TDSの待ち行列で読む御伴に持って行った2冊の本を読了。「別れる力 大人の流儀3」、「世界から猫が消えたなら」の2冊。
1冊目の「別れる力 大人の流儀3」は伊集院静の「平成版:男の作法(池波 正太郎)」。
アマゾン等の書評で「女子供を馬鹿にした偏屈老人(伊集院静)の戯言で不愉快」というのも多い。「男の作法」が沁み入る読者でないと面白くないか。志ん朝の言う「粋」や「洒脱」が良く感じられない向きには通じないかも知れないが、死語になっている「大人のダンディズム」満載。パパも「大人の美観」として「かくありたい」と思わせる、落語の枕的な話が多い。伊集院静は「自分が立派な大人である」と声高に叫んでいることはなく、自分はギャンブル好きの、女好きの、怠惰でどうしようもない人間であるが「大人の美観」で物事を決めている、判断していることは自負している。自分より「粋」で「洒脱」で「優しい」大人はおでん屋「Oぐ羅」の女将、立教野球部同期の元巨人選手だった、うどん屋の大将や数多居ることも素直に告白している。「男の作法」が好きなパパには読後感は良し。『ええかっこしい』伊集院静は鼻持ちならぬ生意気なオッサンではあるが、無頼派でテレビに出ると話は面白く憎めない。多分彼の持つ矜持が放つ魅力。
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