私らしくナマステ

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【産後の手当】



【1編;産後の手当】
 ネパール人の友達が女の子を出産した。
彼女は病院で産んだのだが、一泊しただけで母子ともに元気で退院した。
さっそく私は、彼女と赤ちゃんのお祝いに駆けつけた。
赤ちゃんは丁度5日目、口元にふれる物を吸うしぐさは、息子の時を思い出させる。
まもなくして中年の女性が訪ねてきた。
ネパールでは出産後、産婦は2カ月、赤ちゃんなら6カ月、毎日オイルマッサージをする習慣がある。
その女性はマッサージのために来たのだった。

見知らぬ産婦なら外国人の私に肌を見せるのは抵抗があるかもしれないが、友人は快く私にその場を見せてくれた。
オイルは、菜種油で朝夕2回、たっぷり使う。
最初、彼女の頭にベトッと塗り、そのあと全身マッサージをする。
産後の傷の痛みを和らげるには、足のマッサージがいいらしく、彼女は「身体が温かくなりとても気持ちよくなるよ。」と話してくれた。
ゴックン!
そばで見ていると手先が肌の上をなめらかに、そしてしなやかに動く。
「なぜ、オイルを塗るの?」
私の単純な質問に、マッサージ師の女性は
「出産で毛穴が全部開いてしまうからオイルでふさぐのよ。」

彼女はどうやら産婆さんでもあるらしい。
ネパールでは、自宅で産む場合、和式トイレのスタイルか、前屈みで立て膝の姿勢をとるといってポーズをとって見せてくれた。
 そんな話をするうちに赤ちゃんのマッサージにとりかかる。
はだかにして全身くまなく関節の動きに逆らわず手が動く。
マッサージ師の母親も同じ仕事をしていて、すべて母親から学んだという。
「生まれてすぐに、赤ちゃんが泣かなかったらどうするの?」
「出てきた胎盤を火の近くで暖めると必ず泣くよ。」
この話は友達も初めて聞いたらしく驚いていた。もちろん私も。
今日は初めて赤ちゃんの眼瞼に薬草の入った黒のアイシャドーを入れた。
全てが生活の知恵なのだ。
この国では。

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