を発症するのです。拍動ごとにハンマーで殴られている状態〈老化した血管は、弾力を失いひび割れを起こした古いゴムホースのようなものだと言う栗原氏。血管が老化する背景には、大きく二つの要因が挙げられるという。〉 一つ目の要因は、なんといっても「高い血圧」です。 例えば、1分間に心臓が拍動する回数が70回だとすれば、1日の拍動数は約10万回となります。血管は1日に約10万回もの拍動を受け止めているのです。ところが、血圧が高いと血管が受ける圧力が強くなり、拍動ごとにハンマーで殴られているような状態になってしまう。それが1日10万回ずつ積み重なるのですから、高血圧によって血管が傷つくのは当然です。動脈硬化の悪循環 続いて二つ目の要因となるのは「ドロドロの血液」です。ドロドロの血液によって血管が詰まりやすくなるのはよく知られていますが、それだけでなく血管の内壁を傷つける原因にもなるのです。 血液がドロドロになると、血管が血液を先へ送り出すのにより強い力が必要になります。そうすると動脈の平滑筋の仕事量が増え、疲労が蓄積されるのです。さらに、ドロドロの血液によって血管の内壁に傷がつくと動脈硬化が起こり、一段と血管が硬くなるという悪循環にも陥ります。 ちなみに「動脈硬化」という言葉はよく耳にすると思いますが、「静脈硬化」という言葉は聞きませんよね。先ほどもお話しした通り、動脈は平滑筋を使って血液を先へと送るため血管の内側に強い力がかかっています。これに対して、静脈は臓器や組織の毛細血管から血液を集めて流しているため、動脈に比べると圧力がかかりにくい。そのため血管が傷つくことも少なく、静脈硬化は起こりにくいのです。血液検査の数値には表れない? 少し寄り道をしてしまいましたが、血管を傷つける二つの要因は、それぞれ別々に起こるわけではありません。血液がドロドロに汚れることで動脈が硬化し、血圧が上昇する。血圧が上昇するとさらに血管がダメージを受け、老化が進む。つまり、「血管」の老化を防ぐためには、一にも二にも、血液が汚れないようにすることが大切なのです。 ただ、やっかいなことに血液の汚れというのは健康診断などでは発見しにくい。私の患者さんの中にも一般的な血液検査の数値に問題がないことから、自分の血液がサラサラだと思い込んでいる方がよくいらっしゃいます。 ところが、私が過去に東京女子医科大学附属成人医学センターを受診した約3千人分の血液検査データと、血液の流れを観察した画像を比較したところ、血液検査の数値が基準の範囲内なのに血液の流れが悪い人がたくさん見つかったのです。つまり、血液の汚れは相当程度悪化しない限り血液検査の数値に表れてこない。血液検査の数値が正常だからといって油断はできず、血液が汚れない習慣を心がける必要があるのです。四つの原因 血液の汚れの原因はさまざまありますが、中でも凶悪なのは四つ。「糖」「中性脂肪」「ストレス」「歯周病菌」です。 一つ目の「糖」は、体を動かす際の燃料となる栄養素で、生命活動には欠かせません。でも、取りすぎると血液はハチミツのようにネバネバになってしまい、さらに慢性的に血中の糖が増えすぎた状態になると、糖尿病になってしまいます。 また、健康な人の赤血球は柔軟に形を変えながら血管の中をすり抜けていきます。ところが、血中の糖が多いと赤血球が不良化して硬くなり、血管を傷つけたり、詰まらせたりする原因になるのです。 二つ目の「中性脂肪」についてはネガティブなイメージをお持ちの方も多いでしょう。ただ、本来は、体の中で糖の代替燃料として使われる、体温を保つ、内臓を正しい位置に固定する、など重要な役割を持っているのです。ところが中性脂肪をため込みすぎると、使われなかった分が血液に溶け出し、糖が過剰なときと同じような弊害が生じることになります。血管を傷つけるザラメ状の塊 特に肝臓に中性脂肪がたまってしまう脂肪肝の人は、血中の中性脂肪やコレステロールが増え、それが血管の内壁にこびりつくことで血管が一層こわばり、動脈硬化を引き起こすことになります。脂肪肝と診断される人の血液は、ザラメのようにザラザラしていることが多いのですが、これは赤血球や白血球に比べて非常に小さいはずの血小板が粘っこくくっついてしまっているため。