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真空管試験器Hickok 600Aの資料がオークションで出ていたので落としてみた。オークションと言ってもコピーであるからいくらでも出てくるのだが…。写真の下半分、マニュアル2冊とCDがそれである。設定チャートのサプリメント集はWestern Erectric管を初めとして、持っていないものばかりだった。日本語マニュアルは、動作原理の解説付きでなかなか興味深いものであった。CDにはマニュアル類の他に、なんとRCAのTube Manualがいろいろ入っている。なかなかお買い得であった。600Aのような人気機種だとこのように情報を得ることも容易だと実感した次第である。
2008.02.03
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今回はHickok社の真空管試験器の使い方を紹介してみようと思う。Gmを測定できる真空管試験器Hickok 600Aを例にとって説明しよう。1.まず、内蔵のロールチャートで真空管を探す。6L6を選んでみた。ここにない真空管は、別冊から探すことができる。2.ロールチャートの表示に従って接続の設定を行う。例えば6L6ならば、FIL 6.3 接続はJR-5347-2 となっているので、ヒーター電圧として6.3Vを選び、7つのセレクターで順にJR53472と設定していく。ちなみに最初のJRはヒーターの接続、以下グリッド、プレート、スクリーン、カソード、サプレッサーの順になる。3極管だとEV-7608-0のように(12AX7-1)、接続のないところは0が入る。3.次にバイアスと信号の設定である。ロールチャートに、BIAS 17、ENG 88とある。バイアス電圧を大型のBIASダイアルで設定し、信号の大きさをENGLISHダイアルで決める。ただし。この数値は良否判定をするときのもので、Gmを直読するときは、ENGダイアル上の3つのマークのどれかに合わせる。フルスケール3000, 6000, 15000の3種類が選べる。4.真空管を差してライン電圧調整を行う。P7ボタンを押してメーターを中央に合わせる。100Vだとぎりぎりで調整範囲に入っていることもあるが、ステップアップトランスが必要なこともある。5.Gm測定に入る前に、まずショートテストを行う。ショートスイッチで1~5まで調べていくとき、途中でもし隣のランプが光れば、光った番号の組み合わせによりどこがショートしているかを突き止めることができる。6.ショートテストが異常なければ、いよいよTUBE TESTモードでGm試験である。P4ボタンを押してメーターを見る。良否判定のときは、GOOD側にあれば良く、BAIASダイアルを回して細かくGm値を読むこともできる。ロールチャートに標準的なGm値が出ているので、それと比較すればよい。軍用のTV-7と異なり、メーターが大きくて直読できるためとても見やすい。使い方は以上の通りであって、特に難しいところはない。
2008.01.13
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真空管試験器Hickok 600Aの較正作業を行った。Calibration Instructionに従って、まず各端子の電圧チェックを行ったのだが、Instructionには20kohm/Vのテスターで測ったときの値と1kohm/Vで測ったときの値が出ている。実際にはデジボルで測るので、内部抵抗を計算して換算すればよいと思ったのだが、不思議なことに計算よりも変動が多い。直流電圧と言っても実は脈流なので、アナログメーターと同じにはならないのだ。適当な負荷抵抗を抱かせたり、アナログテスターを併用したりして測った結果、電圧には特に問題はないことが分かった。 次に、較正済みの6L6を使った調整である。English Dialなるもの(なぜEnglishなのかは不明)が2連のVRでできているのだが、何と前の段のハンダを外すと後ろ半分が少し回転するような仕組みになっている。6000micro mhoのレンジに合わせて、ちょうど球の較正データと一致するように後ろ半分を回転して調整する。そしてまたハンダ付けすれば出来上がりである。何とか無事に較正作業が終了した。
2008.01.12
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PIC9801さんから真空管試験器とは何だ? という質問があったので、知っているところをまとめてみようと思う。真空管試験器は真空管の良否の判定や、特性の選別に使われるもので、大きく分けて3つのタイプがある。1.エミッション試験器 エミッション試験器はバイアス電圧を固定しておいて(普通2極管動作)、所定の電流が流れるかどうかを判定するもの。簡易版ではあるが、良否判定は可能である。たくさんの会社から出ていて、中古品で2~4万円くらいで入手できる。2.Gm試験器 Gm試験器はバイアス設定があって、Gm(相互コンダクタンス)を測定することができるもの。真空管の下にある左側の大きなダイヤルがバイアス設定である。もう一つのダイアルは信号電圧の設定に使う。設定はロールチャートの表示に従って行うので、難しいところはない。Hickok社のものが有名で、軍用のTV-7や民生用の600A,800などがある。4桁番号の6000などは旧型ST管が差せないので注意。中古で5~7万円くらいで入手できる。私が今回購入したのは600Aである。3.細かい設定が可能な大型のGm試験器 バイアス電圧はメーターを見ながら自由に可変でき、Gmのレンジを選択すると信号電圧も自動的に変わる。ただし、データがなければしょうがないので、結局2のタイプと機能的には大差ない。巨大なので置き場所に困るかも。Hickok社の製品しか見たことがない。軍用のTV-2や民生用の539などがある。ウェスタンエレクトリック・バージョンもある。中古で10~15万円くらいか。私が以前購入したのは539Aであるが、壊れていた。せいぜい1960年頃までの古い製品が多いため、較正が必要である。較正するには、Gmの分かっている基準管を用いて内部を調整する必要がある。真空管試験器の使い方についてはあらためて紹介しようと思う。
