さび茶

さび茶

2022年05月28日
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カテゴリ: 読了記録


湊かなえ ​さんの「絶唱」(2015年)を読んだ。
うーーーーーーむ。
誰がどう読んでもこれは湊さんの私小説だ。
だからなのかどうか、私は人物へのつっこみ方に
若干、いやかなりの手加減を感じてしまった。
私が湊さんを尊敬している点は、容赦ないまでの人物描写であるので
この作品の中では「え、その程度のことで⁈」と率直に思ってしまった。

そこまで責められるものではないと思っている。
正直もっとエグく、目の前にいたのに見殺しにした位の
経験なのかと想像していた。
震災で恐ろしい経験をした人の心中も鑑みず
こんなことを平気で書けるのは、私が作品内でいうところの
「境界線のもっと外側にいた人たち」に他ならないからだろう。

なんとなく斜に構えた感想になってしまったのは
本の帯のせいだといっても過言ではない。
帯にはでかでかと「史上最高の号泣ミステリー」と謳われていた。
私は非常に素直な(単純な?)人間なので
こういうコピーを見て「全米泣いても絶対泣かない」とは思わない。

ミステリーの定義は様々であるので、必ずしも内容が犯人捜しでなくていいと思う。
ただ涙腺が完全にスタンバっていた私のこの状態をどうしてくれるんだとは思った。
帯さえ見ていなければ、もう少し違った感想を持てたかもしれないのに。
不本意にも肩すかしな気持ちになってしまった。
そして自分がとても冷血な人間にも思えた。こっちの方が重症。


だけどさぁ、これはやっぱり看板に偽りありだったと思うのよ。

絶唱(新潮文庫)【電子書籍】[ 湊かなえ ]





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最終更新日  2024年04月01日 23時13分48秒 コメントを書く
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