無数の血小板がくっついたザラメ状の塊は、やはり血管の内壁を傷つけたり、詰まらせたりする原因になります。 ちなみに脂肪肝はその病名から「脂質の多い食事」が原因と思われがちですが、中性脂肪の原料になるのは脂質より「糖質」。つまり、一つ目の「糖」も二つ目の「中性脂肪」も、糖質の取りすぎにより引き起こされます。 三つ目の「ストレス」も油断はできません。ストレスが血液に与える影響は想像以上に大きく、ストレスや過労、生活の乱れなどを抱えた人の血液は、白血球が糊のようにベタベタになってくっつき合ってしまいます。
2023年05月07日
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うっ血性心不全ともいわれる心不全とは、 心臓が全身に必要量の血液を送り出すことができなくなった状態を指します。動脈を通じての全身への血液供給や静脈から心臓への血液の汲み上げが障害されるため、疲れやすい、顔・下肢がむくむ、食欲がなくなるなどの症状が起こります。また、多くの場合、肺に血液が滞り、肺での酸素交換が障害され、軽作業でも息切れを感じます。心不全は起こり方や進行の速度により急性心不全、慢性心不全に分けられます。急性心不全は急に症状が起こる、たとえば不整脈・急性心筋梗塞などの疾患を含みます。慢性心不全は徐々に心機能が悪化する心筋症などが代表疾患です。また、心不全は様々な心臓疾患の病状の進行により起こる終末像であり、生命に関わる疾患の1つです。原因により心臓の機能を完全に回復することが困難な場合がありますが、治療により症状やQOL(生活の質)、生命予後(寿命)を改善させることができます。治療法として、生活療法、薬物療法、植え込み型補助装置や心臓移植を含む外科的療法があります。「鬱血うっけつ性心不全」についてこの病名は慢性心不全(心不全が長期間持続した場合)の状態を意味します。その症状は心臓ポンプ機能低下により肺や末梢組織に過剰な血液が貯まって起こるもので、一般には全身あるいは下肢の浮腫、胸水の貯留などが認められます。原因として虚血性心疾患(陳旧性心筋梗塞後が多い)、高血圧症、弁膜症、心筋症などの心臓病変以外に腎臓や内分泌臓器疾患もあげられます。患者を助けること(救命)が可能であったか短時間での心肺停止の場合、実際に家族や知人らがそばにいて直ちに救急搬送してもほとんどの例で蘇生は稀ですので、助けることは極めて困難であるといわざるを得ません。心臓死の予防は可能だろうか虚血性心疾患の三大危険因子は高血圧、糖尿病、高脂血症(総コレステロールや中性脂肪の高値)であり、これに喫煙、肥満、食事、運動不足、情動ストレスなどが加わるとされています。生前に自覚症状があった場合は、診断後の治療によって病変の進行はある程度食い止められたかもしれません。しかし、健診や人間ドックで潜在性心疾患を事前に発見できなかった場合は、その予防は不可能であったといわざるを得ません。当院が扱う事例ではこのような例が圧倒的に多く、今後の課題になっています。症状全身への血液の送り出しに関わる左心系が障害されるか、血液を全身から汲み上げて肺に供給する右心系の障害なのかにより症状は異なりますが、多くの心不全は左心障害もしくは両心障害であることが多く、以下のような症状を来します。慢性心不全では疲れやすく、動作に伴う息切れ、食欲不振、運動能力低下、頑固な咳、動悸、まれにピンク色の泡状の痰の出現、下腿浮腫、むくみを伴う突然の体重増加、夜間就寝中の呼吸困難などが徐々に起こります。また急性心不全では上記の慢性心不全の症状が突然現れ、呼吸困難のため呼びかけに応答ができない、意識がもうろうとするなどの症状を伴うこともあります。原因心不全を引き起こす代表疾患として以下のものが挙げられます。虚血性心疾患、急性心筋梗塞心不全の原因の多くを占める疾患であり、心臓の筋肉への血液供給が不足して十分な収縮・弛緩ができなくなります。高血圧血圧は心臓の収縮により作られる圧力ですが、血圧が高ければ心臓に余分な負担がかかってしまいます。