今は昔、大昔、村のお庄屋がお伊勢参りに行きました。それは口実。
男性はお伊勢様より帰りが目当て、色町でお女郎さんと遊ぶのです。
相方女郎を一目ぼれ、すっかり気に入り大枚積んで落籍せます。
村へ連れ帰り本宅と歩いて行ける観音様のお堂の近くに別宅新居。
やがて身ごもり、母親似の可愛い女の子が生まれます。肩身が狭い
お妾暮らしながら小さい幸せの日々が続きます。時は容赦なく過ぎ
杖とも柱とも頼むお庄屋さんが逝って終います。後に残った母、娘は
跡目相続したお庄屋の息子に別宅追い出され哀れに思った村人達が
観音様のお堂守に住まわせて、村の歩きに使います。歩きとは?
電話も郵便も無い時代に村の行事や祭りの連絡、寄り合い(集会)の
お知らせを世話役宅に文字通り歩いて伝える用務員さんです。
観音さんの供物のお下がりと奇特な情け深い村人の心づけで糊口を
しのぎ娘は美しく成長します。そして母親残して街に働きに出ます。
美貌。御曹司に見初められ、相手のご両親ご親戚、縁者猛反対の中
強引に押し切り結婚です。条件は嫁の生母は婚家に出入り禁止です。
暫らくして育った生活環境の相違と価値観の違いで神経を患います。
田舎の母の元へ帰ったところが意地の悪い事に?妊娠発覚です。
月満ちて生まれた子が除籍はされても父親からの送金で細々ながら
母、娘、孫の女所帯でどうにか日々を過ごします。娘の離婚直後に
父親は名家から後妻を迎えます。此れで母、娘と2代に渡る妾です。
孫娘も祖母、母に似て、綺麗に成長、年老いた祖母、病む母を残して
街へ旅立ちます。以後消息不明。祖母死亡、帰郷無し、母は墓建立。
母、看取る人も無く病院で失意のまま寂しく死亡。弔いは村の世話役。
清姫も今年79歳になり、そろそろ人生の黄昏です。でも望郷の念は
一切無いです。今年の盆に観音さんの孫娘と何十年ぶりで再会です。
年老いても観音さんの孫娘は変わらず奇麗で垢抜けていたそうです。
今は中京都市で暮らしているそうです。ぽつりぽつりと問わず語らず
話した内容は結婚は1回も無し、不倫やら愛人暮らしも数知れずで
今も男性の庇護を受け愛人生活で祖母や母の菩提供養出来る事に
なり帰郷したのです。でもパトロンは別に若い愛人が出来て生活費も
振り込み、途切れがちだそうです。女の色香も年齢には勝てません。
親子3代お妾暮し、氏より育ち?此れも因縁、宿業、悪縁でしょうか?
生まれ故郷には帰る観音さんは立て替えられ昔の様に炊事は不能。
残ってるのは母の建立した小さな墓碑のみです。何処かで逝っても
ここへは帰れるのでしょうか?疑問です。無縁仏墓地が待ってます。
我今見聞得受持願解如来真実義

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