おいでおいでふうふ

おいでおいでふうふ

Jan 24, 2008
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テーマ: 愛しき人へ(899)
カテゴリ: やけど、完治まで
もう2年くらい前になるか、ブログがきっかけで知るようになった事件、
(ニュースに大きく取り上げられ、現在はご存知の方も多いと思う)

ブラジル人のひき逃げ犯が、自国に逃亡、
2歳の女の子(被害者)の遺族に一切の謝罪も贖罪もせず、罪に問われることさえなく
今ものうのうと生き延びている
自分も人の子の母親という立場のこの犯人を
なんとか日本で裁判にかけられるよう犯罪者引渡しという願いをかなえられないか、
そんな悲痛な遺族の思いを記録するHPだった。

私はそのとき、0歳の娘をあやしながらHPを開いていたが、

「りとたんへの手紙」という項目を読んで、涙が止まらなかった。
親が子どもに対して抱く、独特のいとおしい気持ち、
突然奪われたその命に対峙しなくてはならない悲痛を想像して泣いた。
何にもかえがたい、かけがえのない最愛のわが子を失った悲しみ、喪失感、
そして深い深い自責の念。
2年ほど経って、なぜか今年の年明けすぐに、りとたんのことを思い出し
お気に入りに登録していたのだが
今回のことが起きてもう一度、ママの手紙のところを読み返してみた。
先を読みすすめることがなかなかできない。
でもどうしても最後まで読まなくちゃいけないと、3回目ぐらいでやっと読み終わったが
私にとって、とても辛い作業だった。


自分がほんの少し気をつけていさえすれば。
子どもはこんなことにならないで済んだかもしれないのに。
りとたんのママは、その日たまたま、りとたんをチャイルドシートに乗せていなかった。
近くまでだし、おとなしくしてるしという理由で。
わざわざ言うまでもない、ママはその点を悔やんで悔やんで、


そのHPの掲示板がまだ稼動していたころ、
冷酷な傍観者が、訳知り顔に、その点を執拗にえぐり続けていた。
「外国人の引渡しを求めるより、自分の落ち度を反省したらどうですか」
「そもそも自分が悪いんでしょう、私は署名なんてしませんから」
そういうコメントが書き込まれるたび、りとたんのママは一人一人に丁寧に
おっしゃるとおりです、わたしが悪かったのだと思っています、と回答していた。
一言も反論などしていなかった。
私はいたたまれなくなって、りとたん宛てに手紙を書き込んだ。
(そもそもその掲示板は、HPや遺族に対しての感想用ではなく、
天国にいるりとたんに宛てて何かお願いします、というタイトルと説明文が付けられていた)
その後、どんなお返事コメントが書かれたのか覚えていない。
心無い人たちの、この心優しい誠実なママへの中傷コメントが、
どうしても人間のすることとは思えず、
それ以上一文字も目に触れたくなくて
結局見に行かずじまいだったかもしれない。
「この掲示板は過失のうんぬんを興味本位に論じるところではなく
あくまでりとたんへの手紙ということで設置してます」
第三者にあたるHP開設者がたびたびコメントを入れるが
「それではHPを公開している意味がないと思います、善悪を論じてこそ意味があります」
と譲らない。どこまで非情な人間なのか。
顔が見えない匿名掲示板だからか。
もし自分にとって近いところに、大きな失敗をしてしまった友人がいたとして
あんたの目の前で苦しみ続けるその隣人にも同じ言葉を吐けるのか。
ひき逃げは、シートベルト未装着より罪が軽いとでもいうのか。
我が子を不憫に思う気持ちから、せめてもの償いに検挙を求めたいという気持ちが
まったく想像もできないのか。
ママの悲痛な叫びを書いた文章にの中にもはっきり書いてあるではないか。
率直に気持ちが悪くなったのを覚えている。
でももちろん、そんなのは全体のごくごく少数で、
多くは「バナーを貼りました」「署名しました」「逮捕まで応援してます」
「どうか今後も前を向いて、りとたんのためにもがんばって下さい」
というあたたかいコメントばかりだったと思う。

2年前に、りとたんのHPを初めて見たときのことを思い出すままに書いてみた。
いま、娘は2歳、ほんとうにかわいいさかりの女の子、
りとたんが天国に行ってしまったのが2歳10ヶ月、
もしかしたら今年の年明けに、ふと、りとたんのHPを思い出したのは
おばちゃん注意してあげてね、という
りとたんからのメッセージだったのかもしれない。

娘の傷は小さいものではなく、抉り取られるように洗浄された円形の傷はあまりに痛々しいものだが
命にまったく別状なく、負傷の当夜に入院もせず
特に注意事項もないですよと言われて帰宅した程だったから
私が感じた気持ちと命を落とした子のママの気持ちは
まったく別物なのは言うまでもないこと
きもちがわかるなんて言うつもりはない、
2年前の、出産後ほどない頃のほうが、ひょっとしたら思いは近いくらいかもしれない、
その前提にあって
親がどんなにか子どもの命を案ずるか、
もう亡くなってしまっても、元気で楽しく遊んでいるかとか、ひもじい思いをしていないかとか
ママと突然別れ別れになってしまって淋しくて泣いていないかとか
現在の環境を案じる。いつまでも、心配する。

愛しい人へ。
偶然みつけたこの「テーマ」がぴったりだと思った。
思いのままに書いてみた。





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Last updated  Jan 25, 2008 01:03:08 AM
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