濫読屋雑記

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2006年03月14日
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カテゴリ: 映画鑑賞
今日は、色々あって疲れて帰ってきました。そして帰宅後、 フラフラ~ッとテレビに吸い寄せられてチャンネルを替えていたらやっていたのが ラスト サムライ 特別版 』の エドワード・ズウィック 監督が撮った『 グローリー 』という映画です。

この映画、 最初はトロ~ンとした頭で眺めていたのですがそのうち中々よく出来ているぞ、と思い少し真剣見てみると 、あれ、 デンゼル・ワシントン が出ている!ということに気が付きました。これは 少々期待できます

ロバート・グールド・ショー 大佐は 黒人志願兵によって結成された第54連隊を指揮を執ることとなります 。でもこのショー大佐、髭を生やしていても隠せないほどの童顔の持ち主。つまり若輩者で、ボストンの上流階級出身の実戦経験無しの将校さんです。彼は、地元で奴隷解放を願う黒人たちを募集して訓練を施し、連隊を編成していきます。ところが、南北共に黒人差別が当然の如くあった時代。黒人兵たちには、銃や制服、果ては靴すらも支給されず、給料も白人兵の13ドル対して10ドルしか払われないという差別をされてしまいます。それでも、黒人兵の不満をなだめ、信頼を得る事ができたショー大佐。どうにか装備を整え、アイルランド系とおぼしき鬼軍曹の猛訓練の結果、第54連隊はなんとか前線へ出動することが出来るようになりました。ところが前線に来てみれば、緒戦は腹黒上官の略奪行為の片棒を担がされ、その後は、来る日も来る日も肉体労働。南軍との戦いを望んでいた黒人兵たちの士気は落ちていきます。そこで、ショー大佐は上官の不正行為をネタに恐喝して、最前線の戦いの場へと第54連隊を連れて行くのです。映画では森の中での緒戦に見事勝利! 奴隷解放を願う黒人兵たちの高い士気に支えられ、ショー大佐は第54連隊を1863年7月18日のフォート・ワグナーの戦いへと導いていくのです…。

それにしてもこの映画、戦闘のシーンが本当によく撮れています! (というか、その場面しかシッカリ見ていません)最初のドンパチが行われた、森の中での戦闘を見た瞬間、背筋が伸びました。南軍の兵士と黒人兵との銃撃戦!あの当時の様子そのままに、敵の白目が確認できる至近距離まで近寄って双方撃ち合うあの情景!森の中を霧が少々かかり、銃撃の硝煙(黒色火薬はものすごい煙を出すのです)見通しの悪い中、双方入り乱れての白兵戦!先込式銃に必死になって装填する姿や、南軍兵士を銃床で殴り倒し、銃剣で突き刺す。迫力でしたね。

それから、 彼の有名なフォート・ワーグナーの戦い 浜辺に建てられた要塞に向かって遮蔽物の無い砂浜を通って歩兵が突撃し攻略しようとする、無謀な作戦… 。当然、最初に突撃を敢行する部隊は大損害を被ります。その隙に後続部隊が要塞に殺到して一気に片を付ける作戦だったのですが、この決死的な作戦に名乗りを上げたのがこれまた、ショー大佐。 いくら黒人の地位向上や色々と思うところがあってもこれは無謀です 。一応、海軍が4日間、セッセと艦砲射撃を喰らわしていたようですが、映画でも史実でもこの要塞、砂浜の上に建っているので鉄剥くの球形弾とか導火線式の榴弾や臼砲弾では砂が砲弾の直撃や爆発の衝撃やら破片を吸収して効果が薄いのです。オマケに要塞には対艦用の重砲をはじめとする大砲が数多く配備され、守備兵は1千人! こんなところに攻撃をしかれば、機関銃がなくても203高地になるのは必定です 。私だったら、砂地で軟らかい地面なのだから、要塞に向かって塹壕を掘り進んで、最低、土塁の至近まで平行壕を掘り進めてから攻撃を仕掛けますがね(一番良いのは、要塞の下まで穴を掘り、土塁などの防御施設を爆薬を仕掛けて吹き飛ばす事です)。

こうして、 第54連隊は見事、半数もの兵士が戦死 部隊は壊滅してしまいます 。当然、 先頭切って突撃して指揮を執っていたショー大佐は、蜂の巣にされてしまい、他の兵士や将校たちも土塁の上からの銃撃や至近距離からの大砲の砲撃によって、一掃されてしまいます このような血を流して得た戦果も 南軍の抵抗が激しく後続の部隊が撃退され結局フォート・ワーグナーは陥落せず、ここで映画はお終いとなっています

そしてこの後、第54連隊の戦果によって多くの黒人連隊が編成され、最終的には2万人もの黒人兵が動員され、リンカーン大統領によって「彼等の御かげで戦争に勝利する事ができた」と言わしめる活躍をしたのですが、その後の黒人に対する差別はみなさん、承知の事実です。結局南北戦争は「白人同士」の戦いであって、奴隷は解放されたけれども差別はなくならず、黒人は大義名分のために利用された、というところでしょうかね。

最後にこの映画、 クライマックスのフォート・ワーグナーへの攻撃の際に流れる音楽と映像が素晴しいほどにマッチしていて、迫力も満点の名シーンです 。映画の時代考証や、作中に出てくる小物の設定(鉄砲とか、大砲とか)も確かです。ノリだけが良い ジョン・ウェイン 騎兵隊 なんかよりも重たく、人々の感情に訴えるものがある、南北戦争を舞台にした壮烈な戦いを描いた歴史&戦争スペクタクル映画傑作でした

グローリー デラックス・コレクターズ 騎兵隊





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最終更新日  2006年03月16日 21時44分31秒 コメント(5) | コメントを書く


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