竹林館 空飛ぶ びぶりおてっく

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PB013

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2007年12月17日
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『カメラ・オブスキュラ』、著者は尾崎まことさん 。詩人ですが、また竹林館の有力なスタッフでもあります。そもそも彼との出会いは言葉でした。彼の持つ言葉の力に惚れ込んだ私は、ぜひにとスカウトした訳です。今やその力を思う存分発揮してくれていますが、その言葉の力を限界まで見せてくれたのがこの詩集『カメラ・オブスキュラ』です。(「カメラ・オブスキュラ」とはラテン語で「暗い部屋」の意味、カメラの語源。小孔またはレンズのついた暗箱で、写真機発明以前、画家が写生に用いたものです。)

 谷川俊太郎の再来? 編集をしながら、谷川俊太郎の『二十億光年の孤独』を初めて読んだときのような熱気をずっと感じていました。もしかしたらもっと深い宇宙がこの詩集にはあるかもしれません。先日、関西詩人協会の総会で、杉山平一代表が「長い人生の中では辛いこともあったが、そんな時も自分はもう一方の手に詩という、文学というものを持っていた。だから頑張ることができた」というようなことをお話しておられたのですが、まさにここには闇とも言える現代に天から射してくるひとすじの希望のようなものがあります。
扉の「みなさんへ」という言葉をご紹介します。

人間にもし言葉がなければ、ただの暗い箱にすぎないでしょう。
つまり、わたしもあなたも永遠に知られることのないブラックボックスです。
もの心がついた頃、すでに僕は穴の開いた「カメラ・オブスキュラ」でした。
この装置に射し込んできた、生きるという四つの季節の風景を、四角いぺーじに閉じ込めてみました。
捕まらず逃げ出してしまったものも、また愛しいです。


根底を流れるのは、暴力的なまでにやさしいこころ。どれといって選べないのですが、短い詩で私の好きな詩を少しだけご紹介します。

蝶の飛行

どんな種類の
蝶々も
鬱の病です
広すぎる
空を背負って



泥の舟

夜が明けても
沈まないで
斜めになって

泥の舟を
悲しむ
乗せている
タヌキを悲しむ
絵本を読んでから




X(エクス)の伝言

夢から覚めてゆくと
斜めにかかる
白い道には
死者達が
並木のように立っていた

彼らは
唇をエクスのかたちの
花束にして
たったひとこと
僕に伝える

死ヌナヨ


たくさんあるので、とりあえずこれだけにしておきますね。あとは、手にとってもっともっと読んでみてください。きっと小説より面白い、哲学より深い、恋愛より激しい感動でいっぱいになることでしょう!

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最終更新日  2007年12月18日 16時45分58秒 コメント(2) | コメントを書く


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