2026年08月08日
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カテゴリ: OPERA




佐藤正浩プロデュース/いずみホール・オペラ2026
J. マスネ:《ウェルテル》 全4幕 演奏会形式/フランス語上演・字幕付

2026年8月8日(土)開演 14:00
住友生命いずみホール

佐藤正浩(プロデュース/指揮)

ウェルテル:宮里直樹
シャルロット:池田香織
アルベール:甲斐栄次郎
ソフィー:石橋栄実

ジョアン:内山建人(バスバリトン)
シュミット:岡村武琉
ケートヒェン:久光美早紀
ブリュールマン:磯本龍成

ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団
岸和田市少年少女合唱団

***

いずみホール大阪「ウェルテル」

フランスオペラを得意とする指揮者、佐藤氏が手がけた
住友生命いずみホールのフランスオペラシリーズの第二回目はマスネの傑作オペラ「ウェルテル」
題名役に当代随一のウェルテル役と言えるリリック・テノールの宮里直樹を迎え、

とにかく超パワフルかつ美声で圧倒的であった。
注目のアリア 春風よなぜ目覚ませるのか の高音のAis(A#)(=B(B♭))音2回も完璧 伸ばさせ過ぎず
品よく締める指揮者との阿吽の呼吸もすばらしい
二重唱他でもAisがあったかな(最高音は第2幕のH音)
 ※以上の高音はスコアと コチラ
カーテンコールでは怒涛のブラボーコールが飛んでいた。

シャルロッテは池田香織さんで
ノーブルで深みのある声で知性的なシャルロッテを造形。
役に入り込んでの(涙を流しながらの?)熱演だった。

主役の二人だけでなく
ソリストは全員パワフルで
満足感の高い公演となった。

安定感のあるリリックバリトンの甲斐さんの美声もすばらしい。

ジョアンの内山さんがすばらしいバスバリトンだった。深く響く声ですばらしい😃

指揮の佐藤正浩さんはアリアですら拍手を挟ませず
音楽を切らずに進行した。
まあ確かにそういう音楽作りもあるだろうが
コンサート形式なのだから鷹揚に2つの名アリアぐらいは拍手させても良かったかもしれないが、作曲者の「ワーグナーを意識」したという意図を汲んだ指揮者の采配は作品の本質を浮かび上がらせたものであった。

オケの演奏はすばらしかった。



***
Werther : Role and Voice type

Charlotte, aged 20 mezzo-soprano
 Fach: Lyrischer Mezzosopran / Spielalt

Sophie, her sister, aged 15 soprano
 Fach: Lyrischer Sopran  lyric soprano
  Range: From about B below middle C (B3) to the C two octaves above middle C (C6)

Werther, a young poet, aged 23 tenor

AI による概要
In the opera world's Fach (vocal classification) system, the title role of Jules Massenet's opera Werther is traditionally classified as a lyric tenor (or lyrique), though historically and practically it bridges different vocal weights.
 オペラのファッハ(声楽分類)制度では、ジュール・マスネのオペラ『ヴェルテル』の主役は伝統的にリリックテノールに分類されますが、歴史的にも実際的にもさまざまな声の重さをまたぐ役です。

Vocal Characteristics and Range 
 Voice Type: French Lyric Tenor / Spinto Tenor
声の特徴と音域
 声のタイプ:フランスのリリックテノール/スピントテノール

Vocal Range: G♭3 to B♭5 
 (with prominent high notes like A-flat and B-flat in famous numbers like "Pourquoi me réveiller")
 声域: G♭3 から B♭5まで(「Pourquoi me réveiller」のような有名な曲では、A♭やB♭の高音が目立つ)

Tessitura: High and demanding, requiring sustained lyrical intensity
 音域:高くて難しく、持続的な歌の強さが必要

役のファッハの進化
主要な意図:マスネはもともと、この役をベルギーのヘルデンテノール、エルネスト・ヴァン・ダイクのために、より重くドラマチックな形で作曲しました。彼は『トリスタン』や『ジークムント』のようなワーグナーの役で有名でした。

現代の標準:現在、この役は主により軽やかなリリックテノール(ベンジャミン・ベルンハイム、フアン・ディエゴ・フローレス、ハビエル・カマレーラなど)が歌っており、フランスのレパートリー特有のエレガントでメランコリックなフレージングを活かしています。しかし、より重めのスピントやドラマティックなテノール(ヨナス・カウフマンのような)も、この役に挑戦でき、あるクライマックスの密なオーケストレーションに合わせて、暗く豊かな色合いを加えることができます。

バリトンの選択肢:マスネ自身も後に、この役をバリトンのマッティア・バッティスティーニ用に移調して準備しており、キャラクターの感情的重みをどう“声”で表現するかに関して、歴史的な柔軟性があったことを示しています。

 以上AIによる概要。

Albert, betrothed to Charlotte; aged 25 baritone
 Fach: Lyrischer Bariton / Spielbariton

Le Bailli, Charlotte's father; aged 50 bass
Schmidt, a friend of the Bailli tenor
Johann, a friend of the Bailli baritone
Brühlmann, a young man tenor
Käthchen, Brühlmann's fiancée of seven years mezzo-soprano

