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Nov 26, 2006
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カテゴリ: 美術館・展覧会
昨日旅から帰ってきました。いやぁ~疲れました。

一晩休んで、今日からゆっくりレポートです。

実は、11月には毎年東京までアート鑑賞旅行をしています。
今年は例年になく展覧会が充実していて、
展覧会、常設合わせて6つという強行軍なスケジュールで観てきました。

まずは東京都美術館の日展から。僕が毎年旅に出るきっかけになったのも、
この日本最大級の公募展を観たのがきっかけでした。
百号以上の作品がものすごい数展示されている日本画・洋画をはじめ、

とはいっても観賞には丸1日以上かかるんじゃないかと思うくらいで、
いつも途中で疲れちゃうんですよね。
だから最近は、日本画と洋画しかちゃんと観てません。
でもそれだけでも十分な刺激になるし満足できます。
企画展や特別展と違って、一般の人から一流の画家までが揃うので、
幅が広くて、いろんな世界を観ることができるのが魅力です。
東京会場は11月24日で終了。これから主要会場を巡回する予定です。
詳細は http://www.nitten.or.jp/ をどうぞ。


東京都美術館.jpg


同じ東京都美術館で開催されていたのは、大エルミタージュ美術館展です。
15世紀から20世紀にかけてのヨーロッパ絵画を俯瞰できる内容でした。

各テーマでまとめあげられた展示は観やすかったと思います。
日本初公開となる絵もあって、興味深かったんですけど、
僕としては、いい作品はたくさんある半面、どうも浅く広くの印象でした。
でも人物画の良品がいくつかあったので、それは収穫でした。
詳細は http://www.tobikan.jp/


国立西洋美術館.jpg



ベルギー王立美術館店.jpg


上野公園にはたくさん美術館がありますが、一番有名な美術館は国立西洋美術館でしょう。
ここで開催されていたのは、ベルギー王立美術館展でした。
ベルギーといえば、ルーベンスやヴァン・ダイクが思い浮かびますが、
まさにその人たちの絵が威風堂々と展示されていました。
それにブリューゲル親子の楽しい絵や、フランドル絵画の華やかな絵、
そして独特な展開をみせたベルギー印象派の絵も観ることができました。
僕はなんといってもヴァン・ダイクの思慮深さ漂う肖像画に一番感動しました。
ルーベンスのもあったんですけど、見比べると人間の内面を表現する力は、
ヴァン・ダイクの方が上だと感じました。生意気ですけど。
それからシュール・レアリスムの代表的な画家であるマグリットや、
独特の静謐な世界を表現するデルヴォーの作品などがあり、興味をそそられました。
特にマグリットの「光の帝国」という絵には圧倒されます。
昼と夜が混在する画面には静けさと暖かみがあり、
吸い込まれそうな魅力のある、不思議な美しさのある絵でした。
全体を通して感じたことは、ベルギーの画家は、
人間に真摯に向き合っていたんだな、ということでした。
いくつもの展覧会の中でも、一番充実していたのではないかと思います。

また国立西洋美術館では、教科書に載ってるような代表的な洋画や、
印刷物でよく使われたりする超有名な絵のホンモノにお目にかかれます。
僕は何回くらいこの常設展を観たか覚えていませんが、
ロダンやモネ、ルノアールの作品の、いつも変わらない美しさに会えたり、
新しい発見や、今まで気付いていなかった作家を再認識するなど、
いつ来ても気持ちよく鑑賞が出来るすばらしい美術館だと思います。
ちなみに、僕が大好きな少女の絵もまだしっかり展示されていて、
いつになっても変わらない永遠の美少女に、再び会える悦びを感じた次第です。
詳細は http://www.nmwa.go.jp/index-j.html をどうぞ。


ダリ回顧展.jpg


上野公園でもっとも賑わっていた展覧会は、ダリ回顧展でした。
何しろ人が多くって、平日の朝一番にもかかわらず300人以上の人が列を作っていました。
ダリの絵は、日本人にとってどんな意味を持っているのかよくわかりませんが、
シュール・レアリスムという言葉を知らなくても、あの独特な世界を知らない人はいないくらい、
あまりにも有名で、奇怪な画家であることには違いありません。
珍しいもの観たさという心理も働いているでしょうが、
非日常を経験したい願望も少なからずあるから、ダリを観に来るんじゃないのかなぁ・・・
なんて思いました。実は僕もそんな気分だったもので。
といっても会場は人・ヒト・ひと!ゆっくり眺めることが出来ないくらいの熱気でした。
ダリの絵は、小さい画面にしては緻密で、情報量が多い作品が多いんですが、
その不思議さに魅入ってしまう人が多くって、黒山の人だかりがたくさん出来てました。
特に意味の二重性を追求している絵は作品としてすばらしいし、
謎解きの楽しさもあって、ついつい時間をかけてじっくり観てしまいます。
常に実験的な絵を描き続けたダリでしたが、なんといっても本人の顔や奇行が一番のインパクト。
この展覧会の看板が彼のアップの顔というのが、それをよく表現しています。
過去にいろんなダリを観てきましたが、今回の展覧会では今までにない若い頃の作品や、
ドローイングの展示、映画「アンダルシアの犬」の上映など多彩で、
総合的なダリの芸術に触れることが出来る貴重な展覧会だったと思います。
詳細は http://www.ueno-mori.org/special/dali/index.html をどうぞ。


エッシャー展.jpg


最後は渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の、スーパーエッシャー展です。
オランダの版画家である彼の作品は、実に奇妙で不可解なものですけど、
観れば観るほど頭がねじれるような不思議が、いっぱい詰まっています。
彼の作品は、たぶんいろんなところで観ることがあると思いますが、図と地が反転する、
あるいは図も地もそれぞれの意味を持って、隙間なく平面を埋め尽くしていく世界は、
何故か不完全な完全性というか、パラドキシカルな快感を観る者に与えてくれます。
表現するのが難しいんですけど、絵を観た時は何がどうなっているのかわからないものが、
観続けるとだんだんわかってくる。でもその瞬間に実感がすり抜けてまた不思議に観えてしまう。
そんな心地よいもどかしさというか、快感のようなものが彼の絵にはあります。
きっとそんな不思議な快感が、彼を創作に突き動かしたのではないでしょうか。
シュール・レアリスムではない、計算しつくされた究極の緻密さを不思議に置き換えた、
エッシャーのそんな世界に触れることが出来たのは、貴重な体験だったと思います。
詳しくは http://www.bunkamura.co.jp/shokai/museum/index.html をどうぞ。


上野公園.jpg


というわけで、最後は上野公園です。
この3日間でいったい何枚の絵を観たのかよくわかりませんが、
これだけの情報は、はっきりいって一度には処理できませんね。
でもその時に感じたものは、これからの僕の創作の基礎的な部分になっていくと信じています。
”いい絵を描こうと思ったら、まずはすばらしい絵を、それもホンモノを間近で観なさい”
何かの本でそんな言葉をみつけ、それからなるべくたくさんの絵を観ることにしています。
これからもそんなことをずっと続けると思います。

とりあえず今回はここまでということで。






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Last updated  Nov 26, 2006 01:05:21 PM
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