江戸東京ぶらり旅

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江戸時代の国家公務員

江戸時代の公務員,旗本・御家人のこと


今日は江戸のサラリーマン, 旗本 御家人 についてです。ともに「直参」と呼ばれ,そこいらへんの外様大名や田舎サムライとは違うと,プライドは高かったのですが,何のことはない,江戸城の将軍家に仕える国家公務員。合計で2万2千5百人もいたのですね。霞ヶ関で働く国家公務員とどこか似ていますね。税金で養われているのに「俺って東大出だよ」なんてちょっと鼻が高く・・・まあ,東大に入るのも,国家公務員試験をパスするのも誰にでもできるわけないから,プライドがあるのはいいですけどね。そのプライドや威勢の良さに見合った仕事をしてくれれば何の文句もありません。どんどん国民のために活躍してくださいね。

それで,「 旗本 」とは,戦(いくさ)の時にボスである将軍の近くにいて,登録商標でシンボルの「旗」を守る役目の親衛隊。そして「 御家人 」とは,もともと鎌倉時代に『将軍と主従関係を結んだ武士』のこと。将軍の「家人」に「御」の字をつけて「お家の人」,つまり「御家人」。鎌倉幕府は,両者の間にむすばれた「御恩」と「奉公」という主従関係,持ちつ持たれつの関係の上に成立していたので,御家人になればあれこれと経済的な負担を義務づけられましたが,それに対する見返りもあった。そなたにはこの地位を保障するからな・・・と。これら,時代を経るに従って,主従関係というよりも,武家の家柄を示す言葉になりました。



それはどういうことか? 江戸時代になると「旗本」とは1万石以下二百石取り以上の年俸で,将軍に御目見(おめみえ),つまり直接会って会話できる資格のある者。「御家人」は旗本以下の年俸で将軍に御目見する資格のない者。だから,旗本の方が経済力があり,地位も上のようですが。だだし,あくまで大雑把な基準。五百石でも御家人,百石程度でも旗本に属する人もいましたよ。でも,こんな例外を話していたらきりがない,「旗本は収入が多く地位が上,その下に御家人がいる」と理解しましょう。でも旗を持つだけで高い給料もらえるなんて,いいですね!



幕府はこれだけ多くの公務員に江戸城で仕事をさせよっていうのだから大変。それで一つの仕事に何人かをあてがい,交代制にしたのですよ。二日勤めて一日お休みという「三日勤め」の制度。気楽でいいのですが,それだけに給料だって安い。当然ですよね。税金で楽して働いているのだから。本来はこの休みに公務員としての資質向上のために,武術や学問に精を出すべきなのですが,平和が長く続くと武術なんて何の役にも立たない。学問を究めても昇任,昇給するわけではない,ああ公務員なんてつまらない,あほらしい・・・となるのでした。<次回に続く>


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