久々に長編小説を一気読み。百田尚樹「海賊とよばれた男」。
上巻「380」ページ、下巻「362」ページなので、一気に700ページ読んだ勘定。アマゾンで「「ならん、ひとりの馘首もならん!」異端の石油会社「国岡商店」を率いる国岡鐵造は、戦争でなにもかもを失い残ったのは借金のみ。そのうえ大手石油会社から排斥され売る油もない。しかし国岡商店は社員ひとりたりとも解雇せず、旧海軍の残油浚いなどで糊口をしのぎながら、逞しく再生していく。20世紀の産業を興し、人を狂わせ、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。その石油を武器に変えて世界と闘った男とは--出光興産の創業者・出光佐三をモデルにしたノンフィクション・ノベル、とあるがマサニその通りの波乱万丈の人生が描かれる。
一番心に残ったのは、国岡鐵造の恩人「日田重太郎」の言葉、「絶対に諦めるな。もし失敗をしてすべてを失えば、一緒に乞食をしようじゃないか」。国岡鐵造は様々な窮地に陥りその度に恩人がなぜか登場するが、その恩人の中でも日田重太郎は格別な存在。このように「一緒に乞食をしてくれる」まで信頼してくれる人との出会いが人生の一隅を照らすんだと感じ入りました。「至誠にして動かざるものは未だこれあらざる也」。吉田松陰のこの言葉も国岡鐵造の人生の荒波の数々にピッタリ当てはまります。盧溝橋事変をはじめとする日中戦争、第2次大戦、朝鮮戦争の歴史も詳しく学ぶことが出来ます。山崎豊子の「不毛地帯」と合わせて読むと理解が深まりそう。青春小説に欠かせない切ない想いは、最初の妻「ユキ」との共に生きた日々、断腸の想いで別れた件が胸に迫ります。今でも残ってますが、「跡取り息子」を産めぬ妻の切なさ。イギリス軍に拿捕される懸念のあるイラン、アバダンへの船出にタンカー「日章丸」船長、新田と鐵造のやり取りはサムライの立ち合いを想わせる。百田尚樹の時代小説「影法師」の一節のように感じた次第。お奨めの一冊(二冊)です。
夜はまたまたママ飲み会でお出かけ(3週連続!!)なので、夜はパパ、翔子ちゃん、ユウ君でこれまた2週連続、徒歩2分のイタメシ屋さんへ。パパはイタメシ屋さんのお供に「海賊とよばれた男」下巻を。上巻はおじいちゃんのお墓参り(お墓掃除)の往復で読み終えました。ユウ君はいつもの「ボンゴレロッソの生タリアッテレ(Tagliatelle)」の1.5倍盛り。翔子ちゃんは先日「チューボーですよ」で永山絢斗氏(瑛太の弟)が作っていた「サーモンクリームパスタの生パスタ」1.5倍盛り。
バチカン宮殿 システィーナ礼拝堂 の傍のイタメシ屋のギャルソンに「何でローマに来たのにカルボナーラを注文しないのだ」と言われてカルボナーラを頼まされたことを思い出しました。その時のカルボナーラは上に乗った半熟卵の具合が絶妙で確かに美味しかったです。 日本カルボナーラ愛好会 によると、本場物のカルボナーラは、1.クリームを使わない、2.ベーコンではなくパンチェッタを用いる、3.チーズはパルミジャーノ・レッジャーノ若しくはペコリーノ・ロマーノを用いて作ったパスタ、だそうでシスティーナ礼拝堂の真横で食べたカルボナーラのレシピはまず間違いなくこれだったでしょう。家の傍のイタメシ屋さんもベーコンではなくパンチェッタでした。
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