サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2016.01.15
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カテゴリ: クラシック
コンチェルト・グロッソ

 この種のアンソロジーというか、あちこちの収録の寄せ集めといった特別企画は、得てして玉石混交になるものですが、このコンビにはそれがない。常に一定以上の水準を聴かせるという意味で、得な企画ではあります。

 というわけで、いかにもカラヤンらしいシンフォニックなバロック音楽をもう一曲。
 P・A・ロカテッリの 合奏協奏曲第8番「クリスマス協奏曲」 なのですが、冒頭の緩除部。よくこれだけ凝りに凝ったニュアンスとハーモニーを聴かせるものだと思いますよ。その壮大な響きやドラマ性など、明らかに後世のシンフォニーを感じさせるもので、例えばブラームスとかマーラーとかショスタコーヴィッチに見られるような分厚い弦のハーモニーなど、やはり二世紀以上前の古楽を彼らは相当研究したんだと思ってしまう。
 この冒頭部分を聴いていると、私たちはヴァイオリンの声部にもう一つ高音を重ね合わせたい気分に誘われる。あるいはブラームスやショスタコーヴィッチなら、さらに加えて中低音の内声部をもっと厚くしたかもしれない。いずれにしてもバロック音楽と言えばポリフォニー、多声音楽とつい思っていた固定観念が簡単に覆されて、「いやいやそんなことはない。バッハのはるか百年以前に、後期ロマン派に直結するような端正な音楽があったのだ」ということを知るだけでも、心地好い気分になるものです。

 ここで「端正な」という言葉を使ったのは、先のコレッリもこのロカテッリも弦楽のハーモニーについては、かなり抑制的というか、バロック代表のヴィヴァルディに比べても、相当「秩序」を重視しているらしいということです。様々な議論があるのでしょうが、バロック音楽というのが一般に、それまでの「秩序」性に対する「破調」として語られるのに、これらは大きな反射定をなしている。フランスの音楽史家などは「我が国にはバロック音楽というジャンルは存在しない」と言っているとか。
 いずれにしてもバッハ以前ルネサンス以後の音楽史は、私たちが漠然と抱いているより、はるかに広大で多様な音楽が現れていたということでしょう。

 それにしても今回、カラヤンのユーチューブを調べていて、彼の音楽シーンというか射程距離の広さにはまいってしまう。近代ヨーロッパのクラシックを、ほとんどを網羅していると言っていいのではないか知らん。彼の他にも伝説的な名指揮者は枚挙にいとまがないのですが、ドイツ音楽専門とかフランス専門とかオペラなら超一流とか、結構いるじゃないですか。

 そこから彼が掴み出して私たちの前に提示される音楽は、確かに色濃く北欧の風土に刻印された音でありながら、聴き終わるとむしろもっと「はるかな彼方」に連れて行かれる感じがする。





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Last updated  2016.01.15 15:54:00
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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