2008.01.03
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真空管試験器Hickok 600Aを較正するための6L6付きCalibration Instructionがついに届いた。6L6はメタル管タイプなので、なかなか精度が良さそうな感じがする。Gm=5500Micromhosとラベルに書かれている。やはり、あの会社は本物だった。一緒に入っていたCalibration Instructionに、文書を作成した日付が入っていた。何と私の誕生日そのものである! 50年以上も前のちょうどその日に作られた文書を手にするというのもまことに不思議な縁である。
2007.12.14
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2年前に同じくHickokのマニュアルを購入したUSAのサイトで、600/600A用の較正済みの6L6が付いたCalibration Instructionがカタログに出ていたので、注文してみた。その後、全然なしのつぶてだったのだが、よく調べたらちゃっかりカードから代金が引き落とされている。1ヶ月経っても品物が届かないので、クレームのメールを出したら返事が来て、今日発送しますと来た。どうもいい加減な男らしい。I'm sorry my equipment was broken. I have now repaired it and your itemwill be shipped today.ということなのだが、まさか真空管がbrokenしたのでrepairしてるなんてことじゃないでしょうナ…。
2007.12.11
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真空管試験器Hickok 600Aは一応動作しているが、Gmの表示値が全体に低く、レンジを切り変えると値が変わってしまう。一度較正する必要があることが分かった。以前、マニュアルを購入したUSAのサイトで、較正済みの6L6が付いたCalibration Instructionをカタログに出していたので、問い合わせているのだが、まだ返信が来ない。もしかすると2年の間につぶれてしまったのかもしれない。他のサイトに載っていたチェック法でDC,AC電圧をチェックしてみたところ、特に問題はなかった。問題は、やはりGmの読みなのだ。 で、中を開けてみた。スイッチ類はなかなかきれいな状態である。整流管の陰に隠れている2連VRが調整すべき対象なのだが、何か標準がないと調整することができない。
2007.11.23
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またまたと言うべきか、性懲りもなくと言うべきか、以前オークションで買った真空管試験器Hickok 539Aが不良品だったにもかかわらず、再びHickok 600Aをオークションで落としてみた。今度は「動作保証」ということで、マニュアルも付いている。Hickokの真空管試験器では軍用のTV-7があまりにも有名だが、民生用のものの方がきれいで使いやすそうである。大きさは思ったより大きく、43cm×28cmくらいある。巨大なメーターが13cm×11cmくらいあるのに感動した。一応Gm測定もショートテストもできるようだ。先日ご臨終になったEL34をチェックしてみたところ、グリッド・カソード間がショートしていることが分かった。電流が流れすぎるわけである。それにしても、50年以上前の製品がこのように活躍し始めるのはすごいことではないか。
2007.10.21
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真空管試験器Hickok 539Aをオークションで衝動買いしてしまった。本当は539Bか539Cが欲しかったのだが、なかなか出てこないし出ると高値が付いてしまう。539Aが割と安かったので落としてみた。539Aは設定値がBやCと異なるのだが、基本的な機能は同じである。もっとも、マニュアルはなし、蓋もなし、一応Gmは測れるということだった。 そしてついに到着したのだが…。結論から言うと…バイアス調整が壊れていた。切り替えができないし、メーターもいかれている。これがオークションの怖いところだ。まあ何しろ50年も昔の物なので、最初動いても早晩修理が必要になるわけだが…。 それでも、毎日楽しく眺めているところである。中身はまさにスイッチの固まりですな。それにしてもマニュアルはどこかにないものか? 539Bなら簡単に手に入るのだが…。
2005.11.08
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