サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2008.01.09
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カテゴリ: 映画
 私にとって、渥美清の「寅さんシリーズ」とモーツァルトの音楽は、長いあいだ鬼門でありました。
 ヒマを持て余していた10代の後半から20代にかけての私は、自身の鬱屈した気分とじっくり付き合っていたので、深刻な(渋面の)映画や音楽に没入していました。ヒトは時間を持て余すと、いくらでも深刻になれるもののようです。
 それに対して寅さんは見た目の印象があまりにも軽く、また「寅さんシリーズ」は世評も高くて2、3本は映画館へ足を運んだ記憶があるのですが、当時抱いていた 邦画特有の湿潤さと仲間うちの感じ がイヤで敬遠していたのでした。
 はたまたモーツァルトはその貴族的典雅さが、とてもじゃないが当時の私の気分にはほど遠く、両方とも敬して遠ざけているあいだに、嵐のような30代40代に突入して、じっくり味わおうという気持ちの余裕を失ってしまったのです。じつはこのうわべの軽さこそ、両者を享受するカギだったのですが。

 このブログを始めたころから、ようやく何となく自分にとって鬼門であった、この両者と付き合ってみるかという気になっていたところが、たまたま一昨年はモーツァルトの生誕250年ということで、いろいろ取り上げられもし、また寅さんについては、これも偶然BSで連続してシリーズをまとめてやっていたので、じっくりどころかコテコテに付き合うことになったのです。

 日本映画というのは、皆さんはどう思われているか知りませんが、仲間うち同士でないと容易に打ち解けない敷居の高さがあって、例えばそれは歌舞伎や新劇(あるいは宝塚!)の舞台を観る場合に、それぞれ各々の作法を理解していないと、ちっとも面白くないのと同じような、その世界に入っていけないという居心地の悪さがあるのです(ファンの皆さんにはごめんなさい)。
 日本の映画ファンは圧倒的な洋画一辺倒のファンと、固定的な邦画ファンに分かれているようで、私のような洋画派からみると邦画というのは、太秦の時代劇や大船の現代劇といったふうに、ある固定的なひとつの型にはまった映画作法のようなものがあって、結局それを受け入れられるかどうかが、分かれ目になっていたようです。私としてはとてもじゃないが、わざわざお金を出して映画館へ観に行く気にはなれなかったのでした。山田洋次監督といえども、松竹映画の筆法の継承者であるわけで、このあたりこちらの気分というものが大いに影響していて(たまに民放で寅さんをやっていても、まず観ませんでした)、どんなに世間で評判であっても私にとっては別世界の出来事だったのでした。
 これは洋画ファンだけの欲求不満ではなくて、日本映画界の内外でも独立系の人や角川春樹のような人たちにもあったようですが、これらの人たちの作品も世界標準にはほど遠く、むしろアニメ映画のほうが私には近かったことを覚えています。



― つづく ―





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Last updated  2008.01.09 13:15:22
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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