江戸東京ぶらり旅

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江戸切り子



 東京にはこの「江戸切り子」の伝統が受け継がれています。例えば,浅草仲見世の途中,左に折れる伝法院通りを少し進むと小さな江戸切り子のお店がありますが(写真),今晩使うぐい飲みは江戸の伝統工芸の逸品,これにしようと思うのですね。

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 それで,「切り子」のことですが,ガラスの表面を金盤や砥石で削って色々な模様をつける技法,要するにカットグラスのことなのですが,ワインよりも葡萄酒と呼んだ方が情緒があるように「切り子で一杯」なんていうといい感じですね。

 グラスは内側は透明で外側に色ガラスを重ね2層になっています。削って,磨いてそして文様を作り出す手法で,図柄も植物を図案化したものやら矢来など,江戸の庶民文化に根付いたものを題材に。だって江戸の職人がつくるのですから,そうなりますよね。最初は天保5年(1834年)に大伝馬町のビードロ屋,加賀屋久兵衛がガラスの表面に模様を施したのが始まりと言われます。これがヒット,江戸に広まったのですね。

 しかし現在では安価な輸入品が増え,後継者も減り,江戸切り子は窮地に追いやられている感がなきにしもあらず。逆に言えばそれだけ価値が増した,ということ。そう思いながらグラスにまた冷酒を注ぐ。

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