おもてなしのこころ で綴る ≪かいごのごかい≫シリーズ

おもてなしのこころ で綴る ≪かいごのごかい≫シリーズ

2012年01月02日
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アメリカのある病院の病室に7人の患者が入っておりました。

彼らは、死の宣告...を受けた患者たちで、
自力では歩けない末期症状の者たちばかりでした。

その病室は細長い形の病室で、横の壁の一番奥の方に、小さな窓がありました。

そして、一番奥の窓際のベッドからのみ、その窓の外が見えるのでした。

窓際のベッドに寝ていたのは、ジミーという男でした。
ジミーは毎日、窓から見える外の光景を、
他の患者たちに語って聞かせるのでした。


チョウチョウも飛んでるよ。」
「おーい、みんな、今日は子ども達が遠足だよ。
みんな楽しそうだなー。あっ、手をつないでる子もいるよ。かわいいなあ。」

死を待つばかりの患者たちにとって、
ジミーが教えてくれる外の様子だけが、唯一の楽しみでした。

そんな中、一人だけ心がすさんだ男がいました。
入口から2番目のベッドに寝ているトムという男です。
「ジミーのやつ、いつも外の景色を独り占めしやがって。」

ある朝、みんなが目覚めてみると、
窓際に寝ていたはずのジミーがいません。

夜中のうちに、ジミーは亡くなったのです。

「俺を窓際のベッドに移してくれ」と看護師たちに頼みました。

しかし、看護師たちが顔を曇らせて、頼みを聞いてくれないので、
トムは声を荒げて怒鳴りました。

そこで、看護師たちは、仕方なくトムを窓際に移すことにしました。
移してもらう間、トムはこう思いました。

俺は、お人好しのジミーのように、みんなに話してなんか聞かせないぞ。」

そして、窓際のベッドに移され、窓の外に目をやった瞬間、
トムは愕然としました。

窓の外に見えたのは、公園でもチューリップでもなく、
隣のビルの灰色のコンクリートの壁だったのです。

トムは一瞬にして、すべてを理解したのです。
「そうだったのか!ジミーは、俺たちの心を励ますために、
この灰色の壁を見ながら、外の世界を想像して語ってくれてたんだ。」

その日からトムは、ジミーに負けないくらい想像力を働かせて、
外の光景をみんなに語り続けたのでした。


作成: 岡野 豪中村 博子さんも岡野 豪さんの写真をシェアしました。
ウォールの写真

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最終更新日  2012年01月02日 19時40分02秒
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