カレンダー
長く店員をしていると、そのつもりはなくてもお客さまの顔を覚えてしまう。
自分が覚えているお客さまは、他のメンバーも大抵覚えていて
何かしら覚えやすい特徴があるのだね。
『60代後半くらいの女性で、いつも話しかけてくるおばちゃま』のような
説明だけでは、メンバーそれぞれに思い当たるお客さまがいっぱいすぎて
一人には定められない。
『60代後半くらいの女性で、いつも
"ごめんなさいねー、お忙しいのに申し訳ないんだけど・・・"
と前置きがあって
"がまぐちの金具の部分と接着芯ってどこかしら?"
って商品の場所を聞いてくる方で、かついつも手作りっぽい何かを身につけていらっしゃるお客さま。
しかもその手作りっぽい何かは、かわいらしいレースやらフリル系が
多々見られ、話し方もフリル好きを裏切らないちょっとスローな語り口で
世間話も入ったりするんだけど、そこまでしつこくなくて
こちらが忙しいのを十分理解してくださってるので
話しの途中にも
"お忙しいのに、ごめんなさいねー。あ、教えてくださったら行きますから"
と、場所までのご案内はやんわり辞退して何かと気配りを口にしてくださるせいか、クソ忙しい時に話しかけられても、そんなに気にならないお客さま。』
と、説明すると何人かのメンバーは
あー、もしかしたら、あのお客さまかも・・・
と予想がつくのである。
その見た目60代後半くらいでレース&フリルテイストでご来店で
いつも前置きがあって商品の場所を聞きにこられる女性なのだが、
店内に入って、すぐに見つけたヤジマさんに声をかけた。
"あのー、お忙しいのに、ごめんなさいね。"
そ、いつものように。
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同じフロアで商品出しをしていると、
何かをこらえるような表情でヤジマさんが声をかけてきた。
「くーーーーっ! ちょっと! なんかこらえられなくて!」
なんですか?
「あの、ちょくちょくやってくる少し年配の女性なんだけど。」
「 "あのー、お忙しいのに、ごめんなさいね。"
って声をかけてくる・・・」
「ご案内の時に、すこーしお話する事が多いんよ。あのお客さま。」
「手作りがお好きみたいねぇ。エコバッグとか、巾着袋とか。」
「服もリメイクして、かわいらしく着とってじゃけぇ、60代かなって思ったけど。」
「70過ぎてるんだって。若いよねー。手先が器用なんでしょうね。」
へー。そうなんですか。うん、70代には見えないよ。若く見えるね。
「・・・なんじゃけど、それが今日は・・・。」「今日の帽子も手作りなんですって・・・、くっくっ。」
「あーーーだめ! でも、今日の帽子はちょっと・・・。」
ちょっと、なんですか?
「目が合ったら吹き出しそうになる」
「いえね、かわいいんじゃけどね・・・。」
「なんか、疎開した子供みたいにみえて・・・。」
「あーー、何だかこらえて みたいな。」
「なんか、かわいい」
何?何?
なんか、話をしてると つい吹き出しそうになるのでご案内中は我慢していたらしい。
でもやっぱり思い出したらププーっとなるんだって。
しかし、一分もしないうちに
レジに呼ばれて小走りで向かったところ。
視界に入ったお客さま。
ここここ、これを見たのか。(*゚д゚*)
ツールも人によりけりか。 2011年08月28日 コメント(2)
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