最初は心肥大、つまり心臓の筋肉を厚くして対応しますが、適応できなくなり、心臓全体が硬くなり心不全を来します。心臓弁膜症心臓のポンプには血流の逆流を防ぎ、血液の流れを作るための弁膜が4つありますが、その弁が何らかの原因で障害されると、逆流や狭窄により心臓に負担をかけ心不全を来します。心筋症ウイルス感染やアルコール多飲、コカインや抗がん剤などの薬物により心臓の筋細胞が直接障害され、心機能障害を引き起こし心不全に至る場合があります。また、全身性疾患の一症状として全身性エリテマトーデス(SLE)や甲状腺疾患の1つとして現れることもあります。 明らかな原因が不明なものも多くみられ、その場合は特発性心筋症とされます。心筋炎多くは心筋へのウイルス感染が原因となり、炎症を起こすことによって心筋障害を来し心不全に至ります。先天性心疾患心腔、弁膜などが生まれつき正常でないため、心負荷をかけ、機能不全を来し、心不全に至ります。不整脈頻脈性不整脈(脈が速いタイプ)は心臓の過活動を来し、心臓に負担をかけて心不全を来します。また、徐脈性不整脈(脈が遅いタイプ)は心拍数が少なくなり、心臓より駆出される血液量が少なくなるため、心不全を来します。その他の疾患睡眠時無呼吸症候群、糖尿病、重度の貧血、甲状腺機能亢進症、肺気腫、ヘモクロマトーシス(鉄分の沈着により心筋が障害される)、アミロイドーシス(アミロイド蛋白の沈着により心筋が障害される)などの全身性の疾患が心不全の原因となることがあります。
2023年05月07日
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フリーアナウンサー岡副麻希(30)が29日、インスタグラムのストーリーズを更新。母が今月21日に急死したことを明かした。55歳だった。フリーアナウンサー、岡副麻希(30)が29日、インスタグラムのストーリーズを更新。「4月7日。母が突然くも膜下出血で倒れました。二週間後21日に旅立ちました」と母が4月21日に他界したことを報告した。https://t.co/C2A8YjZNRs— 🇺🇸 Deplorable Patriot USA (@Sukeota1) April 29, 2023 岡副は「4月7日、母は突然くも膜下出血で倒れました。二週間後21日に旅立ちました。二週間もの間、母は本当に頑張ってくれました」と母が亡くなったことを明かした。 また「金曜日に倒れたのですが、その週の前半から頭痛を訴えていたんです。だけど元々、偏頭痛があったり、花粉症がひどい時期だったので、私は耳鼻科の受診をすすめてしまいました(耳鼻科の先生を責めてるなんてことは1ミリもありません)。搬送先のお医者さんにも、頭痛=脳外科に受診とはなかなか結びつかないと言われていましたが、自分のなかで『あのとき…』という気持ちはもうどうしようもなくて」と無念の思いをつづった。 11年に一部で報じられた、くも膜下出血を患ったglobeのKEIKOの記事を目にしたことで、SNSで公表することを決めたといい「すこしでも、ひとりでも、頭の片隅に頭痛のこわさをおいてもらうきっかけとなれたらなあとおもいました」とその理由もつづった。 岡副は昨年4月、レーシングドライバー蒲生尚弥(33)との結婚を発表した。 今月5日に「お久しぶりになります。この期間、感謝しきれないほどのたくさんの愛と優しさに支えられていました。これからどんな形でかはまだわからないけれど恩返しをしていきたいと思っています。そのためにも私自身が強く生きていきます」と投稿。 そして「昨日はSUPER GT第二戦の応援へ。蒲生選手にサインをもらっちゃいました」と夫でレーシングドライバー・蒲生尚弥の前で笑顔をみせる動画もアップしていた。 「母のピット側に行きたい!というリクエスト通り、私もたのしみに用意していた第二戦のチケットだけど、ほんの1か月の間にもう会うことが叶わない存在になってしまって。まだ違和感と、ふと込み上げてくる喪失感でいっぱいになる毎日だけど昨日は予定通り行って本当によかった~。姿形はなくとも一緒に応援してた気がするよ」と前を向いていた。