2012年03月11日
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カテゴリ: 舞台
素晴らしい一日-2.jpg


●見た日:H24.3/10
●上演場所:下北沢・駅前劇場

出演者:内浦純一、伊勢佳世(イキウメ)  歌川椎子、浅野千鶴(味わい堂々)、石澤美和、安藤聖


失業して、ただ今アルバイト生活、貯金は100万を切り、結婚を約束した彼氏は会社の金を横領して失踪。
切羽詰まったユキエ(伊勢佳世)は、元彼のトモロウ(内浦純一)に交際当時貸した20万円を今日中に返すように迫る。
しかし、昔も今もお気楽借金男のトモロウにそんなお金があるわけがない。
某通販会社の倉庫でバイト中のトモロウの収入は、現在、トモロウの妻が全て管理して借金返済にあて、トモロウは月5000円の小遣いをもらっているのだそうだ。

トモロウが結婚している、と聞いて驚くユキエ。
妻について「無償の愛っていうのかなぁ」と言うトモロウ。




という話。

「素晴らしい一日」というタイトルから、なんかほんわか、のんびりした話かと思ってたら全然違う( ̄▽ ̄) 


回った先は、


高そうなゴルフ場でラウンド中の小金持ちそうなおばさん。

結構繁盛してるっぽいお弁当屋さんで働いている太ったおばさん(最初、弁当屋でパートしているのかと思ったら、実はオチがあった)

六本木のナンバーワンキャバクラ嬢。

婦警さん(たまたま通りがかった婦警さんがトモロウの知り合いだった)

帰国子女の女子大生。

元大女優。

旦那に先立たれ、薬剤師として一人息子を育てるシンママ。


みなさん、なんだかんだで気持ちよくお金を貸してくれる。

ということを種明かし後に思うが、そのへんは話の流れでうまい具合に忘れがちw

そしてみなさん、それぞれの背景や人物像がおもしろかったり、なるほどなぁと思えたり、必ず何かがある。

特に良かったのは、元大女優のリリコさんのエピ。
マジで目頭をハンカチで押さえてしまった。

ユキエが子供の頃、「世界で一番わたしが好き」というドラマ(このタイトルがトレンディドラマをパロってて笑える)でブレイクしたリリコさん。

付き人の心配をよそに、本人はまだまだ大女優のつもりでトモロウにもお金を貸す気満々。
しかし、ユキエの言葉に目を覚まし、大女優のプライドをいい意味で捨てる決心をする。
というエピ。

ユキエとトモロウ以外の役者さんは、お金を借りに回る先の人を二役演じている。
この二役の演じ分けがまた良くて、リリコさん役・歌川椎子さんのもう一役はゴルフおばさん。
ゴルフおばさんの時は小太りな感じに見えるのに、リリコさんの時はそうじゃない!
セリフ回しも全然違うし。
ゴルフおばさんはホントにおばさん、リリコさんはいかにも「あたしは女優なのよ」っていう感じで、「家政婦は見た」で大空真弓がやってたやや落ち目の大女優を思い出したw

他は、お弁当屋さんとリリコさんの秘書(石澤美和)、キャバクラ嬢と女子大生(安藤聖)、婦警さんとシンママ(浅野千鶴)が同じ役者さん。
エピとしてはリリコさんが一番印象的だったかもしれないが、でも他のエピも、それぞれの役のキャラも、演技も、みなさんホントに良かった。

付き合ってるときはいい思いしたんでしょ?
あたしなんか(トモロウに貸したお金が)200万よ?
と、女としてどうのこうのとユキエに説教するはすっぱなキャバクラ嬢と、天真爛漫でお金に全然困ってないけど社会経験のため王将でバイトする女子大生。

なんかおどおどした感じで常に眉間にしわが寄ってる婦警さん(チャリの乗り方がなぜああなのーーーw)と、明るくてかわいいシンママ。
婦警さんの眉間のしわの寄り具合がホントに良かったw

