サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2017.09.06
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カテゴリ: エレクトーンの日
小澤征爾

 面白いのはマーラーというのが、歌曲というか声楽の分野でも特筆すべきユニークな作品を、交響楽と同じ比重で残していることで、しかもそれらが彼の音楽においては、初期のころからごく自然に相互乗り入れしていたということです。歌曲の一部が、そっくり交響曲に使われたり、先の「大地の歌」のように、歌曲とも交響曲とも判然としない作品も残しているでしょう。
 言わば「声楽を知り尽くした」マーラーが、器楽だけを使った後期の交響曲において、自分の内面というか、言葉にはなり得ない深い深い暗部を、神経的な軋み音として書いているように見えるのは、私だけでしょうか?ちょっと難しい話になってしまいましたね。

 話がコロッと変わります。826asukaさんの動画UPに刺激されて、「エレクトーンの日」という意味不明の音楽カテゴリーを作って、いろいろしゃべっているのですが、そのかんじんのエレクトーンの話には、いっこう戻る気配もなく、「一体どこに連れて行くつもりやねん」と言われてしまいそうです。
 ここ最近、彼女の取り上げる音楽は(相変わらず好調ですが)、私が取り上げるべきテーマとは少しずれるような気がし、それに余計なコメントを加えるよりは、そういうジャンルを語るにふさわしい人たちが、話されるほうが好かろうということで、少し引いているのです(なんちゃって)。
 それにしても高校生になって、生演奏の機会が大幅に増え、ファンの人たちからのyoutubeへの投稿も大賑わいですが、当面はこうしたライヴ演奏を主体に活動されるようですね。
 じつは室内(スタジオ)での収録とライブでは、音楽のありようは少し異なるような気もする。音響的には室内収録のほうが、明らかに優れているし、何よりも本人が納得がいくまで、演奏を煮詰めることが出来ますが、ライヴはそういう訳にはいかない。一発勝負で繰り返しが利かないというのが、生の大きな特徴でしょう。

 それはデメリットを意味するのでは決してなくて、おそらくスタジオ収録とは違った感性の涵養となるでしょう。一言でいえば「そこに聴衆がいる」こと、そしてその中には「その場かぎりで、二度とその音楽を聴くことのない人」も必ずいるということです。
 クラシックの演奏家には「聴衆なんて関係ない。ひたすら演奏に没頭するのみ」という人も結構多いのですが(まあいろいろ考え方はあるのでしょうが)、何となくそれではもったいない感じがしないでもない。指揮者というのはオーケストラの方に向いていて、聴衆には背を向けている形になるわけですが、人によっては明らかに聴衆の空気感を意識しているというか、反映してしまうタイプの人がいます。先ほどの小澤征爾などその代表格と言っていいかと思うのですが、今のように大御所になる前、オーケストラや聴衆のノリが悪いと、気の毒なくらいに、しぼんで見えるということがあったそうです。

マーラーの交響曲第二番「復活」のフィナーレ 部分なのですが、小澤の後ろの聴衆の表情が面白い。まあこういう合唱付きの音楽は、ベートーヴェンの第九をあげるまでもなく、勝手に盛り上がるというか、劇的な感興を与えるものですが、それにしてもアメリカの聴衆というのは率直で、中には一緒に歌っている人もいるでしょう。
 振っている小澤さんも、おそらくそれに気付いているに違いない。クラシックといえば、ややもすると謹聴する、要は黙って聴くというのがエチケットですが、それでも聴衆の風圧というのは明らかに感じられる。その風圧がオーケストラの演奏に反映し、そこから繰り出されるサウンドに、今度は指揮者が半ば驚愕しつつ(たぶん)、予期しなかったような次元へ音楽を引っぱり上げて行くのです。
 こういうのを観ていると、クラシックでも生演奏では、明らかに聴衆も「演奏に参加している」「一緒に音楽を生成している」という印象が強い。アメリカ人が劇場や球場で「生身」というものに求めているものが、よく分りますね。「二度と起りえない、出会えない瞬間」に立ち会いたい。出来れば参加したい。為し得るならば(演奏はしないけれど)我からも作り出したい、という願望が満たされるとき、彼らは「生きた」と思うのではないか知らん。
 なぜならそれは演奏者の体験ではなく、「我の体験」として意識されるからでしょう。





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Last updated  2017.09.06 23:52:59
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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