江戸東京ぶらり旅

江戸東京ぶらり旅

母の日

「母の日」のこと


 王冠(コロナ)の形をした花,コロネーションが訛ってカーネーションになったという赤や白やピンクの綺麗な花。キリストが磔(はりつけ)になり,そのとき聖母マリアが落とした涙のあとに生じた花,これがカーネーションなのです。母と子を愛で結びつける象徴の花というわけですね。


 5月5日は「こどもの日」ですが,本当は「母の日」でもあるのですよ。だって祝日法では「こどもの人格を重んじ,こどもの幸福をはかるとともに,母に感謝する日」とあるからですね。こどもが安心して成長できるのは母のお陰,感謝しなさいといことが法的に定められているのです。

 それで,普通は5月の第2日曜日が母の日ということになっていますが,これは法によって定められた母の日ではありませんね。母親が健在なら赤のカーネーションを,亡くなっている場合は白のカーネーションを贈って,母親に感謝する日ですが,どうしてこの日が作られたのでしょう。

 事の起こりはアメリカウエストバージニア州のある教会,ここで教師をしていたミス・ジャービスさんが亡くなったとき,娘のアンナさんはお母さんが好きだった白いカーネーションを捧げることでお母さんの教えを伝えていこうとした。この話を聞いたデパート経営者が5月の第2日曜日に母を讃える記念会を開いて,アンナの話を人々に伝えたのです。これが評判になり1914年,ウイルソン大統領が国民の祝日にしたのですね。もちろん「母の日」は5月の第2日曜日,これが日本にも伝播したというわけです。とにかく何でも取り入れてしまう日本人。


 本当のところは,白のカーネーションはキリストとマリアの涙,赤いカーネーションは復活したキリスト,カーネーションの花言葉は「母の愛情」。この日は日本人がキリスト教信者になるのだろうか。この謂われを知らずにカーネーションを買い求める人も多いでしょうね。

「江戸東京情報館@話題の宝庫」のトップページに戻る





© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: