トモが覗いた‘フィリピン’ ~交換留学体験レポート~

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トモ 1981

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Feb 20, 2005
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カテゴリ: おススメ!!
これまで2回にわたりレポートしてきた、ケソン州の豪雨被害地。ようやく最後に訪れたジェネラルナカール町をまとめる事が出来ました。



<ケソン州ジェネラルナカール町>
 車や人が頻繁に行き来し、喧騒すらすでに感じられた隣町のレアルやインファンタとはうってかわって、ケソン州の北に位置するジェネラルナカールは中心部ですら静けさを感じる町だ。村民の70%が農業・漁業に従事している同町は、近隣の町に比べると貧しいとされている。

市場
被災2ヶ月経った今も、未だに再開されないGナカール町の市場。

 レアル町市場にはすでに野菜、肉、魚などの商品が店に並んでいたが、ここジェネラルナカールの市場は再開されていないままだ。多くの人々は隣町まで買い付けにいってしましい、商品は直接この町に流れてこないという。
 商品台のみが並んだガランとした市場は、子どもの格好の遊び場になっていた。

 町には堆積した土砂を取り除くクレーン車などもあまり見かけない。手付かずのまま場所が多く残されていた。人々もどことなく元気がない印象だ。



 ジェネラルナカール町データ:
 人口約27000人・世帯数5800戸
 死者297人、ケガ54人、行方不者131人(1月28日 同町役場調べ)

<救援物資の支給> 
救援物資の配給所
救援物資を配る様子。

 午後2時。新しく再建中であった村役場まえで、救援物資を配給する光景を目にした。長さ50メートル以上にわたって村人たちが列をなしている。今回は鍋、シャベル、バケツなどのほかに、パスタといった食料品が配布されていた。

 それぞれの家庭の被災状況に関係なく配られるものは同じだという。人々は各々で必要なもの話し合い、なべとシャベルを交換してもらうなど互いに支えあって生きていた。

 救援物資を受け取りに来ていたアーニーさん(34)の話では、1月の救援物資の支給は3回だったという。7歳の娘と8歳の息子がいる彼女の家族にとって10日に1度の支給ではやはり充分ではないようだ。
 今一番欲しい物は何かと尋ねると、「うーん・・・」としばらく考えて、「第1に食料、第2に家かな・・・」と話す。 改めて今後の生活が不安定なままだということを思い出してしまった様子だった。僕は質問を少し後悔してしまった。


<山部の被災状況>
洪水でえぐられた跡


 「山間部の被災状況はどうなの?被災者の生活は?」
 現地の人に問うたところ、「わからない、人は住んでない」という曖昧な返答が返ってきた。どうやらアクセスの悪い地域では行政の手さえ行き届いていのが実情のようだ。当然、被災状況のデータさえ取られていない。このような手のつけられていない山々の被災状況を調べるため、少し歩いてみることにした。

 山道に入る直前でトライシクルを降ろされた。以前は車やバスが通れた道も土砂崩れの影響で狭く地盤がゆるくなってしまい、いまでは徒歩でしかと通れなくなっていた。途中、救援物資をもらいに行く人、すでに受け取り帰る人々に何人も会った。バタンガン村などに続く主要な道であったがアクセスが極端に悪いため、救援物資を取りに来るだけで片道1~2時間以上もかかるそうだ。

手付かずの被災地3
村へと続く山道。今は徒歩で歩くしかない。

埋もれたバスケットコート
バスケットゴールが埋まるほどの土砂が流されてきたことがわかる。コートは早くも耕され、苗が植えられていた。


救援物資の支給を受けるにはIDではなく、事前に配布されるスタンプを手に入れる必要がある。
 だが彼女たちの話を聞いていると、どうやら連絡不足でスタンプを得られず、片方の女性は救援物資を受け取れなかったようだった。
 アクセスの悪いこの地域は、物資の支給情報が確実に村人に届かないこともあるようだ。
 それでなくても少ない救援物資。受け取れ得なかった彼女とその家族は、次の配給までどのように生活していくのだろうか・・・。
スタンプ
物資と交換するためのスタンプ。名前と番号が記載されている。物資は家族構成に関係なく配給量は同じだった。

手付かずの山中の被災地2
堆積した土砂で埋まった大地が延々と続く。


 死者100人、行方不明者43人と、同町でもとび抜けて大きな被害が報告されているバランガイ(最小行政区)がウミライ地区だ。同地区は町の中心から北に90キロほど離れたところにあり、シエラマドレ山脈に囲まれているため陸路での交通手段はなく、現在も復興の手がつけられていないと言われている。

 このウミライを、フィリピン大学に以前留学していた原さんが訪れた。その時の状況をレポートしていらっしゃったので、参考までに現地の状況を記したい。

 町の中心からボートで7時間かかるという同地域は、当然ながら復興に必要な土木機械は入れない。まったく手付かずの状態だ。
 現地で報告されている行方不明者数は150人以上と町の発表より多い。また住民登録もせずに違法伐採者として入山する者も相当数の上るとされ、死者数ももっと多いそうだ。
 手の入らない地域だけに、そのままに放置されており、いまも200人以上の被災者がテントでの生活を強いられているという。

 町の最大の課題は清潔な飲料水の確保だと言われている。アクセスの悪い同地ではきれいな水の確保は難しい。今も洪水で水源が汚染された水を飲み続けているため、調査では住民の半数が下痢の症状を訴えているという。

 また洪水でできた水たまりから、マラリア蚊発生の可能性もあるということで、今後、衛生状態の改善が名何よりも先に処置すべく問題であるという。<終わり>






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Last updated  Feb 23, 2005 05:44:28 PM
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クーオン @ フィリピン大学の学生さん そちらの大学のフィリピン人学生さんで、…
コル@ 凄く面白いレポートでした! こんにちは、UPの事がよくわかり、素晴ら…
ぬん@ 留学について質問です こんにちわ^^ 初めてコメントさせてい…
海のくまさん@ チン型取られちゃったw http://onaona.mogmog55.net/l2ao5g4/ 俺…
お猿@ やっちまったなぁ! http://feti.findeath.net/39jtsux/ ちょ…

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