サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2008.08.02
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カテゴリ: スポーツ
 イチローフィーバーで日米が沸き立っていた2001年に、新庄がニューヨーク・メッツで、はでなパフォーマンスをやっていたとき、彼らを見ながら感心したことがありました。オリンピック日本代表のような感じはもちろんなく、はたまた日本のプロ野球代表のような雰囲気を感じさせる選手は一人としていなくて、自分が日本で行ったきたパフォーマンスを、いかにしてメジャーで同じように適用(Adjust)するか、だけに心砕いていたように思えたのです。
 その意味でも、新庄というのはたいした個性で、日本でやっていたことと同じCharacterをメジャーのグラウンドで見せている。イチローも含めて他の日本人選手がメジャーのパワーやスピード、ストライクゾーンにAdjustするために、多少なりとフォームや練習法を工夫したりしているのに、彼だけは日本にいるときとまったく変わってない(ように見える)。結果的に彼は相変わらず、調子の好いときはメジャーの4番でも打てる(これも日本人初)し、足のケガも相変わらず(フルシーズン出られない)で、要は日本でやっていたときと同じであって、それ以上でも以下でもなかったのでした。
 これをどう評価するのか、日本のスポーツ解説者は困ってしまうのです。イチローが打てば日本のプロ野球のレベルがどうのこうのと興奮する解説者や新聞が、こと新庄に関しては何となく冷淡な感じで、あげくの果てが最近のメジャーはレベルが落ちたとかいった話まで飛び出す。活躍する日本人選手によってメジャーのレベルを上げたり下げたりするのは、ハッキリ云ってあんまりフェアじゃないでしょう。私はむしろ日本と同じことをメジャーのグラウンドでできる新庄の個性が好きでした。ただしそれは個性への評価であっても、野球選手としての魅力とはちょっとずれる感じはあったので、結局個性だけでメジャーで通用したのは2年間だけでしたね(まあ彼としては充分だったでしょう)。

 このようにみてくると、メジャーのグラウンドに特別な魔物が潜んでいるわけではなくて、いかに自分の技術を相手のボールにAdjustさせるかは、日本でもアメリカでも変わりは無いのです。ということはアスリートとしてやるべきことには変わりがないという、 あたりまえの現実だけがそこにある ということで、メジャーに行ったから突然変身したとか、ダメになったということではないでしょう。日本で危うい選手はアメリカでも危ういし、日本で通用する選手は(最大限の対応努力ができる才能があるという前提で)アメリカでも通用するでしょう。最大限の対応努力の才能とは、長谷川や斉藤のように日本のときよりスピードを飛躍的にアップさせるとか、岡島のように新しい球種をメジャーでマスターするとかいった、プロのアスリートとして常に(日本であろうがアメリカであろうが)意識し努力できる才能のことです。

 しかしそういう見かたが、選手もファンもごく自然にできるようになるには、やはり雲の上のメジャーという神話を覆して、ものごとを等価に判断させるスーパースターが最初に必要だったわけで、その意味で野茂というのは、たんなる天才ではなく、やはり文字通りのパイオニアという意味で偉いと思うのです。
 実はご存知のとおり、日本人選手のメジャー初は、野茂ではなくマッシーこと村上雅則さんですね。これまた40年以上前の東京オリンピックの年の話で、しかも南海出身ということもあったのでしょうか、ものの見事に日本のマスコミからは無視されました。これはあきらかに日本のプロ野球機構を牛耳っていた読売の策謀で、彼は長いことアダ花扱いでしたね。彼の活躍でひょっとしたら日本のプロ野球もアメリカで通じるかもしれないという、期待はどこからも出てこず、もし通用するとすれば王、長嶋だけだという国内神話を流布するのにメジャーは利用されていたのです。この巨人軍神話は自民党の一党支配とともに、敗戦後日本のものの見かた考えかたを歪めるのにおおいに貢献したので、巨人軍不滅神話はさすがにすっかり影が失せましたが、自民党の永久政権支配という神話は、今でも生きていますね。
 神話とはバケの皮を剥がさないかぎり、魔物としての威光を失わないので、事実自民党が政権を失ったら日本が危ないと思っている人は意外と多いでしょう。神話の神話たるゆえんです。

― つづく ―





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Last updated  2008.08.02 11:39:17
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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