なかなかセンセーショナルな題名。「友達はいらない」の趣旨は「TwiteerやFacebookで繋がっているだけの意味のない、友達はいらない」の意で「目的Orientedな環境下で様々なSkill-Setを持つ人材が集まり、時に人が必要な場面で入れ替わる、期限付きのプロジェクト的な人の結びつきは必要。責任の所在は常に明確にして、目的が達成出来ない場合はプロジェクトは即時解散」と言い切っている。要するに、「TwiteerやFacebookで繋がっている人数の多寡を競うのではなく、自分のやりたい夢、事業のために人脈を作り、その目的のためのゲゼルシャフトとしてTeam Buildingしましょう!」あたりか。
前提知識として、瀧本氏の著作「僕は君たちに武器を配りたい」は読んでいないと一部チンプンカンプンになる。「僕は君たちに武器を配りたい」のエッセンスをまとめると「これまで新卒で入ればその会社、組織で退職までのスキルで生き残れたが、もはやそれは幻想。すぐにAsian Pacificの新興国でその仕事は奪われる、Commodity(安く買いたたかれる)Skill Setしか、彼、彼女に残らない。そんなRiskまみれの現状維持に甘んじないで、自分の嗜好、世の動静を予測してBlue Oceanを探し、そのBlue Oceanで生き残れるSkill Setを身に付け、人脈を作っていこう!」ということ。Blue Oceanの詳細は、Peter Ferdinand Druckerの著作を読みましょう。まあ、2冊の本はほぼ同じことを言っており、首尾一貫している。本作は、チームのありかたを著者自身の経験したチームである投資エンジェルの設立、運営や東日本大震災の際の「人工透析」が必要だった方を救済したチームを例に説明し、裏付けている。
そのための方策は「出来るだけ努力して、有名中学、高校に合格して、一流大学に合格し、よい人脈を築き易くすること」、「夢を大きく持ち、リスクを恐れず先を考えた目標を持ち、志を共有できる仲間と目標に向かって進んでいく」。これでは誰にでも出来るものではなく、特定の出来る人への方策だけで出来ない人には方策になっていないような所感を持った。しかし、それ以上を求めるのも無理があるので、リスクを取って出来ないならば従来型の社畜に甘んじるしかないというところか。新卒として入社しても、定年まで同じところに勤められない(もしくはCommodityとしていつでもアジア新興国の労働力同等の安給与に甘んじざるを得ない)というパラダイムシフトの中で各自にこのような覚悟を、特に若い読者に求めているのが著者の趣旨であろう。
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