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2006年09月19日
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 道徳や倫理の荒廃を解決する手段はないのか。友人と少しそれについて話をした。解決策はあり得ないと二人で話しているさなか、一つの解決策が頭に浮かんだ。全く現実的ではない内容だが、友人もそれを聞いて、初めは怪訝そうな顔をしていたが、最後には分かってくれた。むしろ提案したボクより納得していた。ボクが言ったことは、日本人とは何者かという問いから考えるものだ。

 侍たちも、好き好んで自ら士道に励んだわけではない。人間が成長し社会や環境が変わると言う事例はほぼ皆無だ。社会や環境の変化に対応する形で、仕方なく人間の思想が変化している。例えば、北アメリカの先住民は、食糧難の故に、自然と調和せざる得ず、自然と共生する思想を生んだ。インドでは洪水、疫病などの過酷な自然環境が影響し、苦からの解脱という思想が生まれた。中国では戦乱に明け暮れ道徳が荒廃したことから、「礼」という秩序を重んじる孔子の思想が発展した。日本では強力な幕府の影響力のもと、失政は藩のおとり潰しにつながり、侍たちは倫理的、道徳的にに優れた人物になることを強要された。現代では地球環境の危機があるからこそ、日本人は環境対策に目覚めた。思想の変化は自主的とは言いがたい面を含んでいる。それゆえに倫理と道徳の再建は環境からの圧迫なくして成り立たない。
 切腹が復活すれば、日本人は追い込まれる。罪を犯さないようにする一方で、罪を起こそうとする心すら自分で律するようになる。したがって、汚職や談合または故意に公害汚染を引き起こした人物に「切腹を申し付ける」となれば、秩序は復活するはずだ。しかし、最初に述べたように、これは非現実的で、実際に切腹を制度化できるわけがない。これは恐怖政治だ。誰も賛成しない。
 しかし、ある部分、切腹は精神風土的に馴染むのではないかと思う。文化は積み重ねであり、下手に異文化を取り入れるよりも、元々あったものを使った方が効果を生むことは確かだ。例えば単に個人責任を追求するよりも、「恥ずかしくないか?」という言葉を投げかけた方が効果を生むことがある。
 西洋の制度を真似たものの、日本には日本の精神風土に適った対策が必要である。厳罰化は犯罪に対してかなり有効であるが、単に現行制度を厳罰化するだけではなく、我々は何者なのかを見つめることから対策を考えることが大切であろうと思う。西洋思想が全てに渡って普遍的であると考える日本人はもうおそらくいない。世界は多極化し、西洋中心の時代は終わった。それはつまり、日本人が何者かを考える出発点に立たされているということだ。この視点から考えることが、21世紀型の先進国家へ日本を成長させてくれるだろうと思う。





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最終更新日  2006年09月19日 18時29分19秒
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