太ったホントにおばさーんって感じのお弁当屋さんと、元大女優のことを本当に心配している様子の秘書さん。
秘書さんの時、体型は同じなのにぐっと上品な感じで。

役者さんなんだから当たり前かもしれないけど、短時間の間に全然違う役をよくやれるなぁ、と。


そしてセットの使い方がまた秀逸。

ほぼ壁だけだと思ったセットだが、その壁のあちこちから板やボックスが引き出されて、それが椅子になったり、テーブルになったり、お弁当屋さんのカウンタになったり。
逆に使い終わった小道具を、壁のむこうに放り込んだり。
しゅるしゅると壁からさらに引き出された壁が、女子大の校門だったり。
キャバクラ嬢の時なんか、ベッドがまるまる壁のセットに組み込まれてた。キャバクラ嬢付きで!
キャバクラ嬢が舞台から引っ込む時は、キャバクラ嬢付きのベッドが壁に元通り収納される形w

ユキエとトモロウがお金を借りに出発する、目的地に着いた、というとき、二人が自らこれらのセットを動かして、新しく舞台を整える。

何かをいろいろなものに見立てて、いろいろなことに使うのはよくあることだと思うけど、こういうのは初めて見た。

良くできてておもしろい!

話としてもおもしろいんだけど、こういうアイデアがまたおもしろい芝居だった。


で、あちこちにお金を借りに行って、何故かユキエも頭を下げさせられたり、キャバクラ嬢に説教されたり、ちょっといやな思いもしたけど、お気楽借金男のトモロウはいい人のようである。

会った人がそれぞれ言う、トモロウにしてもらったことを聞いてると、トモロウはどこかズレたところがありつつも、いい人なんだなぁ、と、じわじわと思えてくる。
まぁ、身近にいたら「いい加減にしろ!」と言いたくなるかもしれないけど、なんかまめで、まさに「根はいい人」。

そして、

トモロウのおかげでいろいろな人に会えて、今日はいい経験ができた。
またこんな経験がしたいな。

というようなオチかと。

20万円の借金のうち、1万円は貸したままの形でいいと思ったユキエの行動には、うなずけるものがある。

サイコーでサイテーな男との
サイコーでサイテーな一日

という、チラシに書いてあったキャッチフレーズ?が本当にぴったり!


最後に駅で別れるユキエとトモロウ。
待ち合わせをしているというトモロウのところにやってきたのは、あの太ったお弁当屋さん。
なんと、この人がトロモウの奥さん!

というちょっとしたどんでん返しもまた良し。


話がすべて終わって、エンディングは、ユキエがその日会った人との回想シーンというか、役者紹介というか。
会った人全部が登場して、ユキエと「あー、どうもー」みたいなシーンが、ぱっぱっとテンポよく続く。
このエンディングだけではなく、芝居全体のテンポがいいんだよね。

でもって、このエンディングで、二役演じ分けがまた見られるのがうれしい(キャバクラ嬢から女子大生は早着替えが大変かな?)
やっぱり婦警さんの眉間のしわがいいわぁ。
と再確認したりw


最初は、お気楽に笑って話が進んでいくのかと思ったら、リリコさんのようなエピもあって、何気に考えさせられるというか、いい意味で軽い感じで、かつ余韻が残る。

3月はKAKUTA見て芝居はお終いのつもりが、1本じゃつまらないから、なんか見るか。
で、KAKUTAの時もらったチラシの束の中に「素晴らしい一日」のやつもあって、脚本がブラジルの人で、歌川椎子さんとか安藤聖さんとか出てて、あー、じゃあ、コレ見に行こう。

って感じで何気なーく、どの芝居も見るのを楽しみにしているのは事実だが、「●●の本公演、むっちゃ楽しみ~」って感じで行ったわけではないのだが、結果的に本当に大当たりでおもしろい芝居だった。


安藤聖さんもまた見たいし、石澤美和さんは次のMCRに出るそーで、うほー、ナイスタイミング!

あと、今回の浅野千鶴さんと、ドリキコの「世田谷童貞機構」に出てた宮本奈津美さんも良かったので、「味わい堂々」の芝居も見てみたいですねー。

いい芝居&いい役者さん見ると、見たい芝居が増えて楽しみが増えるわw(チケ代も大変だがw)





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Last updated  2012年04月09日 13時03分08秒
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