前回のワインの感想と解説の続きです。
シュプライツァー
Spreitzer (ラインガウ)
Oestricher Lenchen シュペートレーゼ ハルプトロッケン 09 12%
現地で飲んでおいしかったので単純に多くの人に飲んでほしいと思って複数本購入していたものです。
今回結果的に、ラインガウの同じタイプの飲み比べ、新しい表記との味わいの比較として使うことができました。ドイツワインに飲みなれている、どちらかといえばマニアなタイプの人にはこのワインが一番人気でした。
そんなに甘さはないけれどしっかり糖度のある葡萄からのしっかりとした醸造による存在感のあるワインに仕上がっています。オールマイティというと軽いワインにみられてしまうかもしれないけれど、いろんな側面からでもすばらしさを感じられるという優秀なワインだと思いました。
実は二ヶ月前に日本でこれを飲んだときにはすごく甘みを感じて今回とは別物に感じました。今回は現地で飲んだときに似ていました。醸造の方法にもよると思いますが、糖度の高い葡萄からの少し糖分を残す辛口ワインの難しさ、個体差というのを身を持って感じることができました。以前飲んだモリトールのハルプトロッケンも現地とだいぶ印象が違ったのでこのタイプにはよく起こることだとわかりました。おそらく熟成してくると甘みは落ち着いてくるとは思うのですが。
ペーターラウアー
Peter Lauer (ザール) Fass 6 Senior ハルプトロッケン 09 12%
今回はこのペーターラウアー二種類を飲んで感じてほしいものがあって、色々な辛口を飲んでからこのワインを飲んでどう思ってくれるのか、というのも自分の中で裏テーマとして持っていました。
前のこの醸造所を訪問した時のことを書いたときに触れたのですが、ここの辛さの表示、トロッケンやファインヘルプというのは残糖ではなくアルコール度数で決めています。なので味わいとしてはみなファインヘルプあたりと思っていただいてよいと思います。
このワインはラベルには「トロッケンとファインヘルプの間」とあるのですがゴーミヨではハルプトロッケンとしていて僕もそのくらいだと思ったのでラベルの表示ではなくハルプトロッケンとリストには記しました。
ラウアーのワインは主にアイラークップの畑の葡萄から造られていますが、商品ごとに個性がだいぶ違います。それは土壌や気候条件による環境の個性、特性を大事にワイン造りをしていることと天然酵母による発酵なので味わいの幅がでてくることによるものです。
そういった違いが生まれることの説明としても味わいの異なる二種類を並べてみたのです。
このFass(樽ナンバー)6はラウアーの2009年産の中では硬めの味わいのほうでトロッケンの系統です。
がっちりとした骨格だけれどその中にやさしさ(やわらかいと同義だけど少し違うかな)を感じます。
和食にもあわせやすい柔軟さもあります。
ペーターラウアー
Peter Lauer (ザール) Kern ファインヘルプ 09 10%
こちらは古樹の葡萄からのワインで上記のものより10ユーロ近く値段が高いです。
なので純粋な比較にはならないかもしれません。でも上のも質は高いと感じたので、味わいの比較という意図は成功していると思います。
訪問したときのレポートにもこのワインの感想は書いているのであまり書きませんが、ほのかな心地よい甘みはドイツワインに慣れ親しんでいる人はやはり好きなようで、このワインが一番減りが早かったです。
ただ甘みがあるだけではなく、古樹だからであろうしっかりとした輪郭もあって高貴さを感じることができます。
醸造所で飲んだ時はもう少し甘かったような気もしますが、今回のようだと食事にもあわせられることができます。
味は全く違うけれど両方とも好き、と言われた時が一番うれしかったです。狙い通りだと。
味というよりは、ラウアーの人たちの思想と天然酵母による幅広い味わい、ファインヘルプあたりのナチュラルな飲み口などを体験し感じてもらうということに意味を持っていたので。
こういうワインは日本人に親しみやすいと考えていて、日本に入ってくれれば状況は少し変わるのではと僕は考えています。
でもセールスポイントなどが難しくて売りづらいとも思いますが。
でも少数の人でもこういうワインの存在を知ってもらえれば変わってくるのでは、という願いを心に秘めております。
マンツ Manz (ラインヘッセン) Niersteiner Hipping シュペートレーゼ 04 9.5%
今までの流れとはあまり関係なくボーナストラックといったかんじの一本です。
辛口をずっと飲んでいたためかそんなに甘く感じなかったのですが、それでも残糖のあるものは飲むと落ち着かせてくれます。
ドイツワイン好きの性でしょうか。
といっても今は辛口中心のドイツワイン好きの方もいるので一概にも全員がそうとは言えなくなってきています。
僕は辛口でも好きなワインはたくさんあるし好んで飲みますが、やはり心を落ち着かせてくれる甘み、というのは離すことができず最後にはやはりここに戻ってしまいます。
このワインはヘッセンのものとはいえ酸もしっかりあるからかひらべったくないので物足りなく感じないのです。
このワインはDLG(農協協会)とラインプファルツ州の品評会のダブルの金賞を獲っています。ふたつ受賞しているものは、おいしいし可能性が高いと思ってもらって大丈夫だと思います。二種類の試飲をしていないワインがある時場合は賞を受賞しているほうを選んだほうがよいでしょう。
賞は質の保証であり個性とは関係がないものですが、ふたつの賞を受賞していたら飲んでみる価値はあると思います。
といったかんじで計八本、二時間ちょっとの時間があっという間にすぎました。
出席された方の知識や経験にはばらつきがあるので、僕の意図を全員の方が汲み取れるとは思っていませんでした。でもそれぞれの人にとって意味のある体験や知識を積み重ねられたことは間違いないと思っています。
こういう機会を与えられたことに感謝しています。
すぐにまたやりたいとは思いませんが、たくさんの人に僕の想いを伝えることができたら本望なのでいろいろな場所や環境でこういうことができたらいいなと思っています。
このセミナーに関連した記事はもうひとつ続きます。
書き忘れましたが今回のワインは全て白ワイン、リースリングです。
質のよいドイツワインだから特に記載がなかったらリースリングだというのは当然、と思っている人は多くはないことを認識して書き忘れないようにします。
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