サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2012.03.02
XML
カテゴリ: カーネーション
三浦組合長のこと

 人生、そうそうないぞ、… 惚れた女から、「好きや」て言われるような事。… 周防よ、外れても、踏み止まっても、人の道や。人の道は、外れない為にあるもんや。… けど、外して苦しむ為にもあるんや。なんぼでも苦しんだらええ。あがいたらええ。悩んだらええ。
 命はな、燃やす為にあるんやで。… 外れても、踏み止まっても、人の道。
これ、五七五になっとるな。 ―

とは、例の三浦組合長が周防に語った、はなはだ「謎掛け」めいた言葉ですが、オノマチ糸子の終幕とともに、その周辺を彩った人たちも、次第に姿を消して行きそうなので、今の内に彼らに触れておこうと思うのです。

 感想欄には、時折り「不倫を煽った組合長は、許せない!」といった書き込みが見られますが、再三申し上げたように三浦も北村も周防も、かなり多量な「物語」を抱えているにもかかわらず、このドラマは原理的に「男の物語は、しない」というスタンスなので、たぶん今後とも詳しく語られることは無いでしょう。
 そこで、「待ってました!」と勝手気ままなブログの特権を行使して、ここではさしあたって、では組合長は「なぜ、不倫を煽ったのか?」という話をしてみたいのです。

 まず「不倫」云々の事柄に関しては、前にだいぶ詳しく触れたので、ここではしません。要は当事者同士にとって不可避的な事態に対し、なぜ三浦は「さらにそれを煽った」と、謗られてもしかたがない言辞を為したのか?ということなのです。
 まあ非常にお堅いことを、澤田さんふうに言えば、「そこで二人を止めるというのが、組合長としての責務でしょう!」ということになるのですが、三浦はそうは言わない。


 それに近寄って行くための、数少ないよすがになるのは、その前のエピソードで、北村と糸子が洋服の新事業を立ち上げた時、三浦が浮かべていた涙でしょう。突然の取り乱し方を見て、糸子はそれぞれの男たちの「戦争中の物語」に思いをはせるわけですが、我々は三浦に関しては、当然その光景と、先ほどの周防に語った言葉を関連付けて連想することになりますね。

 つまり、三浦の戦争中の「物語」とは、たぶん女絡みのかなり「危うい」、しかし「はかない」話だったのではないか、ということになって来るでしょう。で、しかもそれに、北村が唱和するように「号泣」していたところを見ると、おそらく彼にも関係している話だろう。
 となると、考えられるストーリーとして、あるいは三浦と北村の母親が「不倫関係」だったかもしれない。で、その「不倫」が成就しないまま(つまり、正式に結婚出来ないまま)、三浦の工場もろとも北村の母親は、空襲で焼かれたのかもしれない、という推論が成り立ちはしまいか?この母親と三浦はかなり「深い関係」であって、早くから母親は自宅には寄り付かなかったのだろう(あるいは、禁足された?)。したがって、北村は「男所帯」の殺風景な家庭で育ったのだろう、という事になって来るのです。
 となると、三浦は北村に対して、少なからず「罪障感」を持っていることになる。

 さて、そうした「物語」を抱えていると仮定して(全部、想像ですよ)、先ほどの「謎掛け」を考えてみれば、なぜ三浦は周防に「かけたったらええやないか、迷惑」と話したのか、何となく見えて来ません?要は、死んでしもたら、全部おしまい。「人の道は、外れない為にあるもんや。… けど、外して苦しむ為にもあるんや。なんぼでも苦しんだらええ。あがいたらええ。悩んだらええ」ということになる。
 しかし、死んでしもたら、「苦しむことも出来へん。あがくことも出来へん。悩むことも出来へん」。三浦は残酷に断ち切られ、永遠に成就しようのなくなった自分たちの「恋」と、同じ事況を周防と糸子の関柄で再び見ることが嫌だったのかもしれない。「地獄に堕ちるか、天国に昇るか、生きているうちなら、自分たちで確かめられるけど、死んでしもたら、もうおしまいや。どないもならへんで」ということでしょう。
 もちろん、これを言うには、周防と糸子が互いに「誠実である」ということが前提ですが、組合長はそのあたり、自身の経験から照らして「間違いない」と踏んだに違いない。

 と、まあ、またまたエラい「妄想話」になってしまいました。皆さんはどんな「物語」を読み込みます?

― 外れても、踏み止まっても、人の道 ―

― つづく ―


にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
にほんブログ村





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012.03.02 10:57:49
コメントを書く
[カーネーション] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Calendar

Archives

2026.06
2026.05
2026.04
2026.03
2026.02

Profile

TNサリエリ

TNサリエリ

Comments

TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

Favorite Blog

まだ登録されていません

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: