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2006年09月25日
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 さて、丹波哲郎が死んだ。彼は大霊界に行ったのだろうか。大俳優だったと思う。NHKの真田太平記で演じた真田昌幸は、本当に凄かった。映画「大霊界」は二作品とも見に行った。一作目の時は、初公演の日に行って握手してもらった。死ぬとあの世に行く。日本人の死生観をあの人なりに表した作品だった。B級映画ではあったが、日本人の行くあの世をイメージさせてくれた。さて、以上の文は以下を書き終えてから付け足したものだ。今日の徒然草は、以下の通り。

 週末は友達とメールで話をした。週末に平泉のミイラを見に行くことを告げたら、イタリアにも怖い場所はあるぞとローマの時代の地下墓地のことを教えてくれた。怖いけれど、宗教的な意味合いを考えた時、そういうのはとっても良いことだなど話をした。平泉のミイラはもちろん仏教信仰の対象で、仏像が人間のミイラに置き換わったようなものだ。ローマの地下墓地は多分、終末まで安置しておくのだろう。キリスト教徒はそれまで永眠する。
 ところで、宗教の話になった時、「私は無宗教だ。」と外国人にいう日本人は今もいるのだろうか。少しでも分かっている人なら、「仏教徒で神道だが、厳格な信仰はない。」などと説明するだろう。深い信仰心を自覚していなくとも、日本人には根深い宗教心があるからだ。
 現代でも普通の日本人はむやみに墓地を通りたがらない。死体にも近寄りたがらない。死にケガレをみるからだ。街中に死体が転がっていない原因の一つはそれである。遠ざけようとする。目を背ける。死に対する日本人の抱く感情は、宗教的であるとしか言いようがない。
 「リング」「呪怨」などの映画のヒットにしても、怖さを起こさせる原因が、日本人の伝統的な死生観にあると言わざる得ない。「悪霊がいる」という宗教的感覚が誰にもあって、なければ単に笑い飛ばしているだろう。悪霊が取り憑き、命を奪われるという感覚は、まさに信仰心である。
 初詣も代表的なもので、一年の幸福を、宗教的(超越的)存在に守ってもらおうとするのだから、宗教以外の何ものでもない。神がいて、ケガレを取り除くことで幸福を得られる。お祓いを受ければスッキリした気分になる。信仰なくしてこのような感覚を感じない。
 これらの日本人の感覚は、日本人の心にこびりついていて、簡単になくなるものではない。もっといえば、この感覚なくして日本人であることは不可能なのだ。単に国籍を変えることはできよう、しかし、それは、「帰化した日本人」として分類される。英語で説明すれば、普通の日本人が、日本と言うNationに属するのに対して、後者は日本というStateに属する。Nationとは、古い時代から成り立ってきた「国」のことであり、Stateとは人や法制度の移入によってできた人工的な「国」である。通常、日本人とはこのNationの構成員のことだ。サッカー選手のラモスのような日本人は、Stateの方に属する。日本人キリスト教徒がいてもこの枠組みは変わらない。それは単なる例外だ。このNationが、他の様々なNationとも関わり合って存在している証明として意味を持っている。
 この日本においても、科学が万能であるかのように信じられた時期があった。科学と宗教が正反対のものであるかのように考えられた。科学的で宗教と縁を切っているつもりの人が大勢いたが、宗教と人間が切っても切れない関係にあるのを証明したのは、社会科学などの科学だった。もし科学的な見方をするならば、むしろ自分が無宗教であることを否定せねばなるまい。それでもなお、否定する人は自分を誤解している。
 「もう無宗教だというのはやめにしよう。」とボクは言いたい。国際社会では「無宗教」は非道徳的な意味合いを持っていて、比較的聞こえが悪い言葉であるし、日本と違って宗教を持っているからと敬遠されることはまずない。そして、現代のように文明や文化が衝突する時代にあっては、それぞれのNationが、互いの衝突の中で「自分たちとは何か」に目覚めていく。日本も例外ではなくその世界潮流のただ中にいる。「仏教徒で神道だが、厳格な信仰はない。」と言うことは、むしろ先進的なのである。





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最終更新日  2006年09月25日 19時55分02秒
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