ドイツワインに関わっている仲間がしだいに増えてきて定期的(半年に1,2回くらい)に飲食店で集まって飲み会を開いています。業界に関わっている人や完全に趣味でドイツワインに接しているが醸造所訪問のために毎年ドイツに行く人など色々な方が集まりますが、共通しているのはドイツワイン愛です。なので多方面で活躍している人たちにとってこの場はホームグラウンドというような落ち着ける空間になっています。言葉を選ばないで地名や醸造所名、ワイン用語などを言っても解釈なしでみながほとんど理解できてしまうのもすごいところです。
2月に新年会が行われたのですが、集まる時はみなが持ち寄りで日本で入手できないようなマニアックなワインを持ってくるのですが、そういった会とは別にテーマを決めて幹事がワインをセレクトしてやる会も自然と行うようになりました。昨年行われた第一回はアンフォラ、オレンジワインだったのですが(ドイツ以外にもジョージア、イタリアなどのワインもありました)、今回企画したのはトリッテンハイマー・アポテーケTittenheimer Apothkeの会です。
今回は、いつも集まるメンバーだけでなく僕の知り合いでこのテーマに興味のありそうな人もお誘いして11人での会となりました。
モーゼルの中域のトリッテンハイムにあるアポテーケの畑のワインだけを集めて比較してみようという会です。
最後に少しふれますが、ヴァインベルクが輸入するワインを検討するためにドイツを訪れた2013年の秋にトリッテンハイムを訪れました(この街に来たこと自体は2回目です)。
この地の辛口ワインがモーゼルの中でも好きだったことと、ドイツでの評価に比べればその当時には日本にはあまりこの地のワインは輸入されていなかったのでトリッテンハイムの醸造所を扱いたいと思っていました。その中で候補に上がった3つの醸造所が今回の辛口ワインの比較に使用した3つの醸造所なのです。
この時には同行者がいて(彼は業界の人ではないが醸造所に買い付けに行く変態マニアの一人です)、彼(以下H君)もその時に買ったワインが残っていて、この地のワインでワイン会をやりたいという要望がまわりからあったということでこの会をセッティングすることになりました。
H君はフランケン好きなのですが、この訪問のずっと前、最初にモーゼルを訪れたのが知り合いに連れてきてもらったこのトリッテンハイム村ということでこの村には思い入れがあるとのことです。そしてそこで出会ったアンスガー・クリュセラット(以下アンスガー)Ansgar Clüsserathを気に入っています。
僕がヴァインベルクとして現在輸入しているベルンハルト・アイフェル(以下アイフェル)Bernhard Eifel、アンスガー、そして2013年に訪れたもうひとつの醸造所クリュッセラート・ヴァイラーClüsserath-Weilerのワインを中心としたラインナップです。
辛口
1 Bernhard Eifel 2012 Spätlese trocken
2 Bernhard Eifel 2011 Spätlese trocken
3 Clüsserath-Weiler 2012 'Alte Reben' trocken※
4 Clüsserath-Weiler 2011 'Alte Reben' trocken※
5 Ansgar Clüsserath 2012 Steinreich trocken
6 Ansgar Clüsserath 2012 trocken※
7 Ansgar Clüsserath 2011 trocken※
甘口
8 Ansgar Clüsserath 2012 Kabinett
9 Ansgar Clüsserath 2012 Spätlese
10 Bischofliche Weinguter Trier 2010 Spätlese※
※のあるものは現地で入手したものです。
メインは辛口の比較で、醸造所、ヴィンテージによる比較をしました。
甘口は等級ごとにどういったものがあるのかというのを知ってもらうようなラインナップにしました。10は知り合いが持っていたもので、異なるヴィンテージだし少し熟成しているものもあったほうがよいのではということでラインナップに入れました。
この他に差し入れがあったのですがそのワインについては後半に書きます。
5だけは畑名がラベルには記載されていませんがアポテーケの畑です。その他のものはTittenheimer Apothkeの記載があります。
ヴァイラーとアンスガーは今の主流のようにシュペートレーゼのような等級をつけていません。しかし3から5はシュペートレーゼクラス、6と7はアウスレーゼクラスに相当するそうです。
どの醸造所もVDPには加盟していないのですが、VDPの今の格付けだとErste Lage、Grosses Gewaechsに相当します。
ワインを飲み始める前には軽くアポテーケの説明をしました。
H君が4ページにも及ぶレジュメを作ってくれてそれに沿った形で説明をしました。
この畑のポイントは大きくいうと2つあります。
モーゼルでおなじみの100年前の税区分の地図ではこの一帯はかなり畑が細分化されていました。その中でも赤く塗られている2つの畑名が現在のアポテーケには含まれています。それらは統合されてアポテーケになり、そして数十年前の区画整理でアポテーケの面積は増えたということも説明がありました。
統合前にはアポテーケという畑名はなく、他の名前がなまってアポテーケとなったのではないかという推測がありました。そこにはドクトール(医者の意)などマーケティングとしてアポテーケ(薬局の意)と付けたのではないかとも言われている、という説明もありました。
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