脳の血管に生じたコブが破裂しないままでいる状態脳動脈瘤とは、脳の血管に生じるコブ状のふくらみを指します。未破裂脳動脈瘤とは、この脳動脈瘤が破裂していない状態で発見されたもので、それ自体は無症状のことが多く、脳ドックや何らかの検査で偶然発見されることが多くなってきました。脳動脈瘤が破裂すると「くも膜下出血」が起こる脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血を発症します。過去に経験したことがないような強烈な頭痛で発症し、重症の場合はそのまま亡くなってしまうケースもあります。くも膜下出血を発症した場合は緊急で再出血防止の手術が行われますが、治療後に意識障害、言語障害、半身麻痺などの後遺症が残ってしまうケースも少なくありません。未破裂脳動脈瘤の原因高血圧、喫煙や飲酒が脳動脈瘤の発生の要因と考えられている統計的に、脳動脈瘤は中高年の女性に多く生じることが分かっています。このほか、脳動脈瘤が生じる要因には、高血圧、喫煙や過度の飲酒があります。これらは脳動脈瘤の発生のみならず破裂にもつながる因子であるため、血圧の管理、禁煙・節酒などの生活管理が大切といえます。また、くも膜下出血を発症した方の家族は通常の数倍の頻度で未破裂脳動脈瘤を有することが知られています。そのため、家族内にくも膜下出血を発症したことがある方や脳動脈瘤を指摘された方がいらっしゃる場合には、注意が必要です。なお、多発性嚢胞腎たはつせいのうほうじん*など一部の遺伝性疾患のある患者さんは、脳動脈瘤を合併しやすいことが分かっています。*多発性嚢胞腎:腎臓に嚢胞(水がたまった袋)ができることによって腎臓のはたらきが徐々に低下する病気未破裂脳動脈瘤による症状多くは無症状だが、物が二重に見えるなどの症状が現れることも未破裂脳動脈瘤があっても、その多くは無症状です。ただし未破裂脳動脈瘤のなかには、脳神経に触れることで症状が現れるものがあります。代表的なものは内頚動脈-後交通動脈分岐部にできる動脈瘤で、動脈瘤が目を動かす神経である動眼神経どうがんしんけいに触れることで、まぶたが垂れる、物が二重に見えるなどの症状が現れることがあります。これらの症状は、急に脳動脈瘤が大きくなって神経に触れてしまうことで現れます。つまり、脳動脈瘤の破裂が迫っている危険信号であるため、注意が必要です。未破裂脳動脈瘤の早期発見のために脳動脈瘤を生じる可能性の高い方は脳ドックなどの検査を受けて未破裂脳動脈瘤の早期発見のために、家族内にくも膜下出血を発症したことがある方、未破裂脳動脈瘤を指摘された方がいらっしゃる場合には、頭部MRI検査をおすすめします。また、高血圧と診断された方、喫煙や飲酒の習慣がある方も、検査を受けていただくことが早期発見につながるでしょう。近年では、脳ドックの受診によって脳動脈瘤が発見される方も増えてきています。脳ドックとは、MRIやMRA(脳血管撮影)などの画像診断の結果をもとに、脳血管疾患や発症の因子を発見するために行う検査です。脳ドックによって未破裂脳動脈瘤が発見されれば、経過観察や治療によって破裂を防ぐことが可能になるケースもあります。
2023年04月30日
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老年期の急激な体重減少は、健康悪化を伝える信号の一つだ。筋肉量の減少または特定疾患により急激に体重が減ると、生命に影響を及ぼす可能性があるので、注意しなければならない。 実際に、体重が減った高齢者ほど死亡率が高いという研究結果もある。オーストラリアのモナシュ大学の研究チームは、オーストラリア人1万6523人と米国人2411人を対象に、体重の変化が高齢者の死亡リスクに及ぼす影響を調査した。参加者たちの平均年齢はオーストラリア人が70歳以上、米国人は65歳以上で、研究をスタートした当時(2010年)、参加者は全員、心血管疾患や認知症、身体障害、または生命に影響を及ぼし得る慢性疾患を患っていなかった。