Children of the Bailli – Fritz, Max, Hans, Karl, Gretel, Clara children's voices

Inhabitants of Wetzlar, guests, servants; off-stage women's and children's voices
(今回なし)

***
第1幕

 演奏会形式。
 パイプオルガンの下のスペースに児童合唱団
 ソリストのスペースはその真下。つまりオケの後ろ。
 主要な役はすべてこのスペースで歌う。
 オケに近すぎる座席を選んだのでソリストのお顔がほぼ見づらくて難儀した。
 演奏会形式ではいつもこの罠にはまってしまう。
 前だからいいやと喜んでいると地獄を見る(笑)
 ここは初めて来た会場だがすばらしいホール。とても小ぶりでヨーロッパの中劇場のようにインティメイトでよい。
 このサイズの劇場でないとオペラなんて本来楽しめない。

***

 夏。

 大法官が子供たちに歌のレッスンをさせるが、最初うまくいかない。
 大法官がシャルロットの名前を出すと子供たちは美しく歌う。

 シュミットとジョアンが冷やかしにやってくる。
 二人ともすばらしい。
 シュミットはリリックなテノールで、高音域が美しい声。
 ジョアンは立派な深い声でたちまち魅了されてしまった。東京でもぜひ歌ってほしい。

 案内してもらったウェルテルが到着する。

 ありがとう

 と(存在しないけど)案内人に言う

O Nature, pleine de grâce
♪ここが大法官の家ですか?~おお、恵みに満ちた自然よ!
ウェルテル

Werther:
Alors, c’est bien ici la maison du Bailli?
O nature, pleine de grâce

この役は高音で爆発的なパワーを出す必要のある役です。
宮里さんの声にはぴったりの役。

「子供たちの声だ!」

ウェルテルは姉のシャルロッテと散策に出かけます。

シャルロッテの許婚(いいなずけ)アルベールが戻ってきます。

ソフィーだけが迎える。

アルベールのアリア
Quelle priere de reconnaissance

アルベールはバリトンの役です。アルベールのFach はリリック・バリトンです。まじぴったりやん!高貴で出過ぎない歌唱に品位を感じます。

ゾフィーの石橋さんすばらしいはリリックソプラノでパワフル。予習した段階ではゾフィーに要求されるのは軽やかで小鳥のような声でシャルロットとの声の対比が必要なのではと思っていたが、Fach設定はずばりリリック・ソプラノだった。やはりマスネはワーグナーを意識していたのか。

ウェルテルと散歩しているシャルロッテ。
ウェルテルはすっかりシャルロッテに熱を上げている。

シャルロッテは亡くしたばかりの母親の影に支配されている。母親が望んだとおりの結婚をし、安定した人生を送ること、孤児たちの世話をしっかりすること、などを自分の責務と感じ、苦悩している。「若きウェルテルの悩み」は18世紀後半の時代設定なのです。

Charlotte:
Il faut nous séparer.

Werther:
Les étoiles et le soleil peuvent bien dans le ciel tour
à tour reparaître, j’ignore s’il est jour...
j’ignore s’il est nuit!

Charlotte:
Mais, vous ne savez rien de moi.

ヴェルテルとシャルロッテの愛の語らい
シャルロッテは母の死から立ち直れていない

Werther:
Rêve! Extase! Bonheur!

君はこの世でもっとも美しい!

ここでシャルロッテの理性が働き、急ブレーキをかける

追い打ちをかけるように、アルベールの帰還を知らせる声。

アルベールって?

結婚するの

ウェルテルは打撃を受ける

Werther:
Un autre! son époux!

ヴェルテル:アルベール!彼女の夫だ!

僕は死ぬよ

第2幕

 9月の日曜日。
 シュミットとジョアンは酒を飲みながら「バッカス讃歌」(Vivat Bacchus!)を歌う。この歌唱はオーケストラの前(指揮者の横)で演じられる。(クロップシュトックも同じ位置で歌った)
 パイプオルガンの音。
 日曜日の礼拝。

シャルロッテとアルベールが結婚して3カ月たった。

アルベールは妻に自分が彼女を幸せにできたのかどうか聞いている。

信心深いシャルロッテ。
長女の重荷に縛られている彼女は本心を隠し、自分でもそれに気付かないまま無理して生きている。

夫妻は教会に向かう

見つめていたウェルテル。
嫉妬で激情にかられて歌う。

Un autre est son époux!
♪他の男が彼女の夫なのだ!

Werther:
Un autre est son époux!

C’est moi! c’est moi... qu’elle pouvait aimer!

ヴェルテルは愛を確信しているのに彼女は人のものなのだ

テノールのすばらしい熱唱

アルベールが来る。
アルベールはウェルテルが自分の妻のことを結婚前から思っていたことを感じ取っている。
おとなの分別を要求するアルベール。

ウェルテルは彼の疑念を払うように自分にはそんなつもりはないことを言う。

Sophie:
Frère! voyez! Voyez le beau bouquet!
♪お兄様、見て!この綺麗な花束を!

