人生必昇

人生必昇

貧乏学生アテネ五輪観戦旅行7日間(後半)

四日目


●勝った中国に対して
起きた後はネットカフェで時間をつぶした。今日は再びタツさんと女子バレーを見に行くことになっていた。今日は準々決勝で相手は中国。優勝候補だ。僕らの席は前から3列目で、かなり間近で試合を観戦することができた。
この日は精一杯応援した。近くには中国人応援団。しかし、実にマナーが悪い。前の席が空いているとなればチケットとは関係なく最前列の席を陣取る。サーブが始まってからもいつまでも声を出し日本に対してブーイングし、床をドンドンと踏み鳴らす。負け時と必死で声を出した。しかしどうも他の日本人客の応援コールが小さかったので、タツさんと手分けして
   「もっと声だしましょう」
と呼びかけて声を出した。この日の試合を見た人で、サッカーのような男のニッポンコールを聞いた人、あれは僕らの声です。
 結局試合は3-0で日本の負けだった。それでもとても嬉しいことがあった。僕らの後ろに座っていたトルコ人や近くのフランス人、アメリカ人が一緒になってニッポンコールをしてくれ、供に応援してくれた。しかも後ろのトルコ人は僕がアメリカに留学していた大学のそばの高校の先生・生徒だった。このうちの一人とは後にトルコで食事することになる。しかし世界は狭い。
 試合後、僕は中国人に「おめでとう、次も頑張ってください」と言って握手した。一人の女の子は笑顔で、日本語でありがとうと言ってくれたけれど、別の男の人は複雑そうな顔をしていた。アジアカップのこともあったので、なおさらこうしようと思った。闘った相手に対して敬意を払うというか、買っても負けても互いに認め合うことを意思表示したかった。ただの自己満足ではなくて、少しでも伝わっていればと思う・・・。

●アルゼンチン対イタリアでもギリシャコール
 バレーの会場で、もう一人の日本人の韓さんが仲間に加わった。3人はこれからサッカーの準決勝・アルゼンチン対イタリアの試合を見に行くところだった。ハイレベルな試合展開で、結果はアルゼンチンの勝ち。面白かったのは試合の途中でなぜか”Hellas(ギリシャ語でギリシャ)”コールが何度も起こったこと。どういう意味があるんだろう。一人がHellasというと皆Hellasと叫びだす。

●世界の人と交流
夜は3人で夕食をとりながら飲むことになった。それまでに多くの国の人と話した。地下鉄の中ではイタリア人グループと”Viva Italia!!”と言って写真を撮った。負けたというのにやっぱりイタリア人っていうのは明るい国柄なのかな。その後カナダ、オランダ・・・いろいろな国の人と話し、写真を撮った。日本がたくさんメダルをとっていたこともあり、多くの人が褒めてくれた。特にマラソンのこと。選手さまさまだ。
 夕食をとっているときもたくさん声をかけられた。途中で食事を中断してハンガリーの人たちと踊ることもあった。また、ギリシャ人の子供が「大塚製薬」と書かれたTシャツを着て歩いていたので、タツさんが声をかけた。しかも漢字がちょっと間違っている。僕がちょっと驚いた反応をしてしまったのだけれど、それを知られると彼はショックを受けると思い、タツさんが
   「それはとてもクールなんだよ」
と言った。僕も同調して、
   「すごいクールなんだ」
と言った。でも彼は信じてくれただろうか。その後3回くらい僕らの前を通るんだ。あのTシャツの意味が気になっているらしい。あぁ、もし脱がれたら僕の責任だ。許してほしい。

●キャンプ場へ
 今夜は無事キャンプ場行きのバスに乗った。一つだけ席が空いていて、そこはマレーシア人の女の子の隣だった。かなり汗をかいていたので、これでは初対面の彼女に何と思われるのか心配だった。挨拶代わりにこの臭いはキツい。そこで、バスを降りて8×4を体中に散布。これで大丈夫だ。マレーシア人の女の子はロンドンに留学しているらしい。今回は五輪が見たくて一人で来たとか。いろいろと話をしながら、無事キャンプ場に着いた。ベッドとシャワーがある。幸せだ。