研究チームは2010年から2014年まで、毎年参加者たちの体重やウエストを測定した後、測定値の変化を基準に▲5%未満増加・減少▲5-10%減少▲10%以上減少▲5-10%増加▲10%以上増加に分類した。 研究の結果、およそ4年間に全参加者のうち1256人が死亡したことが分かった。高齢男性の場合、体重が5-10%減少したとき死亡率が33%上昇し、体重が10%以上減少すると死亡率が289%上昇した。高齢女性もまた、体重が5-10%減少すると死亡率が26%上昇し、10%以上減少した場合には死亡率が114%上昇した。体重の増加と死亡率の上昇の関連性は確認されていない。 研究チームは、体重の減少ががんや認知症のような疾患を警告する信号の可能性があり、炎症やホルモンの問題による食欲減少とも関連があると説明した。体重の減少もまた、老年期の死亡リスク要因になり得るという意見だ。研究を実施したモニラ・フセイン博士は「体重が5%減少しただけでも死亡リスクが高まる可能性がある」とした上で「高齢者は体重が減少していないか随時確認し、管理する必要がある」と話している。 今回の研究は、国際的な学術誌「JAMA Network Open」に最近掲載された。
2023年04月27日
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タレントの新田恵利が、6年半に及ぶ実母の介護経験を著した「悔いなし介護」(主婦の友社)を出版した。今春に最愛の実母ひで子さんを自宅で看取るまで、なぜ後悔なく介護ができたのか、彼女自身の人生観とともにつづっている。母をみとるまで在宅介護を6年半続けた新田は、2021年に著書「悔いなし介護」(主婦の友社)を刊行。22年には、ブッチー武者が主宰する劇団ZANGEの認知症と介護を題材にした舞台「生きる」(2022年改訂版)で、上演前に介護に関する講演を行った。https://t.co/AL2CtmDsvR— 🇺🇸 Deplorable Patriot USA (@Sukeota1) April 23, 2023 新田は「本当は昨年の秋に出版予定でした。ですが、昨年の夏に母の具合が悪くなり『終末』という医師の言葉。執筆ができなくなりました。その後、母も元気になり、92歳の誕生日を迎えることができました。その時の心境や様子も本にしたためました」と語った。 骨粗しょう症を患って、数年に一度、腰椎の圧迫骨折を繰り返していたひで子さんが2014年に圧迫骨折で入院した際、自分で立てなくなり、介護保険で要介護4の認定を受け、2世帯住宅で独身の兄とともに介護生活が始まった。2016年に認知症の症状が出た。リハビリにより母親は要介護3に改善するものの、2020年夏に圧迫骨折を再発して要介護5に。新田は介護経験を自身のブログでつづるほか、企業などにも赴き、自身の経験に基づいた介護に関する講演なども多数行なってきた。「これだけ情報が溢れている現代社会なのに、介護に関しては特に自分で情報を取りにいかなければなりません。とはいえ、ネットでも本屋さんでも手を伸ばせば、すぐに届きます。目を閉じず耳を塞がず、いつか来るかもしれない介護と向き合ってほしいと思ってます」 新田は伝説のテレビ番組「夕やけニャンニャン」(フジテレビ)に出演し、おニャン子クラブの会員番号4番で一躍人気を博した。1986年に「冬のオペラグラス」でソロデビュー。おニャン子クラブ解散後もタレント、女優、執筆業、講演活動のほか、ユーチューブチャンネル「新田工務店」を展開している。タレントの山田邦子さんが、4月21日放送の黒柳徹子さんの長寿トーク番組「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に出演。88歳の母・昭子さんの介護について語った。【写真特集】山田邦子、花柄ワンピースで華やかに ネックレスもゴージャス! 山田さんは、介護が始まった時期について「3年ぐらい前。(昭子さんが)骨折して家から出なくなった。これが良くなかったですね」と振り返った。当初は8歳下の弟が昭子さんの面倒をみていたが、「さすがに24時間ずっと弟がみていたら、ストレスがたまって。