ソフィーが花束を持ってやってくるが、ウェルテルは落ち込んだ気分である

ゾフィーが屈託なく歌う。

Du gai soleil, plein de flamme
♪明るい太陽
ソフィー

Werther:
Ai-je dit vrai?
僕は真実を語ったのか?

もうここから立ち去りたい。

シャルロットが教会から出てくる
その姿を見てウェルテルは

Partir? Non!
いや無理だ

ウェルテルはシャルロットに出会った日の思い出を語る。

Werther:
un suprême rayon qui semblait un sourire...
sur notre émoi silencieux!
まるで微笑のように見える最高の光線が…
私たちの静かな感動の上に!

シャルロット:夫は私を愛してるの。

ウェルテル:君を愛さない男がいるだろうか?

シャルロット:じゃ遠くに行って。

 …でも帰ってきて。クリスマスに。

シャルロットは去る。

シャルロット:A la Noël!

ウェルテル一人

Werther:
Oui! ce qu’elle m’ordonne...
pour son repos... je le ferai!
そうさ!彼女が命じることなら…彼女の安らぎのためなら…やるよ!
永遠の休息…

ヴェルテルは絶望感を強め、自殺の暗示を歌う。

Lorsque l'enfant revient d'un voyage
♪子供が旅から戻る時
ウェルテル

Werther:
Père! Père! Père

悲痛な叫び

Appelle-moi!
父よ、僕を召してください

ここの最高音はウェルテルのアリアの中でもっとも高いH(=高いシ)が用意されています。(アルフレード・クラウスで確認)(Pourquoi me réveillerの最高音はB(Ais))

ソフィーが声をかける。

Sophie:
Mais venez donc! le cortège s’approche,
さあ来てよ!行列が近づいてるわ

ウェルテル:
もう行くよ。二度と戻ってこない

唐突に去ってしまったウェルテル
ゾフィーは泣く

アルベールは確信する

Il l'aime!
あいつは妻を愛してるんだ…

 この表現もすばらしい甲斐さん!彼の妻への猛愛を確信し愕然として独り言を言うように歌った。さすが!❤

第3幕

 クリスマスイブの夕方

シャルロッテひとり。ここはシャルロッテの見せ場です。

もう自分の心に嘘がつけなくなったシャルロッテ。

♪僕は、自分の小さな部屋であなたに手紙を書いています
「手紙の歌」
シャルロット

Werther! Werther!
Qui m'aurait dit

ウェルテルからの自殺を暗示する不吉な手紙を読む。

取り乱して感情を爆発させ圧倒的パワーで歌う。

tu frémiras!

拍手がぱらついたが指揮者は待つことなくすぐに次の音楽へ。

ゾフィーが来る。

ごきげんよう、お姉さま!

動揺している姉。

Va! laisse couler mes larmes
いいの。涙を流させてちょうだい。

ソフィーは実家に来るように姉を誘う。

妹を抱きしめ送り出す姉

ゾフィーが帰る。

シャルロット:
Seigneur Dieu!
神様!

そして…

僕だよ。
Oui! c'est moi!

シャルロッテは自殺を仄めかすウェルテルの気を変えさせようと彼が翻訳していたオシアンの詩を渡す

僕の心の全てがここにある。

Pourquoi me réveiller, ô souffle du printemps
春風よ、なぜ私を目ざめさすのか? 「オシアンの歌」
ウェルテル

Ais(A#)(=B(B♭))音2回 長く伸ばす。

すばらしい!

シャルロットはウェルテルの胸に抱かれる

ああ!私は!私は、あの人の腕に!

シャルロッテはウェルテルを拒絶しいなくなる

ウェルテルの絶望

誰もいない部屋に帰ってくるアルベール

シャルロットが戻ってくる。

アルベールはきつくシャルロットを詰問する

そこに手紙が

「銃を貸してください」

アルベールは氷のような冷酷さで銃を届けさせるようシャルロッテに告げる

シャルロッテは追いかける。

間に合いますように…

第4幕

暗い中、雪が舞い散る(照明で表現)

銃声。

ウェルテル!... 誰もいない!

駆け付けたシャルロッテは許しを乞う

瀕死のウェルテルは誰も呼ばないように言う。

私も、ウェルテル、そして私も、あなたを愛しています!

シャルロットはウェルテルに口づけする。

ノエルを喜ぶ子供たちの声

 本来は裏歌の設定だがソフィーがしもて上部のバルコニーに現れて歌う。最後の高音はアクートで歌った。この音は弱音で聴かせるのかと思っていたのだが、スコアを見ていないので正しいことはわからない。いずれにせよ主役2人の背景になるべき歌が、ステージ上部で強力に歌うので目立ってしまった。

ああ!目を閉じる!

ウェルテルは自分のお墓のことを話す

ウェルテルは息絶える

***

Related link:

 2009年11月01日  大野和士凱旋!リヨン国立「ウェルテル」日本公演 Part1
  ※バンジャマン・ベルネームがシュミット役

 2021年10月18日  宮里直樹テノールリサイタル





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最終更新日  2026年08月09日 14時51分45秒


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