五日目


●野球3位決定戦

キャンプ場からアテネに向かうバスの中から見たエーゲ海


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野球日本代表

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 キャンプ場の近くにはあのポセイドン神殿がある。ぜひ見たかったけれど、今回は五輪が優先だ。午前のバスでアテネに戻った。実は野球日本代表が準決勝で負けてしまい、3位決定戦に出場することになった。僕は3位決定戦のチケットを持っていたので、日本の試合を見ることができた。試合は日本の勝ち。試合後は選手が練習球を客に投げてくれ、僕は巨人の高橋選手のボールをもらうことができた。

●アテネ市内観光

アクロポリスから眺めるアテネ市内


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夜のアクロポリス


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 夜はまた3人で会うことになっていたけれど、それまで時間があったので有名なアクロポリスなどの遺跡を観光することにした。遺跡にいると昔を想像させられる。歴史が好きな人にとっては本当におもしろいところだと思う。そして夕方は一人でアクロポリスからアテネを眺めながらボーッとして過ごした。

●ディスコで
 3人は再会し、ディスコに行くことになった。すると五輪期間ならではなのだろう、多くの国の人たちがいる。すると、驚いたことに僕らが入ったとたんに彼らによるニッポンコールが起きた。ディスコの音楽関係なしにニッポンコール。クレイジーだけど楽しい。
 すると、あるチリから来た女の人が僕の持っている国旗を私の体に巻と言う。ぐるぐる巻きにすすると、
   “Hoooooooooooooooo!!
と言いながら自分の体を回して僕の方に近づいてくるじゃないか。うまく説明できないけど、「着物の帯を引っ張って、アーレーと言う人」を想像して欲しい。・・・それだけだけど。
 別のメキシコ人は以前日本の高校に留学していたという。彼もフレンドリーだった。
 ギリシャ人の五輪ボランティアは僕の国旗をサイン付で欲しいという。もう使わないし、せっかくの記念だからと思ってあげたら喜んでくれた。
こんなふうにちょっとクレイジーな夜だったけれど、楽しかった。

六日目


●再びコリントスへ

古代遺跡にて


baseball


 昨日は韓さんのギリシャ人の友達のおばさんの家に30ユーロで泊めてもらった。そしてこの日は観光に徹することにした。もう見たい競技はないし。ギリシャはエーゲ海の島々や遺跡など、美しいところがたくさんある。でも時間は限られているので、日帰りで観光できるコリントスに行くことにした。コリントスは紀元前に栄えた古代都市で、遺跡が残っている。また、アクロコリントスといって、山の上に要塞があり、そこも遺跡となっている。地球の歩き方にはアクロコリントスからの景色は格別だと書いており、それが僕に無理をさせる原因となった。
 アクロコリントスは標高500メートルぐらい。でもこの暑さの中重い荷物を背負っていくことはとてもしんどかった。でもいい景色が見られると聞くと、いつもその場所に行ってしまう。途中まで登ってそこそこいい景色の写真を撮ることができたら下りようと思っても、結局最後まで登ってしまうのだった。あまりにも重い荷物だったので、途中で道端の木の下に隠して登り続けた。

アクロコリントスから見渡す景色


acrocorinthos1

acrocorinthos2


 結局要塞を見学し、いい景色を見ることができた。エーゲ海とコリントスの街が一望できた。その後、下山してレストランで夕食を取ることにした。僕が、
   「アクロコリントスに登ったけれど、本当に大変だった」
と言うと、レストランの従業員が
   「あなたクレイジー?皆ここに荷物を預けていくのよ」
と言う。しかも歩いている人は一人も見なかった。車で行く人が多いようだ。
またやってしまった・・・。

七日目


 昨晩は一日目と同様空港に泊まった。今度はちゃんと寝袋を使って。イスタンブールへのフライトの時間が朝8時だったので、遅れるのが心配だったこともある。ベンチで寝たせいか、最後の宿泊はとても心地よく感じた。寝袋万歳。さぁ、五輪も満喫したし、イスタンブールに帰ろう。今度はギリシャの島に行きたい。エーゲ海は想像以上に綺麗だ。
 こうして貧乏学生の五輪の旅が終わった。次の五輪観戦は引退してからになるのかな。

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