心臓が痛い、熱が出る、せきが出るって変なことになった」と明かした。 そんな状況の中、山田さんは「YouTubeを頼った」という。「一般の方に『こういうような状況だけど』って言ったら、いろいろと教えてくださった」と語り、介護認定の仕組みや施設の選び方など「すごく参考になりました」とほほ笑んだ。 昭子さんから「死にたい」と言われたこともあったという。山田さんは「本当に切なくなりましたね。活発な母でしたから、これからおしゃれもできない、お出かけもできないと思ったんでしょうね」と回顧。今は昭子さんはにこにこしながら頑張っているという。 黒柳さんから「介護に大切なこと」を聞かれた山田さんは、「肉親だからこそイライラしたり、ちょっとしたことでキーッとなっちゃうんですけどね。そうしたら深呼吸。親が最後に子供に教えてくれる学習なんだなと思って。そういう気持ちで接することが大事」としみじみ語っていた。「おニャン子クラブ」元メンバーの新田恵利さんが6月25日、ラジオ番組「ひだまりハウス」(ニッポン放送)にゲスト出演。6年半にわたる母親の介護生活について語りました。【画像】介護生活中の親子2ショット 2014年に母親が要介護4と認定され、突然の介護生活が始まった新田さん。2021年3月に母親が亡くなるまで6年半の介護生活を経験しており、同年9月には介護記『悔いなし介護』を出版しています。 新田さんはこの日、うつ病や認知症について語る同番組にゲスト出演。母親は骨粗しょう症を患い、一時はリハビリで要介護3まで改善するも、要介護5になる頃には認知症を発症していたとのこと。「認知症って忍び寄ってきますよね」と認知症なのか、単なる物忘れなのか判断が難しい期間が長かったことも伝えています。 また介護生活中は母親とケンカや言い合いになることも多かったという新田さん。体の自由がなく逃げ場のない母親の立場を思い、「もう母親を責めるような言い方はやめよう」と反省してからは、母親の自由を尊重しながら明るく生活するように務めていたそうで、外出に不便を感じながらも時には外食なども楽しんでいたと振り返りました。 苦労が絶えない介護生活でしたが、「母の笑顔を見れるとがんばれる」と常に前向きで明るい母親に救われていたという新田さん。介護と仕事の両立で多忙を極める新田さんに「もう行きなさい。あとはお母さんがやっておくから大丈夫」と声を掛けたり、新田さんが苦手なクモを追い払おうと車椅子で奮闘するなど、最後まで娘思いの母親だったことを明かしています。 新田さんは現在、介護経験を活かしてシニアに優しい食器や外出着をプロデュースしている他、今春からは淑徳大学総合福祉学部で客員教授に就任し、教壇に立っているとのこと。「大学ではデータ、知識、情報は日々の授業で習っていると思うので、私は在宅介護、家族という立場からのものをお伝えできればな」と思いを語っていました。
2023年04月22日
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女性の脳卒中には女性なりのリスクがある「くも膜下出血は女性に多い。50歳になったら全身の健康チェックを行いリスクを洗い出しましょう」天野惠子先生「脳卒中」と聞くと、後遺症が残り命にかかわる怖い病気といった印象と同時に、男性に多いイメージを持つかたも多いのではないでしょうか。しかし、必ずしもそうではなく、女性には女性なりのリスクがあることを知っておく必要があります。脳卒中は脳の血管の障害で生じる病気の総称で、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3種類があります。閉経前の女性の血管はエストロゲンの作用で守られているため脳梗塞や脳出血は少ないのですが、更年期以降、男女差は徐々に縮まり、高齢になると逆転することに。高齢で発症すると当然、重症化しやすく予後が悪くなります。だからこそ50歳を過ぎた女性には、“自分の血管は自分で守る”意識と行動が必要です。女性に多いくも膜下出血。