週番日誌@佐藤智広研究室

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2008/06/13
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カテゴリ: 遊興生活

 先日ここの日記で書いたように、中世文学会の今年の企画は「能楽鑑賞の夕べ」。明日から始まる発表会に先立ち、銕仙会6月公演をそれに振り替えたのだった。自分は年の初めに6月分を頼んでしまっていたので、学会経由では購入しなかったが、見知ったお顔がちらほらとあった。

 最初が「胡蝶」。いつもならば10分前に到着できるはずの電車が、今日に限って京成線の車両故障だかなんだかで電車が運休。しかもその後の乗継までおかしくなっていて、水道橋に着いたのが6時ちょっと過ぎ。すでに地謡も囃子方も舞台に入っている中、掟破りで見所に入る(真似をしてはいけません)。
 というのも、この6月公演は浅見慈一さんシテの「胡蝶」が楽しみで取ったものだったからである。若い人が可憐に演じるのにふさわしい「胡蝶」を期待通りの上品さで舞う。若いといっても、浅見さんは自分より年上のはずだけれど。 この曲の眼目は最後の胡蝶の舞。太鼓入リの<中ノ舞>だから、<序ノ舞>の優美さよりもやや親しみのある舞にはなるのだが、浅見さんの舞はそれでも気品がある。なんだろう、この感じは。まず、装束の扱いが上手いというのがある。あと、ちょっとした型が1つ1つ丁寧に見える。小柄な体格を存分に活かして可憐なのに、それでいて別段小柄とも感じさせない。不思議だなぁ。
 なかなか観る機会の少ない方であるが、いつも期待を外さない。これからも注目していきたい。そういえば、代々木能舞台に2年くらい行ってない。浅見ファミリー好きとしては恥ずかしいことである。

 狂言は「杭か人か」。現在の大蔵流にはない曲。シテ太郎冠者を石田幸雄さん、アド主を野村万之介さん。面白みがそこかしこにちりばめられているわけでもなく、シテの謡とラストの笑いがみどころ。シテの謡は能「三井寺」の<クセ>のあたりで、石田さんの張りのある声に引き込まれる。

 最後の能は「藤戸」。ここに来てようやく中世文学会にふさわしい演目になる。『平家物語』というか源平の争乱の裏側といった作品で、佐々木盛綱の勲功の裏側にあった悲劇を描く。能の作品の中で幾つかある、前場と後場の登場人物がまったく別というタイプで、前場は殺された青年漁師の母、後場は青年の亡霊がシテとなる。シテは観世銕之丞さん。
 意外といっては失礼だが、前場の母の面[曲見シャクミ]がまったく違和感なくはまっていたような。子に先立たれた悲劇の母というには、ちょっと立派な体格なのに、面の動きと首から下の動きが調和していて自然な感じに仕上がっていた。ワキ盛綱に詰め寄る場面は、さすがに盛綱を押し倒さんばかりの迫力だったが。
 こういう叙情性よりも写実性の高い作品は銕之丞さんに合っているのかもしれない。






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Last updated  2008/06/15 11:22:06 PM
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ざあ6869 @ おめでとうございます ヽ(・∀・)ノ 文応三百首、写本ご入手とのこと、おめで…
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