体に描いたマジックインキの線を消さない様にと命じられて 13日に点検がある。胸と脇腹に描かれているから、シャワーを浴びるのも控えている。詰り汗をかけないって事である。

薄くなっても、自分で描いても阿寒湖。何でも無い事の様だが汗をかけないかかないって無理な気候なんだぜ。
38．6度なんて… 体だったら解熱剤飲む事態だ。

冷房は全て自動にして連続運転にしている。毎日使用電力はスマホで確認。１日 200円少し。変動は調理すると変わる。

買い物は、陽が暮れて日没後だ。近くのスーパーに惣菜とビールを買うのも汗をかかずに素早い神業。

癌告知されて、放射線照射治療を受けるのを待つ身。精密に腫瘍の呼吸運動範囲を調べ、コンピュータ計算で照射のタイミングを捉えて四方八方から一点集中でバチバチとやるのか
一筋の直線照射でバチバチ！と狙い打ちなのか興味は尽きない。腫瘍が肺に限定して転移が無いステージ1 の定位照射だから、ワンクールで終ると思う。だから… この拘束状態に耐えている。

メルセデス・ベンツ 560 SEL 俺の愛車だった。

後部シートに座る漢（おとこ）もう … もう少しで直参になる寸前だった。俺は「堅気で直参筆頭秘書」６台のベンツを統率するコンボイ隊長になる筈だった。

４代目暗殺。実弟の竹中組長への挨拶。菱の最高幹部織田譲二親分病死に伴い、織田組から２名を直参昇格と発表され、若頭が。後一人に漢が推薦された。藤本栄一織田組舎弟頭代貸の身分。ミナミのアランドロンと呼ばれていた。

姫路で夜半まで待機した。

深夜の中国道。宝塚過ぎて、ずーっと無言だった漢が自動車電話を。おい茂治！お前が本家へ行け！１億５千万渡すから５千万段取りしろ！

嗚呼俺の夢消えた…

遠山… ワシ… 竹中に叱られた。親の仇も討たんと、直参ぶら下がったらダボハゼみたいに食らい付くんか？言いよる。
反す言葉が無かった。苦労かけてすまんのう…

それから目標を無くし希望も消えた漢は夜な夜なミナミの街で暴飲暴食三昧。自殺行為。

２月に黄疸発症。膵臓癌は手遅れ。法円坂国立病院特室に入院。４月に激痛発作。モルヒネで６月までもって死亡。

発症から納棺までひとときも離れず付き添った。

意識朦朧となった漢の全ての整理をした。何をどうしたかは絶対に話さない。

あ愛車のメルセデス・ベンツは、京都の組織が取ったけれど南インター近くでトラックの横っ腹に突っ込んで大破。

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