将来の健康を左右するのは今脳卒中の中でも、血管にできた瘤が破裂して起きるくも膜下出血は男性より女性に多く、60代以降の女性の発症率は男性を大きく上回ります。瘤ができるのを防ぐのは難しく、瘤が見つかったら破れないようにコントロールすることが重要です。脳卒中は何よりも予防が大事。50歳になったら脳の状態も含め全身の健康診断を行い、病気のリスクを洗い出して、生活習慣を見直しましょう。更年期からの暮らし方が20年後、30年後の健康状態を左右することは明らかです。脳卒中」は1つの病気を指す名称ではなく脳の血管の障害によって生じる病気の総称で、3つのタイプがあります。●脳の血管が詰まるか、破れるかで分かれる「脳卒中の3タイプ」脳の血管が詰まる「脳梗塞」(図①のようにさらに3つの種類に分かれる)、脳の中の細かい血管が破れて出血する「脳出血」、主に血管にできた瘤(脳動脈瘤)が破れて脳の表面近くに出血する「くも膜下出血」。高齢化に伴って患者数も増えており、処置が遅れると重い後遺症を残したり場合によっては命にかかわることもある怖い病気です。脳梗塞や脳出血の主な原因は動脈硬化や高血圧で、一般に女性より男性に多い病気です。発症年齢には性差があり、男性は50代から、女性は70代から増え始め、年齢が高くなるほど差は小さくなり、80代では女性が男性を上回るとのデータもあります。●更年期以降、糖尿病、高血圧など生活習慣病がリスクに。女性の生涯における脳卒中の危険因子高齢での発症が多いことは、重症化しやすく発症後の死亡率も高いことを意味します。図②のように女性には生涯を通じてさまざまなリスクがあり、更年期以降は特に血糖値と血圧のコントロールが重要です。将来の脳卒中予防は50歳での健康診断と生活習慣の改善から脳梗塞の主な要因である動脈硬化は、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病によって進行します。閉経前の女性は、女性ホルモン・エストロゲンの働きでこれらのリスクから守られていますが、更年期以降は自分自身の心がけで動脈硬化を防がなければなりません。50歳の節目に健康診断を受けて体の状態を総チェックし、リスクに応じて食事や運動など生活習慣の改善にとりかかりましょう。これが将来の脳卒中予防のために今できる最善の方法です。不整脈を感じたら受診を心房細動が原因の脳梗塞が増えている心原性脳塞栓症は、心臓の血管にできた血栓(血の塊)が血流に乗って脳に運ばれ、脳の血管を詰まらせる病気。女性に多く、最近増えている脳梗塞です。心臓の血栓は心房細動(心房の収縮が不規則になり細かく震える不整脈)で生じやすくなります。動悸や脈の乱れを感じたときは受診し、定期的に心電図などの検査を受けましょう。薬で血栓を予防することも可能です。くも膜下出血の主な原因は「脳動脈瘤の破裂」。瘤ができやすい体質があるくも膜下出血は脳の表面に近いくも膜の下に生じる出血で、80~85パーセントは脳の血管にできた瘤(脳動脈瘤)が破裂して起こります。脳卒中の中でも死亡率や重い後遺症を残すリスクの高い病気です。人種的にも日本人は多く(人口10万人あたり22.7人)、血管に瘤のできやすい体質があるため家族に既往歴のある人は特に注意が必要です。典型的な症状は激しい頭痛、意識障害、嘔吐ですが、頭痛をほとんど感じない場合も少なくありません。
2023年04月12日
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米国では4,000万人以上の成人が不安障害を抱えていると言われている。不安障害になる要因は、遺伝や虐待、愛する人の死、長引く病気、トラウマとなるような経験などさまざまだ。不安症は一般的に、“実際には脅威ではない状況での持続的で過剰な恐怖や心配”と定義されるが、いくつかの異なるカテゴリーに分けられる。―全般性不安障害:日常生活に対する恐怖や広範な不安。―社会不安障害:他人と接することに不安を覚え、間違ったことを言ったりやったりして、そのことで他人に批判されるのではないかと常に心配する。―恐怖症:犬、細菌、飛行機、高所、人混みなど、特定の誘因に対して不合理な恐怖を感じてしまう。日常生活をほとんどスムーズに送れている(つまり、“高機能”している)場合、これらのどれもが「高機能不安症」とされる可能性がある。高機能性不安症の場合、外見を保ちながら内面的な葛藤が続くため、通常の不安症以上に苦痛を感じることも。SNSのプロフィールや人間関係など、完璧な外見を保つために奔走する一方で、内心では、すべてが崩れてしまうのではないかと常にパニックに陥っているのだ。オンラインのメンタルヘルスのカウンセリングサービス「Wellness Path Therapy」の設立者で臨床心理士のジョシュア・マギー博士は、「不安がすべてを包むようになり、極めて高い基準を守らなければ、失敗がすぐそこにあるように感じられるようになってしまうのです」と述べている。以下、不安症に陥っている場合の兆候について見ていこう。周りからみて何の問題もないように見えても、あなた自身が次のような変調を感じているなら注意が必要だ。【兆候・その1】不安が頭から離れない「これは一日の多くをただ同じ考えが頭の中をぐるぐるめぐっている状態です」と語るのは、『The Power of Different(原題)』の著者でワイル・コーネル医科大学のニューヨーク・プレスビティリアン病院で臨床准教授を務める精神科医のゲイル・サルツ医学博士だ。この小さい吹き出物が癌だったらどうしよう、上司に自分が何をしているのか分かっていないと気づかれたらどうしよう、地震やパンデミックが起きたらどうしよう......など、一日の大半を不安な考えで過ごしてしまう。【兆候・その2】身体的症状が現れている不安症は体に悪影響を及ぼし、疲労や痛み、筋肉の緊張、さらには下痢などの胃腸の問題を引き起こす可能性がある。「胃に穴があいてしまう人や食べ物をうまく消化できない人もいます」と『Get Out of the Red Zone(原題)』の著者である心理学者エリザベス・ロンバルド博士は語る。「頭痛や不眠を訴える人もいます」【兆候・その3】神経が尖っているこれは極度の緊張状態の継続を指す。「心臓の鼓動が速く、汗をかいているように感じるかもしれませんし、人によっては、誰かに驚かされたような感覚と表現するかもしれません」とサルツ医師。【兆候・その4】集中できない最近どんなに集中したくてもすぐに気が散ってしまう、と感じているなら注意した方が良いかもしれない。【兆候・その5】周りにイライラしてしまうパートナーや子供と接するとき、ちょっとしたことでイライラしてしまうのも不安症のサインの一つだ(そして彼らは、あなたがどんなに勇敢で平気そうな様子でも、物事が実際には全然大丈夫でないことに最初に気づくかもしれない)。【兆候・その6】パニック発作が起こる動悸、息切れ、胸の痛み、発汗などを伴い、突然発症することがあるパニック発作は不安症と関連する。「気が狂いそうになったり、死にそうになったりしますが、10~15分程度で治まります」とサルツ医師。いったん回復しても、いつまた起こるのかという恐怖にさいなまれることになる可能性がある、と彼女は付け加えている。高機能不安症とそのほかの不安症の違い結論から言えば「高機能不安症」とは、不安障害にその人がどのように対処しているかを表現したものに過ぎない。しかし、典型的な不安症と少し違うのは、高機能不安症の人は、不安症の原因である困難を避けるのではなく、正面から向き合っていることだとマギー博士は言う。「一般的に不安は、不安にさせているものを避けたいという強い衝動を伴います。私たちは、自分が嫌な気分になるようなことはしたくないと思う傾向があるのです。しかし、高機能不安症では、病欠したり、仕事がいかにストレスフルかを他人に話したりするのではなく、自分にとってストレスとなる状況を我慢している場合が多いのです。また、高機能不安症の人の中には、自分の改善すべき点に集中するあまり、セルフケアやリラクゼーションの時間をとらないという悪習慣を身につける人もいます」
2023年04月09日
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